ホセ・ペドラサvsミケル・レスピーエル感想。ペドラサってホントに器用だよな。余裕が出ると試合中に全部試したくなる感じ【結果・感想】

ホセ・ペドラサvsミケル・レスピーエル感想。ペドラサってホントに器用だよな。余裕が出ると試合中に全部試したくなる感じ【結果・感想】

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2020年7月2日(日本時間3日)、米・ネバダ州ラスベガスで行われた144ポンド契約10回戦。元2階級制覇王者ホセ・ペドラサが世界タイトルマッチ経験もあるミケル・レスピエールと対戦し、3-0(110-88、99-89、99-89)の判定で勝利。昨年9月のホセ・セペダ戦での敗戦以来となるリングで勝利を飾った。
 
 
当初、この試合は現地時間2020年6月18日に予定されていたもの。だが、レスピエール陣営のマネージャーの新型コロナウイルス感染により延期され、ようやく今回の無観客興行のメインで実現した。
 
 
試合開始から軽快な動きで前に出るペドラサに対し、レスピエールは右リードを出しながら距離を測る。
積極的に前に出るペドラサだが、遠い位置では右が届かず接近戦ではなかなか回転が上がらない。レスピエールとの距離感が掴めず、序盤はやや攻めあぐねてしまう。
 
だが2Rからは左右に動きながらプレッシャーをかけ、レスピエールにロープを背負わせた状態からサウスポーにスイッチして一気にペースアップ。猛ラッシュを浴びせてレスピエールに反撃のチャンスを与えない。
 
このラウンド以降、流れを掴んだペドラサがレスピエールを翻弄する。最終ラウンドにダメ押しのダウンを奪うなど、文句なしの判定勝利。通算戦績を27勝3敗13KOとした。
 
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思った以上におもしろかった。ペドラサの動きもよかったし、レスピエールもいい選手だった

ホセ・ペドラサvsミケル・レスピーエル。
 
トップランク社による無観客興行で行われた一戦だが、もともとは6月にセットされていた試合で、レスピエール側のスタッフに新型コロナウイルス感染者が出てしまったために延期されていたもの。
 
個人的には興味も薄い試合だったのでスルーしてもよかったのだが、一応観てみることに。
 
おもしろかったww
 
意外? と言ったら失礼かもしれないが、普通におもしろい試合だった。
 
ホセ・ペドラサは相変わらず元気だったし、相手のレスピエールもなかなかいい選手。
144ポンド契約ということで両者ともに若干身体が重そうではあったが、全体的にはなかなか楽しめた。
 
先日のミゲール・ベルチェルトやエマヌエル・ナバレッテのコンディショニングが微妙だった分、落差が大きかったのもあるが、絶好調(とまではいかないけど)の動きを見せてくれた両選手に対してはナイスファイトの言葉しかない。
3階級制覇を狙うペドラサを純粋に応援したくなる試合でもあった。
 
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レスピーエルは少しだけアンセルモ・モレノっぽい? ペドラサも序盤はクネクネサウスポーを若干攻めあぐねる

僕自身、このミケル・レスピエールという選手を観たのは初めてだったのだが、申し上げたようになかなかいい選手だと思う。
 
2019年3月にはモーリス・フッカーとの世界タイトルマッチを経験しているとのこと。
身長173cm、リーチ178cmのサウスポーで、22勝のうちKOは10。戦績からも典型的な技巧派タイプであることがわかる。
 
また、年齢は2020年7月時点で35歳。
「ああ、こういうクネクネしたベテランサウスポーってたまにいるよね」という感じの選手で、上体の動かし方やカクカクした奥足など、どことなくアンセルモ・モレノっぽかったりもする。
 
いい選手には違いないが、トップクラスに食い込むには少しだけ足りない。でも比較的ダメージを少なく抑えらえるスタイルなのでそこそこ長くやれる。ホセ・ペドラサにとっては面倒な相手を選んだなぁという印象である。
 
 
そして、当のペドラサはこのクネクネサウスポー相手にさすがの実力を見せつけてくれた。
 

2Rからしっかり対応するペドラサ。手数を減らしてプレッシャーを強め、左構えで一気にペースアップ

開始直後はレスピエールの距離感に惑わされ、やや攻めあぐねるペドラサ。
左リードは弾かれ、右ストレートは届かない。
近づいて接近戦に持ち込んでも、上体の柔らかさを活かして芯を外すレスピエールを捉えきれず。
 
逆にレスピエールの右リードで顔を跳ね上げられるなど、得意な距離を作れない展開が続く。
 
 
ところが、2Rに入るとペドラサの動きが少し変わる。
広いスタンスで左右に動きながらじりじりと距離を詰め、フェイントを織り交ぜてプレッシャーをかける。
手数を減らして進行方向に先回りしつつ、レスピーエルの逃げ場を塞ぐ。
レスピーエルがロープを背負った瞬間、サウスポーにスイッチして一気にペースアップ。上下左右に猛烈なラッシュを浴びせていく。
 
正直、このラッシュで決まるか? と思わせるほどの猛攻だったが、レスピーエルはがっちりとガードを固めて何とか耐える。
 
 
だが、試合の趨勢はこのラッシュで決まったというか、流れは完全にペドラサに傾いた気がする。
 
サウスポーにスイッチしたペドラサはこれ以降、レスピーエルをどんどん圧倒していく。
 
近い間合いでは上体を振りながらプレッシャーをかけ、ボディ、顔面への連打。離れて勝負したいレスピーエルにまともなボクシングをさせない。
また、遠い位置では前手のリードを巧みに使い、ジャブの差し合いで試合を有利に進める。
 
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この試合を観て思ったのが、ホセ・ペドラサの右がめちゃくちゃ多彩だということ。
特にvsサウスポーで左構えにスイッチした際の前手の多彩さは目を見張るものがある。
 
過去の試合でもジャーボンティ・デービスにリードの差し合いでは勝っていたし、PFP No.1のワシル・ロマンチェンコにも肉薄した。2012年10月には元IBF世界S・フェザー級王者テビン・ファーマーに見事なKO勝利を挙げている。
前回のホセ・セペダ戦も観直してみたが、個人的にはもう少し左構えで戦えば違う展開になっていたのでは? と思わせる内容だった。
 
そして、今回の試合も左構えに移行した3Rからあっという間に相手の動きを見切ってしまった。
 
 
まあ、もともとレスピーエルはvsサウスポーが苦手そうではあるのだが。
山中慎介やファン・カルロス・パヤノに敗れたアンセルモ・モレノもそうだが、この選手は恐らくダッキング→相手の左側に回り込む流れが得意なのだと思う。
 
だが、サウスポー相手だと角度的に侵攻方向から左フックが飛んでくるため、その動きが非常にやりにくい。
 
右の差し合いで圧倒され、得意の右回りのフットワークも制限される。
結果的に真正面で対峙する以外に手がなく、左のストレートを食いやすくなる感じか。
 

ペドラサってホントに器用だよな。少しだけ田中恒成と似た雰囲気を感じる

相手の動きをほぼ見切ったペドラサは、5Rから再びオーソドックスの構えに戻す。
 
左を小刻みに動かしながら距離を詰め、ボディ、顔面に右ストレートを伸ばしていく。
 
そして、不運なダウン(ビデオ検証の結果、無効に)を食った直後。
遠い位置から鋭く踏み込み、左を見せてから右を顔面にヒット。レスピエールを豪快にダウンさせる。
 
すぐに立ち上がったレスピエールだが、これで警戒心を強めたのか、これまでよりもさらに手が出なくなる。
 
うかつに右リードが出せず、ペドラサにあっさり侵入を許して右ストレートを被弾。
右を警戒するうちにガードがおろそかになり、今度は左フックをもらう。
どうにもならないまままっすぐ後退し、コーナーを背負って亀になるという悪循環。
 
逆にリズムに乗ったペドラサはどんどんペースを上げていく。
ダウンを奪った右ストレートをチラつかせながらプレッシャーを強め、左リードで動きを止めておいて得意のラッシュにつなぐ。
 
序盤はやや苦労した距離感もまったく問題なく、本当に気持ちよく腕を振っている印象である。
 
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こうして見ると、ホセ・ペドラサという選手は本当に器用なのだと思う。
左右どちらの構えでもまったくクオリティが落ちず、接近戦でも遠い間合いでも両方いける。その上、リードの差し合いも多彩で近場でのコンビネーションも得意。
 
また、今回のように余裕が生まれるとあれこれと試し始める傾向もある。
勝利のみに徹するならサウスポーのまま右リードで翻弄していればいいのだが、あえて右構えに戻して強打を打ち込んでみたり。KO負けを喫したジャーボンティ・デービス戦でも、調子に乗って奇声を発しながら飛ばしまくって中盤でガス欠を起こしたり。
 
準備したものを全部出さないと気が済まないというか、どことなく日本の田中恒成と似た雰囲気を感じる。
 
まあ、こういうあえて茨の道を行くタイプもまったく嫌いではないのだが。
 
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3階級制覇を目指してS・ライト級に上げたとのことだが、あまり無理をするとポール・マリナッジの二の舞になる気がしないでもない。
 
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