井岡一翔vsドニー・ニエテス再戦。井岡のニエテス対策が素晴らしかった。ニエテスも相当落ちてたね。最後かも? と思って現地観戦したけど勝ってよかった【結果・感想】
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2022年7月13日に東京・大田区総合体育館で行われたWBO世界S・フライ級タイトルマッチ、同級王者井岡一翔vsランキング1位ドニー・ニエテス戦を現地観戦してきた。
結果は3-0(117-111、118-110、120-108)の判定で井岡が勝利。見事5度目の防衛に成功するとともに2018年12月以来約3年7か月ぶりの再戦でリベンジを果たしている。
ボクシングとMMAの客層の違い? ボクシング会場の客はMMAに比べて立ち歩く。落ち着いて座っていられない。ボクシングの試合が長い、観るのがしんどいことを証明しちゃってる気がするよ
井岡一翔vsドニー・ニエテス。
2018年12月以来の再戦となった両者だが、前回は2-1の僅差判定ながらも僕の中ではニエテスの勝ちは明らか。井岡にとっては2014年5月のアムナット・ルエンロエン戦に次ぐ完敗だったと思っている。
天敵とも言えるニエテスとの再戦、さらに井岡の直近2戦の出来がいまいちだったこともあり、もしかしたらこれが井岡の最後の試合になるかも? と思い現地観戦を決めた経緯がある。
ただ、以前から何度か申し上げているように僕は大田区総合体育館が大嫌いである。
駅からのアクセスが悪い上に狭い板張りの窮屈な座席に長時間座らされることを考えるだけで気が滅入る。
嫌いな会場ワースト3(スポーツ観戦)。二度と行きたくない。できれば行きたくない屋内会場を発表するぞ
しかもこの日はTBS地上波での中継が21:00スタート。イベント開始時刻が17:30なので、22:00に終了すると考えると計4時間半の長丁場となる。
いや、ウッソだろ笑
あの居心地最悪なクソ空間に4時間半?
どれだけ僕のケツと腰を破壊すりゃ気が済むんだよ笑
井岡の最後の試合になるかもしれないから我慢してやるけど、せめて出場選手は全員おもしろい試合をしろよ、あ?
などと理不尽なキレ方をしつつ、当日を迎えた次第である。
比嘉大吾、堤駿斗、森武蔵振り返り。割と強かったカルコシア、ちゃんと強かったジェミノとサルダール。比嘉のガッカリ感が尋常じゃない
ウチャーマ解説員とナイトゥー大助解説員。AK-69とかいうクソダサいラッパァ()
セミファイナルが終わり、生中継が始まる直前の様子。
スタンバイ中のウチャーマ解説員とナイトゥー大助解説員が何やら相談しておる。
何かきれいな姉ちゃんいた。
そしていよいよ中継がスタート。
リングアナの呼び込みで両選手が入場。
まずは青コーナーより挑戦者ドニー・ニエテスの登場です。
続いて赤コーナーからは王者井岡一翔。
例によってAK-69の生歌とともに……。
って、コイツしれっと復活してやがったんかい。
確か去年の夏ごろにクソダサい野外イベントに出演→そこでのクソダサい振る舞いを批判されまくる→脱兎のごとく逃げてコソコソ隠れるクソダサムーブをかましてた記憶があるけど。
HIPHOP、ラッパー=ダサいを凝縮した出来事。愛知県「NAMIMONOGATARI2021」会場が無法地帯。リアルって言葉を都合よく書き換えるんだよなコイツら
何ごともなかったかのようにノコノコ出てきてるってことは、ほとぼりが冷めたとでも思ってんのかコイツ。
なるほど、相変わらずダサいな。
心底ダサい。
僕はラッパーの生歌に合わせての入場自体がダサいと思っている人間だが、その中でもAK-69はダントツでダサい。過去一ダサい。存在そのものに虫唾が走る。
そんな感じでダサい入場を済ませた井岡一翔がリングイン。
国家斉唱等の試合前セレモニーを終えていよいよ試合開始である。
ドネアvsモロニー、井岡vsエストラーダは絶対実現しろや。中谷潤人をどかせるかどうかで陣営の有能さがわかる? WBCとズブズブのリチャード・シェイファー笑
井岡のニエテス対策がモロにハマった試合。前回苦労したニエテスのジャブにカウンターを合わせる
前置きが長くなったが試合の感想を。
今回は全体を通して井岡がよく研究していたのとニエテスが思った以上に動けていなかったなぁと。
3-0(117-111、118-110、120-108)の判定で井岡が勝利、ポイントも大差がついたが確かにそんな感じ。
120-108のフルマークはさすがにどうかな? とは思ったが、終始井岡が支配し続けた試合だった。
特に井岡陣営の対策がドハマりしていたのが……。
試合の流れとしては基本的に前回と同じ。
井岡が左右に動きながら中に入るタイミングを測り、それをニエテスが受けて立つ構図。
だが前回はニエテスの左リードで再三足止めを食い、出足を鈍らされたままコンビネーションに移行→カウンターを合わされまくるパターンで井岡はなかなか波に乗れず。井岡のパンチも当たってはいたが、どちらかと言えば接近戦でことごとく上を行かれた印象。採点結果にもそれがはっきりと表れていた。
井岡完敗やな。ニエテスが凄すぎた。個人的には111-117かな。インファイトで歯が立たないのは予想外だった
それを受けてか、今回の井岡はニエテスの初弾にカウンターを合わせていく。
遠間で身体を小刻みに揺らしながらタイミングを見極め、ニエテスの動き出しを狙って左のダブル。
このパンチは届くか届かないかにとどめて距離の調整を重視、ニエテスが焦れるのを待つ。
そして2Rからはニエテスの動き出しに合わせて1歩踏み出し、ワンテンポ遅らせた左をカウンターで被せていく。
そこからさらに前進して右を狙う……のだが、最初のアクションでニエテスの右カウンターを側頭部に被弾してしまう。
恐らくあのパンチはちょっと効いていたと思うが、そこからのリカバリーが素晴らしかった。
それまでよりも若干タイミングを早め、今度はニエテスが溜めを作る瞬間を狙う。
ニエテスが“グッ”と沈み込んだところでスッと一歩前進、流れで左を打ち込む。
この1発で警戒心を高めたニエテスがガードを上げたのを見て今度は距離を詰めて追撃のボディ。
その追撃も基本的には3発まで。ニエテスが臨戦態勢に入る前にパッと離れ、極力危険地帯にとどまらないことを意識する。
2Rはジャッジ2人がニエテスを支持したようだが、特に問題はない。井岡としてはポイントと引き換えにニエテスのタイミングを把握できたのが大きかったのではないか。
徐々に手が出せなくなり、得意の近場で勝負もできないニエテス。井岡は再戦に強いタイプなのかもね
そして2R以降はほぼ井岡のペースで試合が進む。
左リードにそのつどカウンターを合わされるニエテスは徐々に手が出せなくなり、井岡のプレッシャーに後退を強いられる。
さらに前回ペースを掴んだ近場での差し合いは井岡が危険地帯にとどまる時間が短いせいでその状況すら作れない。
左をガードすると次は間髪入れずにボディに左が飛んでくる。
これも前回の対戦では見られなかったパターンで、左ジャブを上下に打ち分ける井岡というのは僕はあまり記憶にない。当のニエテスも相当混乱したのではないか。
自分から手を出せばカウンターを合わせられ、近場の打ち合いで勝負しようとしてもさっさと距離を取られる。
で、うかつに手が出せなくなったところで左リードで顔を跳ね上げられ、顔面への警戒を強めると開いたボディを打たれてしまう。
ラスト2Rはカウンターの必要すらないと判断したか、井岡は軽く煽りを入れつつニエテスを圧倒していく。
時おりニエテスのジャブ、カウンターがヒットするシーンもあったものの、終わってみれば井岡の一方的な展開。試合後の傷がほとんどない顔を観てもわかるように井岡陣営の対策がモロにハマった試合だった(と思う)。
てか、もしかしたら井岡は再戦に強いタイプなのかもしれませんね。
2015年12月のファン・カルロス・レベコとの再戦でも初戦とは雲泥の差で圧勝したし。
同じ失敗は犯さない学習能力の高さ、勤勉さもこの選手の強みと言えそうである。
井岡一翔vsドニー・ニエテス再戦。地味強で苦手なニエテスと地獄の防衛戦。鋭い左リード&懐が深いタイプが不得手なんだろうな。がんがれ井岡。何でもいいから勝て
ニエテスの動きが悪かった。ジャブにキレがなくバックステップからのリターンも鈍い。かなり厳しいコンディション
また、思った以上にニエテスの動きが悪かったというのもある(と思う)。
2018年12月の初戦に比べてこの試合のニエテスはジャブにキレがなくバックステップからのリターンも鈍い。
中間距離で再三ジャブをもらっていたことを考えると、パンチに対する反応もだいぶ悪くなっていたのだろうと。
初回に井岡があっさりニエテスの懐に入ったのを観て「あ、これは勝ちそう」と思ったのだが、前回はあのジャブにもっと苦労させられていた記憶がある。
またこの試合では井岡のカウンターが機能したと申し上げたが、前回はむしろ逆。井岡のコンビネーションを右カウンターで迎撃しまくり、試合後半には井岡の攻め手をあらかた封じていた。
一方、今回は左リードの威力が足りないせいで簡単に侵入される、近場で次々被弾を許す、得意の接近戦は距離が合わずに単発気味に終わる苦しい状況が続く。
さらに5Rあたりから動きがガクッと落ち、中盤以降は「ラウンド序盤はがんばってエンジンをふかす→ボディをもらってすぐに足が止まる」パターンの繰り返し。
これまで何度か「井岡は下降線に入った」と申し上げてきたが、40歳のニエテスはそれ以上に厳しいコンディションだった。
井岡一翔vs福永亮次感想。福永は中間距離で勝負しちゃったか…。その位置の井岡は達人級。でも井岡が下降線に入ってるのは間違いなさそう
井岡一翔vsジョシュア・フランコ決定間近? 井岡なら何とかできそうだけどな。もし2団体統一に成功したらWBOを返上して中谷潤人戦を回避するのもアリじゃない?
井岡が勝って本当によかった。最後かも? と思って現地観戦したけど。ここぞの集中力と勝負強さ
しかし、今回は井岡が勝って本当によかった。
2019年6月のアストン・パリクテ戦以降、5戦中4戦が指名試合。もう1試合も正式決定していた統一戦が直前でポシャった代替として組まれたもの。
マジな話、キャリア終盤を迎えた井岡のやり残しは他団体王者とのビッグマッチのみと言っても過言ではない。
ところが回ってくるのは指名試合ばかり。さらに今回の相手は一度敗れている&地味強を地でいくドニー・ニエテスという地獄である。
本人は「焦ってはいない」とコメントしていたが、負ければ引退がチラつく状況はこれからも続く。
そらアナタ。
今回で最後かも? と思って現地観戦もしますよという話で。
それこそ先日の井上尚弥vsノニト・ドネア戦のドネアに匹敵するくらい、心の底から井岡を応援させていただいた。
井上尚弥のリアル鷹村守化完了。さすがのドネアもこの日の井上には勝つのは難しい。悔しすぎてインタビューも聞かずに会場を出ちゃったけど
と同時にここぞの局面での井岡の集中力、勝負強さはやはりとんでもない。
2020年末の田中恒成戦同様、絶対に負けられない試合にピークを持ってくるコンディショニングはさすがである。
なので、次こそは統一戦をだな……。
年末にジェルウィン・アンカハスvsフェルナンド・マルティネスVol.2の勝者との統一戦実現を希望しているとのことなので、どうにか3度目の正直を笑
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