ボクシングよりUFCの方が上? もうめんどくせえよ。人気がとか実力がとか、無意味すぎるだろ
ホーリー・ホルムvsロンダ・ラウジー戦での衝撃的な結末。
あの試合以降、ちょくちょくUFCを観ているのだが、やっぱり眠い。
5分5R、もしくは5分3R。
2人の人間が、試合時間15〜25分間のうち半分近くもみ合う映像を見せられる。これはかなり辛いものがある。
毎回「よし」と思って観始めるのだが、いつの間にか深い眠りにいざなわれるというパターンである。
「ロンダ・ラウジーがわかりやすくボブ・サップだった件。ヌネスに48秒TKOか。ちょっとマズい負け方かも」
正月に行われた金原vsマイケル・マクドナルド戦が物議を醸しているらしい。反則があったとかないとかで、勝敗が覆るとかそうでないとか。
正直どうでもいい。勝敗どうこうよりも、試合自体がつまらなすぎてまったく興味がわかない。
ホーリー・ホルムvsミーシャ・テイト戦が正式決定したと聞いたが、マジでやるのか? どう考えてもホーリー・ホルムのフルラウンド塩漬け大差判定だと思うのだが。
まあ、ロンダ・ラウジーが休暇中の今、他にホーリー・ホルムの相手をできそうな選手がいないというのもあるのだろうが。
やっぱり僕にはUFCは合わないのか?
僕はMMAを観るべき人間ではないのか?
「石井慧がイバン・シュトルコフにKO敗戦。石井の天敵だったなぁ。でも石井慧はもっと評価されていいと思うんだよな」
と思っていると、ホルムvsロンダに続いてアルドvsマクレガーのような名勝負が生まれたりする。こういうところがUFCの侮れないところではあるのだが。
ちなみにアルドvsマクレガー戦は生中継では観ていない。だが、GIF画像では500回以上見たww
こういうことを言うとよく「格闘技をわかってないヤツが偉そうに語ってんじゃねえ」と怒られるのだが、むしろわかっていない人間が「おもしろい」か「おもしろくない」かの二択を語るのはおかしいことではないと思うのだが、どうだろうか。
技術もわからないで語るな?
「知らねえよ。おもしろいかどうかくらい好きに言わせろよ」である。
というより、なんだかんだでホーリー・ホルムvsロンダ・ラウジー戦やアルドvsマクレガー戦が神試合として語られていることが「わかりやすさ=大正義」であることの証明ではないのだろうか。
誰が観てもおもしろい。それこそが至高だと僕などは思うのだが。
やたらとボクシングを意識するUFC選手とダナ・ホワイト代表。対抗意識がすげえんだ
先述したとおり、僕はホルムvsロンダ後にちょくちょくUFCに目を向けるようになっている。そこで感じるのは、全体的な印象として「UFCはまだブームの域を出ていないのかな?」ということである。
何というか、競技レベルの飛躍的な向上に対して、選手や観客の精神性が追いついていないとでも言ったらいいのだろうか。どうも競技の成熟度に対して関係者や観客がまだまだ混沌としているのかなというイメージである。
ひと言で言って、とにかくボクシングを意識し過ぎ、メイウェザーの名前を出し過ぎである。マクレガーもロンダもそうだが、何より代表のダナ・ホワイトがボクシングを意識した発言が多すぎる。
「モデルボクサー高野人母美KO負け!! 今後のボクシング界のために高野人母美の後継者を大至急探すんだ!!」
ボクシングというキング・オブ・プロスポーツに食ってかかる。これはかつてのK-1の手法そのものである。
強大な歴史と洗練された競技レベル、そして天文学的数字の興行収入を誇る格闘技界の王様であるボクシング。そこに噛みつくことで世間の注目を集める。マイナー競技が成り上がるための典型的な手法だ。
UFCのトップ選手や代表がボクシングに挑発的な言葉をぶつけることで観客の注目を集め、ボクシングに対する対抗意識を煽る。
「武尊vs小澤感想。やっとわかってきたじゃねえかK-1。大事なのはああいうわけのわからん熱量だよ」
要するにボクシングを利用した売名行為である。
そして、これは現時点のUFCが残念ながらボクシングにまったく及ばないことを自ら認めてしまっていることの証明でもある。
まあ、メイウェザーもたびたびUFCを挑発するような発言をして騒動を起こしていたがww
「みんな範馬勇次郎になりたいんだよ。護身? 礼に始まり、礼に終わる? んなわきゃねーだろ」
ボクシングとの対立構造を煽って注目を集める手法はかつてのK-1とまったく同じ
メイウェザー「ボクサーがUFCにいけばすぐにチャンピオンになれる」
ダナ・ホワイト「じゃあ、来いよ。チャンピオンと戦わせてやるから」
メイウェザー「ごめんよ。ジョークだったんだ」
ロンダ・ラウジー「総合格闘技ルールならメイウェザーにも勝てる」
メイウェザー「ロンダ・ラウジーって誰?」
UFCファン「は? UFCをなめんなよ?」
メイウェザー「ごめんよ」
マクレガー「俺は蛇のように絡み付いて30秒以内にメイウェザーを倒せる」
ダナ・ホワイト「UFCファイターなら誰でも勝てる」
メイウェザー「??」
メイウェザー、相変わらずいちいちめんどくさいヤツであるww
ただ、このやり取りを見て一つお気づきにならないだろうか。両者の対決の舞台が必ずUFCであることに。
「衰えまくったメイウェザーがセンス抜群のマクレガーにTKO勝利!! お前ら最高やww 報酬100億円のメイウェザー」
倒してやるからUFCに来い。
総合格闘技ルールならメイウェザーにも勝てる。
「よし、俺がボクシング界に乗り込んでチャンピオンになってやるよ」
このセリフを口にする人間はどこにもいないのである。
その昔、K-1ファイターがやたらとボクシングを意識した発言を繰り返してK-1vsボクシングの構図を全面に押し出そうとしていた時期があるが、まさしくあれと同じである。
いちいちボクシングへの対抗意識を全面に押し出し「このリングに来い!! いつでも戦ってやる」と挑発を繰り返したのである。
そして、魔裟斗も含めて「現役のK-1チャンピオンである俺がボクシング界に殴り込みをかけてやるよ」とは絶対に言わないのである。
要するにそういうことなのだ。
発言している側も、本当にボクシングのビッグネームがバリバリの全盛期にUFCに参戦するとは思っていないのだ。そして、自分がボクシングで勝負をしても勝ち目がないこともわかっているのだ。
巨像に対して「やってやるからかかってこい」と食ってかかり、対立構造を煽ることで自らの存在価値を見出し注目を集める。典型的な二番手争いである。
「さっそく陥落ミーシャ!! 女子MMAおもしろすぎ?! ヌネスが1R一本勝ちで新女王誕生!!」
ボクシングに対するコンプレックスが強すぎるというのももちろんあるのだろう。
念のためにお断りしておくが、僕はキックボクサーやMMAファイターがボクシングのチャンピオンよりも強いと言っているわけでもないし、弱いと言っているわけでもない。
どっちが上とか下とかではない。
ただ違うのだ。
ボクシング、キック、MMA。
どの競技もまったく別物であって、一方の競技でチャンピオンになったからといって別の競技でいきなり勝てるわけがないのである。
「ミーシャ・テイトがホーリー・ホルムに失神KO勝利で初タイトル奪還!!」
結局UFCはブームの域を出ていない。競技レベルに団体の立ち位置が追いついていない印象
こういう意見を言うと恐らくUFCのファンから反論がくると思うが、僕は決してUFCやかつてのK-1の姿勢を批判しているわけではない。
「どの競技の誰が強いんだ」というごちゃ混ぜ感、混沌とした状況というのはそれはそれで悪くないと思っている。
どこの誰が、どんな競技出身の、どの王者が一番強いのか?
何でもありのリングで最強なのは誰だ?
こういった異種格闘技戦の幻想を演出する上で、ボクシングを挑発する行為は決して間違いではない。
だが、MMAの競技レベルが成熟しつつある今のUFCでいまだにそれをやり続けているのを見ると、やっぱりブームの域を出ていないのかなと思わざるを得ないのである。
別にボクシングが上だとかUFCが下だとか、そういうことを言いたいわけではなく、単純にUFCという団体が未熟な部分を多く残しているのだなと感じるという話だ。
「アンドレ・ベルトがロンダ・ラウジーのコーチに名乗り? 何か勘違いしてねえか?」
以前にも申し上げたとおり、僕は最近のUFCは競技レベルが上がり過ぎたせいで試合が退屈だと感じている。
こう着状態で繰り広げられる高度な駆け引きを楽しめるほどの観察眼を持った方にとってはそうではないのかもしれない。だが、僕はその前段階で挫折した人間だ。
競技自体はハイレベルで、知識の浅い人間が見ても何のこっちゃわからないところまできている。それに対して団体の立ち位置というか、運営姿勢が新興団体のそれであることに、何とも言えないちぐはぐさを感じるのである。
ダナ・ホワイトがボクシングに対して挑発的な発言をするたびに「ああ、まだまだブームの域を出ていないな」と感じるのだ。
恐らくボクシングは今後50年なくなることはない。
多少の衰退と反映、主要国の移り変わりはあるだろうが、完全に下火になるとは考えられない。
50年後もきっと、年に数度のメガマッチと数年に一度のギガマッチ、そしてメイウェザーvsパッキャオ戦のような20年に一度のテラマッチが開催されていることだろう。
だが、UFCが今後20年残り続けるかと言ったら、残念ながら今の段階で断言することはできない。
「UFCが終わる? ロンダ・ラウジーの敗北はUFC終焉の序章」
そう。これがブームというものである。
何度も言うが、これは批判ではない。
単純に僕がUFCを見て感じたことを書いているだけだ。
「モデルボクサー高野が引退宣言? 別に構わないんじゃないの?」
UFCが今後、衰退するか爆発するかは現段階ではまったく不透明である。
よくも悪くも大きな変化が見込めないボクシング界と違って、UFCはいい意味で未熟であり不安定だ。同時に無限のポテンシャルを秘めた団体である。ここ最近、UFCを観戦した上でそう感じた次第である。
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