井上尚弥がダスマリナスをボディで3RKO。でもダスマリナスよかったよね。左フック2発で萎縮しちゃったけど。また戻ってこいよオマイ【結果・感想】

井上尚弥がダスマリナスをボディで3RKO。でもダスマリナスよかったよね。左フック2発で萎縮しちゃったけど。また戻ってこいよオマイ【結果・感想】

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2021年6月19日(日本時間20日)、米・ネバダ州で行われたWBAスーパー/IBF世界バンタム級タイトルマッチ。同級王者井上尚弥がIBF1位マイケル・ダスマリナスと対戦し、3R2分42秒TKOで井上が勝利した一戦である。
 
 
開始直後からガードを高く上げ、リング中央でどっしり構える井上尚弥。
対するダスマリナスは距離をとって左右に動き、時おり身体を大きく伸ばしてボディへ左を伸ばす。
 
だが、井上はこれに動じることなくダスマリナスをじりじりと追い詰めていく。
 
そして20秒過ぎ。
ダスマリナスが右を引っ掛けてサイドに回ろうとした瞬間、井上が左フックをカウンターで合わせる。
ダスマリナスは顔を背けてこれを避けたものの、この1発以降、自分から攻められなくなる。
 
さらに1分あたりにもダスマリナスの右フックに左フックを合わせた井上だが、ダスマリナスも身体を翻すように何とか対応する。
 
この2発のスイングで完全に萎縮したダスマリナス。
不用意に井上の射程に立ち入れなくなり、真正面からプレッシャーを浴び後退させられてしまう。
 
 
2Rに入ってもペースは変わらず、ダスマリナスは井上の圧力に押されて思い切り踏み込むことができない。それどころか、逆にロープを背負わされてアッパーから左ボディを被弾し、この試合最初のダウンを喫する。
 
1度目のダウンで動きが鈍ったダスマリナスは井上のプレスから逃れなれなくなり、3Rに再びの左ボディを被弾しダウン。
何とか立ち上がったもののすでに反撃の力は残っておらず。とどめの左ボディをもらって横倒しになり悶絶。その様子を見たレフェリーがすぐさま試合をストップし、試合が終了した。
 
井上尚弥の次戦の相手を勝手に予想する。カシメロもドネアも忙しいし年内統一戦もなくなった。ボクシング界の駆け引きにもうんざりしてる
 

感想は「まあ、そうなるよな」。ダスマリナスはいい選手だけど、さすがに井上を何とかできるとは思えなかったしね

井上尚弥vsマイケル・ダスマリナス。
 
大方の予想通り井上が試合前半のKO勝利を決めたわけだが。
 
率直な感想としては「まあ、そうなるよな」である。
 
過去の試合を観る限り、マイケル・ダスマリナスが井上尚弥をどうにかできるとは思えない。
 
正直なところ、ヨワン・ボワイヨやアントニオ・ニエベスとどっちが長く立っていられるか? が最大の見どころと言っても過言ではなさそう。
 
前回のジェイソン・モロニーはそこそこがんばったが、果たしてダスマリナスはどこまで粘れるか。
それこそ2018年10月のファン・カルロス・パヤノ戦の再現すらもあり得ると思っていた次第である。
 
井上尚弥vsダスマリナスどうかなぁ…。ボワイヨよりも粘れるか。ダスマリナスはいい選手だけど、今回は歴史に名を残すレベルの相手…
 
ただ、そうは言ってもマイケル・ダスマリナスは悪い選手ではない。
“長身のサウスポー+足がある”というやりにくさ満載のスペックに加え、実力自体もランキング1位の挑戦者として十分。
 
割とガチで、上述のファン・カルロス・パヤノよりも上なんじゃないの?
バンタム級時代のルイス・ネリともそこそこいい勝負するんじゃないの?
さすがに井上に勝つとは思えないけど。
などなど。
 
言われているほど弱くないというか、若干過小評価気味な気はしていた。
 

実際にマイケル・ダスマリナスは能力の高いいい選手だった。自分の長所を活かした作戦も間違いではなかった

で、実際にマイケル・ダスマリナスはいい選手だったと思う。
 
井上の射程のギリギリ外で対峙し、正面に立たないように絶えず左右に動き回る。
右のガードを下げないことを意識しつつ、遠間から左ボディを伸ばす。
 
あれだけ足を動かしながらも一瞬で身体を伸ばして打ち込むボディなどから身体能力の高さを感じたし、井上の左フックに対する反応もよかった。
 
ファン・カルロス・パヤノは真正面から前手の勝負を挑んで撃沈したが、ダスマリナスはそうではない。常に足を止めずに遠い位置から細かいヒットを重ねて長期戦に持ち込む作戦。自分の長所を活かす意味でも正解だったと言えるのではないか。
 
「リクドウ」が井上尚弥vsパヤノ戦にそっくりだったと聞いて。マジか。はじめの一歩だけじゃなく、ここにもアカンことが…
 
というより、この選手が井上とまともに勝負して勝つのはまず不可能である。
真正面から打ち合うにはドネア並みの耐久力と馬力、パンチ力が必要になるわけで、そんなことができる選手は今のバンタム級には(ドネア以外に)存在しない。
 
ダスマリナスもそれを重々わかった上での作戦だったと思うし、実際何発かはヒットもしていた。
王者クラスの選手からは一段落ちるものの、間違いなくトップレベルの実力者と言っていい。
 

今の井上は“階級トップレベルの実力者”程度ではどうにもならない。向かい合っているだけで試合をコントロールする支配力

だが、今の井上尚弥には“階級トップレベルの実力者”程度ではまったく歯が立たない。
 
前回も申し上げたように、バンタム級の井上は「リング中央で構えているだけで相手に圧力を感じさせる」凄みがある。ガードを上げて足を踏み出すだけで相手を威圧する“強者の結界”というか。向かい合うことがそのまま試合のコントロールに直結する圧倒的な支配力。
 
この“強者の結界”にビビらず踏み込めるかどうかが井上と勝負する上での最初の関門になるわけだが、残念ながらダスマリナスはそこをクリアすることができず。
 
エマヌエル・ロドリゲス、ノニト・ドネア、ジェイソン・モロニーは自ら井上の射程に踏み込んで打ち合ったが、ダスマリナスはそのステージに立つことすらかなわなかった。
 
尚弥きゅん。井上尚弥がモロニー(マロニー)を7RKO。モロニーはいい選手だったし井上の試合で過去一番好きかもしれない
 
WOWOWエキサイトマッチのゲストできていた村田諒太も言っていたが、開始直後にいきなり前手の右に左フックを合わせられた(正確には20秒過ぎと1分前後あたりの計2発)ことであっという間に萎縮してしまったのが痛かったなと。
 
恐らくだが、ダスマリナス陣営の作戦は遠間からの左ボディと中間距離での右フック。
身体を伸ばして左ボディを突き刺し、右フックを引っ掛けてサイドに回る。
正面を外しながら距離を測りつつ、どこかのタイミングで左ストレートを顔面にぶち込むとか、そういう感じだったと想像する。
 
ところがこの右にあっさりとカウンターを合わせられたことで攻め手を一つ失ってしまった。
 
左フックをチラつかされるせいで不用意にサイドに回ることができず、フットワークは片側に限られる。
で、鋭角に距離を詰められてロープを背負わされ、強引に正対させられた状態から左ボディをズドン。
 
ボディ以外に目立った被弾はなかったものの、「井上の“強者の結界”を踏み越える」という最低限に到達できなかった結果がこれである。
今回は本当に「仕方なかった」「お疲れさま」としか言いようがない。
 
 
と言いつつ、僕はこのマイケル・ダスマリナスのことがぼちぼち気に入っている。
「勝負が見え過ぎていてテンションが上がらない」と散々喚き散らしておいてアレだが、この選手の能力の高さとがんばる姿はそれなりに好印象だった。
 
割と本気で「また戻ってこいよオマイ」と思っている。
 

リゴンドーでも井上に勝つのは難しそう…。あの左ストレートをどこまで警戒してくれるかだろうな

マジな話、この試合を観るとギジェルモ・リゴンドーでも打倒井上を果たすのは難しいと思う。
 
申し上げたように井上とまともに対峙するには、
・前手の差し合いでそこそこやれる
・井上の圧力に萎縮せずに射程に踏み込める
ことが最低条件となる。
 
今回のマイケル・ダスマリナスはそのどちらも持ち合わせていなかったが、特に痛かったのが前手の差し合いでまったく歯が立たなかったこと。
と言うより、リードジャブ自体ほとんど出していなかった上に右フックにカウンターを合わせられたせいで余計に手が出なくなってしまった。
 
ここでの駆け引きがある程度できないとどうにもならないのは明白で、右リードに鋭さがないリゴンドーでは相当キツいんじゃないの? という話。
 
仮に井上vsリゴンドー戦が実現した場合は恐らくファン・カルロス・パヤノ戦と似たような立ち上がりになると思うが、果たしてリゴンドーの左ストレートが井上にどこまで脅威を感じさせるか。
今回もダスマリナスの左を被弾するシーンがあったが、リゴンドー相手にあそこまで無防備にゴンゴン前進するとは思えないのが……。
 
ドネアvsカシメロだと…?! リゴンドーの見えない君扱いががが。ドグボエ、リンドルフォ・デルガド、オマール・ロサリオ。井上尚弥アンダーカード振り返り
 
いや〜、やっぱりリゴンドーじゃ厳しいだろうなぁ。
井上がバンタム級に留まるうちは結局ジョン・リエル・カシメロの奇跡の1発に賭けるか、40手前で全盛期を迎えたノニト・ドネアの底力に期待するくらいしかなさそうな気が……。
 
と言いつつ、階級を上げた井上にはあまりそそられないのも事実。
現在のバンタム級がベストなのは明らかだし、純粋なフィジカル差で苦戦させられるというのは全然おもしろくない。
 
井上尚弥の苦戦が観たいマンとしては非常に悩ましいところである()
 
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