ドラマ「未来への10カウント」がおもしろい。キムタクが相変わらずキムタクしてる安心感。よくここまで復活したよな。でも不幸自慢マウント合戦は違うぞ?【感想】

ドラマ「未来への10カウント」がおもしろい。キムタクが相変わらずキムタクしてる安心感。よくここまで復活したよな。でも不幸自慢マウント合戦は違うぞ?【感想】

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放送中のテレビ朝日系ドラマ「未来への10カウント」がおもしろい。
 
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「未来への10カウント」(2022年)
 
高校時代にボクシングで輝かしい成績を残すも、不幸な出来事により大学でボクシングを断念した桐沢祥吾。
 
その後も度重なる挫折にもめげずに人生をやり直すが、ようやく軌道に乗りかけた焼き鳥屋がコロナの影響で倒産してしまう。
これで完全に打ちのめされ、48歳となった今はピザのデリバリーで生計を立てつつ投げやりな毎日を送っている。
 
そんなある日、高校時代の親友でボクシングジムを経営する甲斐誠一郎が桐沢を呼び出す。そして、かつての恩師・松葉台高校ボクシング部の監督芦屋賢三が胃がんを患い辞任したことを聞かされるのだった。
 
 
甲斐とともに芦屋のもとを訪れた桐沢は、そこで芦屋からボクシング部のコーチを引き継いでほしいと頼まれる。
 
突然の依頼に驚く桐沢。
だが、目の前で芦屋に土下座までされて断ることもできず。
 
しぶしぶボクシング部のコーチとして母校に戻ることを決意するのだが……。
 
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「未来への10カウント」がおもしろい。絶対に不幸にならない安心感。キムタクがキムタクしてるからこそ観る価値がある

2020年6月〜7月の「BG〜身辺警護人〜第2章」以来、約9ヶ月ぶりの連続ドラマの主演となった木村拓哉。
人生に捨て鉢な48歳という、これまででもっとも枯れた主人公桐沢祥吾を演じることが話題になっている。
 
ここ最近地上波を観る機会がめっきり減っている僕だが、なぜか木村拓哉主演(主演しかしないんだけど)のドラマだけは欠かさず視聴している。
 
特に2010年代後半以降、「アイムホーム」や「A LIFE〜愛しき人〜」くらいからははっきりと覚えている。
 
理由は「間違いなく“そこそこ”おもしろいから」
 
よく聞く「キムタクは何をやってもキムタク」とか「いい年して役どころが痛々しい」といった指摘はどうでもいい。
 
この人が出る作品は絶対に不幸にならない、最後は必ず「希望」を持たせて終わるのがいい。
 
 
そして今作「未来への10カウント」もまさにそれ。
 
・絶対にバッドエンドにはならない(はず)
・キムタクが美味しいところを全部持っていく(はず)
・何やかんやキムタクはカッコいい
・今回もキムタク以外のメンバーが豪華
 
確実に75〜80点を超えてくる安心感はキムタクのドラマならでは。
要するに「キムタクは何をやってもキムタク」ではない、キムタクがキムタクしてる“から”こそ観る価値がある笑
 
中でも「絶対にバッドエンドにはならない」ことは大事。マジで大事。
ここの部分の安心感こそ、ハッピーエンド大好き人間な僕にとっての視聴意欲の根源()となっている。
 
 
そして今回は高校教師&部活のコーチ役ということで、
・普段はぶっきらぼうだけどやるときはやる
・型破りだけど痒いところに届く
・人生経験豊富
・秀でた才能を隠し持っている
 
よりキムタク色が出やすい役どころとなっている。
 
ボクシング部のコーチという変わり種ではあるが、やること自体は普段と変わらない。我々オーディエンスはキムタクがキムタクしてるところを素直に楽しめばいいのであるww
 
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よくここまで盛り返したよな。2016年前後の逆風っぷりは常軌を逸していた

しかし、改めてキムタクはよくここまで盛り返したなぁと思う。
 
申し上げたように僕は2010年代中盤以降のキムタク作品を欠かさず視聴しているのだが、振り返ってみると
「アイムホーム」:2015年4月〜6月
「A LIFE〜愛しき人〜」:2017年1月〜3月
と2016年がすっぽり抜けていることがわかる。
 
1990年から2015年、2017年〜2022年までは毎年何かしらのドラマに出演しているのに(それも化け物すぎるけど笑)。
 
2016年というのは要するにSMAPの解散騒動があった年なのだが、当時のキムタクに対する風当たりの強さは常軌を逸していた記憶がある。
 
僕はSMAPのファンでもなければキムタクの熱烈なファンでもない(ファンだろww)ので詳細は知らないのだが、とにかくただ一人ジャニーズ事務所に残る決断をしたキムタクが裏切り者扱いを受けていたのは強く印象に残っている。
 
なので、SMAP解散(2016年12月)直後の主演作となった「A LIFE〜愛しき人〜」はかなりの注目を集めていたし、相変わらず“そこそこ”おもしろくて安心したことも覚えている。
 
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「JUDGE EYES:死神の遺言」の起用が素晴らしかった。あの当時のキムタクに声をかけた名越稔洋氏の勇気ですよ

SMAP解散後、ソロになってからはGYAO!での動画配信やNetflixドラマへの出演、ゲーム作品のキャラに扮するなど、活動の幅を広げているキムタク。
軸足を地上波ドラマや映画に置きつつ、かつての「夢の中の住人」的スタンスから親しみやすさを感じさせるマルチな場所に降りてきた印象である。
 
特にPS4ソフト「JUDGE EYES:死神の遺言」の主人公・八神隆之に扮したのはかなりのインパクトだった。
 
は? キムタクがゲームのキャラ!?
しかも「龍が如く」シリーズのアレ!?
マジかよ。キムタクが如くかよ笑
 
冗談抜きで「龍が如く」の爽快感をキムタクで再現できる事実にテンションが上がりまくった方は(僕も含めて)多いのではないか。
 
 
「JUDGE EYES:死神の遺言」のリリースが2018年12月。インタビュー記事等を漁ると構想に約2年半とのことなので、総監督? の名越稔洋氏がキムタクに声をかけた時期はちょうどSMAP解散騒動と重なる。
 
本人も「(今の)俺に会いたい人がいるの?」「スペシャルなタイミングで声をかけてもらった」と言っているので、実際しんどい時期だったのだと思う(「木村さ~~ん! #163」から引用。僕レベルのキムタクファンになると毎週動画も欠かさずチェックしてるから笑)。


 
僕は今作でのボクシング部のコーチ役は「JUDGE EYES:死神の遺言」の続編「LOST JUDGMENT:裁かれざる記憶」内のボクシングパートがきっかけだと思っているが、当時の落ち目だったキムタクを起用した名越氏の勇気は文句なしに素晴らしい。
 
 
まあ、ゲームがリリースされる頃には騒動も沈静化しているだろうという計算もあったのかもしれないが。
 
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第3話はちょっと…。不幸自慢マウント合戦は違うでしょw 事情も知らずに「そんな程度で?(笑)」は絶対言っちゃダメ

そんな感じでキムタクの華麗なる復活を噛みしめつつドラマ「未来への10カウント」を視聴しているわけだが、先日O.A.された第3話に関しては……。
 
義理の父親・今宮智明からDVを受ける女子部員の水野あかりを助けるために水野家で父親を待ち伏せ→部室で父親と桐沢の1対1の勝負に突入!! だと思ったら……。
 
まさかの不幸自慢マウント合戦がスタートという。
 
いや〜、これはどうなんでしょうか。
 
下記の記事では絶賛されておりますが。


今宮が「お前の不幸など桐沢に比べれば大したことはない」「そんなことでウジウジして他人に八つ当たりするな」と桐沢にけちょんけちょんに凹まされるシーンがクライマックスとなっているのだが、個人的にありかなしかで言えば完全に“なし”だった。
 
不幸自慢でマウントを取るナンセンスさはもちろん、それ以上に「その程度でガタガタ言うな」的なニュアンスで他人をやり込める方法が受け付けない。
 
これは以前から申し上げているのだが、「大変なのは君だけじゃない」「みんな苦労している」という言葉はまったく慰めにならないことを覚えておいた方がいい。
 
 
作中では今宮が「就職氷河期で苦労した」「勤務する銀行の統廃合によって社内で虐げられている」との訴えにボクシング顧問の折原葵が「そんな程度で?(笑)」と蔑んだ言葉を発するのだが、それはダメ。それだけはマジで言っちゃダメ。
 
他人から見て大したことがないと思うことでも、当人にとってはそれどころではない。世の中のすべての不幸を背負わされたような過酷さを感じているというのは普通にある。
 
特に就職難や企業の統廃合などは個人の力ではどうにもならない。自分の力が及ばない部分での不幸を事情も知らない他人が「そんな程度」呼ばわりするのは絶対にやったらアカンことだと思っている。
 
それを言うなら桐沢も奥さんが亡くなったからといって教師を辞める必要はないし、焼き鳥屋が潰れたといってもそれまでの13年間(だっけ?)は前向きに生きてきた経緯がある。少なくとも不幸ではなかった時間の方が長いとも言える。
ただ、それを他人が「大したことはないだろ」と切り捨てるのは100%アウトだよねという話。
 
何も知らないお前に奥さんを失った悲しみを理解できんのか?
13年間の努力がパーになった挫折感を簡単に乗り越えられんのか?
 
人それぞれに事情があり、人の数だけ苦しみがある。
それを自分の物差しで勝手に「大したことない」と決めつけるのはどう考えても違う。
 
 
まあ、自分の不幸を他人のせいにして自分よりも弱い人間に当たり散らすのは正真正銘クズだけど。
あそこまで腐りきった人間の性根を叩き直すにはああいう荒療治が必要だったのかもしれないけど。
 
と、ガチのテンションで答えてみる。
 
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あとはアレだ。
ラストのシーンで折原葵が桐原に「不幸話なら今度からは私が聞きますよ」と言っていたが、いや、冗談だろお前笑
 
いくら何でもあの不幸自慢大会でズキューンとはならねえだろ。
他人の不幸を平気で蔑むような人間はズキューンポイントもズレとるんか?
 
 
くっそ、来週も見逃せねえぜ()
 
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