ジェイド・ボルネアがフェルナンド・マルティネスに肉薄。ジャブと先手先手の作戦が機能。減量苦のアンカハスよりもずっとよかったね【結果・感想】

ジェイド・ボルネアがフェルナンド・マルティネスに肉薄。ジャブと先手先手の作戦が機能。減量苦のアンカハスよりもずっとよかったね【結果・感想】

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2023年6月24日に米・ミネソタ州で行われたIBF世界S・フライ級タイトルマッチ。同級王者フェルナンド・マルティネスがランキング1位ジェイド・ボルネアと対戦し、11R29秒TKOで勝利。2度目の防衛に成功した試合である。
 
 
少し前に中谷潤人がアンドリュー・モロニーに勝利しWBO王座を、先日は井岡一翔がジョシュア・フランコを下してWBA王座戴冠に成功したわけだが、今回はIBF王者フェルナンド・マルティネスの約8か月ぶりの防衛戦である。
 
井岡一翔vsフェルナンド・マルティネス正式決定。フランコ戦、ペレス戦同様、“前”で勝負するのがよさそう? お見合いする時間を長く作れれば
 
開始のゴングとともに左構えで対峙するボルネアに対し、マルティネスはいつも通り高くガードを上げて踏み込みのチャンスをうかがう。
細かいジャブで前進を阻まれるマルティネスだが、一瞬の隙をついて連打を浴びせるなど中盤まで一進一退の攻防が続く。
 
後半に入るとマルティネスが一段ギアをアップ。疲れが見えるボルネアにロープを背負わせるシーンが目立ち始める。
 
そして11R。
マルティネスのフックが立て続けにヒットし、ボルネアが棒立ち気味になったところでレフェリーが試合をストップ。苦労しながらも前に出続けたマルティネスが2度目の防衛に成功している。
 
井岡一翔vsフェルナンド・マルティネス基本合意だって。マルティネスは田中恒成戦に向かうと思ってたから意外だった。井岡にとってはやっかいな相手?
 

マルティネスvsボルネア見応えある試合だった。マルティネスは近々来日しそう

フェルナンド・マルティネスvsジェイド・ボルネア。
 
中谷潤人や井岡一翔が注目を集める中、ほとんど話題になっていなかったこの試合。
だがジェルウィン・アンカハスに2度勝利したフェルナンド・マルティネスには個人的に興味があり、世間? の流れと逆行して楽しみにしていた次第である。
 
結果は11RTKOでマルティネスが勝利。
挑戦者ボルネアも一歩も引かず最後まで見ごたえのある展開が続いた。
 
なお日本の田中恒成がこの試合を現地観戦したとのことで、近い将来マルティネスが来日することになりそう。
 
恐らく田中とマルティネスは高確率で噛み合う。中部方面での開催になるとは思うが、正式決定すれば僕のテンションも爆上げ間違いなしである笑
 
フェルナンド・マルティネスがアンカハスに再び勝利。これでアンカハスはトップ戦線から脱落かな。組みし易しな選手になっちゃったよね。マルティネスは2023年に来日しれ
 

ボルネアはマルティネスとの相性は悪いのでは? と思ったけどめちゃくちゃがんばった

ジェイド・ボルネアの過去の試合を漁ったところ、両構えのパワフルなファイターという印象が強い。
身体全体から馬力がみなぎり1発1発にもずっしりと重さがある。
 
その反面、のしのしとベタ足で動くためスピードはいまいち。
前手のジャブも少なく連打型のマルティネスとの相性はあまりよくなさそう。
 
前回のジェルウィン・アンカハス同様、ラウンドを重ねるごとにマルティネスの出入りについていけなくなる流れが濃厚かな? と思っていた次第である。
 
フェルナンド・マルティネスvsジェイド・ボルネア。勝った方は日本にくればいいんじゃない? 田中恒成のターゲットらしいしね。田中に勝てば中谷潤人との統一戦も?
 
だが実際の試合ではまったくの逆。
ジャブは多め、前後のフットワークも軽快という。
マルティネスがサウスポーを苦手そうにしているのを差し引いてもかなり肉薄したと言えるのではないか。
 
特に足の動きはアンカハスとは大違い。
減量苦でフットワークが落ちまくっていたアンカハスに比べ、ボルネアはバックステップからのリターンに鋭さがある。マルティネスの踏み込みスピードに負けない足運びで中盤まで主導権を渡さなかった。
 
左構えのボルネアはアンカハスやマーロン・タパレスと同じように母国の英雄マニー・パッキャオの系譜を感じさせる選手だが、野性味に関しては一段抜けていたと思う。
 

ボルネアのマルティネス対策が素晴らしかった。最後は息切れしたけど。もう少しボディを打てれば

試合の感想だが、今回はマルティネスがだいぶ対策されていたなぁと。
 
上述の通りボルネアは思った以上にジャブが多く前後の動きも軽快。
意識してやっていたのだと思うが、先手先手でマルティネスの連打を抑え込むことに成功していた。
 
中間距離よりもやや遠い位置で対峙し、ジャブを伸ばしてマルティネスの踏み込みを抑止。
体格差、リーチ差を活かして相手のパンチがギリギリ届かない間合いをキープする。
 
またマルティネスのフルスイングに対しては、2発目のモーションに入る前に先に手を出す。
1発目の打ち終わりを狙うことでマルティネスの得意なパターンを抑え込んでみせた。
 
 
フェルナンド・マルティネスの攻撃は基本的に左リードからスタートする。
必然的に右ジャブが多彩なサウスポーには苦労させられるわけだが、ボルネアはそれに加えてフットワークもいい。マルティネスのスイングに合わせて一歩踏み出す度胸もある。
 
後半に疲れてマルティネスに猛攻を許してしまったものの、試合運びとしては上々だったのではないか。
 
もう少しボディを重点的に打てればチャンスが広がったかな? とも思うが、連打の発動を抑え込むのに精いっぱいで腕を下げる余裕はなかったか。
 
ノニト・ドネアの帰還。アレハンドロ・サンティアゴには悪いけどドネアが勝つよ。僕がそう決めた。この試合に際してドネアvs井上尚弥2を初めて視聴した
 

右構えに変えたのはちょっと悪手だったかな。一気にマルティネスが盛り返したよね

ただ、9Rにオーソドックスに戻したのはちょっと悪手だった気がする。
 
直前にレフェリーのチェックが入って焦ったのか、もともと決めていた作戦だったのかは不明だが、ボルネアが右構えになった途端にマルティネスは明らかに息を吹き返した。
 
大振りの左とともに懐に侵入。ボルネアをコーナーに押し付け、叩きつけるように両腕を振り回す。
オープン気味だろうが後頭部に当たろうがお構いなし。ど迫力の連打で相手をタジタジにさせるいつものパターンである。
 
9Rにあの爆発力を残していたマルティネスもすごいが、あっという間に飲み込まれたボルネアが本当にもったいなかった。
同時打ちのタイミングでカウンターを合わせる、踏み込みに合わせて前に出続けるのは相当疲れるのだと思うが、あまりに失速が露骨だったなぁと。
 
 
勝負どころで二番底を見せたマルティネスと、ガクッと失速したボルネア。
要するにこれが王者とそうでない選手の差なのだろうと。
 
ゲッソリで低調な中谷潤人、打たれ過ぎのオラスクアガ、メインの拳四朗は…。実は微妙な試合が多かった。マグラモ、コルテスはがんばった
 

次回は日本でvs田中恒成か? もし田中に勝てばAmazon Primeで中谷潤人戦も?

2度目の防衛に成功したフェルナンド・マルティネスだが、これで次戦は日本での田中恒成戦が濃厚っぽい。
 
今回の試合はファイトマネーがべらぼうに安い、本人は扱いの低さに不満を感じているという記事をどこかで読んだ覚えがあるが、そういった事情を加味すると交渉はスムーズにいくのではないか。
 
で、もし田中に勝てれば次はいよいよ中谷潤人との統一戦に進めばいい。
キャリアMAXのファイトマネー+Amazon Primeの舞台ならマルティネスとしても最高である。
 
中谷潤人vsモロニー弟をようやく視聴。両選手に興味がないせいで食指が動かなかった。中谷潤人ホントにつええな。最後の左カウンターは井上尚弥を参考にした?
 
そして、仮にそうなればぜひとも現地観戦したい。
フェルナンド・マルティネスvs中谷潤人戦が実現したら僕は人生で初めて中谷潤人の試合が楽しみになるかもしれない()
 
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