サム・グッドマンが階級上のミゲル・フローレスを全局面で圧倒。これは指名挑戦者の先頭に立ったでいいんじゃない?【結果・感想】
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2023年10月15日に豪・クイーンズランド州で行われたフェザー級12回戦。
IBF世界S・バンタム級王座挑戦権を保持するサム・グッドマンが世界挑戦経験を持つミゲル・フローレスと対戦し、3-0(120-105、120-105、118-107)の判定で勝利した一戦である。
WBC/WBO王者井上尚弥とWBA/IBF王者マーロン・タパレスによる4団体統一戦が締結間近と言われる中、IBFの挑戦権を持つサム・グッドマンが調整試合のリングに上がった今回。
対戦相手のミゲル・フローレスは2019年11月にレオ・サンタ・クルスの持つS・フェザー級王座へ挑戦した強豪で、前戦では元3階級制覇王者アブネル・マレスと引き分けている。
だが、試合はグッドマンの一方的な展開。
序盤から前後左右に動きながら左ジャブを打ち込むグッドマンにフローレスはついていけず、顔面、ボディに次々被弾。8Rには接近戦からの強烈なボディでダウンを奪われる。
時おりフローレスのカウンターがヒットするものの、終始試合を支配したのはグッドマン。文句なしの判定勝利で王座挑戦へ弾みをつけている。
サム・グッドマンvsチャイノイ・ウォラウト。グッドマンに打倒井上は厳しいとオモタ。パワフルなチャイノイとあえて打ち合ったのはよかったけど
僕の興味はサム・グッドマン。ティム・チューが強いのはわかったから早くチャーロ戦をだな…
前回、元暫定王者レイセ・アリームに判定勝利しIBFの王座挑戦権を獲得したサム・グッドマン。
今回の相手はS・フェザー級でタイトルマッチの経験もあるミゲル・フローレス。正直、調整試合としてはかなり過酷なマッチメークである。
また、この日のメインではティム・チューとブライアン・メンドサによるWBO世界S・ウェルター級王座戦が組まれていたが、申し訳ないことにあまり興味がわかず。
現状、4団体王者ジャーメル・チャーロはビッグマッチ路線に夢中で(カネロ、クロフォード等)、正規? 暫定? 王座を保持するチューにはなかなか順番が回ってこない。
カネロvsチャーロ弟。久しぶりに「カネロ様」な試合だった。チャーロ弟は早々にスペースを潰されてできることがなくなった
ただ、ティム・チューの強さはこれまでたっぷり観てきている。個人的にはそろそろチャーロやカスターニョといったトップ勢と対戦してほしいのだが……。
そんな感じで僕の興味は断然サム・グッドマン。
日本の井上尚弥との絡みはもちろん、前回のアリーム戦でこの選手を気に入ったことも大きい。
フローレスはグッドマンのよさが出る相手だった。全局面で圧倒する
試合の感想だが、今回のミゲル・フローレスはサム・グッドマンのよさがめちゃくちゃ出る相手だった(と思う)。
恐らくフローレスは中間距離からやや近めでの差し合いが得意な選手。
だが、フットワークがいいわけでもなく特別スピードがあるわけでもない。
コンビネーション、出入り、ジャブの差し合い、カウンター、などなど。
諸々のスペック、精度ともにグッドマンが上回っており、本人としても一番やりやすい場所でやりたいことができる相手だったのではないか。
前回のアリームは鋭い踏み込みとパワフルなワンツーが持ち味。
自分のペースで勝負するにはまずはこの踏み込みを止めなければならなかったが、フローレスは得意な距離が近い分その作業を省略できた。
アリームさんホントにコケたよ。サム・グッドマンに対策されて終始糞詰まり状態に。序盤は苦戦すると思ったけど1Rから自信たっぷりでしたね
動きの少ないマトの周りを回りつつジャブをヒット、もう一歩近づいてボディ、顔面に右。
機動力と的確さをフルに活かしたファイトでポイントを重ねていく。
見た目以上に強フィジカルだよね。しかも自分から試合を動かすのもいい
そして前回も思ったが、この選手は見た目以上にフィジカルが強い。
パッと見は優男で頼りなさを感じるが、実はナチュラルに馬力がある。
階級屈指のパワフルさを持つ(と思っていた)アリームに力負けせず、今回は2階級上で世界戦を経験しているミゲル・フローレスを押し切ってみせた。
リング上で対峙した両者に体格差はなく、むしろグッドマンの方が懐が深く感じたくらい。
以前「この選手はどことなくジェイソン・モロニーっぽさがある」と申し上げたことがあるが、実際にはモロニーよりも攻防兼備で戦術の幅も広い。
しかも自分から試合を動かしにいくのがいい。
僕は過去の試合を観てどちらかと言えばカウンター狙いの“待ち”の選手なのかな? と思ったが、まったくそんなことはなく。むしろ前回今回と自ら打ち合いを挑む姿が目立った。
近場でちょこちょことアングルを変えつつ、ジャブをバシバシ当てていく。
この辺りはジェイソン・モロニーっぽさに加えてポール・バトラー要素も感じる。
その上、がんばり屋で骨太なところはダニエル・ローマン風味も兼ね備える。
サム・グッドマンってちょっとだけダニエル・ローマンと空気感が似てるんだよな。
一見優男で強そうじゃないけど、実はかなり骨太でがんばり屋さんなところとか。
タイプは全然違うけど。
こういうヤツがアリームさんみたいなスピード&パワーの脳筋マンを抑え込む試合はなかなかいいよね笑
— 俺に出版とかマジ無理じゃね? (@Info_Frentopia) October 15, 2023
先日のジョン・リエル・カシメロvs小國以載戦を踏まえると、現時点での勢力図はカシメロ<<グッドマンかもしれない。
カシメロvs小國以載負傷ドロー。小國の試合巧者っぷり。やっぱり右の剛腕系は得意だよな。今度はすぐに次戦が決まればいいね
過酷なマッチメークを勝ち抜くグッドマン。今回の勝利で挑戦者の先頭に立ったんじゃない?
しかし、改めて振り返るとサム・グッドマンはなかなか過酷な路線を歩んでいる。
2023年3月vsTJ・ドヘニー(元王者)
2023年6月vsレイセ・アリーム(元暫定王者)
2023年10月vsミゲル・フローレス(S・フェザー級で世界挑戦)
S・バンタム級の上位ランカーを見ても、これだけカツカツなマッチメークを勝ち抜いている選手は見当たらない(王者以外)。
それこそ井上尚弥vsタパレス戦の勝者に最初に挑戦するのはグッドマンであるべきでは? というくらい。
ちなみにジョン・リエル・カシメロは
2022年12月vs赤穂亮
2023年5月vsフィリップス・ンギーチュバ
2023年10月vs小國以載
ルイス・ネリは
2022年2月vsカルロス・カストロ
2022年10月vsダビド・カルモナ
2023年2月vsアザト・ホバニシャン
2023年7月vsフローイラン・サルダール
カルロス・カストロとホバニシャンに勝利したルイス・ネリはなかなか、カシメロはやや見劣りする印象。
サム・グッドマンvsチャイノイ・ウォラウト。グッドマンは井上尚弥戦を目指すなら打ち合いで勝たなきゃダメかな。例の“グッドマンは逃げた”祭りは心底クソだった
ここにケビン・ゴンサレスとの挑戦者決定戦を控えるムロジョン・アフマダリエフが絡む。
アフマダリエフが王座陥落直後に挑戦者決定戦に出場できる状況に若干「?」マークがつくことを考えると、先頭にいるのはやはりサム・グッドマンな気がする。
まあ、そもそも暫定王座を設ければ諸々の問題があっさり解決するのだが。
現王者が統一戦を見据えている場合は素直に暫定王座を設置しろとずーっと言っている笑
グロ過ぎる。
だからそれ、暫定王座戦と何が違うんだよ笑統一王者がいるときは素直に暫定王座を設置しろって8億年前から言ってる。
王座に挑戦できない挑戦権なんて意味ねえだろw
【ボクシング】亀田和毅、前統一王者アフマダリエフとのWBA挑戦者決定戦の指令受ける https://t.co/QNDX1mcPlY
— 俺に出版とかマジ無理じゃね? (@Info_Frentopia) June 6, 2023
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