まさかのパッキャオvsスペンスJr.か。実はメイウェザー以上にオレ様ルールのパッキャオだけど、それが許される格があるんだよ【予想・展望】

まさかのパッキャオvsスペンスJr.か。実はメイウェザー以上にオレ様ルールのパッキャオだけど、それが許される格があるんだよ【予想・展望】

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2021年8月21日(日本時間22日)、米・ネバダ州ラスベガスで行われるWBC/IBF世界ウェルター級タイトルマッチ。同級2団体統一王者エロール・スペンスJr.に6階級制覇王者マニー・パッキャオが挑戦する。
 
 
2020年12月にダニー・ガルシアに勝利し、5度目のIBF王座防衛に成功したエロール・スペンスJr.が迎える6度目の防衛戦。
挑戦者マニー・パッキャオは2019年7月にキース・サーマンに勝利してWBA同級王座を防衛してからリングに上がっておらず、現在は休養王者の立場。2年以上のブランクを経ての復帰&42歳という年齢がパフォーマンスにどこまで影響するかが注目される。
 
戦前の予想はスペンスが大きくリードしているとのことだが、パッキャオ陣営は「彼が普通の人間ではないことを理解していない」と不利予想を覆せると反論している。
 

勝敗予想はスペンスの判定勝利。パッキャオのコンディションがわからないので何とも言えませんが

マニー・パッキャオvsエロール・スペンスJr.。
 
まず最初に勝敗予想をしておくと、今回はスペンスの判定勝利でいくことにする。
もしかしたら終盤KOもあるかな? くらいの感じで、パッキャオにとっては相当厳しい試合になるのではないか。
 
 
と言いつつ、正直なところはよくわからない。
案外パッキャオががんばりそうな気もするし、スペンスがパッキャオの動きについていけずに持て余しそうな気もする。
 
そもそも2年以上試合をしていないパッキャオのコンディションがどの程度なのかかが不明。パッキャオ陣営が「自動車事故を起こしたスペンスがそれ以前の状態に戻っているとは思えない」とコメントしていたようだが、いや、それをお前らが言うんかいと。
 
黄昏時のサーマンが若き王者パッキャオ(40)に2-1で敗れる。肘も痛いし足も動かない。だから僕はサーマンに感動したんです
 
さらにパッキャオがこれまでのキャリアでサウスポーとの対戦が少ないことも大きい。
過去の試合を10年以上に渡って振り返ってみたのだが、唯一見つけたのが2008年6月のデビッド・ディアス戦のみ(それ以降にもあったらすみません)。9RTKOで勝利しているものの、今から13年前の試合な上に階級もライト級。これがどこまで参考になるか。
 
 
またエロール・スペンスJr.に関しても、vsサウスポーは2015年9月のクリス・ヴァン・ヒーデン戦までさかのぼる。
2017年5月のケル・ブルック戦で初戴冠を果たしてからは強豪との対戦が続いているが、いずれもオーソドックスばかり。
 
どちらもサウスポーとの対戦が久しぶりで、なおかつパッキャオがどこまで仕上げてくるかがよくわからない。
普通に考えればスペンス絶対有利だとは思うが、意外とパッキャオがやっちゃうんじゃないの? という思いも少しだけあったりする。
 

両者ともにvsサウスポーは苦手ではなさそう。でもパッキャオがスペンス相手にあの動きができるかと言ったら…

まあ、わからないばかり言っていてもアレなので試しに上記2戦を観てみたところ、どうやら両者ともvsサウスポーは苦手ではないっぽい。
 
スペンスは右リードがスムーズに出る上に左ストレートもよく伸びる。相手のクリス・ヴァン・ヒーデンが右リードに邪魔されてなかなか距離を詰められず、真正面から左ストレートを被弾しまくるシーンが印象的だった。
 
だが、クリス・ヴァン・ヒーデンはあまり頭の位置が動かず防御はガード中心の選手。スペンスとしてもやりやすい相手だったと想像する。
 
前手の差し合いで圧倒し、遠間からの左でダメージを蓄積させてねじ伏せる。
近場でのボディでダウンを奪いつつ、最後はロープ際でフルボッコにしてレフェリーストップを呼び込む流れ。
vsオーソドックスと比べてそこまで大差ない試合だったと言えそうである。
 
エロール・スペンスがうまかったなオイ。ダニー・ガルシアにカウンターのチャンスを最後まで与えず。なお、おもしろい試合ではない
 
一方のパッキャオだが、こちらもオーソドックス相手の試合とまったく遜色はない。
右リードの連打で相手を怯ませ、距離を詰めてアングルを変えながら連打を浴びせる。
相手が反撃してくれば、その瞬間にパッと離れて射程の外へ。
 
踏み込みの鋭さ、手数の多さ、サイドへの動き等。
絶えず足を止めずに相手を置いてきぼりにするパッキャオのスタイルはサウスポー相手でもそのまま展開されていた。
 
とは言え、相手のデビッド・ディアスは身長168cm、リーチ175cmとパッキャオと似たようなサイズ(パッキャオは身長168cm、リーチ170cm)だったことに加え、射程が短く決して手数が多いタイプではない。
そう考えると、今回のスペンス戦でパッキャオが同じ動きができるとは思えないのが……。
 

パッキャオが勝つにはスペンスの右リードをかいくぐる必要がある。2016年あたりにやっておけばとも思うけどね

スピードと出入り、手数はパッキャオ。
サイズと射程の長さ、1発の威力、貫通力はスペンス。
 
パッキャオが優位に立つには運動量でスペンスを圧倒して右リードをかいくぐる必要があるわけだが、今のパッキャオにそれができるかどうか……。
リッキー・ハットンやミゲール・コットを制圧していた頃なら十分勝機はあったと思うが、さすがに42歳のパッキャオに10年以上前と同じ動きをしろというのも無理がある。
 
またマイキー・ガルシアは中間距離での差し合いでスペンスの右リードをカウンターで抑え込んだが、残念ながらパッキャオにそれができるイメージは浮かばない。
 
マイキー・ガルシアvsジェシー・バルガス感想。マイキーの右すげえ。でもバルガスもヨカタ。予想以上にいい試合だったな
 
強いて言うなら2016年11月のジェシー・バルガス戦だろうか。
ガードを高く上げて踏み込みをチラつかせながらプレッシャーをかけ、一定の距離で釘付けにする。あの試合運びを再現できれば勝機を見出せるかな? といったところか。
 
と言いつつ、ジェシー・バルガスとエロール・スペンスJr.では1発の貫通力も前に出る馬力もまったく違う。しかもスペンスはショーン・ポーターをダウンさせた左フックや相手を迎撃するショートのアッパーなど、近場での対応力も兼ね備える。
 
いろいろと考えていくと、やはり今のパッキャオがスペンスをどうにかするのは難しいのではないか。
せめてジェシー・バルガスに勝利した直後、スペンスの戴冠前にやっておけばとも思うが、今さらそんなことを言っても無意味だしね。
 
 
それでも簡単にはロマンを諦められないのがマニー・パッキャオという選手なのだが。
 

パッキャオvsスペンス戦の正式決定にはめちゃくちゃ驚いた。てっきりvsマイキー・ガルシアだとばかり思っていたら

表題の通りなのだが、今回の「マニー・パッキャオvsエロール・スペンスJr.戦正式決定!」の報道ははっきり言ってめちゃくちゃ驚いた。
 
以前にもちょろっと申し上げたようにいずれパッキャオvsマイキー・ガルシア戦が決まると思っていたし、少し前には「テレンス・クロフォードと交渉中」という話も聞こえてきていた。
 
俺たちのパッキャオが帰ってくる? vsマイキー・ガルシアは一番いい選択だと思ったよ。「対戦合意!」してからが長いのがボクシングだけど
 
その中でvsスペンスというのはさすがに……。
もちろんパッキャオ陣営の中ではスペンスも選択肢の一つだったとは思うが、それでもまさかそこに行くとは。
 
ウェルター級としては小柄で、2017年7月のジェフ・ホーン戦のように馬力のある相手に飲み込まれてしまう今のパッキャオ。それに対し、ミドル級でもやれるんじゃねえか? というくらい大柄なスペンス。パッキャオがこの対戦を選んだのは本当に意外だった。
 

実はメイウェザー以上のオレ様ルールのパッキャオ。コナー・マクレガーと交渉中! という報道もあったしね

というか、2016年の復帰以降のパッキャオって実はメイウェザー以上のオレ様ルールですよね。
 
「パッキャオvsマイキー・ガルシア戦が合意!!」「来週中にも正式発表か?」と報道されたのが2021年3月始め。
そこから何の音沙汰もなくさらっと2ヶ月が過ぎ、突然降ってわいたようなタイミングで「パッキャオとクロフォードが交渉中!!」の報道が。
 
いやいや、嘘だろ。
何の前触れもなくいきなりクロフォード?
その前にマイキー・ガルシアはどうしたよ?
 
などと思っていたら、数日後に「スペンス戦が決まったぜウェーイ」というまさかの展開に。
 
それ以前もサウジアラビアでアミール・カーンと対戦するとか、UFCのコナー・マクレガーと交渉中とか、メイウェザーとの再戦に前進したとか。
噂レベルの情報が出ては消えてを繰り返していた記憶がある。
 
メイウェザーも日本のRIZINに登場したりYouTuberとの対戦が決定したりと話題に事欠かないが、言ってもすでに引退した身である。
いまだに現役で、なおかつWBAのタイトルを抱えたままひと儲けを目論むパッキャオの方がよっぽど節操がないんじゃないの? と僕などは思うのだが。
 
亀田和毅vs三宅寛典の放送事故級の謎試合。クソ微妙なモズリーJr.がクイグリーと大接戦、アントワンがサンティアゴ相手にラッセルしてた
 

ボーナスステージ上等、オレ様ルールが許される“格”がパッキャオにはある。何だかんだで強敵を選ぶパッキャオくじはやっぱりカッコいいw

そして、それが許される“格”がこの選手には存在する。
 
再三申し上げているようにボクシングの交渉の長さ、モンキービジネスっぷりはガチで目に余る。
ヘビー級のタイソン・フューリー、アンソニー・ジョシュア、デオンティ・ワイルダーの三つ巴などはビジネスを肥大化させ過ぎたことで機を逃した典型的な例。
 
先日、タイソン・フューリーとデオンティ・ワイルダーが第3戦目に口頭合意したとのことだが、あまりに想定内過ぎて笑いすら漏れてくるレベル。


こんなことばっかりしてたら、そりゃあ米国内での人気でUFCに置いていかれるよねとしか言いようがない。
 
実現しなきゃダメだった幻の試合。マッチメークが難しいのはわかるけど、そこはやらなきゃアカンかったよねという組み合わせ3選
 
だが、同じようにフラフラしていても“パッキャオなら許される”というのは間違いなくある。
 
なぜならパッキャオだから。
 
現役の王者ながらフィリピンの次期大統領候補? であることも手伝い、パッキャオだから仕方ないという空気は確実に存在している。
 
もちろんこれは本人が実力でひねり出したもの。
6階級制覇の実績、初戴冠から20年以上トップに君臨し続ける鉄人っぷりに加え、アジア人初という強烈なルーツ。
 
WBA休養王者のままWBC/IBF王座統一戦のリングに上がるなど本来なら意味不明極まりないのだが、パッキャオの場合は「さすが」と言われてしまう。
 
なぜならパッキャオだから。
 
 
ジェフ・ホーン戦以降のパッキャオは完全にボーナスステージに突入、オレ様ルールを発動中だが、選ぶ相手は結局強豪ばかり。
 
“ベルトの価値”などとっくの昔に超越していて金儲けも大好き。
だが、何だかんだで最後の一線を超えることはしない。
 
クロフォードとの対戦交渉が秒で消えたのも、恐らくクロフォードの超絶不人気っぷり、実入りの少なさに愕然としたからだと想像する(適当)。
 
 
つまり、“パッキャオくじ”はやっぱりカッコいいのであるww
 
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