リトアニアの井上尚弥、カバロウスカスがアバネシャンを6RKO。いや、でも日本の小原佳太なら勝てるんじゃないの?【結果・感想】

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リトアニアイメージ
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2018年2月16日(日本時間17日)、米・ネバダ州で行われたNABF北米ウェルター級タイトルマッチ。
同級王者エジディウス・カバロウスカスが、現WBA8位のデビッド・アバネシャンと対戦。カバロウスカスが6R1分55秒TKOで勝利した試合である。
 
 
序盤からカバロウスカスのパワフルなジャブがアバネシャンに再三ヒットし、徐々にダメージを蓄積させていく。
対するアバネシャンもサイドに動きながらカウンターを被せ、カバロウスカスにペースを渡さない。
 
そして6R。
カバロウスカスのタイミングのいい右がカウンターでアバネシャンを捉え、アバネシャンが大きくグラつく。
カバロウスカスが一気に距離を詰め、持ち前の爆発力でラッシュを浴びせる。
それを見たレフェリーが割って入りストップ。6R1分55秒TKOでカバロウスカスが勝利を決めた。
 
「カバロウスカスがアブレウに大苦戦の末に判定勝利。今回は苦手なタイプだったな。ジャブの強さでスレスレ生き残った」
 
これで戦績を19戦全勝16KOとしたカバロウスカス。次戦以降のタイトルマッチが実現するかに注目である。
 

今週末、一番注目していたのがこのエジディウス・カバロウスカスvsデビッド・アバネシャン戦。リトアニアの剛腕がステップアップする試合です

クリス・ユーバンクJr.vsジョージ・グローブスやデボン・アレクサンダーの復帰戦、レイムンド・ベルトランの王座返り咲きなど、いろいろな試合があった今週末。
 
その中で、僕が個人的に一番注目していたのがこの試合。エジディウス・カバロウスカスvsデビッド・アバネシャンの一戦である。
 
カバロウスカスは以前、WOWOWエキサイトマッチで観ておもしろいなと思った選手。リトアニア出身ということで、アルファベット表記も「Egidijus Kavaliauskas」とクッソ読みにくい。
そして、ファイトスタイルが井上尚弥にそっくりだったことが印象に残った選手でもある。
 
「エジディウス・カバロウスカスとかいうウェルター級の井上尚弥。リトアニアの井上キタコレww こんなに似てる選手は初めて」
 
以前にも申し上げたが、ここ最近各階級に「井上尚弥と似ている」と言われる選手が山ほどいる。
リードジャブが強く踏み込みの鋭い選手に対し、かなりの頻度で「井上尚弥を感じた」という声が聞こえてくる(気がする)。
 
そして、先日はついにエロール・スペンスまでもが井上尚弥と呼ばれはじめ、さすがにちょっと笑ってしまった。
 
いや、おっしゃりたいことはめちゃくちゃわかるのだが。
 

カバロウスカスは僕の中では完全に「リトアニアの井上尚弥」。井上が階級アップでどうなるかを想像しながら観るのが楽しい

そんな中、僕がマジで井上尚弥に似てると思ったのがこのエジディウス・カバロウスカス。
というより、「井上尚弥が適正階級にいくとこうなるんじゃないかな?」と言った方が正確か。
 
・ハンマーのような強烈な左
・一瞬の踏み込みと爆発力
・スウェーしながらの左カウンター
・上半身と前後のステップ中心のディフェンス
・至近距離でのボディ
 
などなど。
特徴や一つ一つの動きもかなり似ていて、もはや「リトアニアの井上尚弥」と呼ばざるを得ないww
 
「クロフォードさすが。カバロウスカスを9RTKO。もっと無双してほしかったけど。マジでミドル級に上げるの?」
 
おう、独りよがりと言われようが知ったこっちゃない。
ずっと言い続けてやるから覚悟しとけ、あ?
 
しかも井上尚弥と違い、ウェルター級のカバロウスカスにはフィジカル的な余裕はない。
今回のアバネシャンにも左リードに右をカウンターで被せられていたし、ガードを下げて無遠慮に連打を出すという状況にはなかなかならない。
 
得意なボディを打つにも、もう半歩近づく必要がある。
だが、どうしても左でダメージを与える過程を要するため、必然的に数は少なくなる。
 
前回のマオンリー・モンテス戦では、リーチの長いモンテスに打ち下ろしをもらい、ダウン寸前まで追い込まれるシーンも見られた。
 
カバロウスカス自身はもちろん、井上尚弥が階級アップとともにどうなっていくかを予想する意味でも注目している選手である。
 

アバネシャンはまあ……ね。衰えまくったモズリーに勝って名前が売れたけど

試合自体は観ての通りというか、「だいたいこんな感じになるかな?」と思っていた展開だった。
 
カバロウスカスがガードの間から強烈な左を打ち込み、アバネシャンにダメージを蓄積させていく。
と同時に少しずつ間合いを詰め、ラウンドが進むごとに得意のボディやフックを打ち込める位置まで近づく。
 
アバネシャンもサイドに動きながらカウンターを被せるが、パワーの違いは顕著。最初のコンタクトで打ち負け、どうしてもペースを掴めない。
 
左をガードしているだけでは一方的にダメージを食うのみ。
だが、前に出て打ち合うと、スウェーしながらのカウンターの餌食。
 
足を止めずにカウンターを被せまくる作戦は間違いではないが、根本的なパワーの違いを埋められず。結局耐え切れずにKO負けを喫してしまった。
 
まあ、そもそもアバネシャンは晩年のシェーン・モズリーに勝利して名を上げた選手。レイモント・ピーターソンにもフィジカル負けしていたし、全体的にそこまで突出したものはない。
むしろこの選手に苦戦するようなら、カバロウスカスもこの先厳しいのでは? というくらい。
 
「こいつホントにクアドラスか? アローヨと足止めて打ち合うとか、何があったんだオイ。激しい打撃戦の末にアローヨ判定勝利」
 

井上尚弥のバンタム級進出は大歓迎ですよ。マクドネルがどこまでがんばるかは知らんけど、可能性を見せて欲しいっす

なお、僕はこのカバロウスカスを観るたびに、井上尚弥も早く適正階級にたどり着かないかなぁと思っている。
 
今回の試合でもそうだが、カバロウスカスが力を発揮するのは基本的に中間距離から至近距離。
左ジャブでスペースを作り、鋭い踏み込みからの連打を浴びせられる位置。または、相手の踏み込みをスウェーで避け、左のカウンターを叩き込める位置である。
 
だが、これは相手のパンチが届く距離でもある。現に今回の試合でも、アバネシャンの右をカウンターでもらうシーンも見られた。
 
それを踏まえて井上尚弥の試合を観ると、今のところあの位置で井上とまともに対峙できる選手は皆無。
前回のヨワン・ボワイヨ、前々回のアントニオ・ニエベスなど。強烈な左であっという間に萎縮し、腰の引けたパンチを出すだけの状況に追い込まれてしまう。
 
当の井上も前傾姿勢でアゴを突き出し、無遠慮にゴンゴン前進する。
適当に距離を詰め、防御も気にせず気持ちよくボディを打って離れるだけ。
正直、弱い者イジメにしか見えず、ちっともときめかないww
 
そういう意味でも、井上のバンタム級進出は大歓迎である。
というより、むしろ半年遅かったくらい。
本来なら2017年5月のリカルド・ロドリゲス戦後でよかった。
 
「井上また圧勝。ボワイヨダメだわ。アレじゃ勝てないんですよ。S・フライ級ラストマッチも楽勝。でも「物足りない」ってさ」
 
対戦の噂されるジェイミー・マクドネルがどこまでできるかは不明だが、多少はフィジカル的なハンディ(もはやハンディと呼んで差し支えない)が解消されればと期待している。
 

小原佳太ならカバロウスカスに対抗できる。あの高身長と左右に動く足が機能すれば。後楽園ホールに呼んじゃえよww

ちなみにだが、個人的に日本の小原佳太ならカバロウスカスといい勝負をするのではないかと思っている。
「絶対勝てる」と言い切るのはアレだが、少なくとも相性的には悪くない。
 
カバロウスカスが身長175cm、リーチ180cmなのに対し、小原佳太は身長178cm、リーチ184cm。
左右によく動く足があり、なおかつ動きながらカウンターを被せられる。しかも、それを長いラウンド継続するスタミナもある。
 
どう考えてもカバロウスカスにとっては天敵としか思えない。
 
正直、トロヤノフスキーとは何度やっても左でコントロールされてしまう気がする。
だが相手がカバロウスカスなら、正面衝突で当たり負けしなければ間違いなく2015年のウォルター・カスティーヨ戦に匹敵する試合になるはず。
 
一応、小原の次戦は4月に後楽園ホールで予定されているとのこと。
これ、思いきってカバロウスカスを連れてきちゃえばいい。相手のコンディション次第では5月にずらして、ホームタウンの恩恵をモロに受ける場所でやっちまえ。
 
ん?
カバロウスカスが後楽園ホールに来るわけないって?
 
いや、そりゃわからんでしょ。
3000万円くらい出しゃ、喜んで来日するんちゃうの?
 
で、WBOアジア・パシフィック王座とNABF北米王座のダブルタイトルマッチとして開催すりゃあいい。
 
別にアレでしょ?
バルト三国もアジアの雰囲気出てるでしょ?
困ったら把瑠都にでも仲介してもらえば何とかなるっしょ。
 
で、この際だから東京もNABF北米王座に加盟しれ。
水道橋から総武線に乗ればカリフォルニアに着くとでも言い張れば、何とか丸め込めるだろ。
 
「京太郎を応援する理由? そんなもん「ヘビー級だから」でいいだろw 2018年の世界戦実現なるか」
 
まあ、そろそろ国際的に怒られそうなので止めておきますが。
 
要は、日本の中量級の選手もこの辺の相手になら十分対抗できるんじゃないの? という話っス。
 
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