マイキーvsイースター感想。イースターがんばった。マイキーは淡々と左を出し続けて勝利。やっぱりイースターじゃ厳しいよな【結果・感想】
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2018年7月28日(日本時間29日)、米・ロサンゼルスで行われたWBC、IBF世界ライト級王座統一戦。WBC同級王者マイキー・ガルシアとIBF同級王者ロバート・イースターJr.が対戦し、3-0(116-111、117-110、118-109)の判定でマイキー・ガルシアが勝利。王座統一に成功した試合である。
無敗同士の統一戦となった今回。
両者は試合序盤からリング中央で鋭い左の差し合いを繰り広げる。
長身でリーチの長いイースターの左をガードし、すぐさま自らの左を返すマイキー。
そのうち何発かがヒットし、イースターの顔面を跳ね上げる。
逆にイースターの左はマイキーのパリング、ガードで防がれ、有効打を与えることができない。
リング中央での差し合いで均衡が崩れ、イースターは徐々に後退させられる。
そのつどロープを背負い、貫通力の高い連打を浴びる。
「リナレスがS・ライト級進出? アブネル・コットを3RTKOで再起に成功。S・ライト級でマイキー、ラミレスに挑戦だと?」
対するマイキーは終始ペースを崩さず、淡々と左を突き刺していく。
3Rには抜群のタイミングで右クロスをヒットしてダウンを奪うなど、各局面でイースターを圧倒する。
そして、そのまま最終ラウンドまで攻め続けたマイキーが、見事に3-0の判定勝利を飾った。
これで戦績を39勝無敗30KOとしたマイキー・ガルシアは、次戦以降、ウェルター級の最強王者エロール・スペンスJr.へ挑戦する意向とのこと。
「木村翔がサルダールをボディでKOして2度目の防衛に成功。中国の英雄がまたやったぜ!! 次は田中恒成戦か?」
富と名声を得られる相手にどんどん挑戦するマイキー・ガルシア。生き急ぎのキャリアはとうとうスペンスにまで…
2018年3月のセルゲイ・リピネッツ戦以来、約4か月ぶりのリングとなったマイキー・ガルシア。
今回はS・ライト級ではなく、王座を保持しているライト級での一戦。無敗のロバート・イースターJr.との2団体統一戦である。
「イースターってこんなヤツなんだ。フォルトゥナに2-1で辛勝。顔が嫌いで観てなかったけど、インファイトしちゃうんだね」
何度か申し上げているように、2016年に復帰してからのマイキーはとにかく前のめり。生き急ぎ過ぎているというか、富と名声を両取りできる相手を片っ端から選んでリングに上がり続けている。
調整試合もなしでいきなりS・ライト級でエイドリアン・ブローナー、セルゲイ・リピネッツを撃破し、今回はライト級に戻してのイースター戦。
で、今度はウェルター級王者のエロール・スペンスJr.を狙っているとのこと。
恐らく本人はオスカー・デラホーヤやマニー・パッキャオの立ち位置まで登りつめたいと考えているのだと思うが、まあようやるわと。
個人的には、適正階級で長期防衛を目指す方がはるかにいいような気もするのだが。
「パッキャオがマティセを寄せ付けずに9年ぶりKO勝利。僕たちの英雄は世界一強い大統領(予定)。最高にカッチョいいだろ?」
ロバート・イースターを選んだのはすげえ理解できるよね。過去2戦でたっぷりL字ディフェンスを攻略したからね
今回の試合の感想については、
「なるほど、やっぱりこうなるか」
といった感じか。
この1年でエイドリアン・ブローナー、セルゲイ・リピネッツに勝利したマイキーだが、その流れでロバート・イースターJr.を選んだのはめちゃくちゃ理解できる。
「井上拓真がヤップに勝利。これ、世界王者なれるんちゃう? ウーバーリ? ウォーレン? ペッチ? 松本亮はゾッとした」
ブローナー、リピネッツ、イースターの共通点は一目瞭然で、3人とも構えがL字。
そしてブローナー、リピネッツとの2戦によって、L字のクネクネディフェンスがマイキーのワンツーには通用しないこともはっきりしている。
貫通力の高いマイキーの左はL字の上体反らしでは追いつかず、追撃の右を防ぐのが手いっぱい。彼らの得意な反動をつけてのカウンターを打つ余裕はまったくない。
中間距離での差し合いでは歯が立たず、じわじわ後退させられロープを背にして連打を浴びる。
ブローナーもリピネッツも、似たようなパターンでマイキーの前に屈してしまった。
「マイキー・ガルシア4階級制覇達成!! リピネッツに3-0で勝利。やっぱりS・ライト級ではスペシャル感は薄れるよな」
マイキーもイースターも精度の高い左の持ち主だけど、ディフェンス面での相性が悪過ぎた
そして、今回のロバート・イースターJr.も基本的にはブローナー、リピネッツと同じ。
「ビボルvsチレンバ感想。おいおい、チレンバ次は勝てるんじゃないか? いい試合だったな。ビボル勝利は文句ないけど」
マイキーの左リードにディフェンスが間に合わずに顔を跳ね上げられ、自分の左はしっかりガードされる。
リードの差し合いで常に上を行かれ、徐々に得意な距離を維持できなくなる。
案の定、じわじわと後退させられ、ロープを背にして連打を浴びてしまう。
正直、両者の左にそこまで差があったとは思わないが、ディフェンス面の相性に関しては最悪だった。
「ブローナーvsバルガスが熱かった。まさかブローナーの試合でこんなにテンションが上がるとはw 会場が殺伐としたんだって」
しかもイースターにはブローナーほどのカウンターはなく、どちらかと言えば左リードで流れを作るタイプ。
鋭い左で相手を突き離し、スペースができたところで打ち下ろしの右というパターンを得意とする。
だが、肝心の左の差し合いで圧倒され、ほとんど右を出す暇がない。
圧力に耐えるためにスタンスを広げて踏ん張るせいで、長身のアドバンテージも相殺されてしまう。
「プログレイスvsベラスコ感想。プログレイスすごいね。猛獣的な強さを感じる。そしてWBSSのS・ライト級がクッソ楽しみ」
もう、すべてがマイキー・ガルシアの計算通りというか、予定調和の中で行われた試合というか。
相手の特徴と自分の持ち味を十分加味したマッチメークというか。
なりふり構わず生き急いでいるように見せて、実は相手を選んで狡猾にキャリアを進めているのがわかる。
「ウィリー・モンローJr.が村田に挑戦だと!? ロサレスvsバーンズ、テクアペトラvsビーモン、モンローvsマシエル振り返り」
さすがにエロール・スペンスへの挑戦は無謀としか思えないが、それでも「何か秘策でもあるのか?」と勘ぐりたくなる程度にはww
「ゾラニ・テテvsミーシャ・アロイヤン予想。WBSS準々決勝で長身サウスポーとトップアマの塩マッチ?」
できる限りの工夫をし尽くしたイースター。あらゆる方法で局面を打開しようともがいたが、ダメだった…
ただ、初の黒星を喫したイースターも、実はかなりがんばっていたと思う。
完敗には違いないが、できることはすべてやり尽くした上での敗戦というか。
まず今回のイースターはいつものL字ではなく、ガードを高く上げたオーソドックスな構え。
過去2戦のマイキーの勝利を受けて、あの左を上体反らしで避けるのは不可能だという判断が見られた。
「サンキューコバレフ、お前はサイコーだった。アルバレスに7RKO負けで王座陥落。クラッシャーの終焉か?」
そして、普通のガードでも通用しないとわかると、今度はマイキーの踏み込みと同時に前に出てのカウンターに切り替える。
左足を大きく踏み出し、マイキーの左に自分の左肩をぶち当てる。そのまま強引にアッパーをねじ込み、相打ち覚悟のフックをフルスイングする。
「フューリーがピアネタを寄せ付けず。陽気なクズが蝶のように舞い、蜂のように刺した10R。睡魔との戦いこそが神の御心」
だが、それでもマイキーの突進を抑えることはできない。
そのつどリング中央から後退させられ、追撃の右を被弾してしまう。
「エロール・スペンス1RKO勝利。おいおい強杉かww でもオカンポのスペンス対策も間違いじゃなかったよね」
伊藤雅雪が大金星を挙げたクリストファー・ディアスは至近距離に安全地帯があったが、恐らくマイキーは近場での攻撃力も半端ないのだと思う。
この選手は基本的にヘッドハンターで、攻撃のほとんどが顔面に飛んでくる。それでもガードが間に合わずに顔面にもらってしまうのだから、やはりキレとパワーは相当なのだと思う。
流れを変えるために前に出たイースターだが、結局ロープを背負わされる展開に逆戻り。
「伊藤雅雪がディアスを下して王座戴冠。だから男は顔だとあれほど…w 日本人のレベルが低いとか絶対嘘だからな」
その後も足を使ってみたり、マイキーの出鼻を狙って左を連打したり。あの手この手で局面の打開を図るイースターだが、どれも劣勢を跳ね返すまでには至らず。
最後までペースを崩さず淡々と左を出し続けたマイキーに支配され、そのまま初黒星を喫してしまった。
「激戦のアレクサンダーvsベルト。思った以上におもしろかったし、思った以上に泥試合だった」
がんばったけど、どうにもならず。
やれることを全部やった上での完敗。
本人も試合後に「マイキーはグレートだ。完敗だ」とコメントしていたが、これはもう、完全に本音だったのではないか。
「山中竜也、サルダールに判定負け。足がちっとも動いてねえなオイ。アレしかなかったんだろうな」
なお、今回のイースターのファイトは個人的にかなり好感度が高いww
これまでイースターのことは「顔が嫌い」というクソ理由であまり真剣に観てこなかったのだが、今後はちょっと注視してみようかという気になっている。
ブローナーと仲がいいというだけでパリピ感満載なのだが、そこはまあ……。
「隠れ名選手グラナドス。フォルトゥナをリング外にすっ飛ばして無効試合。グラナドスはちょっと河野公平っぽいよね」
実を言うと、ホルヘ・リナレスvsロバート・イースターJr.戦が観たいなぁとひそかに思ったりもしている。
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