Oh! インドンゴさん…。イエレウシノフに2RTKO負け。もう少しがんばると思ったけどな。だんだんKOラウンドが短くなっとる【結果・感想】

Oh! インドンゴさん…。イエレウシノフに2RTKO負け。もう少しがんばると思ったけどな。だんだんKOラウンドが短くなっとる【結果・感想】

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2020年11月27日(日本時間28日)、米・フロリダ州で行われたウェルター級10回戦。元WBA/IBF世界S・ライト級王者ジュリアス・インドンゴとリオ五輪金メダリストのダニヤル・イエレウシノフが対戦し、2R1分24秒TKOでイエレウシノフが勝利。戦績を10戦全勝6KOとした一戦である。
 
 
元S・ライト級2団体統一王者ジュリアス・インドンゴが約1年3か月振りのリングで迎えたサバイバルマッチ。相手のダニヤル・イエレウシノフはリオ五輪金メダリストで、現在9勝全勝5KOの戦績を持つテクニシャンである。
 
 
サウスポー同士の対決となったこの試合。
遠い位置から右を打ち出し得意の左を放つタイミングを探るインドンゴに対し、イエレウシノフはやや低い構えからボディワークでパンチをかわしながら的確なカウンターを返す。
 
1R中盤に至近距離でカウンターの左をヒットし、早くも最初のダウンを奪ったイエレウシノフ。
インドンゴもすぐに立ち上がって試合再開に応じるが、踏み込みのタイミングを掴んだイエレウシノフに次々にヒットを許してしまう。
 
試合はイエレウシノフ優位のまま1Rが終了し、続く2Rもインドンゴはイエレウシノフの防御を突破できずにカウンターを被弾し続ける。
 
そして1分過ぎ。
イエレウシノフの左を側頭部にもらい、この日2度目のダウンを喫するインドンゴ。
カウント9で立ち上がったものの、首を振って試合続行を拒否。その様子を見たレフェリーが両手を交差し試合終了を告げる。
 
この瞬間、イエレウシノフのキャリア10勝目が確定した。
 
中谷正義vsフェリックス・ベルデホ戦実現を願う会解散とともに中谷正義のフェリックス・ベルデホ戦での勝利を願う会発足を宣言します
 

嗚呼、インドンゴさん。この負け方は完全に再浮上のチャンスが失われたか?

2016年12月に敵地ロシアでエドゥアルド・トロヤノフスキーを1RKOに下し、一躍時の人となったジュリアス・インドンゴさん。
 
今回はリオ五輪金メダリストでもあるダニヤル・イエレウシノフの対戦相手に抜擢され、再びトップ戦線に食い込むチャンスを得たわけだが……。
 
結果は2R1分24秒でのTKO負け。近場でイエレウシノフの左を被弾して2度のダウンを喫し、立ち上がったもののあっさりと試合続行を拒否してしまった。
 
残念ながら今回の負けでインドンゴが再浮上する機会はほぼ失われたと思っているのだが、まあそれも仕方ない。
“次に繋がる感じがまったくない”あの負け方を見ると、主催者としても重要な試合では使う気にはなれないのではないか。
 
わずか1、2年の間に2団体統一王者に上り詰め、現PFP No.1のテレンス・クロフォードとの4団体統一戦まで実現したインドンゴさんだが、本当にジェットコースターのように墜落してしまった。
 
クロフォードよ、お前がNo.1だ…。ケル・ブルックを4RTKOで沈める。見えない右キター♪───O(≧∇≦)O────♪
 
てか、KO負けまでの時間がだんだん短くなっとるからね。
 
・vsテレンス・クロフォード:3R1分38秒KO負け
・vsレジス・プログレイス :2R2分54秒TKO負け
・vsダニヤル・イエレウシノフ:2R1分24秒TKO負け
 
ダニヤル・イエレウシノフは間違いなくいい選手だが、テレンス・クロフォードよりも上かと言ったら……。決してそんなことはないと思うのだが。
 

インドンゴがイエレウシノフに勝つのは難しいと思ってはいたけど、ここまで何もできずに終わるとはね

前回も申し上げたように、正直この試合でインドンゴが勝つのは相当難しいと思っていた。
 
インドンゴんごさんがイエレウシノフ(元トップアマ)と対戦。がんがれインドンゴんご。Mr.ジェットコースターのラストチャンスかな
 
・インドンゴは基本的にvsサウスポーが苦手
・持ち味は身体を目いっぱい伸ばして打つ左ストレート
・だが、角度的にサウスポーの肩が邪魔になって左が機能しにくい
・対するイエレウシノフはディフェンシブなカウンター使い
・見切りと位置取りのうまさを活かしたヒット&アウェイが得意
・前手の右リードが多彩で、その部分でインドンゴとは大きな差がある
・ただ、馬力がある方ではなく1発の威力もそこまでではない
 
両者の過去の試合を観た限り、だいたいこんな感じの印象。
 
インドンゴさんの苦戦は間違いなさそうだが、クロフォード戦やプログレイス戦ほどあっさり負けることもないのではないか。
KO負けのパティーンも十分あり得るとは思うが、そこそこのがんばりに期待したい。
 
ゴロフキンvsシェルメタ戦まであと少し。シェルメタいい選手だけど、さすがにゴロフキンは勝たなきゃダメな試合だろうな
 
ところが蓋を開けてみれば2R1分24秒TKO負け。
しかも、キャリア最速タイムでのKO負けという不名誉な記録まで打ち立ててしまった。
 
試合後に毎回ハイライト動画を出すDAZNさんも、あまりの短さにフルで公開しちゃってるというw

いや〜〜……。
さすがにもう少しがんばると思ったけどなぁ。
 
ここまで何もできずに終わるとはね。
 

概ね両者の特徴は予想と近かったかな。vsサウスポーが苦手なインドンゴと前手の右が多彩なカウンター使いのイエレウシノフ

実際の試合を観ても、概ね両者の特徴は想像通りではあった。
 
遠間から打ち込むインドンゴの左はやや斜に構えるイエレウシノフの右肩に邪魔されて伸びきらない。
 
しかもイエレウシノフの前手の右はめちゃくちゃ多彩。ボディジャブやフックなど、前手の差し合いでインドンゴを圧倒してまともに間合いに入れさせない。
 
真正面から打ち込んでくるインドンゴの左をボディワークでよけ、打ち終わりに身体が伸びきった瞬間を狙ってカウンターを連打で返す。
 
踏み込みのレンジが長い分、打ち終わりの復元力がやや足りないインドンゴはこれを防ぎきれず。1R中盤にダウンを喫するまでにもたびたびカウンターのフックを被弾してグラつきを見せていた。
 
左が機能せず、前手の差し合いでも歯が立たない。
加えて左右へのフットワークがあるわけでもない。
 
結果的にこの試合は最初のダウンでほぼ勝負あったというか、インドンゴはかなり早い段階で手詰まり状態に追い込まれていたのではないか。
 
 
逆に各局面で相手を上回れるイエレウシノフはある程度強気の攻めが許される。
カウンターをチラつかせながらグリグリ前進し、懐で積極的にフックを振るう。
 
基本的にインドンゴはストレートパンチャーなので、近場での回転力でもイエレウシノフに敵わない。
1R後半から2Rにかけて苦手な接近戦に持ち込まれ、2度目のダウンを喫したところでジ・エンド。自ら試合を投げるような形で敗北を受け入れてしまった。
 
 
同じ長距離砲サウスポーとしては元WBC世界バンタム級王者山中慎介が思いつくが、あの選手はインドンゴと違ってvsサウスポーにおいての前手の右リードがめちゃくちゃうまい。
 
山中慎介はトマス・ロハス戦までが好き。岩佐亮佑戦はいまだに忘れられない。「神の左」を連呼され出してから「ん?」となった
 
キャリアを通してvsサウスポーに勝利を重ねたのも右リードで相手とのスペースを確保できたからで、攻撃パターンが左ストレートorワンツーのみのインドンゴとは一味違う。
 
 
まあ、最後は下半身の衰えが顕著になったタイミングで同じ前手の右に長けたカウンター使いのルイス・ネリと遭遇して撃沈させられてしまったが。
 

さすがにこの負け方はガッカリしたよね。すでに再浮上のモチベーションが残っていないのかも…

とまあ、試合の感想やインドンゴが負けた理由をあれこれ考えてみたものの……。
 
正直、この試合でのインドンゴさんの負け方にはちょっとガッカリさせられているw
 
最後のギブアップも勝負を投げ出した感がありありだったが、もしかしたらこの選手はすでにトップ戦線に再浮上しようというモチベーションがないのではないか。
 
しかも今回は1Rの中盤あたりで歯が立たないと悟り、早々に諦めモードに入った印象。
 
本当のところは本人にしかわからないが、もはやこの選手にBサイドの逆境を跳ね返すパワーは残っていないのかもしれない。
 
テレンス・クロフォード、レジス・プログレイス 、ダニヤル・イエレウシノフというサウスポー+カウンター使いを3連続(調整試合を挟んだけど)で当てられたことは気の毒以外の何物でもないが、それ以上に数年前の熱さがまったく感じられなかったのが残念である。
 
 
最初に言ったけど、同じ負けるにしても負け方ってありますからね。
 
コロナ明け(?)1発目のトップランクの興行でシャクール・スティーブンソンと対戦したフェリックス・カラバロなどは、6RKO負けを喫したものの最後まで抵抗する姿を見せた。直前の抜擢だったにも関わらず、である。
 
シャクール・スティーブンソンvsフェリックス・カラバロおもんなさ過ぎワロタw 久しぶりのボクシング、うすうすな試合だったな
 
実際カラバロは3ヶ月後にロベイシ・ラミレスの相手として呼ばれているし、シャクール戦のがんばりに対するリターンは確かにあった。
試合はつまらんかったけど。
 
 
それに比べて、今回のインドンゴの負け方からは“未来”がまったく感じられない。年齢的にも終わる準備に入っているのかもしれないが、それでももう少し何かあったんちゃうか? と。
 
そもそもこの選手はウェルター級だと自分の長所を発揮しきれないのがキツい。
S・ライト級時代の途方もなく遠い距離感はなりを潜め、「ちょっと背が高くて線の細い人」に成り下がっていたのが……。
 
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