ファン・カルロス・トーレスが好きすぎる。長濱陸に判定勝利。日本人が中量級で勝負するにはアジア圏での無双が最低条件?【結果・感想】

ファン・カルロス・トーレスが好きすぎる。長濱陸に判定勝利。日本人が中量級で勝負するにはアジア圏での無双が最低条件?【結果・感想】

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2023年8月11日に大阪・エディオンアリーナ大阪で行われた「3150FIGHT vol.6 ~世界を殴りにいこうか!~」。
例によって本イベントはAbema TVで生中継されたわけだが、僕の興味を引いたのは第1試合の67.5㎏契約8回戦、長濱陸vsファン・カルロス・トーレス戦である。
 
 
今回3150FIGHTへ初参戦を果たしたファン・カルロス・トーレスは戦績20勝1敗16KOの強豪。以前はフロイド・メイウェザーのメイウェザー・プロモーション所属だったとのこと。
亀田興毅ファウンダーの「本物の世界レベルを見せたい」というコメントとともに紹介されている。
 
 
僕は少し前にこの選手に注目していたことがあり、まさかここで名前が出るとは!! とめちゃくちゃ驚かされた。
 
第2のファンマを探す旅。俺たちのプエルトリコ期待の5人。彼らの散り際の美学は瞬間芸術と言っても過言ではない()
 
と同時に、
・ディフェンスがよくない
・案外打たれ弱い
・顔がファンマ・ロペスに似ている
というザ・プエルトリコ!! な選手が日本のリングに立つことにクソほどテンションが上がった次第である。
 
極端な話、この試合だけでも東京でやってほしかったくらい。


というわけで今回はこの長濱陸vsファン・カルロス・トーレス戦の感想を言っていくことにする。
 

早々に自分の距離に入るトーレス。あの位置で打ち合ってもわからんぞ? と思っていたら…

まず結果は3-0(76-74、76-74、77-73)の判定でトーレスの勝利。2、3Rに1度ずつダウンを奪ったトーレスが終盤足を使って逃げ切りを果たしている。
 
試合の流れとしては、離れて勝負したい長濱選手と前に出て打ち合いたいトーレスという感じ。
1Rこそ長濱選手のしなるジャブがさまざまな角度からトーレスの顔面、ボディを捉えていたが、2Rに入ると圧力を強めたトーレスが自分の距離を作る。
 
エマヌエル・ロドリゲスは西田凌佑の持ちネタをまるっとスケールアップさせた印象。比嘉大吾戦の再現が理想? そんなことができるの? 亀田興毅は交渉がんばれ
 
ただ、この選手はあまり頭の位置が動かず狙いがつけやすい。しかもプエルトリコ出身の選手らしく打たれ弱くもある。
さらにもともとS・ライト級の選手なだけあり、長濱選手に比べて一回り小さい。
 
前に出る馬力、ジャブの鋭さ、打ち合いでの的確さはあるが、そこに危なっかしさも同居する。
この距離で打ち合ってもどちらが優勢かはわからんぞ? と思っていると……。
 
ラウンド後半。
コーナー付近でトーレスの右が炸裂し、長濱選手が逆側に崩れるようにダウン。耳の後ろ? 下あたりに入ったパンチで一瞬平衡感覚がバグった感じである。
 
続く3Rもロープ際の攻防でトーレスの右アッパーを被弾した長濱選手がダウンを喫する。
今度はガードの斜め下から打ち込むパンチ。突然逆方向から飛んできたパンチに長濱選手は反応できずにこれまた崩れるように倒れこむ。
 
 
スナップの利いた? パンチを鞭のように打ち込む長濱選手に対し、トーレスのパンチはまっすぐ最短距離を通過する印象。
どちらがいいも悪いもないが、トーレスの方がより打ち合いに特化していた気がする。
 
 
また、トーレスは足を使う相手を明らかに追いかけ慣れていた。
ジャブで前進を鈍らせたかった? 長濱選手としては、あれだけあっさり懐に入られたのは少し誤算だったかもしれない。
 
ダニエル・デュボアはいい選手だった。打倒ウシクのネタは持ってた気がする。ウシクは早い段階でのローブローアピールでレフェリーを味方につけたな
 

接近戦に慣れっこだったトーレス。よくこの選手を引っ張ってきたよな

何というか、ファン・カルロス・トーレスは「接近戦をやり慣れてます!!」という選手だった。
 
小さなジャブを見せながら前進、相手の懐に入ると同時にボディで下を意識させてから上へ。
ガードは常に高く、微妙に芯をずらしつつ1発もらったら必ず1、2発打ち返して絶対に流れを渡さない。
 
 
以前試合を漁った際はそこまで細かくはわからなかったが、今回しっかりと8R観て「ああ、いい選手だなぁ」と。
改めてよくこの選手を引っ張ってきたなと思った次第である。
 

自分の打たれ弱さを自覚してるのもいいよね。「やりようによってはどうにかなる」“ちょうどいい”立ち位置の選手

だが、申し上げたようにトーレスは頭の位置があまり動かずパンチを芯で食いやすい。上体も硬そうな上にプエルトリカンの持ち味でもある()顎の弱さも兼ね備える。
 
この試合でも3R早々のカウンターでガクガクするなど、露骨に効かされるシーンが目についた。
キャリアで喫した1敗もああいう効かされ方をしたのだと想像するが、そこもまたこの選手の魅力だったりする笑
 
しかも自分の打たれ弱さを自覚しているのがいい。
ピンチの場面では無理に攻めにいかずに足を使う、カウンター狙いで距離を取る等、ごまかし方も堂に行っていた。
 
スルタンがカラバロにアップセット。これが俺たちのプエルトリコ。ファン・カルロス・トーレスも!? 期待の2トップが揃ってコケる(期待に応える)って笑
 
逆に長濱選手は倒された直後に焦って立ち上がるなど、ところどころに余裕のなさが感じられた。
もしかしたらこの辺が北米の中量級でもまれてきた選手と練習相手も限られるアジア圏の選手の差なのかもしれない。
 
 
でもアレっすよね。
ホントに“ちょうどいい”立ち位置の選手でしたよね。
 
岩佐亮佑に完勝したジャフェスリー・ラミドや拳四朗をあと一歩まで追い詰めたアンソニー・オラスクアガのように「コイツとは関わっちゃアカン」みたいなヤツとはちょっと違う。
 
「この相手ならやりようによってはどうにかなるんじゃねえか?」と思わせる選手。


岩佐亮佑がジャフェスリー・ラミドのスピードについていけず。ラミドは相当ヤバいと思ったけど相当ヤバいなw 岩佐は引退を表明
 
アブドゥラスル・イスモリロフは勝てる試合だった。左構えで勝負した方がよかった気が。井上浩樹vs佐々木尽が観たいけど、ないんだろうな
 

日本人選手が中量級で勝負するにはアジア圏での無双が最低条件? トーレスの実力は恐らくトップ戦線から二段ほど落ちる

なお2021年10月にファン・カルロス・トーレスに勝利したダーウィン・プライスはその約2年前にマリク・ホーキンスにKO負けしている。
 
さらにそのマリク・ホーキンスは2021年12月にリオ五輪代表のリチャードソン・ヒッチンズに判定負けを喫している。
 
で、ホーキンスを下したリチャードソン・ヒッチンズは今年9月に王座戦経験を持つホセ・セペダとのサバイバルマッチを控えている。
 
そう考えると、トーレスの(S・ライト級、ウェルター級での)実力はトップ戦線の二段下くらいか。
元アジア王者の長濱選手がトーレスといい勝負(キャッチウェイト)だったことを踏まえると、日本人選手が中量級で突き抜けるにはアジア圏での無双が最低条件になる?
 
三段論法が当てはまるとは思わないが、そういう理屈を挟む余地がないほど圧倒してようやくスタートラインに立てるとか、そんな感じなのかもしれない。
 
 
2019年12月のダーウィン・プライスvsマリク・ホーキンス戦。

プライスが5R負傷TKO負けを喫しているが、そのラウンドまではホーキンスがポイントでリードしていた。
 
 
2021年12月のマリク・ホーキンスvsリチャードソン・ヒッチンズ戦。

ダーウィン・プライスに勝利したホーキンスをヒッチンズは中間距離で上回ってみせた。
 
何となくだが、リチャードソン・ヒッチンズは長濱選手が目指すボクシングを体現しているように思える。
 
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