カネロvsゴロフキン再戦感想。最強王者を真っ向勝負で上回ったカネロ。前回を超える感動的な試合【結果・感想】

カネロvsゴロフキン再戦感想。最強王者を真っ向勝負で上回ったカネロ。前回を超える感動的な試合【結果・感想】

ラスベガスイメージ
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2018年9月15日(日本時間16日)、米・ロサンゼルスで行われたWBA・WBC世界ミドル級タイトルマッチ。
同級統一王者ゲンナジー・ゴロフキンと元2階級制覇王者サウル・“カネロ”・アルバレスが対戦し、大激戦の末に2-0(114-114、115-113、115-113)の判定でアルバレスが勝利。見事新王者となった試合である。
 
 
2017年9月の初戦で三者三様の引き分けとなり、約1年ぶりに迎えた再戦。
 
本来であれば5月に予定されていたが、2月にアルバレスの禁止薬物陽性により、急遽中止となる。
 
そして、6ヶ月間のサスペンドを経て再戦が決定したものの、アルバレスへの不信感を持ったゴロフキンが批判を繰り返す。
これによって両陣営は険悪なムードに。両者の激しい舌戦が展開され、ピリピリしたまま当日を迎えた。
 
「公平なジャッジなんて存在しないよね。それよりジャッジを味方につけた方が建設的かな? カネロvsゴロフキンの判定結果が物議」
 
紆余曲折を経て迎えた因縁の再戦は、序盤からアルバレスが積極的に前に出る。
パワフルなパンチと前進でゴロフキンに真っ向勝負を挑み、優位を保ったまま前半を折り返す。
 
後半に入ってもペースが落ちないアルバレス。
ボディを中心に的確なヒットを重ね、各ラウンドでわずかにゴロフキンを上回る。
 
終盤3Rはやや失速を見せたが、完全に流れを渡すことなく試合終了のゴング。
見事、最強王者ゴロフキンに初めて勝利を飾った。
 
「パッキャオがマティセを寄せ付けずに9年ぶりKO勝利。僕たちの英雄は世界一強い大統領(予定)。最高にカッチョいいだろ?」
 

感動的な一戦だった。ああだこうだとしょーもなかったが、試合自体はすばらしいのひと言

カネロ勝利!!
最強ゴロフキンはキャリア初の敗戦!!

 
まず、何をおいてもすごかった。
両者の意地とプライドが真っ向からぶつかる凄まじい試合だった。
 
 
試合前のゴタゴタや両陣営の険悪なムードにより、あまりテンションが上がらなかったこの試合。
 
もうアレだ。
どちらが勝っても別にいいや。
 
一応観るには観るけど、まあ両方がんばって。
どっちでもいいけど、どちらかと言えばカネロ応援かな。
 
当初はそんな感じで軽〜い気持ちで視聴をスタートしたのだが、
いやいや、とんでもない
 
何ですかねこの試合は。
前回の試合も感動したけど、今回はそれにも増して……。
 
「ゴロフキンvsカネロ・アルバレス感想。カネロは初めてゴロフキンの突進を真正面から受け止めて負けなかった選手。まあ再戦だね」
 
お互いがお互いの持ち味を発揮し、最後の最後でカネロがほんの少し上回った。
 
もうたまらんですね。
 
判定結果にどうこうもあるのかもしれないが、ここまでの試合が観られれば僕は大満足。
本当に感動的な一戦だった。
 

カネロが足を踏ん張ってゴロフキンの圧力を受け止める。1発の威力で前進を止め、ボディで消耗させる真っ向勝負

まず今回の試合、僕は1戦目と似たような展開になると思っていた。
 
ゴロフキンが前に出て、カネロが上半身の柔軟性を活かしたディフェンスでカウンターを狙う流れ。
 
カネロはMAXパワーを出せば、中間距離でもゴロフキンに打ち負けないことは証明した。
 
だが、1試合を通じてそのペースを維持するのは難しい。
当然どこかで休憩しながらラウンドを消化することになるはず。
 
ただ、ロープ際で休憩し続けるのはちょっと見栄えが悪い。
前回はロープ際にとどまる時間帯が長かったせいで、結果的にポイントが割れた感が強い。
 
「ジョシュアがポベトキンを鬼KO!! 動ける巨人最強説は今日も健在ですね。ワイルダーorフューリー戦実現します?」
 
それを踏まえた上で今回はどうするか。
ロープ際でゴロフキンの圧力を受け流しつつ、見栄えよく休憩する方法。
なおかつ体力を温存し、パワフルに打ち合う局面を多く作る方法。
 
本当にそんなことが可能なの?
僕にはまったくわかりましぇん。
 
 
一応勝敗予想はカネロの判定勝利としたが、どちらが勝つかはまったくわからなかった。
 
そして、カネロ陣営が出した結論はまさかの真っ向勝負
 
足を踏ん張り、1発に力を込め、至近距離で左ボディを突き刺す。
 
ゴロフキンの左と同時打ちのタイミングで鋭いジャブを打ち込み、近場でのコンビネーションから左ボディ。
前回は回転力でゴロフキンの波状攻撃を食い止めたが、今回は1発の威力で相殺してみせた。
 
流血覚悟、被弾覚悟の正面衝突。
これを1R〜12Rまで継続する。
 
1戦目をはるかにしのぐ覚悟と決意でリングに上がり、ゴロフキンと正面から打ち合ったカネロ。
そのカネロとの打ち合いに躊躇なく応じたゴロフキン。
 
最初に申し上げた通り、両者の意地とプライドがぶつかる感動的な試合だった。
 

明らかにKOを狙ってたよねカネロは。物議を醸した前回の判定を踏まえて最初から飛ばしたんだろうな

ガードを上げ、ジャブを突いて前進するゴロフキン。
対するカネロもしっかりとガードを上げ、より鋭いジャブで応戦する。
 
正確で淀みのないゴロフキンのジャブと、鋭く切れ味のあるカネロのジャブ。
 
スピードのあるカネロの左がゴロフキンの前進を止め、得意の連打を出させない。
逆にカネロが一歩距離を詰め、的確な左ボディを突き刺す展開。
 
最初はケロっとしていたゴロフキンだが、ラウンドが進むごとに徐々に腕が下がり始める。ボディを被弾するたび、トランクス付近を気にするしぐさが目につく。
 
「俺たちの井岡一翔(SANKYO)が帰ってきたぞ。強豪アローヨに何もさせずに圧勝!! 待たせんじゃねえよボケがww」
 
5Rに入ると、ほんの少しだけゴロフキンの背中が丸まり、カネロとの上背の差がなくなる。
それ以降、顔面中心の連打に切り替えるカネロ。
パワフルなラッシュでたびたびゴロフキンを後退させる。
 
うん。
3Rくらいから思ってたけど、マジでKO狙ってるわコイツ
 
恐らく判定狙いで物議を醸した前回の結果を受けてだとは思うが、ゴロフキン相手にここまで序盤からスパートをかけるとは。
 
もしかしたら、接戦になれば自分にポイントが入りやすいという計算もあったのかもしれない。
というか、十中八九あった。
 
最初から全力で行けるところまで飛ばして、あわよくばKOで勝つ。
途中で失速はするだろうが、KOされるほどのピンチに陥ることはない(はず)。
試合中盤までリードしておけば、あとはロープ際のディフェンスでギリギリしのげる(はず)。
 
両者のコンディション云々もあるが、前回の反省を踏まえたカネロ陣営の作戦が功を奏した印象。
 
てか、ボディが効いて後退するゴロフキンを観たのも初めてだし、ノーガードのクネクネディフェンスをほぼ放棄したカネロも初めて。
 
何度も言うが、まさしくボクシング界の頂上決戦にふさわしい大一番だった。
 
「ゴロフキンがロールズに圧勝!! 膝がキテるなぁ。やっぱり下半身にくるよな。2016年の試合との違いが歴然過ぎて」
 

僕がカネロを応援した理由。本当はどっちが勝ってもよかったんだけどさ。あまりにも……


なお、これは余談だし完全に僕個人の意見なので、同意していただく必要もない。
 
最初に申し上げた通り、僕は今回、カネロに勝って欲しいと思っていた。
 
とはいえ、試合前の両陣営があまりにグダグダだったせいで、どちらの選手にも思い入れはなく。
もう「どうぞ、お好きに」というテンションだったことも再三申し上げている。
 
「何でもないようなことが、幸せだったと思う」
「何でもない夜のこと、2度とは戻れない夜」

 
1年後の両者。あの頃はもう返らない。


それでも僕がカネロを応援した理由は、
村田諒太が邪魔くさかったから
 
カネロの禁止薬物陽性の報道が出た際に、確定もしていない状況でカネロをこき下ろしたのも「は?」と思ったが、今回の試合前の「カネロはリングに上がる資格がない」については「な〜にを言っとるんだ」と。
 
「オスカー・デラホーヤvsアイク・クォーティ。観ないと人生損する名試合。スーパースターのベストバウト」
 
僕は以前からこの人を「世渡り上手なヤツ」と言い続けてきたが、改めてそう思う。
 
例のアマチュアボクシング騒動の際も抜群のタイミングで批判を展開し、絶妙な引き際を見せつけたのもお見事だった。
 
「リナレスがS・ライト級進出? アブネル・コットを3RTKOで再起に成功。S・ライト級でマイキー、ラミレスに挑戦だと?」
 
帝拳ジムの本田会長 、フジテレビ、電通と強力な庇護下に身を置き、世論を味方につける。
なおかつ右を見て左を見て、もう一度右を見て、自分に批判が向かないことを十二分に確認した上で一段離れた場所から「ゴルァ!!」と。
 
もちろんそれが悪いとは言わないし、その計算高さはさすがだなとも思う。
 
ただ、単純に邪魔くさい。
もっと言うと、ウゼえ
 
普段、スポーツ選手がフィールド外で何を言おうが興味はないが、この件に関しては遠い場所からいちいち口を出す村田が邪魔くさくてしょうがなかった。
 
要は、村田諒太の悔しがる顔が見たくてカネロを応援した。
我ながらしょーもないという自覚はあるが、この辺は完全に好みの問題ということで。
 
今回の試合も、WOWOWオンデマンドでの現地音声のみの先行配信が僕を大いに助けてくれたww
ゲストに村田が来ると聞いて「うわぁ……」と思っていた手前、余計なノイズを入れずに観戦できたのは最高だった。
 
遠ざかったも何も、あなたの言う「ネクストバッターズサークル()」にすら立ててないじゃないっすか。


本田会長の連れてきた「知名度もなくつまらない、やる意味も指名理由もない」相手との防衛戦に進むんでしょww


「カネロ戦を目標にする」って、マジかいな。素直にビリー・ジョー・サンダースじゃアカンのか。


ウィリー・モンローJr.の挑戦を退けて、集大成のサンダース戦でいいじゃないっすか。
知らんけど。
 
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