ドネアvsウーバーリ感想。ドネアのクソかっこいい主人公属性と往生際の悪さ。もうお前、サウスポー得意じゃねえかw 最高だったぞ【結果・感想】

ドネアvsウーバーリ感想。ドネアのクソかっこいい主人公属性と往生際の悪さ。もうお前、サウスポー得意じゃねえかw 最高だったぞ【結果・感想】

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2021年5月29日(日本時間30日)、米・カリフォルニア州で行われたWBC世界バンタム級タイトルマッチ。同級王者ノルディ・ウーバーリvsランキング1位ノニト・ドネアの一戦は4R1分52秒KOでドネアの勝利。2011年2月のフェルナンド・モンティエル戦以来、約10年3ヶ月ぶりのバンタム級王座戴冠に成功した。
 
 
2019年11月の井上尚弥戦から約1年半のブランクが開いたノニト・ドネア。
対する王者ノルディ・ウーバーリも自身の新型コロナウイルス感染もあり、ドネアvs井上尚弥戦の同日に井上拓真に勝利して以来のリング復帰となる。
 
 
試合は開始直後から前後左右に動きながら出入りを繰り返すウーバーリに対し、ドネアはガードを高く上げてじっくりと前進。パワフルなスイングでウーバーリの踏み込みを牽制する。
 
1、2Rこそウーバーリのスピーディな出入りを持て余したドネアだが、3Rの2分過ぎにコーナー付近でカウンターの左フックをヒットしこの日最初のダウンを奪う。
ウーバーリも何とか立ち上がって試合が再開されたが、ラウンド終了のゴングと同時に再びドネアが左フックをヒットし2度目のダウン。
 
深いダメージを負ったウーバーリは4R開始と同時に一気にペースアップするが、ドネアは焦らずこれまで通りガードを固めてプレッシャーをかける。
 
そしてラウンド中盤、プレッシャーでウーバーリが怯んだところでドネアのアッパー気味の左が顎を捉える。この1発でウーバーリは崩れ落ちるようにダウン。そのまま立ち上がれずに試合が終了する。
ドネアの勝利が決定するとともに、約10年ぶりのバンタム級王座戴冠を果たした。
 
ライト級のルイス・ネリことジョジョ・ディアスとデビン・ヘイニー? 注目度は低そうだけど僕は楽しみ。ライアン・ガルシアよりもこっちが決まれ
 

こんなにカッコいい勝ち方ってあります? ドネアは井上にバトンなんか渡しちゃいないからな

以前から何度か申し上げているように、僕はノルディ・ウーバーリという選手にまったく興味がない。2019年11月の井上拓真戦も後半は強烈な睡魔との戦いを強いられた記憶がある。
 
2020年12月に予定されていた防衛戦が自身の新型コロナウイルス感染で中止になったことは気の毒だったが、代わりにドネアvsエマヌエル・ロドリゲス戦の決定戦には「おお!!」と思ったりもした。
 
ノニト・ドネアの相手がロドリゲスに変更? ようやく興味が出てきたかな。ウーバーリは気の毒だけど、いまいちそそられなかったのよね
 
なのでこの試合も当初からいまいちテンションが上がらず、ボーッと鼻くそをほじりながら視聴をスタートしたわけだが……。
 
いや、すげえなおい。
こんなカッコいい勝ち方ってあります?
 
前回の井上戦でドネアのことがお気に入りになった僕だが、この試合でさらにのめり込みそうな予感。
 
「あの試合でドネアから井上尚弥にバトンが渡された」と多くの方がおっしゃっていたが、なーにを言っとるんだと。
今後もドネアはバンタム級のトップ戦線に絡むし相変わらず強いに決まってる。
 
などと思っていたが、ガチでその通りになった感じ。
 
これはもう、断言してもよさそうですね。
井上にバトンを渡したのではなく、あの試合で“ノニト・ドネアの第二章”がスタートしたのだと。
 

ウーバーリのスピード、的確さに驚いた。井上拓真もこの選手に負けたのなら仕方ない

一応言っておくと、両者の実力はかなり拮抗していたと思う。
 
1Rからスピーディな前後の出入り+鋭い右リードでドネアを牽制するウーバーリ。
右リードを出した直後に打ち込むに左も鋭さがあり、この試合に向けた仕上がりのよさを感じさせる。
 
ドネアもそのつどカウンターを返してはいたが、打ち終わりにウーバーリの姿勢がほとんど崩れないせいでなかなか有効打を奪えない。
 
お互いが持ち味を発揮した立ち上がりだったが、どちらかと言えば序盤2Rはウーバーリのスピードがドネアを上回っていたように思う。
 
というか、ウーバーリのスピードとワンツーの的確さにはかなり驚かされた。
申し上げたように僕は根本的にノルディ・ウーバーリにまったく興味がなく、この選手がどんな試合運びをするのかををほとんど忘れていた。
そのせいもあってか、1、2Rのスピーディな立ち上がりは相当なインパクト。井上拓真もこれに負けたのなら仕方ない。むしろ終盤にボディを効かせた(よね?)だけでもすごいと言ってよさそう(今さら?)。
 
井上拓真がウバーリに大差判定負けで王座統一失敗。相手に恐怖を感じさせる1発が出るといいな。兄貴みたいな
 

すべてのパンチにナチュラルにカウンターを返す圧倒的センス。ドネアが必勝パターンに突入したぞ

ただ、それでもこの日のドネアに慌てた様子はいっさい見られない。
高くガードを上げて前進を続け、ウーバーリが踏み込んでくればそれに合わせてバックステップ。打ち終わりにパワフルなカウンターを返していく。
 
このパンチが見るからに重く、1発1発の迫力が段違い。
きっちりガードしたはずのウーバーリが身体ごと弾かれる様子からも、バンタム級におけるドネアのハードパンチャーっぷりがはっきりと伝わってくる。
 
そして、2Rの1分過ぎあたりからこのカウンターが徐々に合い始める。
遠間からいきなりの右でウーバーリの顔面を跳ね上げ、直後に小さなバックステップで左をかわすドネア。そのまま間髪入れずにカウンターの左をヒットし、ウーバーリの左にさらに右を被せていく。
 
で、ウーバーリが強引に踏み込んでくれば得意の下がりながらの左フック。
2019年11月の井上戦でも見せたドネアの刹那のカウンターである。
 
ほんのわずかな攻防で立て続けに3発(うち2発がカウンター)を入れ、あっという間にウーバーリを射程外に追い出す。
すべてのパンチに閃光のようなカウンターをナチュラルに返していくドネアの必勝パターンである。
 
そうそう。
これが出るとドネアのペースになるんですよね。
 
2010年代前半までのドネアはどちらかと言えば1発頼りの“待ち”のスタイルだったが、WBSSトーナメントでバンタム級に復帰して以降はガードを高く上げてじりじりプレッシャーをかけるブロック&リターンへの傾倒が見られる。
 
しかも持ち前の意味不明なカウンターは健在。このカウンターを相手に圧力を感じさせながら放つ分、1発の威力はより増している印象である。
 
信じる心が拳に宿る。ドネアが井上尚弥に敗れるも、12Rの大激闘。敗者なきリングに感動しました
 

カウンターと馬力で圧力を感じたウーバーリがコーナーでダウン。かつての1発狙いとは一味違う、馬力と両立したカウンター

2Rラウンド中盤、ドネアにタイミングを掴まれていることを感じたウーバーリーはそれ以降、なかなか積極的に前に出られない。
防御重視の後傾姿勢で放つ右リードには体重が乗らず、ドネアの圧力に飲まれて左右への動きも半減する。
 
逆にドネアはガードを下げてL字気味で構え、必殺の左を出しやすい攻撃姿勢へと移行。若干腰を落としたスタンスでプレッシャーを強めていく。
 
左のカウンターをチラつかせて右リードを封じ、いきなりの右で顔面を跳ね上げながらウーバーリを真正面に誘い出す。
左足を外側に出して逃走経路を塞ぎ、正対したままの打ち合いに巻き込む流れ。
 
そして、ウーバーリにコーナーを背負わせての打ち合いから左のカウンターでダウンを奪取。
 
プレッシャーをかけて相手の攻め手を奪い、苦し紛れに出てきたところにドカン。
先に相手に手を出させてそこに合わせるかつてのカウンターとは一味違う、前に出る圧力と両立した凄まじい1発である。
 

“第2の全盛期”に入ったドネア。もうサウスポーが得意と言っていいんじゃない? ダウン後の確信歩きがカッコよすぎてw

いや〜、すごいですねノニト・ドネア。
 
“フィリピーノ・フラッシュ”と呼ばれた頃の鮮烈さがあるわけではない。
一瞬一瞬の動き自体は間違いなく落ちている。
 
だが、それ以上に身体の強さとハードパンチャーっぷりが尋常じゃない。
バンタム級での戦い方、自分の特性を熟知しているというか。ある程度の被弾はOKのブロック&リターンに抜群のカウンターを上乗せしたスタイル。
 
この階級では多少パンチをもらっても効かされることはない。逆に自分のパンチが1発当たれば相手が怯むことをよくわかっているのだろうと。
 
冗談でも何でもなく“第2の全盛期”に入ったと言っていいのではないか。


しかもアレだ。
バンタム級転級以降はステフォン・ヤングを6RKO、ノルディ・ウーバーリを4RKOといずれもサウスポーに完勝しているという。
左ジャブが少なくvsサウスポーが苦手と言われたドネアだが、むしろ得意じゃねえかと。
 
左カウンターをチラつかせながら圧力をかけるスタイルがそのままジャブの代替になっているというか。
今のドネア相手だと、小柄なサウスポーではあっという間に飲み込まれてしまう。
 
 
最初のダウンを奪った直後の確信歩き観ました?
大声援の中、ウーバーリの様子も確認せずにニュートラルコーナーに帰っていく姿におしっこが止まりませんでしたよボカァww
 
「Oubaali vs Donaire HIGHLIGHTS: May 29, 2021 | PBC on SHOWTIME」より引用

 

 

ドネアの往生際の悪さがマジで好きw 負けを認めない頑固さ、我の強さがモチベーションの維持に繋がる

当初からあまりテンションが上がらなかった今回のノニト・ドネアvsノルディ・ウーバーリ戦。
 
だが、数日前に下記の記事を読んでからでドネアを応援する気持ちが強くなったことを報告しておく。
 
「38歳ドネアは年齢を跳ね返す 1年半ブランクはむしろプラス「あいつ何歳だ?ってね」」
 
2019年11月の井上戦、9Rに井上を明確にグラつかせた勇姿はガチで興奮したが、その直後に様子を見てしまったのは本当に惜しかった。あの時点で井上にまだ余力があると感じたのだと思うが、結果的に回復の時間を与えてしまうことに。
 
そして上記の記事内、11Rに喫したダウンについてのコメントが最高である。

イノウエから彼のベストショットを食らった。もし肝臓に食らわなかったら俺はダウンしていなかった

「あのパンチが当たらなければ倒れていなかった」など、勝負ごとにおいて「なーにを言っとるんだ君は」の最たるもの。正直、それを言っていいのであればすべての敗北に理由づけが許されてしまう。
 
仮に僕が160kmを投げる肩を持っていれば大谷翔平のようにメジャーリーグで億を稼いでいたとも言えるわけで。
 
そして、僕はこういうドネアの往生際の悪さが大好きである。
 
世間的には潔く負けを認めることがよしとされる風潮があるが、僕は必ずしもそうは思わない。
むしろどう見ても負けているのに「俺は負けてない!!」と喚き散らす往生際の悪さ、頑固さにこそ次に繋がる部分があるのではないかと。
 
井上との試合直後に「正々堂々と戦いたかったから井上の右目を狙わなかった」などと秒でバレる後付け理由を並べたりもしていたが、この往生際の悪さがドネアの息の長さ、主人公属性を生み出す要因なのかなとも思うわけで。
 
「なぜ井上尚弥の右目を狙わなかったのか ドネアが決勝を回想「古いかもしれないが…」」
 
スポーツ選手が謙虚な人格者である必要はまったくない。
特にプロの世界で長期間トップレベルに居続けるには高いモチベーションの維持が必須。それにはドネアのような往生際の悪さや頑固さが不可欠なのかも? とも思ったり。
 
前回「井上尚弥のインタビューから“自分の強さへの自信と適度なエゴイズム”がにじみ出ている」と申し上げたが、ノニト・ドネアのそれとも共通している気がする。
 
井上尚弥vsダスマリナスどうかなぁ…。ボワイヨよりも粘れるか。ダスマリナスはいい選手だけど、今回は歴史に名を残すレベルの相手…
 
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