佐々木尽vs関根幸太朗、レイ・バルガスvsマーク・マグサヨ。大味なヤツらがゴリゴリ打ち合う激闘な週末。パワーでねじ伏せる佐々木尽と連打とクリンチで誤魔化すレイ・バルガス【結果・感想】

佐々木尽vs関根幸太朗、レイ・バルガスvsマーク・マグサヨ。大味なヤツらがゴリゴリ打ち合う激闘な週末。パワーでねじ伏せる佐々木尽と連打とクリンチで誤魔化すレイ・バルガス【結果・感想】

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ビッグマッチと呼べるほどではないが、ぼちぼち注目度の高い試合が行われた先週末。
中でも興味を引いたのが7月9日に東京・エスフォルタアリーナ八王子で行われた64.5kg契約6回戦、佐々木尽vs関根幸太朗戦と、日本時間7月10日に米・テキサス州で行われたWBC世界フェザー級タイトルマッチ、王者マーク・マグサヨvsレイ・バルガス戦の2試合である。
 
ただ、僕は下記の通りプロレス観戦等で忙しかったためにリアルタイム視聴はしていない。
 
全日本プロレス現地観戦。約1年2か月ぶりのプロレス超楽しい。ハズレなし、観客のマナーよし。会場の蒸し暑さとマイクのボリュームには参ったけど笑
 
数日遅れでようやく試合を観たのでその感想を。
 
 
ちなみにマグサヨvsバルガス戦のアンダーで行われた挑戦者決定戦、元WBC/WBA世界S・バンタム級王者ブランドン・フィゲロアとWBCフェザー級4位のカルロス・カストロの試合は未視聴のまま。僕がブランドン・フィゲロアに興味がわかないせいでいまいち食指が伸びない状態が続いている。
 

△佐々木尽vs関根幸太朗△(判定1-0 ※57-55、56-56、56-56)

2022年4月のマーカス・スミス戦以来の再起2戦目を迎えた佐々木尽。今回は対戦相手の関根幸太朗がS・ライト級の選手ということで、64.5kgキャッチウェイト契約での一戦となっている。
 
 
試合は初回に佐々木が左フックでダウンを奪うも関根が高いガードとジャブ、ボディを駆使して徐々に盛り返す。
5Rには関根がカウンターの左フックでダウンを奪い返し、そのまま両者譲らず1-0(57-55、56-56、56-56)の判定ドローという結果に。
 
 
いきなりダウンを喫しながらもシャープさを失わずじっくり耐えてチャンスを待った関根に対し、佐々木はどちらかと言えばフックのぶん回し一辺倒。強打でねじ伏せにかかるもそのつどジャブで動きを止められカウンターを狙われる苦しい展開を強いられる。
 
前回のマーカス・スミス戦では強引さの中にも試合の組み立てらしきものも見られた(気がした)が、この試合ではそういったものはあまり感じられず。従来のゴリ押しファイトに戻ってしまった感が強い。
 
武居由樹vs河村真吾、佐々木尽vsマーカス・スミス感想。メインの谷口将隆vs石澤開戦が想像以上の地獄だった。計量失敗が起きるのは仕方ないから代替案を用意せいよ笑
 

この日の佐々木尽は動きが読みやすかった気が…。攻撃が予測できるせいである程度覚悟が決まる

何というか、この日の佐々木は動きがめちゃくちゃ読みやすかった(気がする)。
 
ガードを上げてにじり寄り、ある程度距離が近づいたところでフックをブンッ!!
基本的にハの字のガードでまっすぐ前に出るだけなのでジャブで真ん中を通されやすく、グッと溜めを作って「せーの」で打ち込むフックはタイミングがわかりやすい。
 
1発1発の威力は尋常じゃない。
前に出る圧力も国内屈指のものがある。
 
ただ、動きが単調なせいで予測がつきやすいというか。
ダウン直後は足をガクガクさせていた関根だが、単調な佐々木の攻めを防ぎつつジャブを返しながら回復してみせた。
 
要するにある程度余裕を持った状態で受けて立つことができるのだろうと。
 

この苦戦がいい経験になった? かも? 2022年末にでもvs井上浩樹をだな…

2018年8月のデビュー以来、11戦全勝10KOと破竹の勢いで日本/アジア王座戦にたどり着いた佐々木尽。
 
だが平岡アンディとの大一番では体重超過&11RTKO負けを喫し、馬力重視のゴリ押しファイトの限界を感じさせた。
 
平岡アンディvs佐々木尽、栗原慶太vs中嶋一輝。数日遅れで視聴したので感想を。さすがの平岡アンディと栗原慶太の圧勝っぷり
 
階級をウェルター級に上げて臨んだ再起戦は5RTKOでクリアしたものの、続く復帰2戦目では階級下の関根幸太朗の技巧を突き破ることができず。
 
それどころか露骨な伸び悩み、頭打ちを露呈する結果に。


とは言え、こういう試合を経験できたのは悪くなかったかもしれない。
 
1Rにダウンを奪った左はそれ以降のぶん回しのフックとはまるで別物。力任せの連打の中にああいう力感のないパンチが飛んでくるのは脅威だろうし、それを意識してできればなおいい(できるの?)。
 
 
さらに言うと、1Rのダウンで試合が終わらなかったことが逆に経験になったというか。
 
実を言うと僕は佐々木尽のゴリ押しファイトに耐えられる選手は国内では王者クラスしかいないと思っていた。
今のままタイトルに挑戦しても平岡アンディ戦同様、遊ばれて終わる可能性が高い。“世界”を口にするならどこかの段階でパワー依存のスタイルから脱却する必要があるが、その経験をさせてくれる相手が国内に見当たらないのが厳しい。
 
などと思っていたところ……。
関根幸太朗が見事にそれをやってくれたという。
 
相変わらず現日本王座の小原佳太には分が悪いと思っているが、案外この試合を経て覚醒するかも? という期待感もあったりする。
 
 
とりあえずは現役復帰を発表した井上浩樹とだな……。
バンタム級の井上尚弥が2022年末をめどにポール・バトラーとの4団体統一戦を計画中らしいので、そのアンダーでぜひとも佐々木尽vs井上浩樹戦を組みやがれ(適当)。
 
佐々木尽が星大翔に11RTKO勝利。コレジャナイ感、期待はずれのモタモタ。小原戦で見せたジャブがいっさい出ない、意味不明なスイッチその他
 

○レイ・バルガスvsマーク・マグサヨ×(判定2-1 ※115-112、115-112、113-114)

お次はマーク・マグサヨとレイ・バルガスによるWBC世界フェザー級タイトルマッチ。
 
今年1月にゲイリー・ラッセルJr.に判定勝ちを収めて初戴冠を果たしたマーク・マグサヨに対し、レイ・バルガスは2021年11月にレオナルド・バエズを大差判定で下して王座挑戦権を獲得している。
 
ゲイリー・ラッセルが右肩ベコンでマグサヨに判定負け。思った以上にショックがデカいw 年一キングは勝ってこそのネタキャラなのに
 
試合はバルガスが上背とスピードを活かして連打を浴びせ、そこにマグサヨがカウンターを合わせる展開。
序盤はバルガスが有利に進めるものの、徐々にタイミングを掴んだマグサヨが追い上げを見せ9Rには右のカウンターでダウンを奪う。
だが、ダメージを負いながらも最後まで動きが落ちなかったバルガスが僅差判定勝利。見事2階級制覇を達成している。
 
 
こちらも上記の佐々木尽vs関根幸太朗戦同様、だいぶ大味な一戦。
しかも関根幸太朗がジャブやボディ、ガードを駆使して試合を組み立てたのに比べてこの両者はともに大味で刹那的なスタイルという。
一瞬の交錯、何が起きるかわからない緊張感はあったが基本はそれだけ。試合運びという意味ではほぼゼロと言っても過言ではない。
 

フェザー級進出でパンチの効きが目減りしたレイ・バルガスと身体能力依存のブンブン丸なマーク・マグサヨ

まず挑戦者レイ・バルガスについてだが、フェザー級初戦となった前回のレオナルド・バエズ戦はいまいちピンとこず。
 
ほぼフルマークの判定勝利を挙げたものの、今までに比べてパンチの効きが悪く相手を怯ませるシーンが少ない。
もともとド迫力の連打とスピーディな出入り、“デカくて動ける”自身の長所を活かした判定勝利が信条のバルガスだが、階級アップにともない連打の迫力が大きく目減りした印象。
正直、この試合でも負ける可能性はそこそこあると思っていた。
 
一方のマーク・マグサヨだが、こちらはひと言で言うと身体能力依存のブンブン丸。
 
遠間から踏み込むと同時に放つフックor右ストレートが持ち味の選手だが、その反面ジャブが少なく追い足もない。バンタム級のジョン・リエル・カシメロやレイマート・ガバリョ同様、1発の威力に頼った引き出しのなさが弱点と言える。
 
 
遠間から踏み込むと同時に連打を浴びせ、パッと離れるスタイルのレイ・バルガス。
遠間から踏み込んでの1発狙いに終始するマーク・マグサヨ。
 
こうして見ると、両者が遠い間合いから「よーいドン」で打ち合う大味な試合になるのは必然だったのかもしれない。
 
ゲイリー・ラッセルさんの復帰を諦めない。そろそろマグサヨ戦から約束()の2年が経つけど? ジョニゴンをボロ雑巾のように屠った試合は衝撃的だった
 

連打が機能せずカウンターが危ないタイミングでバルガスの顔をかすめる。でも、ジャブが少なく追い足もないマグサヨはそこから攻めきれず

申し上げたように階級アップ後のレイ・バルガスはパンチの効きが一段目減りしている。
 
これまでは「序盤3Rあたりまではハンドスピードと馬力で圧倒→中盤から徐々に対応されてロープを背負うシーンが増える→クリンチまみれの泥仕合の末に判定勝利」という流れが定番だったが、今回に関しては少々勝手が違う。
 
マグサヨが怯まず打ち終わりにカウンターを返してくるため連打が続かず、逆に危ないタイミングでカウンターが顔面をかすめるシーンも。
おかげで思ったほどのアドバンテージを取れないまま中盤へ。
 
対するマグサヨはバルガスの連打を抑え込むまではいいのだが、そこからが続かない。
ジャブが少なく追い足もないため「プレスをかけて~、ロープを背負わせて~」といった流れが作れず、相変わらず遠間からのワンツーに終始する。
 
序盤3Rを観てどこかでマグサヨの右が当たりそうだなぁと思ったのだが、何だかんだで9Rを要してしまった。
 
小原佳太vs小畑武尊、渡来美響vsロメル・ピニリ。小原佳太はさすがの中間距離での強さ。でも動きがちょっとカクカクして滑らかさが失われたような
 

経験値の差かな。キャリア序盤で接近戦をサボったおかげでプレスに苦労してきたバルガスだけど、苦労させられすぎて粘りが身についた笑

そして、最終的に差がついたのは両者の経験値の差(だと思う)。
 
これまで幾度も「序盤は連打で圧倒→単調な攻めに慣れられる→クリンチまみれの泥仕合に突入」のパターンを繰り返してきたレイ・バルガスだが、基本的には今回も同じ流れ。
序盤のイケイケタイムを作れず泥仕合に突入するタイミングも早かったものの、フラフラになりながらも最後までごまか切ったのはさすがである。
 
田中恒成vs橋詰将義感想。田中が人気ある理由がよくわかる試合。相手に力を発揮させた上でスピード&パワーでゴリ押し→ストップ勝ち
 
以前「レイ・バルガスはキャリア序盤に接近戦をサボって当て逃げ持久走に終始したせいでファイターのプレスに苦労させられている」と申し上げたことがあるが、むしろ苦労させられまくったおかげで中盤以降の粘り、ごまかしが身についてしまった笑
 
改めて観直すと、この試合のバルガスは9Rのダウンだけでなくマグサヨのカウンターをもらってガクッとなるシーンが散見される。
と同時に効かされるたびに相手に抱きついたりロープにもたれたりと明確なピンチに陥る前に対処している。
 
12Rを通して足の動きが落ちないスタミナを含め、とにかく“負けにくい選手”だなと。
 
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