吉野修一郎vs伊藤雅雪はムズいよね。打ち合う気満々の伊藤。吉野修一郎の剛腕がさく裂しそうな気も…。メインの村田vsゴロフキン戦より興味深い【予想・展望】
「ボクシング記事一覧リンク集」へ戻る
2022年4月9日にさいたまスーパーアリーナで行われるWBOアジア・パシフィック/OPBFライト級タイトルマッチ。同級2冠王者吉野修一郎が元WBO世界S・フェザー級王者伊藤雅雪と対戦する。
吉野修一郎vs伊藤雅雪はこの日のベストバウト。日本のてっぺんってすげえんだよな。剛腕吉野にロマンチスト伊藤が真っ向勝負。伊藤は自分の役回りをよく理解してた
この両者は2021年末に一度対戦が決定していたが、新型コロナウイルスの影響でメインの村田諒太vsゲンナジー・ゴロフキン戦の開催が難しくなりイベント自体が延期に。先日規制が緩和されたことで約4か月遅れで実現する。
なお、実を言うと僕は村田諒太vsゲンナジー・ゴロフキン戦にびっくりするくらい冷めている。
昨年11月頃にゴロフキンの来日が発表された際は「おお!!」となったがピークはそこまで。
4月9日開催が正式発表→日にちが迫っているにも関わらず「ふ~ん、ま、がんばって」といった感じで低空飛行が続いている。
もちろん中継は観るつもりだし村田がゴロフキンに勝つようなことがあれば目ん玉が飛び出すくらい驚くとも思うが、今のところはそれ以上でもそれ以下でもない。
村田諒太vsゴロフキン正式発表。予想云々はともかく勝つしかねえよ。厳しい試合になると思うけど、最初から攻めるしかないんじゃない?
ただ、セミセミ? で予定されている吉野修一郎vs伊藤雅雪戦には非常に興味があり、僕はむしろこちらの方が楽しみだったりする。特に吉野修一郎は現地観戦もしたこともあるし、有料配信とはいえこの選手の試合が多くの人の目に触れるのは素晴らしい。
本人も米国進出への足掛かりにしたいと考えているようなので、何とかがんばってもらえればと。
「吉野修一郎「勝ったら米国に行けると思う」伊藤雅雪とライト級サバイバルマッチ」
吉野修一郎のイメージは“荒っぽい井岡一翔”。1発の威力と圧力。年齢的にも一番いい時期?
まず王者吉野修一郎についてだが、この選手に対する僕の勝手な印象は“荒っぽい井岡一翔”。
ガードが高く前後の距離の調整がうまい、ジャブにも鋭さがある。ディフェンス面はガードを中心にパンチの芯を外す見切り? に長けており、クリーンヒットを食うシーンは少ない。
だが、全体的に井岡ほどの緻密さはなく持ち前のパンチ力でごり押しする場面も目立つ。
また基本的に中間距離で勝負する選手なので、そこを外されるとモタつく傾向が強い。2020年2月の富岡樹戦では長いリーチを活かしたジャブとフットワークを駆使する富岡を大いに持て余した。
吉野修一郎vs富岡樹at「ダイヤモンドグローブ」最高過ぎワロタw 比嘉大吾の復帰戦もあったよ
2020年12月に伊藤雅雪に勝利した三代大訓が試合後のインタビューで「吉野修一郎は得意なタイプ」と言っていたが、なるほど確かに。あの選手のジャブと左右への動きは吉野修一郎と相性がよさそうである。
中間距離での差し合いには強いが、足を使うタイプは少々苦手。それでも1発ですべてを覆すパンチ力は凄まじいものがある。
現在30歳と年齢的にも一番いい時期を迎えていると言えそうである。
伊藤雅雪は根本的にはカウンター使いなんだろうな。前回の細川バレンタイン戦は100点満点の出来だった
対する挑戦者伊藤雅雪だが、こちらは根本的にはカウンター使いなのだと思う。
世界王者になった2018年7月のクリストファー・ディアス戦あたりから前に出て腕を振るスタイルに傾倒しているが、それ以前は基本“待ち”の試合が多い。
バスケ出身ということで身体能力が高く下半身にバネがある。デビュー当時は和製メイウェザーっぽいとも言われていたとか。
海外進出を見越してファイタータイプに矯正したのだと思うが、本来はカウンターを駆使したアウトボクシング、押し引きが持ち味の選手なのだろうと。
そして、その長所がモロに発揮されたのが前回の細川バレンタイン戦。
ジャブを駆使して細川バレンタインを射程外に釘付けに、強引に入ってくればバックステップしながらカウンターで迎撃。
要所で右ストレートを効かせての8RTKO勝利は文句のつけようがない。100点満点の内容で復活を果たしてみせた。
カシメロ陣営のやらかしでドネアが撤退。取り巻きが出しゃばるとロクなことにならんよな。伊藤雅雪vs細川バレンタイン、コルバートvsニャンバヤル
展開は伊藤次第? アウトボクシングに寄せた方がチャンスがありそう
今回の一戦だが、どんな展開になるかは伊藤次第なのかなと思っている。
吉野修一郎は相手が誰だろうとやることはあまり変わらない。
ジャブを中心に高いガードと前後の動きで芯を外し、剛腕の1発をぶち込むチャンスを探す。
得意の中間距離で自分のペースに引きずり込むスタイルを貫き通す(はず)。
吉野修一郎vs細川バレンタイン感想。いい試合だったけど、こんな感じかな? と。やっぱり細川バレンタインはちょっと小さかったよね
それに対して伊藤雅雪がどっちを選択するか。
三代戦のようにガツガツ前に出て腕を振るのか、細川バレンタイン戦のようにジャブを駆使して射程外で勝負するのか。
そして、僕はアウトボクシングに寄せた方がチャンスがありそうな気がしている。
伊藤は根本的にはカウンター使いと申し上げたが、実際にカウンターを打つシーンはそこまで多くない。どちらかというと右をチラつかせる印象で、相手の動きにクイッ、クイッと合わせて攻撃を躊躇させるシーンが目立つ。
で、出足を鈍らせたところで動き出しを狙って顔面にジャブをヒット。タイミングを測って右ストレートにつなぐ。
このジャブがある程度通用すれば、吉野修一郎の圧力にも対抗できるのではないか。
自分よりも背が低い相手が得意な伊藤雅雪。打ち合いになれば吉野修一郎の方が上かな?
懸念材料としては、伊藤雅雪よりも吉野修一郎の方が上背があることか。
僕はてっきり伊藤の方が長身だと思っていたのだが、数字上は伊藤の174cmに対して吉野修一郎は175cm。
両者が並んだ写真を見てもわずかに吉野の方が背が高いことがわかる。
12月29日さいたまスーパーアリーナで行われる村田諒太ーゲンナジー・ゴロフキンのサポーティングカードが19日、帝拳ジムから発表された。WBO世界フライ級王者・中谷潤人ー9位クリスチャン・ゴンサレス(メキシコ)、東洋太平洋&WBOアジアパシフィック・ライト級王者・吉野修一郎ー伊藤雅雪が加わる。 pic.twitter.com/ug3zG2Abb2
— ボクシング・マガジン(毎月15日発売❗) (@boxing_magazine) November 19, 2021
恐らくだが、伊藤雅雪は自分よりも背が低い相手が得意。
前回の細川バレンタイン戦もそうだし、世界王座戴冠を果たしたクリストファー・ディアスも初防衛戦でKOしたエフゲニー・チュプラコフも伊藤よりも小柄だった。
逆にジャメル・ヘリング(178cm)、三代大訓(177cm)と上背のある相手には判定負けを喫している。
キャリアでもう一つの負けがサウスポーの内藤律樹ということを考えると、この選手は足を使う長身アウトボクサーが苦手なのだろうと(得意なヤツはおらんという噂も)。
伊藤雅雪vs三代大訓、佐々木尽vs石脇麻生、坂井祥紀vs小畑武尊、千葉開vs石川春樹感想。満腹の虎がまさかの僅差判定負け
吉野修一郎は伊藤よりもわずかに背が高いが、アウトボクサータイプではなく中間距離での差し合いを得意とする。
あの圧力を考えると、恐らく細川バレンタイン戦のようにはいかない。
なおかつ伊藤のアウトボクシングは富岡樹ほど割り切ったものではない。
どこかの段階で確実に打ち合いが発生すると思われる。
そして、近場での打ち合いでは吉野修一郎の方が上のような……。
過去の試合を観ると、伊藤雅雪は頭を下げて強引にくっつかれるとタジタジになるシーンが目に付く。
クリストファー・ディアス戦でもエフゲニー・チュプラコフ戦でもそうだが、中間距離からさらにグイっと前に来られると連打の回転力がガクッと落ちる。
逆に吉野修一郎はその位置での打ち合いがめちゃくちゃ強い。
相手が足を使おうが関係なく自分の距離に引きずり込む強引さも持ち合わせる。
富岡樹戦では富岡のアウトボクシングを持て余したと申し上げたが、中盤から「めんどくせえ」と開き直って無理やり距離を詰めた結果、何だかんだで8RKOで仕留めてしまった。
なので、伊藤のアウトボクシングがどのラウンドまで続くか、いかに吉野を射程外に留められるかが一番の見どころかもしれない。
ゲンナジー・ゴロフキンは覇王色の覇気の持ち主()内容ペラッペラの杓子定規なコメントが最高すぐるw 支配層のみに許されたエレガントさ
前に出て勝負する気満々の伊藤雅雪。頭がゴッツンして流血するパティーンもありそう
と思ったら、前に出て勝負する気満々じゃねえか伊藤雅雪。
吉野修一郎戦は「死に物狂いで」元世界王者・伊藤雅雪が戦い続ける理由を語る(杉浦大介)#Yahooニュースhttps://t.co/GpYyjt2mBL #boxing #boxingjp Special Thanks to @masayukiito0630
— Daisuke Sugiura 杉浦大介 (@daisukesugiura) April 5, 2022
・回転力やタイミングは自分の方が上
・リスクを負って全部を出さなければ勝てない
・倒すとすれば前半
ほほう、このインタビューを真に受けるなら打ち合いになる可能性が高いのか。
だとしたら伊藤の連打で吉野修一郎が止まるか、もう半歩中に入られないように粘れるかに注目? かな?
流れの中で吉野修一郎の右がヒットしそうな気もするが、もしかしたら頭がゴッツンしてどちらかが流血するパティーンも……。
ノニト・ドネアが井上尚弥に再戦で勝つには? 中盤から後半にかけてのKOしかなさそう? 接近戦での打ち合いでフルスイングをぶち当てて倒しちゃえ
勝敗予想は吉野修一郎の10RKO。伊藤が勝ちそうな気もするし全然わからん。伊藤のKO負けというのもあまり想像がつかないしね
勝敗予想はまったくわからないのだが、打ち合いになるなら吉野修一郎有利。
伊藤雅雪が勝機を見出すとすれば上述の通りアウトボクシング。
ただ、伊藤のインタビューを読む限り打ち合いになりそう?
というわけで今回は吉野修一郎の勝ちを予想しておく。
スピードは伊藤の方が上だが、1発の威力を含めた総合力で吉野が上回る(だろう)ということで。
KOか判定、どっちかって?
全然わからないけど、じゃあ10RKOで。
いや~、でも伊藤が勝ちそうな気もするんだよな……笑
実際、伊藤雅雪がKO負けする姿もあまり想像できないし。
“荒っぽい井岡一翔”(僕が決めた)吉野修一郎攻略のために井岡と元同門でジャブが得意&長身の中谷正義と練習するってのはなるほどと思いますよね。
今日も伊藤くんとスパーリングいつも勉強させて貰って更に強くなれます!
ありがとうございます‼️@masayukiito0630 pic.twitter.com/fXP1g4HOac— 中谷正義 MASAYOSHI NAKATANI (@boxingnakatani) March 4, 2022
-
前の記事
那須川天心vs風音戦感想。天心の勝ちで問題ないと思うけど、攻略のネタが揃いつつあるのが…。これは武尊有利に傾きつつあるんじゃない? 2022.04.05
-
次の記事
ゲンナジー・ゴロフキンは覇王色の覇気の持ち主()内容ペラッペラの杓子定規なコメントが最高すぐるw 支配層のみに許されたエレガントさ 2022.04.07