「義母と娘のブルース 2022年謹賀新年スペシャル」感想。“ちょうどいい”安心感と正月らしさを堪能。佐藤健の振り幅、竹野内豊のちぐはぐっぷり
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ドラマ「義母と娘のブルース 2022年謹賀新年スペシャル」を観た。
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「義母と娘のブルース 2022年謹賀新年スペシャル」(2022年)
「ベーカリー麦田」の営業部長とともに大阪の企業「ゴルディック」のコンサルを手掛ける宮本亜希子。
ところがそのゴルディックが外資系ファンド「ダインキャピタル・ジャパン」に乗っ取られたことを知り、亜希子は大急ぎで代表との面会を取り付ける。
憎むべき相手に対面した亜希子は次の瞬間、思わず言葉を失ってしまう。
ダインキャピタル・ジャパンの代表を務める岩城良治は他界した夫・宮本良一と瓜二つだったのである。
あまりの衝撃に動揺を隠し切れない亜希子だったが、それをどうにか押し殺して交渉を進めるのだった。
一方「ベーカリー麦田」の店長を務める麦田章は相変わらずのポジティブ思考で日々を楽しく過ごしている。
そんな中、宮本みゆきの提案でキッチンカーでの販売をスタートすることに。
そして、これがまさかの大当たり。
売り上げは右肩上がり、麦田の毎日はより忙しく充実したものへと変貌する。だが、同時に生産量は大きくキャパを超え、従業員の体力も限界に近づいていく。
すると、そこに目を付けたダインキャピタル・ジャパンの岩城良治が麦田のもとを訪れ……。
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期待を持って「義母と娘のブルース」スペシャルを視聴したぞ。去年の「逃げるは恥だが役に立つ」では散々な目にあったからな…
「義母と娘のブルース 2022年謹賀新年スペシャル」。
2018年にO.A.された連続ドラマ「義母と娘のブルース」のスペシャルバージョンで、2020年の正月スペシャルからの2年ぶりの復活ということで注目を集めた作品である。
僕も2018年の本編はリアルタイムで観ており、2020年の正月スペシャルも楽しく視聴させていただいた。
今回の2022年謹賀新年スペシャルは残念ながら当日視聴はできなかったものの、TVerの見逃し配信でようやく追いついたところである。
なお、2021年は何のドラマがやってたっけ? と考えたところ、ああ、そうだ。「逃げるは恥だが役に立つ」だったわと。
新型コロナウイルスまっただ中の描写があまりに生々しく、おかげでテンションダダ下がりだったという。
逃げるは恥だが役に立つ ガンバレ人類!新春スペシャル!!感想。コロナ禍をそのまんまやるかね。現実逃避したい正月に現実に引き戻される後味の悪さが…
いやいやいやいや。
何で正月早々、こんなしょーもない現実を直視させられなきゃいかんのよ。
もう少し楽しい気分にさせてくれたっていいじゃないっすか。
みたいな。
好きなドラマだっただけにかなり残念だった記憶がある。
ドラマ「未来への10カウント」がおもしろい。キムタクが相変わらずキムタクしてる安心感。よくここまで復活したよな。でも不幸自慢マウント合戦は違うぞ?
個人的な評価は上々。100点満点中80〜85点くらいかな。この作品ってこんな感じだったなという懐かしさもありつつ
率直な感想としては「なかなかよかった」。
100点満点中80~85点くらい。新年最初のドラマとしては素晴らしい部類だったと思う。
少なくとも去年の「逃げるは恥だが役に立つ」のように年明け早々現実を直視させられるような内容ではない。“ホームドラマをちゃんとやっていた”のは好感度が高い。
視聴者の感想を読むと「“ギボムス”らしさが失われていた」「あの空気感がなくなっていて残念だった」等、2018年当時の雰囲気が崩れてしまったことを不満に思う声も多かったが、僕的にはまったく問題ない。
なせなら2018年当時の雰囲気とやらをほとんど覚えていないから。
リアルタイムで視聴していた頃の今作がどんなテイストだったか、登場人物がどんな性格だったか。うっすらとした記憶しかないせいで違和感を覚えるまでに至らない。
むしろ今作のヒットは一部から二部への俳優陣のバトンタッチ(竹野内豊→佐藤健、子役の2人→上白石萌歌、井之脇海)が絶妙だったことを思い出したくらい。
亡くなった母親役が奥山佳恵というのも忘れていたし、「ああ、この作品ってこんな感じだったよね」としっくりくる部分の方がはるかに多かったことを報告しておく。
不遇な知将キャラランキングTOP10。正義と悪の二極化の世界では卑怯な小者として雑に扱われる知将キャラ。もっとも不遇を受けた参謀役を発表するぞ
ストーリーも“ちょうどいい”正月感。約束されたハッピーエンドの安心はやっぱりたまらない笑
ストーリーの流れもめちゃくちゃ“ちょうどいい”。
衝撃的な出会いを果たした主人公が警戒心MAXの状態から徐々に懐柔され、ようやく打ち解けたと思ったところでどん底へ。すべては自分の勘違いだったと気づき、リベンジマッチへGO。周囲の協力を得て勝負の一手を仕掛け、大どんでん返しに成功してハッピーエンド。
・ハゲタカファンドが町のパン屋さんに興味を持つ
・キッチンカー販売がアホみたいに成功する
・社員全員がストライキに同意
ツッコミどころ満載のご都合主義には違いないが、それもすべて「正月だから」で解決する。
「年初めくらいはポカポカした気分に浸ろうぜ」
「これでもかってくらい現実逃避しようぜOK?」
「だって正月じゃん」
約束されたハッピーエンドがもたらす安心感というのは何ものにも代え難い。
繰り返しになるが、クソみたいな現実を直視させられた2021年正月の「逃げるは恥だが役に立つ」スペシャルとは大違い。
2020〜2021年の様子を描くにあたり、コロナのない世界線を選択した製作陣の判断は問答無用で賞賛に値する()
ちなみにだが、僕はどちらかと言えば岩城良治が「ベーカリー麦田」乗っ取りを思いとどまるオチを欲していた人間である。
亜希子とみゆき親子と触れることで昔の自分を思い出すまではよかったが、そこからイケイケに舵を切ってしまったのが……。できれば宮本亜希子vs岩城良治の構図が崩れる展開の方がよりハッピーになれた気がしている。
まあ、それだと中瀬泉美(山本未來)の存在が無意味になってしまうのだが。
佐藤健の振り幅はすごいよね。「ROOKES」の中では桐谷健太と並ぶ出世頭。逆に竹野内豊にああいう肉食系は合わないよ
配役についてだが、MVPは文句なしに麦田章役の佐藤健。
綾瀬はるかの安定感が群を抜いていたのはもちろんだが、佐藤健の振り幅もなかなかすごい。
「るろうに剣心」や「いぬやしき」のスカした優男キャラはもちろんだが、麦田のような親しみやすい三枚目を思いっきり演じる躊躇のなさもこれはこれで……。
もともとが「ROOKIES」の岡田優也役だったこともあり、どうしようもなくバカだけど死ぬほど優しい麦田は凄まじいはまり役である。
映画「いぬやしき」感想。哀愁ジジイの覚醒。男前陰キャラのメシウマ復讐劇。爽快感とモヤモヤの狭間で
てか、佐藤健は「ROOKES」の中では間違いなく出世頭ですよね。
熱血漢の市原隼人は暑苦しすぎてパッとしないし、小出恵介は“その立ち位置”の人間が絶対やってはいけないやらかしによって表舞台から消えた。
ちょろっとキャスト一覧を眺めてみたが、現状佐藤健と桐谷健太が双璧だなと。
逆に微妙だったのは岩城良治を演じた竹野内豊。
正直、ああいう肉食系のやり手タイプは竹野内豊には向いていないと思う。
もともと声を張る方ではないし、画面からも人のよさが滲み出てしまっている。顔面偏差値の高さで誤魔化されてはいるが、実は草なぎ剛や伊藤淳史と同系統の癒し系。
計算高くキザな岩城良治は竹野内豊のイメージとはかけ離れている(気がする)。
というか、正直あまりいい役者だとは思わないんですよねこの人。
演技のことはよくわからないが、少なくとも大きめの抑揚が必要な配役は合わない(と思う)。
逆に2012年のドラマ「もう一度君に、プロポーズ」での宮本波留役はよかったですよね。
やはり竹野内豊はああいう穏やかな役どころがしっくりくる。
山本未來は相変わらず酷かった。「不夜城」からの雰囲気ゴリ押しはちっとも変わらない
なお、演技の下手さで言えば山本未來は酷い。相変わらず酷い。
この人を初めて観たのは映画「不夜城」の佐藤夏美役だが、あの頃(リアルタイムでは観てないけど)からビジュアルに頼り切った雰囲気ゴリ押しの大根っぷりはまったく変わらない。
佐藤夏美の“妖艶で謎めいた美女”感を表現したいのは理解できるのだが、とにかく薄っぺらさが尋常じゃない。全力で役に入り込んでいるのもわかるし「じゃあ誰が佐藤夏美をやればよかったの?」と聞かれれば答えに窮する。ただ、演技に奥行きがなさすぎるせいでモロに学芸会だった記憶がある。
映画「孤狼の血 LEVEL2」はエイリアンだよな。バトルに寄せつつギャグパートも挟みながら。実は一番おいしかったのは音尾琢真
今作の中瀬泉美は冷静沈着な弁護士だった分まだマシだったが、ラスト付近のデカい声で動揺を誤魔化すシーンで「ああ、こりゃアカン」と。演技の下手さに滑舌の悪さが上乗せされ、それまでギリギリだったものが完全に決壊してしまった。
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