ドネアvsカシメロだと…?! リゴンドーの見えない君扱いががが。ドグボエ、リンドルフォ・デルガド、オマール・ロサリオ。井上尚弥アンダーカード振り返り

ドネアvsカシメロだと…?! リゴンドーの見えない君扱いががが。ドグボエ、リンドルフォ・デルガド、オマール・ロサリオ。井上尚弥アンダーカード振り返り

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2021年6月19日(日本時間20日)に米・ネバダ州で行われたトップランク興行。メインイベントではWBAスーパー/IBF世界バンタム級王者井上尚弥がIBFの指名挑戦者マイケル・ダスマリナスに3RTKO勝利を収め、改めてその実力の高さを見せつけている。
 
で、今回はそれ以外のアンダーカードについて。
具体的にはオマール・ロサリオvsウィルフレド・マリアーノ戦、リンドルフォ・デルガドvsサルバドール・ブリセノ戦、アイザック・ドグボエvsアダム・ロペス戦の3つである。
 
オマール・ロサリオとリンドルフォ・デルガドに関しては前回ちょろっと触れたが、その感想を申し上げていくことにする。
 
ロブ・ブラントvsジャニベク・アリムハヌリ、リンドルフォ・デルガド、オマール・ロサリオ。井上尚弥、中谷正義のアンダーカードを予習する
 
また、突然発表されたノニト・ドネアvsジョン・リエル・カシメロ戦、WBC/WBO世界バンタム級2団体統一戦についても少々。
 
当初はジョン・リエル・カシメロvsギジェルモ・リゴンドー戦が内定? していたはずが、井上vsダスマリナス戦の直後にドネアvsカシメロ戦が発表されるというまさかの事態に。
 
え? じゃあ完全に“見えない君扱い”のリゴンドーはどうなっちゃうの?
 
僕個人としては結構な驚きだったので、そのネタにも触れてみたいと思う。
 

○オマール・ロサリオvsウィルフレド・マリアーノ×(4RTKO)

まずはこの試合。
 
オマール・ロサリオはプエルトリコ出身の23歳とのことで、たまたまアンダーカードに組まれた試合が目に入ってきた選手。
近場でのコンビネーションやボディ打ち、スタイリッシュな動きなどが同郷のエマヌエル・ロドリゲスと少し似ていたこともあり、ちょっと注目してみようかなと思った次第である。
 
 
試合の感想としては、まあ4回戦だったなと。
 
確かにオマール・ロサリオは動きが鮮やかですこぶる見栄えがいい。
特に左ボディから顔面へつなぐコンビネーションがスムーズで、ロドリゲス同様プエルトリコ出身っぽさが満載の選手。
 
ただ、今はまだあれこれ語る段階ではないのかな? という印象。
パンチに強弱もなく、基本は1Rの最初から全力で振り回すのみ。どこかで1発当たればペース配分もクソもなく倒しにいくという。
 
相手のウィルフレド・マリアーノがそこそこ強かったのもあるが、そこまで突出した感じは受けなかったのが正直なところである。
 
まあ、プロ4戦目と考えれば順調なのだとは思うが。
 
 
そして、やはり“顎が弱そう”というのも他のプエルトリコ出身選手との共通点だったりする。
 
第2のファンマを探す旅。俺たちのプエルトリコ期待の5人。彼らの散り際の美学は瞬間芸術と言っても過言ではない()
 
全体的に痩躯で面長、顎の先端が尖っているのがね……。


何とも言えませんが、どこかの段階で盛大にKO負けを喫しそうな気も……。
 

○リンドルフォ・デルガドvsサルバドール・ブリセノ×(判定3-0 ※79-73、79-73、80-72)

リンドルフォ・デルガドも前回触れた選手で、現在11戦全勝11KOというパーフェクトレコードに惹かれて注目した経緯がある。
 
当然この試合も豪快なKO勝利を期待していたのだが……。
 
結果は3-0の判定勝利。
ほぼフルマークの圧勝ながら、連続KO記録はここで途絶えてしまった。
 
 
実際の試合を観てみたが、なるほど。これは仕方ないですね。
 
相手のサルバドール・ブリセノという選手は身長175cmに対してリーチが183cm。背筋を伸ばして構えるせいで余計に顔面が遠く感じる。
L字から打ち出すジャブにもかなりの鋭さがあり、デルガドもこのジャブに再三顔を跳ね上げられていた。
 
過去の試合を観る限りあまりジャブの鋭さは感じなかったのだが、実際にはそんなことはなく。
むしろこのジャブが生命線と言っても過言ではないほどで、特に序盤はデルガドの侵入を防ぐ“つっかえ棒”としてよく機能していた。
 
長身のL字+鋭い左リード。
劣化版ロバート・イースターJr.とも言えるスタイルでやりにくいことこの上ない。
 
 
ただ、序盤は攻めあぐねたデルガドだが、終盤2Rはしっかりと懐で勝負できていたしボディを効かせてもいた。
この相手にこの内容なら、KOできなくてもまあOKなのかなと。
 
相変わらず頭の位置がほとんど変わらないのが気になるが、攻撃力に全振りした今のスタイルでゴリ押しできるうちは負けることはなさそうである。
 
シャクールvsナカティラ、鈴木雅弘vs永田大士、赤穂亮vs杉田ダイスケ振り返り。地獄のシャクールにあの名選手とそっくりな鈴木雅弘
 

○アイザック・ドグボエvsアダム・ロペス×(判定3-0 ※97-93、95-95、96-94)

お次はエマヌエル・ナバレッテに2度敗戦→フェザー級での再起2戦目を迎えたアイザック・ドグボエについて。
相手のアダム・ロペスはオスカル・バルデスやステファン・フルトンとも対戦経験を持つ強豪である。
 
 
実際の試合を観た感想だが……。
 
あ〜、なるほど。
これはアレだ。
 
階級の壁ってヤツですね?
 
パッと見の印象だが、ドグボエのコンディションはなかなかよかったと思う。
 
踏み込みの鋭さや暴風雨のようなスイング、その他。
数年前に「井上尚弥のラスボス」に認定された頃と同様、野性味溢れる思いきりのいいファイトは健在だということがわかった。
 
だが効かない。
まったく効かない。
 
ドグボエがいくら腕を振ってもアダム・ロペスはケロッとして前進を続け、そのまま至近距離で連打を浴びせる。一回り大きな身体でドグボエをロープに押し込んでいく流れ。
 
中盤まではパワー全開のスイングでどうにか受け止めていたドグボエだが、それも長くは続かず。
7Rから軽打+スピード勝負に切り替えるも、ロペスの物量に押し潰されてにっちもさっちもいかなくなる。
 
前半の貯金を切り崩して何とか逃げ切ったが、これが仮に12回戦だったら……。
 
 
恐らくだが、ドグボエがフェザー級に留まる限り今後もこういう試合が続くのだと思う。
完全なる茨の道というか、上位陣との対戦が増えるにつれてキツくなっていきそうな匂いがプンプンする。
 
 
何かもう、2021年4月の西田凌佑vs比嘉大吾戦を彷彿とさせましたよね。
腕をブンブン振り回して向かっていく比嘉に対し、ケロッとした表情で右リードをヒットしまくる長身サウスポーの西田。
 
西田凌佑すげえわ。比嘉大吾対策は堤聖也よりもはるかに上。比嘉はどこを基準にするかだろうな。相手を選んで王座戴冠を狙うか
 
アイザック・ドグボエも晴れて“階級アップにフィジカルが追いつかない人たち”の仲間入りを果たす? のかも?


 

ノニト・ドネアvsジョン・リエル・カシメロ決定?! “見えない君”扱いのリゴンドーはいずこへ?

そして最後はノニト・ドネアvsジョン・リエル・カシメロ戦が発表されたことについて。
 
最初に申し上げた通り僕はギジェルモ・リゴンドーvsカシメロ戦が内定済みだとばかり思っていたので、井上vsダスマリナス戦直後のこの発表にはかなり驚かされた。
 
カシメロ陣営のやらかしでドネアが撤退。取り巻きが出しゃばるとロクなことにならんよな。伊藤雅雪vs細川バレンタイン、コルバートvsニャンバヤル
 
というより、いきなり組み合わせを変更されたことに戸惑っていると言った方が正解か。
 
数ヶ月前からギジェルモ・リゴンドーという塩分過多のメニューを提示され、舌もそっち側のモードになっていたのに。
 
突然メインディッシュが血糖値高めのノニト・ドネアに変更されましたと言われても……。
 
塩っ辛くて健康に悪そ〜うな料理を待っていた僕の舌をどうしてくれるの? みたいな。
 
 
すでにBoxRecにも記載されているところを見ると、これはほぼ確定と言ってよさそうである(「Nonito Donaire v John Riel Casimero」から引用)。

 
こうなると完全に“見えない君”扱いのリゴンドーの動向が気になるわけだが、もしアレなら井上尚弥との統一戦に舵を切ればいいのではないか。
 
井上本人は「リゴンドーのベルトには興味がない」「4団体統一に集中している」とコメントしていたが、WBAから司令が出れば無視するわけにもいかなくなる。
 
幸いドネアvsカシメロ戦が2021年8月14日予定なので、勝者との4団体統一戦に向かうにしても年末になる(はず)。
 
ダスマリナス戦をノーダメージで終われた+日程的に余裕があることを考えれば、ちょいちょいっとリゴンドーの相手をするのも悪くない。
せっかくサウスポー対策をしたのだから、その集大成としても。
 
塩分過多のメニューを求めている僕の舌を満足させるためにも井上はリゴンドー戦に進むべきなのである()
 
 
一応言っておくと、僕はリゴンドーのことが大嫌いである。
 
ファイトスタイルも表情も嫌いだし、減量の困難さを理由にWBSSバンタム級トーナメントを辞退したくせにしれっとバンタム級トップ戦線に絡もうとしている心根も嫌い。
 
以前ブランドン・フィゲロアのことが嫌いだと申し上げたことがあるが、リゴンドーに関しては桁が違う。
ブランドン・フィゲロアの嫌い指数が8メガロドンだとしたら、リゴンドーの嫌い指数はだいたい17500メガロドンくらいか。
 
ルイス・ネリ陥落。フィゲロアとの打ち合いに根負け&ボディを被弾で撃沈。いい試合だったけど何であんなに自信たっぷりだったんだろうな
 
なお、1メガロドンを地球の単位に換算すると大谷翔平10本分(縦に)になる。
 
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