カネロvsゴロフキンVol.3のレフェリー、ジャッジの報酬の低さにびっくり。こんな金額で忖度や買収容疑、八百長、人種差別者扱いされる職業、しんどすぎる

カネロvsゴロフキンVol.3のレフェリー、ジャッジの報酬の低さにびっくり。こんな金額で忖度や買収容疑、八百長、人種差別者扱いされる職業、しんどすぎる

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現地時間2022年9月17日に米・ネバダ州でサウル・“カネロ”・アルバレスとゲンナジー・ゴロフキンによる世界S・ミドル級4団体統一戦が予定されているわけだが、それに伴いたまたま目に入ってきたのが下記の記事。


試合を担当する審判員の報酬額が、
・レフェリー1万ドル(約138万円)
・ジャッジ3人がそれぞれ8000ドル(約110万円)
とのこと。
 
一方、この両者は初戦(2017年9月)でカネロが4200万ドル(約47億円)、ゴロフキンが3000万ドル(約22億万円)(※PPVの歩合収益等を含む)と注目度の高さ、人気に即した金額を稼ぎ出している。
 
また2022年4月に日本で行われたゲンナジー・ゴロフキンvs村田諒太戦ではゴロフキンが約20億円、村田が6億円(※どちらも推定)と日本ボクシング史上最高額の報酬を得たことが話題になっている。
 
カネロvsゴロフキン3。金ヅル同士の3度目の遭遇。「割り切って儲けようぜ」的な乾いた同意があった気がした。ゴロフキンの追い上げに感動したよ
 

人気者同士の対戦では数十億単位の大金がポンポン飛び交う。でもレフェリー、ジャッジの報酬は…

2022年9月に予定されいてるカネロvsゴロフキンVol.3。
上述の通りレフェリーやジャッジ3人の報酬に関する記事(正確かどうかは知らん)が偶然目に入ってきたわけだが、率直な感想としては「クッソ安いな」である。
 
注目度に比例して選手のファイトマネーが上がっていくのは自然な話で、カネロやゴロフキンといった人気者同士の対戦となれば当然報酬もそれに即したものとなる。
先日のゴロフキンvs村田諒太戦ではゴロフキンが20億円、村田が6億円とも言われており、軽量級が中心の日本においては規格外の規模だったことがわかる。
 
今回のカネロvsゴロフキンVol.3のファイトマネーに関しては詳しい情報が見つけられなかったのだが、恐らくとんでもない大金が動くのだろうと。
 
村田諒太以外にゴロフキンをここまで追い詰められるヤツがどれだけおるの? でも引き出しの多さ、経験値の違いが顕著だった。改めてブランクが…
 
ところがそのビッグマッチを担当する審判員の報酬は100万円ちょい。レフェリー、ジャッジ全員の金額を合計しても日本のサラリーマンの年収のような金額にしかならない。
数十億単位の金額がポンポン飛び出す景気のよさとは真逆のシブチンっぷりである。
 
 
あまり詳しくないのだが、日本のボクシング興行におけるレフェリーやジャッジの報酬は相当低いとのこと。興行規模、試合(タイトルマッチか否か)にもよるが、1試合につき1、2万円前後だとか。レフェリーやジャッジ業だけで生活するのはほぼほぼ不可能とのこと。
 

ジャッジの1人、デイブ・モレッティ氏の2022年の年収(ジャッジとしての)を推定してみる

ちなみに上述のカネロvsゴロフキンVol.3でのジャッジの1人、デイブ・モレッティ氏を調べてみたところ、2022年8月時点でジャッジを務めたのは7興行計16試合。1興行につき2~3試合をこなしている。
 
その中でいわゆるビッグマッチと呼べそうなのは
・キース・サーマンvsマリオ・バリオス(2022年2月)
・オスカル・バルデスvsシャクール・スティーブンソン(2022年4月)
・サウル・“カネロ”・アルバレスvsディミトリー・ビボル(2022年5月)
・テオフィモ・ロペスvsペドロ・カンパ(2022年8月)
の4試合だろうか。
 
9月のカネロvsゴロフキンVol.3の報酬が約100万円ということを加味して、各試合の報酬をざっくり上から70万円、50万円、100万円、60万円(適当)と仮定する。で、その他の試合を10万円としておく(多い? 少ない?)。
つまり、デイブ・モレッティ氏の2022年8月までのジャッジ収入は単純計算で約400万円となる。
 
さらにビッグマッチと呼べる試合が年末までにあと2試合入ったとして、年間通しての収入はだいたい700万円に達するかどうか(ジャッジの報酬ってどっかに載ってるの?)。
 
 
いや~、どうなんでしょうかねこれは?
普通に生活する分にはぼちぼちだと思うが、ジャッジという職業が(悪い意味で)注目を集めやすいことを考えると決して割がいいようには思えないのだが。
 
キース・サーマンが戻ってきた。マリオ・バリオスをスピードで翻弄して判定勝利。ボディを効かされてからのマラソンもさすがだった笑
 

ボクシングのレフェリー、ジャッジなど絶対にやるもんじゃない。あの金額で人格否定レベルの罵詈雑言に耐えなきゃいかんとか、あり得ない

これは以前から何度も申し上げているのだが、僕はボクシングのレフェリー、ジャッジは絶対にやるもんじゃないと思っている(従事している人を否定しているわけではないです)。
 
大きな試合になればなるほど採点の重要性は上がり、少しでも疑問を持たれればファンや関係者、プロモーターから総スカンを食う。
2017年9月のカネロvsゴロフキンVol.1などは最たるもので、あの試合のジャッジを叩く声はいまだに聞こえてくるほど。
 
直近では2021年9月のオスカル・バルデスvsロブソン・コンセイサン戦が印象深い。
コンセイサン有利と思われた試合だったが、結果はジャッジ3人が全員バルデスを支持。勝ちを確信していたコンセイサンはあきれ顔でリングを後にしている。
 
 
この結果に対しては試合後も批判が止まらず、後日ジャッジの1人が「場内の歓声に影響された」と釈明する事態に。
 
ホームアドバンテージの存在を現役のジャッジが公式に認めたのはすげえな。コンセイサンがバルデスに勝つにはわずかな希望すら与えちゃダメだった
 
正直、あの試合の裏でどんなやり取りがあったのか、なかったのか。忖度や買収行為、人種差別などがあったのかは僕にはわからない。
仮に裏工作があったとすれば、加担した人間がそれなりの報酬は得ていることは容易に想像がつく。
 
ただ、それを踏まえた上で。
今後数年にわたって人種差別主義者呼ばわりされる人生と引き換えにできるほどの金額なのかは甚だ疑問である(いくらか知らないけど)。
 
 
また「歓声に影響された」とゲロったジャッジは十中八九買収云々には関わっていない。ガチでやった結果がアレだったのだろうと。
 
こう言っちゃなんだが、100万円ちょいの報酬で人格否定レベルの罵詈雑言を強いられる職業などやってられるのだろうか。
“レフェリーやジャッジは名誉職”という話も耳にするが、その割に失敗した際のリスクがあまりにデカすぎる。
 
ワシル・ロマチェンコ復帰戦。ジャーメイン・オルティス意外とがんばるんじゃないの? この際だから勝っちまえよ。足を止めないことが重要になりそう
 

審判やジャッジを大切にしないとロクなことにならんよ。高校野球の審判は深刻な人手不足なんだって

ボクシングに限らず、スポーツを観戦する上で審判やジャッジなど裏方の人を雑に扱う風潮は本当によくない。
 
“プロ”と名がついても決して高額報酬を得られる競技ばかりではない。審判業となれば状況はさらに厳しいと聞く。
それこそ個人のやりがいや“その競技が好き”という思いに寄り掛かる部分が多く、厳しい言葉をぶつけすぎれば当然人は離れていく。プレイヤー同様、なり手がいなくなれば競技そのものが衰退するし、最終的に運営が成り立たなくなる危険すら伴う。
 
現在、高校野球では審判の人手不足が深刻化しているとのこと。


夏の甲子園は間違いなく学生スポーツの王様だが、注目度の高さに伴い判定への批判も山ほど聞こえてくる。
特に今はSNSで切り取られてあっという間に拡散される時代。僕もTwitterや掲示板で「あの審判を即刻辞めさせろ」「2度と高校野球に関わらせるな」等、目を覆いたくなるような言葉を何度も目にした。
 
35度超えの炎天下の中、分厚いプロテクターを着込んで2時間以上立ちっぱなし。大事な場面で集中を切らして誤審でもしようものなら心ない野次馬から「辞めさせろ」「関わるな」と罵詈雑言を浴びせられる。
で、それだけのリスクを背負った上での報酬が(記事によると)1試合2000円である。
 
そらあなた。
近年の野球人気の低下、野球人口の減少を考えれば審判のなり手が不足するのも当たり前でしょという話。
 

どの競技を観戦しても必ず聞こえてくる審判やジャッジへの批判、罵詈雑言。ほどほどにしないと競技自体が衰退しちゃうぞ?

僕はボクシングや格闘技のほかにも野球、ラグビー、バスケ、アメフト、アイスホッケー、ハンドボール、フットサル、バレーボール、テニスといろいろな競技をいっちょ噛みで観戦する人間だが、審判やジャッジに対する罵詈雑言はどこの界隈でも必ず聞こえてくる。
 
競技、選手、チームに思い入れが強ければ強いほど沸点が低くなるのは大いに理解できる(僕もそうなる)が、行き過ぎはよくない
 
誤審に対する不平不満はあっていいが、ほどほどにしておけと。
度が過ぎると(自分の好きな)競技自体が衰退しちゃうぞと。
 
カネロvsゴロフキン2戦目を久しぶりに視聴。両者が憎悪とプライドをバッチバチにぶつけ合った白熱の試合。全3戦に流れがあっておもしろいよね
 
同時にボクシングのジャッジ、レフェリーなんぞやるもんじゃない、割に合わな過ぎると改めて思った次第である。
 
2021年9月の寺地拳四朗vs矢吹正道戦のバッティング騒動なんて典型的ヤツですからね。
不毛な批判にさらされた矢吹陣営は災難だったが、あの試合を担当したレフェリーも同じくらい気の毒だった。
 
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