ジャーボンティ・デービスvsエクトル・ルイス・ガルシア。ガルシアってライアンじゃない方か笑 ルイス・ネリ同様、vsサウスポーが得意なタイプだったけど。8Rの猛攻でギブアップ【結果・感想】

ジャーボンティ・デービスvsエクトル・ルイス・ガルシア。ガルシアってライアンじゃない方か笑 ルイス・ネリ同様、vsサウスポーが得意なタイプだったけど。8Rの猛攻でギブアップ【結果・感想】

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2023年1月7日(日本時間8日)に米・ワシントン州で行われたWBA世界ライト級タイトルマッチ。同級レギュラー王者ジャーボンティ・デービスとWBA世界S・フェザー級王者エクトル・ルイス・ガルシアが対戦し、9R13秒TKOでデービスが勝利。戦績を28戦全勝26KOとした一戦である。
 
 
ド派手なKOを量産して日本のファンにも人気のジャーボンティ・デービス。
同じく人気者のライアン・ガルシアとの対戦に合意したとかで、さらに盛り上がりが加速しそうな雰囲気である。
 
ただ、以前起こしたひき逃げ事故? 余罪14件? や女性への暴行?(詳しく知らない)による裁判で試合どころではないという噂も。
動向をあまり追っていなかったので「何かゴタゴタしとるなぁ」くらいにしか思っていなかったのだが、いつの間にか「試合ができることになった」と。
 
で、対戦相手の名前が“ガルシア”と聞き、「え? ライアン・ガルシアとさっそくやるの?」「一戦挟むんじゃなかったっけ?」と驚いたのだが、たまたま目に入ったポスターに載っていたのはライアン・ガルシアとは似ても似つかない強面のスキンヘッド。
 
改めて調べてみるとガルシアはガルシアでもエクトル・ルイス・ガルシアだったという。
しかも2022年2月にクリス・コルバートに勝った選手とのこと。
散々遠回りした挙句「ああ、アイツか」「観たことあるわ」「今度はデービスと対戦するのね」とようやく納得がいった次第である。
 
そんな感じで完全に見失った状態から取り戻した(笑)わけだが、今回はこの試合の感想を。例によってリアルタイムではなく結果を分かった上での後追いだったことをお伝えしておく。
 
花田歩夢vsアサエル・ビリャル、力石政法vs木村吉光。すごい試合が2つ出ました。花田はよく勝ったな。力石は相変わらず長かった
 

エクトル・ルイス・ガルシアがいい選手だった。右リードが多彩なカウンター使い。vsサウスポーが得意なタイプだったね

率直な感想としては、何よりエクトル・ルイス・ガルシアがいい選手だったなと。
 
去年のクリス・コルバート戦に関してはだいぶ記憶が薄れているのだが、コルバートに勝つのだから強いに決まっている。
この試合でも強打のデービスに中盤まで肉薄していたし、8Rの猛攻で心が折れるまでは「まさか」もあり得る展開だった。
 
要するにこれ系の選手はvsサウスポーが得意なのだと思う。
・L字気味の左構え
・見切りに長けたカウンター使い
・前手の右リードが多彩
 
ルイス・ネリやジョセフ・ディアス(両方嫌いな人は多いと思うけど笑)もそうだが、右のジャブが多彩なL字のクネクネカウンター使いは同じ左構えと相性がいい。
 
ルイス・ネリが代役カルモナから3度ダウンを奪ってTKO勝利。久しぶりのネリらしい試合。打倒フルトンにはまったくつながらないけど笑
 
vsオーソドックスと違ってジャブ同士がぶつからないので右を自由に動かせる&角度的に左ストレートを避けやすい。
「相手の左を上体反らしで回避→身体が流れた瞬間を狙って左を振り抜く」までの動作を一連の流れでやれる。
 
右ジャブが多彩で見切りに長けたタイプはマジでサウスポーキラーになれる気がする。
 
実際、エクトル・ルイス・ガルシアも2018年からクリス・コルバート戦前までの11戦のうち6戦がvsサウスポー。本人の希望なのか陣営の方針なのかは不明だが、今回も自信があったからこそ階級アップを受け入れたのだと想像する。
 
デービスも6R(だっけ?)に一瞬スイッチしてたしね。
序盤からやりにくそうだったし、マジでいい選手でしたよね。
 

序盤はガルシアのプラン通り。でも、デービスが強引に距離を詰めてきてから徐々に苦しくなる

だが、デービスはこれまでガルシアが対戦してきたサウスポーとはひと味違う(これまでを知らないけど)。
 
恐らく1、2Rはガルシアにとってはプラン通りの展開。
遠い間合いで対峙し、前手の右を鞭のように使ってデービスの顔面を削る。
デービスが強引に腕を振ってくれば見切りと上体反らしで回避、打ち終わりに左のカウンターを返す。
 
この位置関係、タイミングを終盤までキープできればマジで可能性はある。ガルシアがズルズル持っていきそうにすら感じる立ち上がりだった。
 
 
ところが3Rに入ると両者の間合いが半歩ほど詰まる。
このままではマズいと思ったか、デービスが多少無理にでも前進した印象である。
試合後のデービスの顔面がかなり紅潮していたことを考えると、あそこはある程度の被弾を覚悟で距離を詰めたのだろうと。
 
そして、デービスの圧力によってガルシアは徐々に苦しくなる。
序盤は右を中心に要所で左を出す流れだったのが、デービスの強打に対抗するために最初から左を出さざるを得ない。
しかも1発1発に力を込めて腕を振るので必然的に打ち終わりに隙ができる。
 
ジャーボンティ・デービスvsライアン・ガルシア。序盤物量勝負を仕掛けたガルシアはよかった。でもデービスの嗅覚、精度が高すぎる
 

パンチに対する反応の速さと上体の柔軟性に差が…。腹を決めたデービスの強さとパンチ力の大正義っぷり

さらにラウンドが進むとパンチに対する反応にも差が出始める。
顔を背けて威力を逃がすデービスに対し、ガルシアはそこまで頭の位置が動かない。
 
またデービスは上体の柔軟性と踏み込みスピードに長けている分、どんな態勢からでも威力のあるパンチを打てるが、ガルシアはそれに対抗するために一つ一つの動きをより小さくする必要がある。
 
超絶反応でナチュラルに強烈なカウンターを打ち込むデービスと、置いてきぼりを食わないためにいろいろなものを省かなくてはならないガルシア。結果、デービスのカウンターの方が深くヒットしガルシアのダメージだけが蓄積していく。
 
申し上げたように序盤こそ上体反らしからのカウンターが機能したガルシアだったが、中盤以降はむしろ逆。
ガードを上げて強引に距離を詰めるデービスを止めるために自分から手を出さざるを得ず、そこに待ってましたのカウンターを合わせられてしまう。
 
パッと見では8Rのラッシュでデービスが試合を終わらせた印象だが、序盤からの蓄積、流れはしっかりとあった。パンチ力が大正義なのはもちろん、2021年6月のマリオ・バリオス戦同様、腹を決めてプレスをかけたデービスの強さを改めて見せつけられた試合である。
 
ジャーボンティ・デービスは寝起きに人を殴ったその足で朝マックするヤツ。マリオ・バリオスをパワフルに粉砕。小型のカネロじゃんコイツ
 

デービスvsライアン・ガルシア確定? ライアン・ガルシアなら打倒デービスの可能性もありそうな気が…

これで期待されるジャーボンティ・デービスvsライアン・ガルシア戦がほぼ確定(デービスがシャバにいれば笑)したのだと思うが、割とマジでライアン・ガルシアなら可能性がありそうな……。
 
 
恐らくだが、デービスを攻略するには同じリズムで勝負したらダメ。
マリオ・バリオスもローランド・ロメロも今回のエクトル・ルイス・ガルシアも時間軸? がデービスと似通っていた(気がする)せいで中盤に捕まった。
 
逆にデービスとはまったく違うタイミング、距離で対峙したのがホセ・ペドラサとユリオルキス・ガンボア、イサック・クルス。
序盤を優位に進めたホセ・ペドラサはハンドスピードで、判定まで粘ったユリオルキス・ガンボアやイサック・クルスは思いっきり離れるorくっつくの両極端な作戦で対抗してみせた。
 
デービスvsクルス感想。デービスは4Rくらいに左手をおかしくしてたっぽいな。自分より小さい相手に苦戦。そろそろビッグマッチを…
 
デービスの強打と真正面から向き合ってしまうとどこかで必ず捕まる。
それを避けるためにはハンドスピードや足、近場での連打等、尖った何かが必要になる。
 
その点、ライアン・ガルシアはホセ・ペドラサ以上のハンドスピードと1発の威力、スピーディなジャブを兼ね備える。フットワークの怪しさを考えると1発で天に召される危険も伴うが、同時にギリギリ勝ち切る可能性もあるような、ないような。
 
 
 
だからアレだ。
とりあえずはすんなり両者の対戦が決まることを願っている。
 
ボクシング界の定番とも言える“やるやる詐欺”を踏襲せずにww
 
 
まあ、仮にポシャってもそこまで驚かないメンタルになっている時点でおかしいんですけどね笑
「OK、OK。いつものヤツね」
「さっさと次に行こうぜ」
みたいな。
 
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