井上また圧勝。ボワイヨダメだわ。アレじゃ勝てないんですよ。S・フライ級ラストマッチも楽勝。でも「物足りない」ってさ【結果・感想】
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2017年12月30日、横浜文化体育館で行われたWBO世界S・フライ級タイトルマッチ。
同級王者井上尚弥と6位ヨアン・ボワイヨの一戦が行われ、3R1分40秒TKOで井上が勝利。7度目の防衛に成功した。
「井上尚弥がヨアン・ボワイヨと年末ファイト。余裕? の勝利でいけるのか?」
今回を最後に階級アップを公言している井上。
170cmの長身挑戦者にもまったく怯まず、開始直後から自信満々でプレッシャーをかける。
1R終了間際に左フックのカウンターでダウンを奪って主導権を握ると、続く2Rもボワイヨを圧倒してつけ入る隙を与えない。
「井上尚弥w 理不尽な左と意味不明なタイミングでロドリゲスを片付ける。パワー勝負に切り替えた瞬間だったな」
一方的な展開となった3R。
サークリングして距離をとるボワイヨに対し、井上はジリジリと距離を詰めてロープを背負わせる。そして得意の左ボディを叩き込み、都合3度のダウンを奪って完勝。
試合後のインタビューでは「対戦を受けてくれたことは感謝するが、物足りない」とコメントするなど、ビッグマッチが決まらない状況に不満の表情も見せる。
2018年はボクシング熱の高い英国のリングに乗り込むか、再びアメリカに呼ばれるか。海外の強豪とのマッチメークに期待である。
「拳四朗4RTKO!! ペドロサ手も足も出ず。いいですね拳四朗。ホントに期待できるぞこの選手。まあ、今回は相手が微妙だったけど」
最初の1発目で勝負あり? ガードの上から吹き飛ばされて、あっという間に萎縮しちゃった
「いや、それじゃ勝てないんだよボワイヨさん」
これが、開始1分で僕が思った素直な感想である。
1Rのゴングが鳴り、リング中央で向き合う両者。
ガードを上げて左に回る井上に対し、ボワイヨも左に回りながらジワジワと距離を詰める。
身体をかがめて左のボディストレート。ジャブを出しながら、さらに左に回り込む。
小さく踏み込んでジャブを2発。
だが、井上のカウンターを警戒しているのか、踏み込みが浅くパンチが届かない。
そして45秒過ぎ。
ゆったりとしたリズムからいきなり大きく踏み込み、得意の左フックを叩き込む井上。
ボワイヨのジャブに合わせてのカウンターである。
このパンチに身体ごと吹き飛ばされたボワイヨが、驚愕の表情を浮かべる。
ガードの上だったとは思うが、井上のパンチ力とタイミングを見せつけるには十分な1発だった。
これがこの試合で井上が出した初めてのパンチだったわけだが、実質これで勝負は決した感が強い。萎縮したボワイヨの踏み込みはさらに浅く、完全に及び腰になってしまった。
「RIZIN15にパッキャオ来場だってさ。榊原信行氏が有能過ぎる件。那須川天心vsフリッツ・ビアグタン決定」
「ガードで耐えて、攻撃のチャンスを待って〜」じゃダメなんですよボワイヨさん。せっかく長身と長いリーチのある選手だったのに
とは言え、今回のボワイヨは打倒井上の相手としては、それなりに悪くなかったと思う。
長身。
長いリーチ。
絶えず出るジャブ。
左右に動き続ける足。
上背とリーチで井上の強打から急所を遠ざけ、ジャブと左右への動きで正対することを避ける。
実際、開始直後の井上はガードを上げて見上げるように構えていたし、長身選手への警戒心は感じられた。また、ボワイヨの右がガードの外側から井上の顔面をかすめるシーンも散見された。
あれだけガードを高く構えればカウンターにも遅れが出るし、なおかつそのガードの外側をボワイヨの右が通過していた。
今後、井上が自分よりも大きな選手に苦労しそうな雰囲気は、少しだけ感じられたのではないだろうか。
ただ、それじゃ勝てない。
最初に言った通り、そのやり方では勝てないんですよボワイヨさん。
ガードを上げて井上のパンチを防ぎ、自分のターンを待つ。
井上のカウンターを警戒しながらおっかなびっくりで踏み込み、ガードの上をなでるように叩く。
違うんですよ。
それをやると、井上の強打に粉砕される結末にしかならんのですよ。
現にオマール・ナルバエスやワリルト・パレナスがそれで吹っ飛ばされたじゃないっすか。
しかも、最近の井上は左のボディが完全に覚醒してますからね。
ガードの上から身体を揺らされ、顔面に意識がいったところでボディをドカン。
もう、絵に描いたようなKO負けっすわ。
「アローヨvsクアドラスはKOか判定で逃げ切るかの2択だよな。アローヨに勝ってほしいけど。そして岡田隆志とかいう隠れ名選手」
やっぱり井上を攻略するにはカウンターじゃないっすかね。ボワイヨはもう少しやりようがあった気がするけどな。厳しいけど
いつも申し上げているように、打倒井上の最善策はカウンターだと思っている。
井上のジャブに同時打ちのタイミングで右を被せ、追撃の機会を奪う。
連打を許すと歯が立たないので、井上のパンチにカウンターを返して攻撃を単発で終わらせる。
そして間髪入れずにもう一歩踏み込み、連打につなぐ。
さっとサイドに回り、アングルを変えて安全圏に退避。
井上と極力正対せず、ガードの外側から細かいパンチを打ち込む。
各ラウンドでわずかに上回り、最終的にポイントアウトを狙う当て逃げ作戦である。
なので、今回のボワイヨのように、相手の攻撃が終わるまで我慢するスタイルではちょっと難しい。もっと勇気を持って、自分から踏み出さなければどうにもならない。
「リトアニアの井上尚弥、カバロウスカスがアバネシャンを6RKO。いや、でも日本の小原佳太なら勝てるんじゃないの?」
長いリーチと上背、サイドに動く足があっただけに、もう少しやりようはあった気がする。
まあ、1発目のパンチがあんな大砲みたいな左じゃね。
萎縮するのもしゃーないですけどね。
2018年の井上はバンタム級に進出だって。そうそう、それを待ってたんですよ。オーバースペックのS・フライ級でやることはない
そして、井上はこの試合を最後にバンタム級に進出するとのことだが、これは本当に大正解だと思う。
常々言っているように、井上はS・フライ級ではすでにやることがない。完全にオーバースペックの状況である。
たとえシーサケットvsエストラーダ戦の勝者との一騎打ちが実現しても、恐らく結果はこれまでと同じ。左のジャブでスペースを作られ、ガードの上を叩かれて左ボディ。ロープ際で悶絶KOという結末にしかならないように思える。
また、今回のボワイヨや前回のアントニオ・ニエベスなど、バンタム級から落とした選手でも地域王者レベルでは相手にならない。
ボワイヨの上背があればもしかしたら? とも思ったが、結果は観ての通り。
何かをやろうにも、井上とのフィジカルに差があり過ぎてスタートラインにすら立てない。ニエベスには井上のジャブにカウンターを合わせようという意思が見えたが、ボワイヨは愚直にガードに頼ったおかげで悲惨な結末を迎えてしまった。
要は、井上に対抗できる上背とフィジカルを両立するのはS・フライ級では無理なのだと思う。
パンチ力とパワー、突進力を重視すれば河野公平やリカルド・ロドリゲス。ペッチバンボーンやダビド・カルモナのようにカウンターで対抗しても、最後はジャブの威力とフィジカル差で撃沈。上背のあるボワイヨは、根本的なスペックがまるで足りず。
もう、この階級の選手ではどうにもならない。
カリド・ヤファイやジェルウィン・アンカハスに対戦を断られたとのことだが、無理もない。ヤファイはそもそも自国にファンベースがある選手だし、アンカハスもせっかく王座を獲得したのだから防衛路線で稼ぎたいはず。
わざわざオーバースペックな相手とリスキーな試合を実現する必要もない。仮に本人たちがOKでも、プロモーターが渋ることも十分考えられる。
「ロマゴンサスペンド!? 神経学的検査って? その他、エスカンドンvsニャンバヤル、京口vsパラス、アンカハスvsスルタン振り返り」
そういう意味でも、バンタム級への転向はいい判断である。
まあ、僕としては2戦ほど遅かったと思っているが。
2017年5月のリカルド・ロドリゲス戦のあととかね。Superflyに呼ばれたのもあったし、何とも言えないところだが。
てか、前にも言ったけど、本人もつまらんでしょ。
あんな前傾姿勢でゴンゴン前に出ても、余裕で勝てる相手ばっかりじゃ。ノーガードで顔面を晒してるのに、カウンターにビビって誰も打ってこないからね。
エジディウス・カバロウスカスみたいに、パワー面の優位性が薄れる場所でどうなるかってのが、やっぱり観たいわけですよ。
「エジディウス・カバロウスカスとかいうウェルター級の井上尚弥。リトアニアの井上キタコレww」
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