井岡vsフランコ、カネロvsゴロフキンVol.1みたいな試合だった。井岡は負けなくてよかった。階級最強を証明するか思い出マッチにシフトするかで次戦が決まる?【結果・感想】

井岡vsフランコ、カネロvsゴロフキンVol.1みたいな試合だった。井岡は負けなくてよかった。階級最強を証明するか思い出マッチにシフトするかで次戦が決まる?【結果・感想】

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2022年12月31日に東京・大田区総合体育館で行われたWBA/WBO世界S・フライ級王座統一戦。WBO同級王者井岡一翔とWBA同級スーパー王者ジョシュア・フランコが対戦し、1-0(115-113、114−114、114-114)の判定でドロー。両者が防衛に成功した試合である。
 
 
2019年6月に日本人初の4階級制覇を達成して以降、ビッグマッチ実現を訴え続けた井岡一翔がついに迎えた王座統一戦。
対戦相手のジョシュア・フランコは元王者アンドリュー・モロニーと3度対戦した強豪で、ここに勝てば念願のファン・フランシスコ・エストラーダ戦実現か? という一戦だったわけだが……。
 
結果は大苦戦の末に1-0の判定ドロー。
次につなげるはずが、今後が白紙に戻るまさかの事態になってしまった。
 
 
僕自身、井岡の統一戦はこの目で見届けなれければという謎の使命感により現地に足を運んだのだが、いや〜、マジか。
正直、井岡ならどうにか勝てる相手だと思っていたのでこの結果は少し意外。むしろ「負けなくてよかった」と言う方が正しいくらいの内容に「おおう…」となっている。


そんな感じで、試合の感想を適当に言っていくことにする。
 
堤駿斗vsペテ・アポリナルは大晦日のもう一つのお目当て。でもスポーツイベントとしては…。RIZINが楽しそうで完全に選択をミスったとオモタ
 

物議を醸した判定は「よくわからない」。試合中も家で映像を観ても、スコアカードを眺めても「よくわからない」

まず物議を醸している(らしい)判定結果について。
これははっきり言ってよくわからない
 
現地で観ていた際も「どっちだ?」「わからんぞ?」とずーっと思っており、家に帰って映像を観てもわからない。
公式のスコアカードを眺めてもやっぱりわからない。


現地では「終盤3ラウンドが勝負じゃない?」「ここを井岡が全部取ればギリ勝てるかも?」と思いながら観ていたが、確かにそんな感じ。9Rまではジャッジ全員がフランコを支持していたことになる。
 
と言いつつ、僕にわかるのはそのくらい。
どちらの何をポイントとするか、前半と後半で流れを掴んだのはどちらだったか? 等については「ごめん!! わからん!!」以外に答えようがない笑
 

テレビ観戦の人→前半井岡、後半フランコ。現地観戦の人→前半フランコ、後半井岡(僕もコレ)

なおSNSや掲示板等を漁ると「前半が井岡、後半からフランコ」という意見が多いように感じる。
逆に現地観戦した方は「前半はフランコ、後半から井岡が盛り返した」的な感想が多い印象。
画面で観ていた人と現地観戦した人で真逆の捉え方をしているのがおもしろい。
 
公式ジャッジも同様で、前半3Rに限ると1人が井岡、残り2人はフランコが優勢としている。
 
諸々を鑑みてもめちゃくちゃ微妙な試合だったことがわかる。
 
 
ちなみに僕の意見は現地観戦した方と同じ。
前半はフランコ、中盤から後半にかけて徐々に井岡が盛り返し、ラスト3Rでギリギリ追いついた。
だが、申し上げたようにどちらとも取れるラウンドばかりでずーっと「よくわからん」状態だったことを付け加えておく。
 
2022年僕のベストバウトTOP5。「あの試合がない」「これが入るの?」ってなるかもしれないけど“僕のベストバウト”だから許してね。1位はどう考えてもアレしかないでしょ
 

フランコの馬力を生で感じたかが大きい? ああいうのはテレビ画面では伝わりにくいのかも?

何となくだが、テレビ観戦と現地観戦で真逆の印象になったのはフランコの馬力、圧力を生で感じたかそうでないかが大きい気がする。
 
リング上で対峙した両者を観て思ったのが、「フランコが異様にデカい」ということ。
前日計量ではわからなかったが、リカバリーを経て当日を迎えた両者にはかなりの体格差があった。
 
さらに開始のゴングが鳴ると、フランコは「デカい」と感じた印象そのままの馬力でグイグイ前に出る。
 
対する井岡もフランコの打ち終わり、攻撃の合間を狙ってパンチを当てるが、1発の威力は明らかにフランコの方が上。
1R終了時点で「あ、これはマズいかも」と思ったことを覚えている。
 
 
確かに井岡のパンチは的確だが、フランコはどれだけもらってもまったく効いたそぶりを見せない。
ジャブと近場のボディで相手を怯ませる→もう一歩距離を詰めて攻撃を畳み掛けるのが井岡の勝ちパターンのはずが、フランコがケロッとして打ち返してくるせいで迂闊にガードを下ろせなくなる。
 
ガードの上からでも井岡の後頭部がガクッ、ガクッと揺れる光景を見ればフランコがペースを握っていると判断されても仕方ない。
もしかしたら、ああいう生の迫力はテレビでは伝わりにくいのかもしれない。
 
井岡一翔vsドニー・ニエテス再戦。井岡のニエテス対策が素晴らしかった。ニエテスも相当落ちてたね。最後かも? と思って現地観戦したけど勝ってよかった
 

結論は「よくわからない」。2017年9月のカネロvsゴロフキンVol.1みたいな試合だったな

精度は高いがほとんど効かない&単発気味の井岡のパンチ。
芯は外されているが、手数も多く軽くかすめただけで相手を後退させるフランコのパンチ。
 
どちらを“有効打”とするか、何を持って試合を支配していると判断するかは本当に難しい。
 
あくまで相手をぶっ倒すことが最終目標と捉えるならフランコ。
だが、採点スポーツらしくヒット数、正確性を重視するなら井岡に軍配が上がる。
 
繰り返しになるが、僕の結論としては「よくわからない」である笑
 
 
似たような試合を挙げるなら、パッと思いつくのは2017年9月のサウル・“カネロ”・アルバレスvsゲンナジー・ゴロフキン戦だろうか。
 
物議を醸したカネロvsゴロフキンVol.1から3年。改めて観てみたけどおもしろい試合。ゴロフキンのジャブのすごさとド派手なカネロのカウンター
 
あの試合もディフェンシブに戦いながらも要所でクリーンヒットを当てたカネロと、被弾してもケロッとして前に出続けたゴロフキンという構図。
 
以前、井岡一翔はちょっとカネロ味があるとおっしゃっていた方がいたが、僕もその意見に完全同意させていただく。
 

井岡がキツかった。アストン・パリクテをKOした井岡なら何とかなるだろうと思ったけど…

具体的な感想としては、井岡がホントにキツかったなぁと。
 
もともと僕はジョシュア・フランコがどんな選手かわからず(過去の試合を漁ってもアンドリュー・モロニー戦しか出てこない笑)、展望をあれこれ考えることができずにいた。
 
ただ、少ないネタを総動員すると比較的井岡とは噛み合いそう。
中間距離〜至近距離での差し合いが得意なタイプで、「ジャブを出して〜、距離を詰めて〜」といった作業は恐らく必要ない。
 
しかもパンチの精度やディフェンスなどに井岡ほどの緻密さは感じない。
元バンタム級ということで馬力はあるのだと思うが、アストン・パリクテをKOした井岡なら大きな問題にはならないはず。
 
なので、何となくの予想としては井岡の僅差判定勝ち。ここをクリアして次はいよいよWBC王者ファン・フランシスコ・エストラーダ戦にGO!! と思っていた次第である。
 
ドネアvsモロニー、井岡vsエストラーダは絶対実現しろや。中谷潤人をどかせるかどうかで陣営の有能さがわかる? WBCとズブズブのリチャード・シェイファー笑
 
いや〜、キツかった。
キツかったっすねえ……。
 
思った以上にフランコは手数が多く、なおかつ1発の威力、フィジカルとも井岡よりはるかに上。
アストン・パリクテ戦ではジャブとカウンターを駆使してパリクテを迎撃した井岡だが、今回はガードに手一杯でジャブを出す余裕を根こそぎ奪われてしまった。
 
何よりキツかったのが、得意の距離に踏みとどまれなかったこと。
確かにフランコのスタイルは井岡と噛み合う上に近場の差し合いでは井岡が上回っていた(と思う)。
 
ただ、そもそもの馬力を抑えきれない。
フランコの連打と圧力に耐えながらではまともにパンチを返せずガード偏重にならざるを得ない。
後半から意を決して打ち合いに応じたものの、そのつど打ち負けてロープを背負わされる。
 
前回のドニー・ニエテスは馬力を活かしてグイグイくるタイプではなかったのでことなきを得たが、今回は根本的なフィジカル差でねじ伏せられたというか。やりたいことの3割もさせてもらえなかった印象である。
 
 
マジな話、どうなんすかねコレは。
アストン・パリクテとジョシュア・フランコでそこまで馬力に差があったとも思えないのだが……。
連打の回転力はフランコの方が上だが、井岡なら普通にさばける気がしたけど……。
 
ジョシュア・フランコが強かったのはもちろん、井岡のアジリティが低下してるというのもある? のか?
 


 

エストラーダはドローの結果を受けても井岡戦を熱望。そういうことなら王座返上もアリじゃない?

ちなみに会場にきていたWBC王者ファン・フランシスコ・エストラーダはドローという結果を受けても井岡との対戦を熱望しているとのこと。
それこそ井岡がWBO王座を返上しても問題ないとか。
 
対する井岡も最終目標がエストラーダ戦であることに変わりはない。今後の方針は決まっていないが、WBO王座の返上も含めてじっくり考えたいと。


おお、なるほど。
エストラーダは井岡が無冠になっても対戦する意向なのか。
 
個人的にこの試合をクリアできなかった井岡は中谷潤人との指名戦に進むしかない、ここまでお膳立てしてもらって結果を出せなかったのだからWBOの指令に応じるのもやむなしと思っていたが、そういうことなら話は別である。


本人が納得できるのであれば最短でエストラーダ戦に進むのもアリなのではないか。
 

本人がどこに比重を置くか。階級最強を目指すなら中谷戦は避けて通れない。でも実入り優先のビッグマッチにシフトするなら…

要するに本人がどこに比重を置くかなのだと思う。
 
これまで公言してきた通り階級最強を証明するなら中谷潤人は避けて通れない。すべてを失うリスクもあるが、そこを乗り越えてこその“最強”である。
 
逆に最強どうこうは一旦端にどけて、実入りやネームバリューを優先するならエストラーダと対戦する方がはるかにお得。
中谷と違って得意な距離も合う上に恐らく今回ほど馬力で圧倒される展開にはならない。
 
 
そして、当のエストラーダは完全に実入り重視のビッグマッチロードにシフトしている。
WBA王座を返上してロマゴンとの3戦目を優先したことからもそれは明白だし、コメントの端々から井岡のことを敵ではなく“戦友”と捉えているフシがある。
 
エストラーダがロマゴンの追い上げを振り切りラバーマッチを制す。コイツラは何度やってもこんな感じだよな笑 でも初めて井岡の名前を出したし井岡も中谷戦を回避しちゃえよ
 
ローマン・ゴンサレス、カルロス・クアドラス、シーサケット・ソー・ルンビサイと同様、同じ年代でトップを走ってきた同士のシンパシーというか。井岡との対戦を第一線で勝負する最後の試合と考えているのかもしれない。
 
2010年4月にバーナード・ホプキンスとロイ・ジョーンズJr.が17年ぶりに対戦したが、ノリとしてはアレに近い(さすがに17年越しはやりすぎだけど)。
 
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