井岡一翔が再戦でジョシュア・フランコに判定勝ち。どのモチベーションで現地観戦すればよかったの? 試合成立までのギャンブル性が高すぎるんだよw【結果・感想】

井岡一翔が再戦でジョシュア・フランコに判定勝ち。どのモチベーションで現地観戦すればよかったの? 試合成立までのギャンブル性が高すぎるんだよw【結果・感想】

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2023年6月24日に東京・大田区総合体育館で行われたWBA世界S・フライ級タイトルマッチ、王者ジョシュア・フランコとランキング6位井岡一翔の一戦を現地観戦してきた。

 
結果は3-0(115−113、115-113、116-112)の判定で井岡が勝利。王座返り咲きを果たすとともにミニマム級~S・フライ級までの4階級すべてでWBA王座の戴冠に成功した試合である。
 
なおこの試合は前日計量でジョシュア・フランコが2.9kgオーバーで王座はく奪、井岡が勝利した場合のみ王座が移動する変則ルールで行われている。
 
ジェイド・ボルネアがフェルナンド・マルティネスに肉薄。ジャブと先手先手の作戦が機能。減量苦のアンカハスよりもずっとよかったね
 

まさかのフランコ計量失敗。「PPV料金高いな」などと他人事を決め込んでいた時期が僕にもありました

2022年大晦日以来のダイレクトリマッチとなった今回。
 
前戦では井岡がWBO王者、フランコがWBA王者として統一戦が行われたが、井岡が王座を返上したためこの試合はフランコのWBAタイトルのみがかけられることに。
 
しかも前日計量でフランコが大幅に体重超過したせいで井岡が勝てば王座獲得、負けor引き分けの場合は空位という変則ルールでの開催となっている。
 
 
僕自身、井岡に残された時間を考えると1試合も見逃せない、最後まで見届けるしかないという謎の使命感()からかなり早い段階でチケットを購入している。
 
約1か月ほど前に「中継はABEMA TV、視聴はPPV」と発表されたものの、現地観戦が決まっていたため「へえ~、そうなんだ~」「てか、高っけえなw」と完全に他人事だったことを報告する。
 
ところがジョシュア・フランコが計量失敗→前日に王座をはく奪されるまさかの事態に。
約3kgオーバーという前代未聞の破天荒っぷりを含めてかなりの衝撃だった。
 
 
また前々日には井岡の尿から大麻成分が検出されたことがJBCから発表されるという。
大麻云々についてはそこまで驚きはない&発表はこのタイミングしかなかったんだろうなとは思ったが、テンションが下がったことも確か。


そこにフランコの体重超過が加わり、現地観戦のモチベーションを根こそぎ持っていかれた次第である。
 
個人的に宇宙一大嫌いな大田区総合体育館での開催に加え、メイン以外にはまったく興味がない。
前回の進行を踏まえるとスポーツイベントとしてしょっぱいものになるのも確定的。
 
いや、マジか。
どういうノリで足を運べばいいのよ。
 
クソ高いチケットの割に何一つ魅力がない。
誇張抜きで地獄のような興行だった。
 
井岡一翔のドーピング検査、大麻成分検出、JBCの対応をセレス小林パイセンが批判。要するに「履歴書に書けるか?」が境界線なんだろうな。法律云々ではなく
 

この日の井岡はよかった。相手がどうなろうとやるべきことは変わらないという不退転の決意を感じたよ

まあ愚痴ばかり言ってもアレなので試合の感想を。
 
会場で観た印象だが、この日の井岡はぼちぼちよかったと思う。
 
前回と同じコンディション、同じ作戦で臨むと相当危ない、ジョシュア・フランコの圧力に飲まれる可能性が高いと思っていたが、そうはならず。
むしろフランコの前進を“前”で止めることで先手先手で主導権を引き寄せてみせた。
 
井岡一翔vsジョシュア・フランコ再戦間近。前回はフランコの馬力に押されまくった井岡がどう対応する? とにかく勝つしかねえぞ。どうやって勝つのかは知らんけど
 
正直、フランコの調子がどうだったかはわからないが、少なくとも井岡のパフォーマンスは素晴らしかったのではないか。
それこそ相手が体重超過しようが自分がやるべきことは変わらない。「勝って道を切り開く」という強い意志、不退転の決意でリングに上がったのだと想像する。
 

前回はフランコの馬力に押され気味だった井岡。この試合で勝つには“前”で勝負するしかないと思ってたけど…

具体的には、ボディを駆使してフランコの前進を止めたのがよかった。
 
前回は試合を通してフランコの馬力に押され気味で、パンチの精度は高いが根本的な圧力で上を行かれた。
前手のジャブは少なく打ち終わりのカウンターで止めることもままならない。なおかつフランコの連打がなかなか途切れないためにロープ際で亀になるシーンが目に付いた。
 
井岡vsフランコ、カネロvsゴロフキンVol.1みたいな試合だった。井岡は負けなくてよかった。階級最強を証明するか思い出マッチにシフトするかで次戦が決まる?
 
そう考えると、再戦で井岡が勝つにはあの圧力にどう対応するかが重要になる。打ち合いに巻き込まれないためには極力“前”で勝負する必要がある。
 
ただ、今の井岡にそれができるかは不明。
単発ではあの前進は止まらない、カウンターを打ち込んでもケロッとして反撃してくる。
ここをどうするかが一番の見どころだと思っていた。
 

ガードのど真ん中を打ち抜くボディでフランコの前進を止めた井岡。フランコも粘り強かったけどね

そして、申し上げたように今回の井岡はボディを駆使してフランコの前進を止めてみせた。
それも近づいてのボディではなく、ある程度スペースがある位置から身体を伸ばして打ち込むボディ。
 
上述の通り単発のカウンターではフランコは止まらない。
前回も精度こそ高いがはっきりとダメージを感じさせるものはなかった。
 
それを踏まえた上で井岡が選択したのがど真ん中を打ち抜くボディ。
上へのパンチ、横からのパンチをフェイントに、前重心でガードの間からボディを打ち込む。


 
井岡一翔vsフェルナンド・マルティネス大晦日に再戦? やるなら応援するけど…。復帰後の井岡の試合で好きなのはあの試合。実は田中恒成より強敵だったんじゃ?
 
前回同様、相手の攻撃は固いガードでしのぎつつ強引に身体を寄せてくればサイドに回り込んで距離をリセット。中間距離で微妙に角度を変えながら先にボディを打ち込むことでペースを渡さない。
 
フランコも持ち前の馬力で何度も連打を浴びせてくるが、常に“前”で勝負する井岡を攻めきれず。前回のような波状攻撃が影を潜めた原因は調子の悪さだけではなかったはず。


 
後半、フランコがガードを下げてリングを回る仕草を見せていたが、何度攻めても井岡のボディに捕まるせいで手詰まり状態だったのだろうと。

 
ジャッジ2者が115-113をつけるなどポイントこそ競っていたが、内容的には井岡の完勝に近い。コンディション、作戦ともに上々だった(と思う)。
 
 
まあでも、フランコもがんばりましたよね。
何度効かされてもすぐに盛り返して前に出続けるスタミナ、粘りはさすが。
4Rあたりに井岡が少しクラッとくるシーンがあったと思うが、それを含めてめちゃくちゃ根気強かった。
 
過去に何度もリマッチを勝ち抜いてきただけあるというか。
あのわかりにくさはガチでジャッジ泣かせだなぁと笑


 

しんどい1日だった。ボクシングは試合中止や不成立の頻度の割に観客へのケアがなさすぎる

しかし、改めてしんどい1日だった。
 
楽しみにしていた試合が体重超過でケチがつき、それ以外のアンダーカードは興味ゼロ。
大田区総合体育館の座席は相変わらず固い板っきれのみで容赦なくケツと腰を破壊しにくる。
 
セミとメインの間に意味不明な賢者タイムが入るのも前回と同じ。
 
井岡一翔vsエストラーダが交渉難航? エマヌエル・ロドリゲスが音速で引退撤回、統一戦を呼びかける。武居由樹vsマリオ・ディアス戦が楽しみ
 
比嘉大吾も森武蔵もナイスファイトだったが、そんなものは結果論でしかない。
 
井岡が勝ったのは本当によかったが、これでオールOKなわけがない。
 
 
以前から何度か言っているが、ボクシングは試合中止や不成立の頻度の割にケアがなさすぎる
近年の体重超過は目に余るが、その割にコロナ禍で高騰したチケット代は据え置きのまま。
 
現地観戦した興行が3回連続で試合中止発生というトンデモ案件に遭遇したこともあるが、チケット代は当然満額。
 
実際これはそこまで珍しいことでもないのだろうし、そういう部分があまりにも舐め腐っている。
 
強かったロベイシ・ラミレス、厳しかった清水聡、期待通りの武居由樹、期待外れの今永虎雅。放置タイム約2時間、スポーツイベントとしてはクソ中のクソでしたね
 
正直、中止や不成立の理由はどうでもいい。
体重超過だろうが負傷欠場だろうが興味はない、フランコのオーバーが2kgでも3kgでも僕にとっては大した違いはない。
 
そんなことより、何らかの理由で中止or不成立が起きた際のケアをしろと言っている。
 
 
以前からずーっと絶叫しているが、ボクシングは試合成立までのギャンブル性が高すぎる


たとえばだが、プロ野球で予告先発投手が試合直前に変更になることが年に何回あるよ? という話。
 
選手が足りないなどの理由で試合が7回で打ち切りになったりしますか?
しないでしょ?
 
スポーツなのでトラブルが起きるのは理解しているが、それにも限度がある。
 
平岡アンディvs佐々木尽、栗原慶太vs中嶋一輝。数日遅れで視聴したので感想を。さすがの平岡アンディと栗原慶太の圧勝っぷり
 
体重超過した選手をリングに上げるべきか、中止すべきかみたいなギロンは別の場所でやってください。
 

フランコの体重超過が意図的だったとは思わない。今のバンタム級に乗り込むよりベルトを保持した方がメリットは多い

なお一応言っておくと、今回のジョシュア・フランコが意図的に体重超過したとは思わない。
すでに本人がメンタル面の不調を理由に挙げているが、それを抜きにしても。
 
意図的な体重超過で確実に勝利を掴む→直後の階級アップを見据えているという意見を目にしたが、正直今のバンタム級にフランコが乗り込んでもあまり脅威にはならないような……。
 
ジェイソン・モロニーと井上拓真が王座に君臨し、ノニト・ドネアが決定戦を控える。エマヌエル・ロドリゲスもIBFの王座決定戦をオーダーされたとか。
 
ノニト・ドネアの帰還。アレハンドロ・サンティアゴには悪いけどドネアが勝つよ。僕がそう決めた。この試合に際してドネアvs井上尚弥2を初めて視聴した
 
フランコとしてはこの状況で階級アップするより、WBA王座を防衛してファン・フランシスコ・エストラーダや他団体王者との統一戦を見据える方がはるかにお得。
リスクとリターンを考えれば意図的な体重超過に意味があるとは思えない。
 
あとはまあ、試合前のトレーニング映像でフランコの体調がめちゃくちゃ悪そうだったのが……。
アレを観ていたおかげで体重超過したと聞いてもそこまで驚きがなかったことを告白する。
 

アスリートファースト? いやいや。自分ファーストに決まってるだろ笑

だからといって仕方ないなどと言う気はさらさらない。
 
ボクシングが体重超過や禁止薬物まみれのスポーツということは重々承知している。
何か起きるたびにカリカリしてもキリがないので、僕は「ボクシングはそういうもの」として受け入れている。
 
ただ、僕が現地観戦するときはやめろ笑
僕が直接被害を被るのだけは全力で避けやがれ(暴論)。
 
 
アスリートファースト?
知らんがな。
 
自分ファーストに決まってるだろ笑
 
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