フェルナンド・マルティネスがアンカハスに再び勝利。これでアンカハスはトップ戦線から脱落かな。組みし易しな選手になっちゃったよね。マルティネスは2023年に来日しれ【結果・感想】

フェルナンド・マルティネスがアンカハスに再び勝利。これでアンカハスはトップ戦線から脱落かな。組みし易しな選手になっちゃったよね。マルティネスは2023年に来日しれ【結果・感想】

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2022年10月8日(日本時間9日)に米・カリフォルニア州で開催されたIBF世界S・フライ級タイトルマッチ。同級王者フェルナンド・マルティネスと前王者ジェルウィン・アンカハスがダイレクトリマッチを行い3-0(119-109、118-110、118-110)の判定でマルティネスが勝利。アンカハスが王座返り咲きに失敗した一戦である。
 
 
2021年大晦日にWBO王者井岡一翔との統一戦が発表された前王者アンカハスだが、新型コロナウイルスの影響で来日がかなわず。防衛戦を挟んで仕切り直すことで両陣営が合意したものの、10度目の防衛戦を迎えたアンカハスがフェルナンド・マルティネスにまさかの敗北。再戦条項を行使した今回のリマッチでも敗れ、完全にトップ戦線から脱落した印象である。
 
今後はかねてから示唆していた階級アップに踏み切るのか、再びS・フライ級王座を狙うのかは不明だが、どちらにしても井岡一翔とのビッグマッチは完全に消滅したと言ってよさそう。
 
 
ちなみに僕は今回はアンカハスを応援していた。正直どちらが勝ってもよかったのだが、どちらかと言えば井岡との統一戦に前向きだったアンカハスに復活してもらいたいと思っていた次第である。
 
てか、井岡にとってもアンカハスが勝った方が都合がよかったんじゃないの?
統一戦実現の見通しさえ立てば大晦日に地味強メリット低いマンとやらずに済みそうだしね。


そんな感じで、再戦でもアンカハスが負けたと聞いた瞬間はまあまあ残念だったことをお伝えしておく。
 
アンカハスがんばれ井上拓真に勝てアンカハスがんばれ井上拓真に勝てアンカハスがんばれ井上拓真に勝てアンカハスがんばれ井上拓真に勝て
 

どうにもならないアンカハス。アウトボクシングで勝負するが3Rに失速、早々にマルティネスに捕まる

具体的な感想だが、アンカハスはどうにもならなかったなぁと。
 
初戦とは打って変わって立ち上がりからアウトボクシングで勝負を挑んだアンカハス。
前回の敗戦で近場の打ち合いでは分が悪いと判断したようだが、正直これはあまり有効な作戦には思えず。
 
開始のゴングとともに右リードを出しながら前後左右に動き、一定の距離をキープすることに集中する。
マルティネスの執拗なプレス、左右フックを避けつつ長身を活かした右ジャブで顔面を揺らす。
 
ところが後退しながらの右にはいまいち力が乗らず、マルティネスの勢いを止めるまでには至らない。
それどころか、3Rには早くも足の動きが鈍ってあっさり追いつかれてしまう。
 
うんまあ、そうなりますよね……。
 
初っ端からあんなペースで動き回ればスタミナが持つわけがないし、あれだけギリギリの対応を強いられれば早々に捕まるのも目に見えていた。
1、2Rはアンカハスがポイントを取ったようだが、それと引き換えに貴重なスタミナをごっそり持っていかれてしまった。
 
ホントに勝ちやがったよフェルナンド・マルティネス。アンカハスとの打ち合いを制して王座初戴冠&井岡一翔との統一戦が消滅。まいったなオイ。クッソ複雑じゃんよ笑
 

マルティネスはいつも通りガードを上げて懐に侵入、左右フックを浴びせる。前回以上にのびのびしていた気がするよ

対するフェルナンド・マルティネスだが、こちらは基本的にやることは前回と変わらない。
ガードを上げて距離を詰め、アンカハスの打ち終わりに左右どちらかのフックを打ち込む。さらにもう一歩前進、懐に侵入して強引に腕を振り回す。豆タンク体型のファイターそのまんまのスタイルである。
 
ただ、前回と比べて懐に侵入する流れがはるかにスムーズだった印象。
アンカハスの右ジャブの戻り際に大股で踏み出し着地と同時に右フックをブンッ!!
若干前傾姿勢で構えるアンカハスは頭の位置が低く、高さ的にマルティネスの右フックがドンピシャで当たる。
 
何となくだが、マルティネス陣営は前回の対戦でアンカハスのタイミングと間合いを十分把握したのではないか。
アンカハスの足の動きが落ちた3R以降は完全に“いつも通り”のフェルナンド・マルティネスだった。
 
 
あとはアレだ。
もしかしたらマルティネスは今回の方がやりやすかったかもしれませんね。
前回は打ち合いの中でボディを効かされる場面もあったが、アンカハスがアウトボクシングに傾倒した今回は逆にダメージが軽減された部分もありそう。
 
中盤ののびのびとした動きを観る限り、この選手は逃げる相手を追いかける展開に慣れっこなのだろうと。
 
田中恒成vsヤンガ・シッキボ。田中は4階級制覇の準備完了かな。シッキボは“惜しい”選手だった。アムナットになれそうなポテンシャルなのに素直過ぎた
 

徐々に手詰まりになっていくアンカハス。以前はもう少し足が動く選手だったけどな

ラウンドを重ねるごとに調子を上げるマルティネスに対し、挑戦者アンカハスはどんどん手詰まりになっていく。
 
足が思ったように動かずマルティネスの圧力から逃れられない。
ジャブを出せば打ち終わりに距離を詰められる。
 
どうにもならずに意を決して打ち合いに応じるものの、そのつど打ち終わりを狙われて被弾、後退させられる流れ。
 
マルティネスの左右フックは一見大振りだが、実はかなりコンパクトで最短距離を通過する。
それに対してアンカハスは力みかえって振り回すせいでやや外旋回気味の軌道。リーチが長く上背もある分シャープな印象を受けるが、実際にはそんなことはない。マルティネスの回転力に対抗しようとすればするほど遅れが生じる。
 
早い段階でアンカハスの左側頭部? 顔の左側が紅潮していたことを考えると、マルティネスの右フックはアンカハス攻略にかなり有効だったのだろうと。
 
 
まあ、アンカハスも数年前はもう少し足が動く選手だったんですけどね。
絶えず出入りを繰り返しながら槍のような右リードと下からのボディでスペースを確保し、タイミングを測って左ストレートをズドン。
 
ところが前後の動きが目減りした今はこれまでよりも懐に入られるケースが格段に増えた。近場での打ち合いで負けなければある程度勝機を見出せる状態で、フェルナンド・マルティネスのようなインファイターにとっては組みし易しな選手になってしまっている。
 
エストラーダがロマゴンの追い上げを振り切りラバーマッチを制す。コイツラは何度やってもこんな感じだよな笑 でも初めて井岡の名前を出したし井岡も中谷戦を回避しちゃえよ
 

マルティネスもだいぶ失速したけどアンカハスの電池切れはそれ以上。井岡一翔なら勝てそうだけど

ただ、マルティネスにもそこまで余裕があったわけではなく。
7、8Rあたりからの失速は顕著だったし、アンカハスとじーっとお見合いするシーンも目立った。
前回同様ボディが効いていたのだと思うが、ああいう安定感のなさ、配分の稚拙さを考えると付け入る隙は十分ありそう。
 
あそこでアンカハスがペースアップしていれば逆転もあり得た気がするが、残念ながらそうはならず。むしろアンカハスの電池切れの方がはるかに深刻だったという笑
それこそ10、11Rなどは腕を上げることすら億劫そうだったくらい。開始直後の全力疾走が最後まで響いた印象である。
 
 
と同時に井岡一翔ならフェルナンド・マルティネスを攻略できるのでは? と思ったり。
井岡はああいうガツガツしたタイプを捌くのが上手い上にインファイトでのボディ打ちがめちゃくちゃ得意。アストン・パリクテ戦や田中恒成戦のようにこれまでもスピード&パワーを緻密さで制圧する試合を重ねてきている。
 
個人的に今の井岡は下降線に入ったと思っているが、それでもコンディションさえよければ。フェルナンド・マルティネスにも普通に勝ちそうな気がするのだが……。
 
井岡一翔vsジョシュア・フランコ決定間近? 井岡なら何とかできそうだけどな。もし2団体統一に成功したらWBOを返上して中谷潤人戦を回避するのもアリじゃない?
 
というわけで僕は2023年上旬のフェルナンド・マルティネス来日にめちゃくちゃ期待しておく。
“上京したてのいちびり”みたいなグラサンをかけてリングインするマルティネスを想像しつつww
 
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