ガバリョの勝ちもなくはない? かな? ロドリゲスはトレーナーが井上パパを恫喝してから運が一気に離れていったよな。【結果・感想】
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2020年12月19日(日本時間20日)、米・コネチカット州で行われたWBC世界バンタム級暫定王座決定戦。 同級4位のエマヌエル・ロドリゲスと同級26位のレイマート・ガバリョが対戦し、2-1(116-112、115-113、110-118)の判定でガバリョが勝利。暫定王座戴冠に成功した一戦である。
正規王者ノルディ・ウーバーリ、挑戦者ノニト・ドネアのコロナ感染により、代役同士の一戦となった今回。
約1年半ぶりにリングに上がったロドリゲスは序盤からガードを高く上げ、距離をとってリングをサークルする。
対するガバリョは持ち前のパワフルな前進とスイングでロドリゲスを追い立てるが、なかなか有効打にはつながらない。
中盤以降も少ないながらも的確なヒットとサイドへのフットワークで試合をコントロールするロドリゲス。
ガバリョも時おりロングフックをロドリゲスの顔面に当てるものの、そこからの追撃が思ったように出ず。10Rにはジャブのカウンターを顎にもらって盛大にグラつくなど、終始劣勢のまま12R終了のゴングを聞く。
試合終了後、勝利を確信するように胸を叩いたロドリゲスだったが、判定はまさかの2-1でガバリョ勝利。ロドリゲスのカウンター作戦が思いのほか評価されず、ガバリョの積極的な攻撃にポイントが流れた形となった。
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僕はロドリゲスの勝ちだと思いました。でも見方によってはガバリョの勝ちもなくはない?
まず最初に申し上げておくと、僕はこの試合に勝利したのはエマヌエル・ロドリゲスだと思っている。
レイマート・ガバリョのスイングは確かにパワフルで手数も出ていたが、有効打自体はロドリゲスの方が多い。4、10Rには得意のカウンターで明確にグラつかせるなど、終始有利な状況をキープし続けたように見える。
数多くの不運に見舞われたロドリゲスだが、本当によくここまでコンディションを仕上げてきたなというのが率直な印象である。
それを踏まえた上で。
見方によってはレイマート・ガバリョの勝利もなくはなくなくない? かな? と思わなくもなくなくない。
確かにロドリゲスはうまくアウトボクシングしていたが、ガバリョの遠間からのフックもたびたびロドリゲスの側頭部を捉えていた。また、中盤からはボディへ狙いを変えるなど、低い命中率ながらもヒットはそれなりにあったように思える。
さらにコンパクトで軽いロドリゲスのカウンターに比べ、ガバリョのパンチはめちゃくちゃ派手。一つ一つのアクションが大きく思い切りもいいので、同じヒットでもガバリョのパンチを「有効打!!」と判断するジャッジがいてもおかしくないのかもしれない。
4R中盤にガバリョがグラついたシーンについては、あまりにもコンパクトなカウンターだったためにパンチによるダメージと取られなかった可能性もある。瞬間的な交錯の中でガバリョがバランスを崩したとか、そんな感じで。
実際、ガバリョの回復がすこぶる早く、直後に何事もなかったように攻勢に出たのでうまくごまかせた印象も強い。
などなど。
そういった諸々を加味すると、116-112、115-113のジャッジも絶対にないと言い切れるほどではないのかなぁと思わないでもないが、さすがにそんなことはないだろうという自分もいたり、いなかったり。
何とも言えないところだが、45兆歩譲って(それはもはや譲ってない)ガバリョの勝ちもあり得る試合だった。
ゴロフキンがシェルメタを7RKO。全盛期なら2Rで終わってたな。もう村田かチャーロとやるしかないっしょ
10Rがガバリョのポイントになるのは意味不明。ジャッジは技量が一定の水準を超えていることが最低条件
ただまあ、10Rを3者中2者がガバリョのポイントにしているのはちょっとどうなのよ? とは思う。
ロドリゲスの放った左ジャブのカウンターでガバリョが盛大にグラつき、体勢を立て直そうとした瞬間に膝がガクッと落ちたシーン。
4Rとは違ってガバリョにダメージがあったのは明らかだし、仮にあのパンチが見えていないのだとしたら相当ヤバい。
またあれ以降、ガバリョが優勢だったわけでもなく。
あくまで素人の見解だが、正直10Rをガバリョのラウンドとする要素はどこにもないように思える。
僕は基本、ボクシングに機械判定を導入するのは反対の人間である。
手数を重視するか、また有効打の数<ビッグパンチ1発と考えるか。
ひたすら足を使って打ち合いを避ける選手をどこまで評価するか、その他諸々……。
ジャッジ1人1人に傾向があり、それが微妙に試合展開に影響したり。もしかしたら陣営が試合中にジャッジの癖を見極めて戦術を変更したり~といったケースもあるかもしれない。
そういう人間が判断することによるブレ、“生身”の醍醐味というのは機械判定には絶対にないもので、いわゆる“人間がジャッジするおもしろさ”も含めてスポーツのよさだと僕は思っている。
だが、それはあくまでジャッジする側の技量が一定水準を超えていることが絶対条件となる。
当たり前だが技量の低さによる基準のブレなどあってはならない。今回で言えば、10Rのロドリゲスのカウンターが見えませんでしたなど言語道断である(本当にそうだとしたら)。
どちらにしても、10Rがガバリョのラウンドになったことだけは受け入れがたい。その他のポイントや勝敗に関してはギリギリ“あり”と言えなくもないが。
トンデモ判定は誰も幸せにしない。何の罪もない選手が責められ、謝罪させられる事態すらも…
というか、こういうトンデモ判定って誰も幸せにならないんですよね。
根拠のない陰謀論や八百長云々の話は好きではないのでアレだが、瞬間的に頭に血がのぼって罵声を浴びせる人間は少なからず存在する。
しかも、その矛先が選手に向くケースがあるのがタチが悪い。マジでタチが悪い。
2012年6月のマニー・パッキャオ戦に謎判定で勝利したティモシー・ブラッドリーは、試合後に各方面から責められて精神的に参ったと聞くし、先日のRISEでも微妙な判定で勝利した女子選手がファンから責められた末にSNSで謝罪させられたりもしている。
この場合、少なくとも試合をした選手に罪はないわけで、そこに怒りが向くというのはどう考えてもおかしい。
今回もガバリョのパフォーマンスがいまいちだったとか、ロドリゲスが不憫過ぎると言うのは自由だが、さっさと消えろとか邪魔云々言うのは絶対に違う。
違うのだが、実際には高確率で起きてしまうのが辛いよねという話。
そういう意味でも、今回のようなトンデモ判定は極力撲滅するべきだろうと。
ホームアドバンテージの存在を現役のジャッジが公式に認めたのはすげえな。コンセイサンがバルデスに勝つにはわずかな希望すら与えちゃダメだった
ロドリゲスはめちゃくちゃうまかった。こんなに足が使えるヤツだとは…。ガバリョはやっぱりカッコいいよねw
判定についてばかり言っていてもしゃーないので実際の試合にも触れておくと、今回のロドリゲスはめちゃくちゃうまかったと思う。
正直、この選手がここまで足を使えるとは思っていなかったし、相当入念な準備を重ねてきたことは容易に想像がつく。
対戦相手がドネアからガバリョに変更になった際に「ドネアとガバリョは同じタイプなので問題ない」とコメントしていた記憶があるが、ドネア対策の延長線上で試合に臨めたのは本当に大きかった。
マジな話、ロドリゲスにこんな引き出しがあったことはかなり意外だった。
基本的にこの選手は中間距離でのコンビネーションが中心で、相手の正面を外しながらカウンターを狙うスタイルなどこれまで観たことがない(僕は)。
なので、今回もガバリョと真正面で対峙した上でフルスイングに耐えられるか、あの暴風雨のような連打に委縮せずにカウンターを合わせられるかが見どころだと思っていた。
レイマート・ガバリョってカッコいいんだよな。ロドリゲスの対戦相手候補に。ロドリゲスvsドネアよりも好きかも。WBC暫定王座戦になるとか?
決着もKOが濃厚&割と早いラウンドで山場が来ると漠然と想像していたので、ロドリゲスのアウトボクシングにはそれなりに驚かされた次第である。
動き出しを狙って左ジャブをヒット。
1発当ててサッとサイドに。
いや、そんな動きなんて見せたことなかったやんけお前。みたいな。
とはいえ、10Rにガバリョがグラついた直後に倒しにいかず、涼しい目で眺めていたのはいただけなかったが。
ああいう消極的な姿勢が判定に影響したのかと思うと、何とももったいない話である。
ロドリゲスは1発ヒットしたあとに追撃する積極性があれば確実に勝利をモノにできた。
ガバリョはフルスイングの直後に方向転換する追い足があれば、もう少し違う展開に持ち込めた可能性が高い。
両者とも足りない部分がありつつ、今後に課題を残す一戦だったという印象である。
てか、やっぱりレイマート・ガバリョはカッコいいよねww
淡々とした立ち居振る舞いと試合後の表情のギャップが何とも言えないっす。
物議を醸す判定ではあったが、とにかく生き残ることには成功した。この試合を糧にもう一段成長してノルディ・ウーバーリに挑戦してもらいたい。
ロドリゲスはトレーナーが井上パパを恫喝して以降、一気に運に見放された。そういう“流れ”ってマジであるんだろうな
ついでに言うと、エマヌエル・ロドリゲスはマジで呪われているというか、運が一気に離れてしまった感が強い。
ラウシー・ウォーレンからルイス・ネリに相手が代わったWBC世界バンタム級挑戦者決定戦はネリの体重超過で中止。
ノルディ・ウーバーリの新型コロナウイルス感染によってノニト・ドネアとの王座決定戦に抜擢されるも、今度はドネアがコロナに感染して離脱。
で、ようやくレイマート・ガバリョとの暫定王座決定戦にたどり着いたと思ったら、今度は終始試合を支配しながら謎判定で敗者に。
IBF王座を獲得した試合でも相手のポール・バトラーが豪快に体重超過を犯しているし、WBSS1回戦のジェイソン・モロニー戦では序盤に拳がぶっ壊れていたとのこと。
尚弥きゅん。井上尚弥がモロニー(マロニー)を7RKO。モロニーはいい選手だったし井上の試合で過去一番好きかもしれない
これだけ不運が続くとさすがに同情してしまうが、やはりWBSS準決勝の直前にトレーナーが視察にきた井上パパを恫喝して以降、一気に運が離れていった印象である。
井上尚弥の父をなぜ突き飛ばした? ロドリゲス参謀が理由告白「俺の役割したまでだ」https://t.co/gyMF0BXtOw
— THE ANSWER (@theanswerc2) May 17, 2019
いや、理屈では説明できない“流れ”ってホントにあるからね。
彼は怒らせたらアカン相手を怒らせちゃったよねってことで。
井上尚弥「オレは怒ったぞー!! ロドリゲスゥゥゥ!!!」
いろいろな意味で“持ってない”ヤツである。
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