井岡一翔vsホスベル・ペレス現地観戦。12度目の大晦日は具志堅の13度防衛にも匹敵する偉業。でも、井岡の出来自体はそこまでよくなかった?【結果・感想】

井岡一翔vsホスベル・ペレス現地観戦。12度目の大晦日は具志堅の13度防衛にも匹敵する偉業。でも、井岡の出来自体はそこまでよくなかった?【結果・感想】

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2023年12月31日に東京・大田区総合体育館で行われたWBA世界S・フライ級タイトルマッチ。同級王者井岡一翔とランキング6位ホスベル・ペレスが対戦し、7R2分44秒KOで井岡が勝利。初防衛に成功した試合である。
 
 
当初WBC王者ファン・フランシスコ・エストラーダとの統一戦を目指していた井岡一翔。
ところが交渉がまとまらずに決裂、ランキング6位のホスベル・ペレスの挑戦を受けることが発表された。
 
僕もエストラーダとの統一戦に期待していた人間で、交渉決裂の一報を聞いた際はめちゃくちゃ残念だった。
 
そうか、井岡一翔vsエストラーダあかんか。倍額よこせってのはキツいな。PPVの売り上げによる歩合制ならもしかしたら…。
 
だが、当の井岡は通算12度目の大晦日に向けてすぐに気持ちを切り替えたとのこと。
対戦相手のホスベル・ペレスは井岡にとっては格下だが、熱望していた試合が流れた直後のタイミングを考えると決して油断はできない。
 
などなど。
諸々の事情を踏まえ、今回も現地観戦することに決めた

というより井岡に対してはすでに“行く末を見届ける”心境に至っている笑
 
今後エストラーダ戦が実現するのか、別の道を模索するのかは不明だが、とにかく「最後まで見届けてやんよ」的な謎の義務感が芽生えている笑
 

井岡のKOにめちゃくちゃ感動した。気持ちの持っていき方が難しい中、ここまできっちりしたKOで勝つとは

井岡一翔vsホスベル・ペレス。
 
上述の通り結果は井岡の7RKO。2020年大晦日の田中恒成戦以来のKO勝利となったわけだが。
 
マジな話、今回はめちゃくちゃ感動した
 
相手のペレスは20勝18KOの強打者。
急遽巡ってきたチャンスに間違いなく人生をかけてくるはず。
 
一方、井岡にとっては熱望してきたエストラーダ戦が流れた直後の試合。
今後の見通しもが明るいとは言えず、気持ちの持っていき方はめちゃくちゃ難しい。
しかも、ここ数戦の動きを観るとフィジカル面が下降線に入っている感がある。
 
ホスベル・ペレスは明らかな格下ではあるが、諸々の状況を考えると“まさか”もあり得る。
 
 
その状況の中であそこまできっちりとしたKOで勝つとは。
 
正直多少はモタつくと思ったし、メンタル面の歪みが見えたとしても全然おかしくない。
少なくともジェスレル・コラレス戦が決まった直後の内山高志は完全に気持ちが落ちていた。
 
ところが井岡はそういうマイナス面はいっさい見せず、マッチメークに不満を示すこともない。
目の前に用意されたものに全力で立ち向かう、淡々と準備を重ねる姿勢はまさに超一流のプロである。
 
井岡一翔vsフェルナンド・マルティネス基本合意だって。マルティネスは田中恒成戦に向かうと思ってたから意外だった。井岡にとってはやっかいな相手?
 

井岡の12度目の大晦日は具志堅用高の13連続防衛にも匹敵する。井上尚弥とは別のベクトルでの偉大さ

個人的に井岡の通算12度目の大晦日は具志堅用高の13連続防衛にも匹敵すると思っている。
 
以前から「防衛記録になど意味はない」「誰と対戦したかが大事」等の声が多く聞かれるが、いや、そんなわけあるか
 
継続することの大変さ、トップクラスの力を維持することの難しさは山中慎介や長谷川穂積、内山高志を見れば明らか。
肉体的、精神的な充実を10年以上に渡ってキープし続けている井岡はマジでとんでもない。
 
井上尚弥のようなわかりやすい凄みとは違う、別のベクトルでの偉大さが井岡一翔にはある。


 
堤駿斗vsベンチャーラ、比嘉大吾vsナワポン。力強さが増した堤、バンタム級でのコツを掴んだ比嘉どっちもよかった。比嘉は世界戦のチャンスありますかね?
 

実はそこまで出来がいいとは思わなかった。被弾が多い、ジャブが少ない、ボディワークが鈍い

実際の試合だが、実を言うと井岡の出来がそこまでいいとは思わなかった
 
7RKO、5Rに2度のダウンを奪うなど内容に文句をつけるところは見当たらない。
ホスベル・ペレスも危険な右を振るってきたが、井岡を崩すまでには至らず。
快勝であることに疑う部分はない。
 
ただ全体を通して被弾が多い、ジャブが少ない、ボディワークが鈍い等、「おや?」と思うことが多々あり。
「今回はKOしたい」と本人が言っていたようにあえて攻めた結果だとは思うが、それでも。
 
特に気になったのがペレスの右を側頭部にもらうシーン。
恐らく1度か2度、グラっときた瞬間もあったのではないか。
 
うまく芯を外す、相手にフルスイングをさせないディフェンスが井岡の持ち味のはずが、そこがいまいち機能していなかった印象である。
 
井岡一翔が再戦でジョシュア・フランコに判定勝ち。どのモチベーションで現地観戦すればよかったの? 試合成立までのギャンブル性が高すぎるんだよw
 

前回のジョシュア・フランコ戦と同じでいいと思ったけど…。容易に侵入を許し近場での打ち合いに付き合う

下記の通り僕はペレス対策は前回のジョシュア・フランコ戦と同じでいいと思っていた。
 
井岡一翔vsホスベル・ぺレス。ラスボス(エストラーダ)戦が消えた直後の代替試合、結構危ない? 対策はフランコVol.2と同じでよさそう
 
ホスベル・ペレスは遠間からの鋭い踏み込み、躊躇のない右のフルスイングが持ち味の選手。
その反面、じりじりと距離を詰めるタイプではなく基本は大振りのぶん回しが中心となる。
 
なので、この選手を止めるには遠間からの踏み込み、近場でのぶん回しを封じるのが手っ取り早い。
 
 
井岡は前回、動き出しの瞬間にジャブを合わせることでフランコの連打を封じてみせた。
 
初戦で“待ち”中心でカウンターを狙った結果、フランコの馬力、連打に大いに苦労させられた。
それを踏まえて再戦では“前”で勝負することで連打の発動を抑え込むことに成功した。
 
今回のホスベル・ペレスはフランコほどの連打もなければフランシスコ・ロドリゲスJr.ほどのしつこさもない。
フランコとの再戦同様、動き出しのジャブを駆使して“前”で勝負できればまあ大丈夫だろうと。
 
井岡vsフランコ、カネロvsゴロフキンVol.1みたいな試合だった。井岡は負けなくてよかった。階級最強を証明するか思い出マッチにシフトするかで次戦が決まる?
 
ところがこの日の井岡は肝心のジャブが少なく簡単に侵入を許してしまう。
接近戦で真正面から受けて立つなど、いつものクレバーさも感じられない。
 
上述の通り1、2度効いたシーンもあったと思っていて、実はまあまあ危ない試合だったのではないか。
 
 
ジョシュア・フランコとの初戦でもジャブの少なさは目立ったが、この辺はフィジカル面の衰えも影響しているのか。
エキサイティングな反面、「あれ? あれ?」と思うことが多い試合だった。
 

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井岡を研究してきたホスベル・ペレス。連打とボディワークは井岡の苦手分野

一方のホスベル・ペレスだが、こちらは井岡を相当研究してきたと想像する。
 
連打型の相手に井岡がタジタジになるのは過去の試合を振り返れば明らか。
ペレスの振る舞いからは(ジョシュア・フランコ、フランシスコ・ロドリゲスJr.を参考にして)とにかく近場で手数を出す意識が感じられた。
 
また井岡はボディワークを駆使してヌルヌル誤魔化すタイプもやや苦手とする。
アムナット・ルエンロエンやドニー・ニエテスのような技巧派に最後までかわされ続けた経緯がある。
 
それを踏まえてか、ロープ際で上体を動かしまくるペレスのディフェンスはかなり効果的だった。
ペレスの過去の試合ではああいう動きは見当たらなかったのだが、こちらも対井岡用に用意してきたものなのだろうと。
 
井岡一翔vsドニー・ニエテス再戦。井岡のニエテス対策が素晴らしかった。ニエテスも相当落ちてたね。最後かも? と思って現地観戦したけど勝ってよかった
 
攻防が分離気味。
連打の精度が低い。
井岡のボディ→顔面のコンビネーションに対処できなかった。
 
いろいろと及ばず7Rに撃沈させられたものの、少なくとも楽な相手ではなかった。
当初(僕が)予想していた以上の健闘を見せてくれたと思う。
 
先日の井上尚弥vsマーロン・タパレス戦もそうだが、アンダードッグ側の研究、勝つための準備が感じられる試合はめちゃくちゃ僕好み。
 
井岡の出来の悪さ(僕の意見)も相まって、見応え十分な大晦日だった。
 
タパレスの大健闘に感動が止まらん。井上尚弥攻略の糸口? 階級アップで人外の超人っぷりは薄れたよな。最強には変わりないけど
 

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今回の衣装も比較的おとなしい笑


 

エストラーダ戦決まるとええね。再び交渉を開始するみたいだけど、結局金額の問題なんだよな…

いや、エストラーダ戦決まるといいなマジで。
 
「井岡一翔vsエストラダ統一戦の対戦交渉は今月中に再開 統一戦をする場合「5~7月ぐらい」と井岡陣営 敵地開催でもOK」
 
正直、今回の感じを見ると井岡陣営に交渉の余地が残されているとは思えないが……。
 
 
下記によるとエストラーダ本人はやりたがっているが、何だかんだで先方の希望額を用意できない限り難しいとのこと。
 
「井岡一翔との統一戦、エストラダのマネジャーが強調「希望する金額の合意がないとできない」」
 
この辺はマジで「交渉がんばれ」「金策がんばれ」以外の言葉がない。
 
 
てか、仮にエストラーダ戦が完全消滅した場合、井岡はどうするんでしょうね。
今度こそどこかで力尽きるパティーンもありそう……。
 
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