ライアン・ガルシアvsホセ・ロペス、小原佳太vsアブドカクロフ、カバラウスカスvsロビンソン。スター候補と中量級ウォーズ振り返り【結果・感想】
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実を言うと、先週から軽く風邪をひいてしまい、咳と鼻水が止まらない状態が続いていた。身体がダルく関節の節々が痛い。もともと花粉症持ちではあるのだが、それとは別種の苦しさ。ここ数年味わったことのない、本当に久しぶりのピンチを迎えていた。
なので、正直ボクシング観戦どころではなく。それどころか、1週間ほど完全にスポーツとはかけ離れた生活が続いていた次第である。
また、それがようやくマシになったので、調子に乗って夜ランを敢行。結果、身体中がとんでもないことにww
油断すると口から胃が飛び出すんじゃねえか?
これ、ホントに自分の足か?
みたいな。
いや、あきませんな。
身体を壊していろいろサボると、あっという間に体力が落ちる。
やっぱり健康って大事だよね。そんなことを改めて感じる1週間だった。
というわけで(どういうわけ?)、先週末までで気になっていた試合の感想を。
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○ライアン・ガルシアvsホセ・ロペス×(2R終了TKOでガルシア勝利)
まずはコレ。
2019年3月30日に米・カリフォルニア州で行われたライト級10回戦。GBP期待のプロスペクト、ライアン・ガルシアがホセ・ロペスに2R終了TKOで勝利した一戦である。
オスカー・デラホーヤのお気に入り、ライアン・ガルシアのプロ18戦目。今回からチーム“カネロ”に加わったとのことで、どのような成長を遂げるかにも注目が集まっていた。
うん、よかったんじゃないっすか?
ライト級のせいか、身体全体に馬力がみなぎり1発1発も重い。
相変わらず相手の突進にまっすぐ下がるシーンが目立つが、超絶ハンドスピードがその欠点をチャラにする。
しかも今回は左の多彩さがアップし、ガードの外側から側頭部へ当てるピンポイントのパンチが効果的だった。
相手のホセ・ロペスも普通にいい選手で、身体を振って距離を詰める作戦もガルシア攻略法としては正解だったと思う。
ただ、スピード勝負の土俵に乗ってしまったことに加え、ライアン・ガルシアのパンチの精度が上がったせいで、早い段階でダメージを抱えてしまった。
「ライアン・ガルシアがモラレスに大苦戦? Facebook界の切り札アイドルがゼエゼエ言いながらも16連勝を飾る」
あの2R終了時の棄権は仕方ない? のかな?
ダウンを喫した際に変な倒れ方をしたので、もしかしたら膝でもグネったか?
なお、試合後のインタビューでは相変わらずジャーボンティ・デービスへの挑発と「オレすげえ!!」が止まらないのだが、いや~、どうなんでしょうね。さすがに現段階でのデービス戦は荷が重い気がするけど。
もしかしたら、テビン・ファーマーなら何とかなるかもしれませんね。
「早過ぎたボクシングのエンターテイメント BIG KNOCKOUT BOXING(BKB)。ロープなし、すり鉢状の“ピット”で戦うKO必至の格闘技」
×小原佳太vsクドラティーリョ・アブドカクロフ○(判定3-0でアブドカクロフ勝利)
続いてこの試合。
2019年3月30日(日本時間31日)、米・フィラデルフィアで行われたIBF世界ウェルター級挑戦者決定戦。同級5位小原佳太が同級4位クドラティーリョ・アブドカクロフと12回戦で対戦し、3-0(118-110、117-111、115-113)の判定で敗れた一戦。
まあ、この試合はねぇ……。
完敗だったなと。
とりあえず、今回の小原佳太はめちゃくちゃがんばった。
だが、最後まで堅実なアブドカクロフの牙城を崩せず。
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常にサイドへ動きながら左を出す小原。
それに対し、アブドカクロフはガードを上げてじっくり距離を詰める。
初弾の差し合いでは互角ながら、フィジカル差、パンチ力の差でそのつど小原が打ち負ける。
1発目の相打ちで後退させられ、どうしても追撃の2発目が間に合わない。先に手を出すのは常にアブドカクロフの方で、そのまま連打を浴びてロープ際に追い詰められる展開。
いや、キツい。
これはキツい。
以前どなたかがおっしゃっていたが、小原佳太はスピードもあり技術も高いが、怖さがないと。
相手に恐怖心を感じさせるだけの迫力がなく、相手の前進を躊躇させられない。
どんな局面でも遠慮なく踏み込まれ、思いきり腕を振られてしまう。
そして、徐々に防御が間に合わなくなり、結果的に捕まる。
なるほど、確かに。
小原はがんばって腕を振っているのだが、アブドカクロフに怯む様子はまったくない。
逆にパンチの戻り際に距離を詰められ、連打を浴びるパティーン。
「応援しない理由が見当たらん中谷正義vsテオフィモ・ロペス。勝てばvsリチャード・コミー? 通過点の試合を無傷で乗り切れ」
また、この選手はアウトボクサーの割に若干足取りが怪しい。
和氣慎吾やハッサン・ヌジカムにも似たものを感じるのだが、身体全体にバネが足りない印象である。
そのせいで「相手のリードをバックステップでかわす→リターン」までの流れにスムーズさがない。今回のアブドカクロフのように、しっかりとした足取りと強フィジカルの相手からはなかなか逃げきれない。
拳四朗や井上尚弥にあって、小原佳太に足りないのがこの身体のバランスとバネ。ここが現役日本人王者と小原佳太との大きな違いかなと思ったり。
ついでに言うと、最終回の開き直ったマン振りがかなり効果的だったのはちょっと興味深い。
小原のスイングにビビる様子のなかったアブドカクロフが、このラウンドに限っては警戒心を強めて距離をとる。
もちろん、逃げ切りを狙ったのもあるとは思うが、やはりフルスイングの持つ恐怖感というのは凄まじい。
たとえば、足が通用しないとわかった前半でアレができていれば。もしかしたら流れが変わっていた可能性も?
何とも言えないが、こういうリスクを背負って勝負をかける思い切りもアウェイの立場では重要なのかもしれない。
いや、決して玉砕しろと言っているわけではなく。
「カバロウスカスがアブレウに大苦戦の末に判定勝利。今回は苦手なタイプだったな。ジャブの強さでスレスレ生き残った」
△エギディウス・カバラウスカスvsレイ・ロビンソン△(1-0判定ドロー)
ラストはこの試合。
先ほどの小原佳太vsクドラティーリョ・アブドカクロフ戦と同興行で行われた一戦で、NABF北米ウェルター級王者エギディウス・カバラウスカスがレイ・ロビンソンと対戦、1-0(97-93、95-95、95-95)のドローに終わった試合である。
僕が勝手に「リトアニアの井上尚弥」と呼んでいるカバラウスカス。
強烈な左のリードで相手を後退させ、ロープに詰めたところで得意の連打を発動、一気に勝負を決める。
パワフルな前進と一瞬の爆発力は井上尚弥と共通するものがあり、個人的にそこそこ推している選手でもある。
なお、カバラウスカスはすでに王座への挑戦権を手にしているが、肝心のテレンス・クロフォードがアミール・カーンとのタイトルマッチを控えているため、待ちぼうけを食わされている状況。
その間の調整試合の意味合いで、今回の10回戦が実現したとか。
「再戦でエストラーダがシーサケットに勝利。この2人は噛み合いすぎるよな。DAZNの対応の悪さ? 村田諒太の責任だろうな」
感想としては「まあ、そうなるよな」といった感じか。
相手のレイ・ロビンソンは長身でリーチの長いサウスポー。
カバラウスカスの左に右リードを合わせ、攻撃の起点を作らせない。
そして、中盤4Rからスイングに力を込め、カバラウスカスの警戒心を煽って前進を鈍らせる。
立ち位置、間合いに細心の注意を払い、自らの特徴を目いっぱい活かしたアウトボクシングを展開。一定の距離をキープし、左のリードと近場での爆発力というカバラウスカスの長所を封じ込める。
時おり懐に入られるシーンもあったが、見せパンチのフルスイングによってカバラウスカスに深入りを許さない。
そうそう、これこれ。
WBSSバンタム級決勝でゾラニ・テテが井上尚弥に勝つとすれば、この展開しかない。
もちろん井上尚弥の突進力はカバラウスカスよりも上だし、ボディ打ちも得意。井上尚弥に踏み込みを躊躇させるだけのネタをゾラニ・テテが持ち合わせているかが一番の課題となる。
ただ、仮にテテが勝つとすれば、長身サウスポーの特徴を利用した塩試合だろうと。
まあ、準決勝も終わっていない段階で気の早い話だが。
「ロドリゲスが井上尚弥に勝つ姿が想像つかないんだが。5月にグラスゴーで準決勝。WBSSのグダグダ運営を見るのも楽しいw」
そして改めて思ったのが、やはり小原佳太ならカバラウスカスに勝てる可能性はある(と思う)。
カバラウスカスは1発の威力はあるが、追い足はいまいち。サイドへの反応も遅れ気味で、自分の得意な距離以外ではもろさが目立つ。
恐らく小原佳太にとっては、カバラウスカスはアブドカクロフよりもやりやすい相手。12R動き続けて芯を外しまくれば、マジでポイントアウトもあり得るのではないか。
確率的にはKO負け6、判定勝ち4みたいな感じ。勝率4割なら、やる意味は十分ある。
イメージ的には、2014年のカーティス・スティーブンスvsハッサン・ヌジカム戦かなと。
だからアレだ。
カバラウスカスを後楽園ホールに連れてきて、両者のタイトルをかけてサバイバルマッチをすればいい。NABF北米タイトルとWBOアジアパシフィックタイトル。お互い、獲得するメリットがほとんどないヤツなww
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