チャベスJr.がアンデウソン・シウバに判定負け。今回は仕方ない。条件が不利過ぎたし、さすがにチャベスが不憫だったよな()【結果・感想】

チャベスJr.がアンデウソン・シウバに判定負け。今回は仕方ない。条件が不利過ぎたし、さすがにチャベスが不憫だったよな()【結果・感想】

「ボクシング記事一覧リンク集」へ戻る
 
2021年6月19日(日本時間20日)、メキシコ・グアダラハラで行われた182ポンド契約8回戦。元UFC王者アンデウソン・シウバが元WBC世界ミドル級王者フリオ・セサール・チャベスJr.と対戦し、2-1(77-75、77-75、75-77)の判定でシウバが勝利。約16年ぶりのボクシングの試合に勝利した一戦である。
 
 
またメインイベントではフリオ・セサール・チャベス(チャベスJr.の父)がヘクター・カマチョJr.とエキシビジョン4回戦を行い、会場を沸かせている。
 
その他、チャベス家の次男オマール・チャべスがサウル・“カネロ”・アルバレスの兄ラモン・アルバレスとのラバーマッチに臨み、アルバレスが3-0で判定勝利するなど、終始エンタメ性の高い盛りだくさんのイベントになったとのこと。
 
「チャベスJrが46歳の元MMA王者に判定負け メインはチャベス父がEXで盛り上げ」
 

フリオ・セサール・チャベスJr.vsアンデウソン・シウバ戦が普通におもしろかった。シウバのボクシング能力の高さに驚いた

元ミドル級王者フリオ・セサール・チャベスJr.と元UFC戦士のアンデウソン・シウバが182ポンド契約8回戦で対戦した今回。
 
エンタメ性の高さはもちろん、ボクシングの試合経験もあるアンデウソン・シウバがどこまでやれるのか? に興味があり、はりきって試合を視聴してみた次第である。
 
率直な感想としては「すげえおもしろかった」
 
いや、これ普通におもしろい試合でしたよね?
茶番どうこう、話題先行どうこうの意見も理解できるが、純粋に試合としてよかったと思う。
個人的には先日RIZIN28内で行われた那須川天心vs大崎孔稀、HIROYA、所英男の1対3マッチよりもはるかに楽しめたことを報告しておく。
 
朝倉海は微妙? 井上直樹とんでもない。扇久保博正、元谷友貴、ベイノア、気の毒な那須川天心その他感想
 
特に驚いたのが、アンデウソン・シウバのボクシング能力の高さ
 
サウスポースタイルから細かい右リードでチャベスの出足を止め、左右に動きながらガードの間を次々通していく。
上体の柔軟さと見切りのよさでクリーンヒットを防ぎ、スパスパとヒットを重ねていく試合運びはお見事としか言いようがない。
 
実況が盛んに「ロイ・ジョーンズスタイル!!」を連呼していたが、確かにそんな感じ。
膝の硬さからは年齢とブランク、若干手打ち気味のパンチからはMMAファイターの名残りが感じられたものの、それ以外は素晴らしいのひと言。
 
ラウンドの半分を休んでもう半分を飛ばすというペースを守りつつ、何だかんだで失速することなく8ラウンドを完走してしまった。
 
それこそ先日メイウェザーと対戦したローガン・ポールよりもはるかによかったんじゃないの? というくらい。
長年UFCの頂点に君臨したファイターの基礎能力の高さを山ほど堪能できた。
 
低調なメイウェザーvsローガン・ポール。想定していた中で一番無難で望まない展開だった。メイウェザーにとっても痛い結果じゃない?
 

チャベスJr.は今回は仕方ない。条件が不利過ぎたし、不測の事態が多過ぎた

一方敗れたチャベスJr.だが、今回は仕方ない。
表題の通りなのだが、あまりに条件が不利過ぎた
 
下記の記事を読むと、この試合は当初のL・ヘビー級契約(175ポンド)から急遽182ポンドに引き上げられたものの、計量でチャベスJr.が2.4ポンドオーバーしてしまったとのこと。
で、試合は罰金10万ドル(約1100万円)をシウバに支払った上で開催されたという。


要するにもともと175ポンド以下の契約体重で行われるはずだったものが182ポンドに変更され、チャベスJr.はそれに対応できずに体重超過してしまったと。
 
文脈から察するに、あまりの急な変更にチャベスJr.が戸惑ったことは明白。自身に過失がないのに1100万円もの大金を巻き上げられる心境は察するに余りある。
もしかしたら試合どころのメンタルではなかったのかもしれない。
 
 
しかも試合が行われた会場はハリスコ州グアダラハラにあるエスタディオ・ハリスコ。
普段はサッカー場として使用される屋外のスタジアムで、収容人数は55000人を超える。
 
チャベスJr.自身、最後に試合をしたのが2020年11月である。
半年以上のブランクがある中、こんな大会場で試合をするなどどれだけのプレッシャーがかかっていたか。
本来であれば新宿FACE(キャパ数百人)くらいの規模の会場から始めるのが筋なのに。
 
主催者にどんな意図があったかは不明だが、“偉大な父を持つ息子”の苦労をあまりにも軽く考え過ぎである。
 
いきなり契約体重を変えられ、本人の事情も考慮されずにとんでもない大舞台に放り出される。
この状況で本来の力を発揮しろなど無茶振りもいいところである。
 

巨大な力が裏で働いたんだろうな。標高1500mの高地でボクシングをやるなど、正気の沙汰ではない

さらに言うと、イベントが開催されたハリスコ州グアダラハラは標高1500m以上の高地。
こんな場所でボクシングの試合をさせること自体が正気の沙汰とは思えないし、チャベスJr.が終始身体が重そうだったのもめちゃくちゃ理解できる。
 
 
当初の10Rから8Rにラウンド数が変更されたもの、恐らく裏で巨大な力が働いたため。
序盤はシウバの動きに翻弄されたチャベスJr.だが、7、8Rにはしっかり対応し、ボディを中心に再三シウバにコーナーを背負わせている。
 
シウバの体力や両者のファイトスタイルを考慮すると、あれ以上のラウンドは危険との判断が下されたことは火を見るよりも明らかである。
 
拳四朗vsペタルコリン、チャベスJr.vsジェイコブス、亀田京之介vs前田稔輝振り返り。MVPは拳四朗で異論ないよな。村田のKOよりも強烈だった
 
そして、もっともチャベスJr.が不憫だったのがアンデウソン・シウバのボクシング能力の高さ。
 
繰り返しになるが、今回のシウバのパフォーマンスはめちゃくちゃよかった。
46歳という年齢やMMAファイターの割にとかではなく、純粋にボクサーとして。
冗談でも何でもなく、最初からボクシング一本でいってもそこそこやれたんじゃないの? と思わせるほどに。
 
・コナー・マクレガー
・YouTuberのポール兄弟
・ベン・アスクレン
・マーク・ハント
・アンデウソン・シウバ
 
この中で誰がよかったかと聞かれれば、僕は問答無用にアンデウソン・シウバを推す。
 
 
つまり、チャベスJr.にとってアンデウソン・シウバの能力の高さは完全に誤算だった。
ちょいちょいっと戦って適当にお小遣いを稼ぐはずが、予想をはるかに超えるシウバの実力に戸惑ったまま敗戦を喫してしまった。
 
本人としては「こんな話は聞いてない!!」だろうし、今回は何から何までアンデウソン・シウバ主導で行われた試合としか言いようがない。
 

グッドルーザー、フリオ・セサール・チャベスJr.。この日のリングに敗者がいないことは誰もが知っている

また判定に関しては、チャベスJr.の最後のプライドが作用したのだと思っている。
 
正直、内容的にはどこからどう見てもシウバのワンサイドゲームなのだが、結果はまさかの2-1(77-75、77-75、75-77)のスプリット判定。ここでも巨大な力が働いたことは明白過ぎるほど明白である。
 
それでもシウバの腕が上がったのは誇り高きチャベスJr.だからこそ。チャベスJr.の雄姿を目の当たりにした“彼ら”が、最後の最後で超えてはいけない一線を踏みとどまったのだろうと。
 
 
不利な条件を飲み、勝利に邁進し続けたグッドルーザー、フリオ・セサール・チャベスJr.。
この日のリングに敗者が存在しなかったことはあの場にいたすべての人間が知っている。
 
 
というか、第一線を退いたMMAファイターやYouTuberがボクシングのリングに上がるヤツ、基本は引退したボクサーが参戦しまくってた旧K-1のアレと同じなんでしょうね。
引退前のボーナスステージとしてちょろっと小金を稼ごうかなみたいな。
 
主催者側も手っ取り早く話題を作れるし、両者にとってメリットが大きいのだろうと。
 
あえて違いを挙げるとすれば、旧K-1がベストメンバーを揃えていたのに対して今回は迎え撃つボクサー側も一線を退いている(退きかけている)ことか。
 
「ボクシング記事一覧リンク集」へ戻る
 

Advertisement

 


 

 
【個人出版支援のFrentopia オンライン書店】送料無料で絶賛営業中!!