花田歩夢vsアサエル・ビリャル、力石政法vs木村吉光。すごい試合が2つ出ました。花田はよく勝ったな。力石は相変わらず長かった【3150FIGHT vol.4結果・感想】

花田歩夢vsアサエル・ビリャル、力石政法vs木村吉光。すごい試合が2つ出ました。花田はよく勝ったな。力石は相変わらず長かった【3150FIGHT vol.4結果・感想】

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2023年1月6日にエディオンアリーナ大阪第一で開催された「3150FIGHT vol.4」。
メインで行われたWBO世界ミニマム級タイトルマッチでは同級王者谷口将隆がフィリピンのメルビン・ジェルサェムに2RTKO負けを喫する波乱が起きている。
 
またセミファイナルではIBF世界ミニマム級王者ダニエル・バラダレスが重岡銀次朗の挑戦を受けたものの、3Rのバッティングで試合が続行不能となるまさかの結末に。
 
 
ただ、僕は上記2試合とも観ていない。
もともとリアルタイムでは難しく後追い視聴するつもりだったのだが、とりあえず谷口将隆にはまったく興味がないのでスルー。これはあらかじめ決まっていた。
 
セミファイナルの重岡銀次朗に関しては「人生で負けたことがない」等、やたらと宣伝に力が入っていたのでちょっと興味があったのだが、終わり方がだいぶしょーもなかったと聞いてこちらもスルーが決定した次第である。
 
 
そんな感じで、今回僕の興味を引いたのは
・花田歩夢vsアサエル・ビリャル(第3試合)
・力石政法vs木村吉光(第8試合)
の2試合である。
 
ダニエル・バラダレスの厚かましさ、世界王者への執着を支持する。あのまま続ければ重岡銀次朗が勝ってたっぽいけど。世界王者にはそれくらいの図々しさも必要?
 

◯花田歩夢vsアサエル・ビリャル×(7R46秒TKO)

花田歩夢は2021年7月の中垣龍汰朗戦で初めて観た選手。
「おお、すげえいいじゃんこの人!!」「ファイトスタイルがカッコいい」と思ったことを覚えている。
 
花田歩夢がカッコいい。日本ユースタイトル戦で中垣龍汰朗と引き分け。スタンスが井上尚弥っぽいしvsサウスポーが得意なんだろうな
 
“逆輸入ボクサー”の異名が示す通り普段はメキシコを中心に活動しているとのこと。
機会があればまた日本で観たいと思っていたところ、今回3150FIGHTに出場すると聞いて「おお、ついに花田歩夢が世間に見つかるときがきたのか」とテンションが上がってしまった笑
 
対するアサエル・ビリャルは2022年8月に日本の宮崎亮を1RTKOで下しており、この日が2度目の3150FIGHT参戦となる。
 
 
試合の感想としては、花田歩夢はよく勝ったなぁと。
正直、相手がアサエル・ビリャルと聞いて「え? ちょっとマズいんじゃないか?」と思ったことを白状する。
 
実際に被弾も多く4R後半にはよろめいてロープまで飛ばされてもいる。
 
花田のジャブもよく当たっていたが、同時にビリャルのワンツーも同じくらい花田の顔面を捉えていた。
4Rまでは五分五分かややビリャル優位の展開だったのではないか。
 
ただ、中盤から右のタイミング、角度を掴んだのを観ては「お、これはいけそうか?」と。
5Rに2度のダウンを奪った直後は力みまくって大振りになり、飛ばしすぎでゼーハーゼーハーしていたものの、続く6Rにジャブを中心に立て直したのもよかった。
 
で、7Rにガードの外側からの右をぶち当ててのTKO勝利。
いったん効かされてもすぐに復活→しつこくパンチを返してくるビリャルをきっちり仕留めてみせた。
 
前回の宮崎亮戦で「この選手はかなり強いぞ」と思わせたビリャルだったが、そこをさらに上回った花田歩夢は文句なしに素晴らしい。
ぜひともまた3150FIGHTに呼んでもらいたい選手である。
 

だんだん新生K-1のやり方と似てきた気が…。強い外国人選手をベテランに当てる→次の試合でホープとぶつける

しかしアレですね。
大沢宏晋をKOして再来日→下町俊貴に判定負けを喫したジョー・サンティシマ同様、だんだんと新生K-1のやり方に似てきたような……。
 
最初に元世界王者や世界戦経験者のベテランをぶつけて「アカン、とんでもないヤツを連れてきちゃったよ」という外敵感を強調。で、次の試合で若手のホープを当てて「あのサンティシマ(ビリャル)に勝つなんてすげえ」と。勝利をよりインパクトあるものにするやり方。
 
下町俊貴がジョー・サンティシマを危なげなく完封。危なかったのは接近戦に巻き込まれた5Rだけかな。もしかしたら下町はホームで力を発揮するタイプ?
 
もちろん負けさせるためにベテラン勢をぶつけているわけではない&下町俊貴はプロモーション自体が別だが、いわゆる“ガチのマッチメーク”を意識すると自然とこういう流れになるのかもしれない。
 

◯力石政法vs木村吉光×(5R2分59秒KO)

保持していたOPBF王座を返上、負けたら引退の覚悟で挑んだ力石政法と、それを迎えうつWBO-AP王者木村吉光。
 
力石政法は身長178cmのサウスポーで体格もがっしりしている選手。正直、よくこの階級にとどまれるなと思うほどのゴツさである。
 
以前ハイメ・ムンギアやジャーマル・チャーロがS・ウェルター級で戦っていた際に「こんなにデカいヤツらがよく154ポンドまで落とせるなぁ」と思っていたが、力石もそれに近いものがある。
 
対する王者木村吉光については試合を観ること自体が初めて。
キャリアを振り返ってみると、仲里周磨と引き分け三代大訓に肉薄するなど相当な実績の持ち主であることがわかる。
 
試合後に力石が「自分より一歩先を行っている木村選手に勝ててよかった」と言っていたが、なるほど確かに。国内線戦という意味では木村の方が経験値が上だったのかもしれない。
 
力石政法vsマイケル・マグネッシ全然わからんな。中谷潤人vsジーメル・マグラモが理想なんだろうけど。過去一狭いリングらしいね
 

相変わらず力石政法は長い。木村吉光はキツい試合でしたね

試合については、今回も力石が長かった
 
小刻みに出し続けるジャブと要所で打ち込む鋭い左。
さまざまな角度から出すジャブで相手を釘付けにし、強引に入ってきたところに左を合わせる。
さらにバックギアからのリターンでも体重が乗った1発を打つことが可能。
 
前回、今回と豪快なKO勝ちが続いているが、それも納得の強さというか。誇張でもなくこの選手と中間距離で勝負しても勝てる見込みはほとんどないのではないか。
 
 
一方の木村吉光だが、こちらはホントにキツい試合だった。
序盤から見せていた「低い姿勢で上体を振りながら中に入る→伸び上がるように右を打ち込む」動きは相当練習してきたものだったはず。実際アレで何度か顔面を捉えていたし、3R(だっけ?)には力石が一瞬グラッとくるシーンもあった。
 
だが、自分のパンチが当たる位置にたどり着くまでの消耗があまりにも激しい。
ちょんちょんと動かす力石の右をかいくぐり、左の打ち下ろしに注意しながら目いっぱい身体を伸ばす。しかもそのタイミングで体重の乗った1発を打ち込まなくてはならない。
 
恐らくあの動きは1回ごとに心身が削られていくはずで、さらにそこにダウンによるダメージも加わる。
5Rに倒されるまで動きが落ちずによくがんばったと思うが、とにかくキツい試合だった。
 
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てか、最後の力石の左アッパーはすごかったですね。
そこに至るまでにたっぷりと右を意識させ、いきなり身体を入れ替えて下からストン。
狙っていたのか咄嗟に出たのかはわからないが、アレをもらったら立つのはちょっと難しい。力石にとってはパーフェクトな勝利と言っていいのではないか。
 
 
なお、これで国内で残っているのは現日本王者の坂晃典だが、本人はどうするのだろうか。
今回もエキシビジョンで出場していた坂を力石にぶつけること自体は難しくなさそうだが。
 
ただ、個人的には次のステップのチャンスがあるならそちらを優先してもらいたい気はする。
ここはマジで亀田興毅の腕の見せどころである笑
 
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