八重樫がハビエル・メンドサに勝てる気がまったくしないんだが【勝敗予想】

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八重樫東、三階級制覇達成なるか?

2015年12月29日に東京有明コロシアムでIBF世界L・フライ級タイトルマッチが行われる。王者のハビエル・メンドサに同級8位の八重樫東が挑む一戦である。

「八重樫vsハビエル・メンドサ!! 赤っ恥予想の言い訳をしていくぞww」

サウスポースタイルのファイターであるメンドサに挑む日本の八重樫は2014年の12月30日にペドロ・ゲバラに7RでのKO負けを喫して以来の世界戦。約1年前の雪辱を晴らし、三階級制覇を成し遂げることができるか。

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なおこの試合はWBO世界S・フライ級王者の井上尚弥の防衛戦とのダブル世界タイトルマッチとして開催され、19:00からフジテレビで中継される。

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好戦的なサウスポーのファイターに八重樫は勝てるのか?

八重樫東vsハビエル・メンドサ。
これ、八重樫やばいんじゃねえか?

今回の八重樫の相手であるハビエル・メンドサの試合をいくつか見たが、これまた難しい相手を選んでしまったなという印象である。

難しいというより普通に負けるんじゃないか?
何試合か見た印象だと、戦力的にはゲバラと互角。八重樫がサウスポーを得意としていない分だけメンドサの方が厳しい相手という感じか。
ここ数年で最高潮くらいの絶好調状態で臨まないと八重樫は勝てないのではないだろうか。

八重樫がサウスポースタイルの選手と試合をするのは2013年の五十嵐戦以来とのことで、改めて五十嵐戦を見てみたのだが、あまりにタイプが違い過ぎてまったく参考にならなかった。
あの試合はどちらかというと乱打戦の末に八重樫が打ち勝ったといえる内容だったが、今回のメンドサに八重樫が打ち合いで勝てるとは思えない。
むしろ距離をとってスピード勝負に持ち込むべきだろう。

「おもしろい試合がしたい」とコメントしている八重樫だが、さすがにこの選手と接近戦で打ち合うのは危険すぎる。

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メンドサの得意なパンチは左ストレート。
相手の右側に右足を踏み出して左ストレートを打ちこむのだが、これが非常に伸びる。このパンチをもらってしまったら一発で終わる可能性もあるほど危険なパンチである。

八重樫が有利な展開に持ち込むには、やはり足を使ったスピード勝負しかない。
常に左に回りながら、メンドサが右を出す瞬間を狙って左のカウンターを当てるのだ。なるべく正面に立たないように注意しながら距離をとってヒット&アウェイを徹底するのである。

メンドサの前進する圧力は強い。正面に立ってまともに打ち合ってしまうと八重樫は相当厳しくなることは間違いない。

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ただ、この選手の特徴としてパンチを出す瞬間に一瞬の溜めができるというのがある。パンチのモーションに入ってから実際に打ち込むまでに一拍間があるのだ。
八重樫はこの瞬間を狙うことで勝機を見出したい。メンドサが溜めに入った瞬間、一歩前に出て左を当て、メンドサの前進を寸断するのである。
問題はそれができるほど八重樫が器用なボクサーには見えないことなのだが。

常に左に回り続け、メンドサが思い切り腕を振り回せない位置取りを

ディフェンス面に関しては、やはりガードの間を打ち抜かれるパンチを警戒すべきだろう。メンドサの左はガードの間をすり抜けるように伸びる。あれをもらい続けるとあっという間に八重樫の両目は塞がってしまう。

試合のたびに顔がボコボコになっていく八重樫だが、今回の試合でもそれは恐らく避けられない。だが、できることなら序盤のうちは視界良好なままで試合を進めたいところである。

それには最初にも言ったとおり絶対に正面に立たないこと、まっすぐ後退せずに左回りを意識することである。左に回り続けてメンドサが得意の左ストレートと右フックを思い切り打てない位置取りを心掛け、極力至近距離での打ち合いを避けるのだ。

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恐らくメンドサは右のリードの連打で八重樫の動きを止めにくる。
細かく右を突き、そこから大きく踏み込んで距離を詰めたところでさらに右の連打。続けざまにボディから顔面、スペースができたところで左のストレート。追い打ちをかけるようにとどめの頭だ。
八重樫をロープに押しつけた状態で、身体の強さを活かしてラフに両腕を振り回してくるのではないだろうか。

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八重樫としては、絶対にロープを背負う状況を作ってはいけない。ロープを背負ってしまうとサイズの違いでどんどん不利な状況に追い込まれてしまう。そこから右フック、右ボディからの左ストレートをまともにもらって大の字である。

意を決して前に出ても恐らく打ち合負ける。接近戦で打ち合えば八重樫のパンチも当たるだろうが、メンドサのパンチも当たる。そして効くのはメンドサのパンチだ。

つまり、八重樫が勝つには常にメンドサの右に立ち続け、メンドサの右に左をカウンターで合わせるしかないのである。
圧力の強いメンドサではあるが、スピードでは恐らく八重樫の方が上だ。なるべく至近距離でのもみ合いを避け、スピード差を活かしてアングルを変えた位置からカウンターを打ちこむのである。

飛び込み際のガードには気をつけて。試合が一発で終わるから

正直、足を使ってカウンターを狙うくらいしか八重樫が勝つパターンが見当たらないのだが、どうだろうか。

理想は2013年のエドガル・ソーサ戦だが、今回のメンドサはエドガル・ソーサよりもスピードもパワーもリーチも上だ。しかもサウスポーである。

ソーサ戦では同時にパンチを出しても八重樫の方が先に当たっていたが、それでも相打ちのシーンも多く見られた。あの試合の八重樫はかなり動きがよかったが、それでもディフェンスの甘さが目立ったことも確かである。

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メンドサはエドガル・ソーサよりも粗削りではあるが、八重樫にとってはそれが逆にやりにくいように思える。

特に飛び込み際のガードには気をつけたい。
鋭く踏み込んでパパパッとパンチを当てて、サッと距離をとるという動きが八重樫の得意なパターンだが、踏み込みの瞬間にガードが下がる欠点もあることを忘れてはいけない。
事実、ソーサ戦では踏み込みのタイミングを狙われてカウンターをもらうシーンもかなり多く見られた。今回の試合では特に踏み込みの瞬間のガードの位置は徹底するべきだろう。
ガードを上げることで肩に力が入って八重樫のよさが失われる可能性もあるが、カウンターの一発で試合が終わるよりははるかにマシである。

バックステップでメンドサの右を避けられるか。早めに距離を掴めるか

八重樫が勝機を見出すには、とにかくメンドサの正面に立たないこと。そして常に左回りでメンドサの右側に立ち、メンドサがパンチを打つ瞬間を狙ってカウンターで左をヒットすることである。
ディフェンス面に関してはやはり左のストレートでガードの真ん中を抜かれないように気をつけることだろう。

ただ、どちらにしろ大前提として八重樫がメンドサの右をバックステップで避けることが必須だ。
あのリードの右を避けられないようだと八重樫は完全に手詰まりになってしまう。接近戦では勝ち目がなく、離れて戦うこともできない。一方的になぶり殺しにされてどこかのタイミングでKO負けという残念な未来へ一直線である。
それを避けるためにも、八重樫はなるべく早いラウンドでメンドサとの距離感を把握しなくてはならない。早い段階でメンドサとの距離感を支配し、リードの右をうまくさばくことで勝機を見出すのである。

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ちなみにだが、八重樫のボディ打ちというのはどうなのだろう。得意なのか?
今まであまりうまいと感じたことがないのだが、実際のところはどうなのか?
メンドサの試合を見ると、もしかしたらボディに弱点がありそうに思えたのだが。

勝敗予想は中盤でのKOでメンドサの勝利。でも応援するのは八重樫

う~ん……。
見れば見るほど八重樫が勝つ姿が思い浮かばない。
ひょっとしたら年末にこだわらずに、2016年の3月頃をめどに木村悠へ挑戦した方がよかったのではないだろうか。勝敗はともかく日本人対決なら間違いなく盛り上がるだろうし、苦労人の木村vs名勝負製造機の八重樫なら話題性としても悪くない。ゲバラに勝った木村に八重樫が挑戦するという構図もいいではないか。

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前回のゲバラ戦でもそうだが、八重樫はこんな相性の悪そうな相手に無理して挑戦しなくてもよかったのではと思えてしまう。言っても仕方がないことだが。

しかも陣営や本人のコメントを聞いていると打ち合う気満々に思えるのがまた……。どう考えても打ち合いで勝ち目があるようには思えないが、何とかなるのだろうか。

接近戦で勝負をするならメンドサの大振りの左フックにカウンターで左を当てるのがいいと思うが、果たして八重樫にそれができるのか。

勝敗予想だが、中盤6~9R前後でのメンドサのKO勝ちでいきたいと思う。
早めに距離感を掴めば八重樫のペースになる可能性もあるが、その前にメンドサに捉えられて劣勢に陥るのではないだろうか。
何となくだが、メンドサのボディで八重樫が悶絶してのTKOという結末になりそうな気がする。

八重樫が勝つとすれば大激戦の末の判定だと思うが、何とか勝機を見出してがんばってもらいたいものである。

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