WBCの余韻がすげえw 「日本野球が世界最強」ってドヤるための大会。課題が山積みなのはわかってるし収益構造の歪さなんて10年以上前から承知してんだよ笑【感想】

WBCの余韻がすげえw 「日本野球が世界最強」ってドヤるための大会。課題が山積みなのはわかってるし収益構造の歪さなんて10年以上前から承知してんだよ笑【感想】

2023年3月8日からスタートしたWBC(World Baseball Classic)。現地時間3月21日に米・フロリダ州で決勝戦が行われ、日本が3-2でアメリカを下して優勝を決めたわけだが。
 
 
僕はこの2週間、もっと言うと宮崎合宿がスタートした2月半ばから日本代表に注目してきている。
なので日本が優勝したことはめちゃくちゃ嬉しかったし、昨日からずーっとその余韻が続いている笑
 
 
以前にもちょろっと申し上げたが、僕は2022年シーズンの野球をほとんど観ていない。投高打低がすぎる上に主力がコロナですぐに離脱してしまうのが主な理由だが、とにかく野球がつまらなかったことを覚えている。
 
日本シリーズくらいはチェックしようとも思ったのだが、ヤクルトとオリックスというあまり興味のないチーム同士の対戦だったことでこちらもスルー。
 
その反動もあり、久しぶりの野球観戦は国際大会のお祭り感も手伝ってかな~り楽しめた次第である。
 
藤浪晋太郎、千賀滉大、前田健太。注目選手3人の初登板感想。いつも通りの藤浪、問題なく通用する千賀、本気で期待したくなるマエケン
 
というわけで今回はWBCの全体を通した感想を。
僕が思ったことを好き勝手に言っていくことにする。
 

日本の優勝はヨカタ。準決勝のドキドキと決勝戦の妙なテンション

まず当たり前だが、日本が優勝したことは本当によかった。
 
準決勝のメキシコ戦は「これは負けるかも」と思うほどの苦戦だったし決勝戦はメンバー的にもコンディション的にも相当厳しい試合になると思っていた。
 
その中で見せた終盤の逆転力やMLBの打者にも通用する投手力は日本野球の真骨頂。「やっぱりすげえなぁ」と関心と感動が混ざり合う妙なテンションにさせられた笑
 
侍ジャパンがメキシコにサヨナラ勝ち。不調の村上宗隆が守護神を打ち崩す。終盤の逆転力、日本は世界一ドラマチックなチーム
 

経済効果650億円の大谷翔平。次元が違いすぎて「すげえ」以外出てこない笑

そして何と言っても二刀流でチームをけん引、大会MVPを受賞した大谷翔平はとんでもなかった。
 
下記によると大谷の活躍による経済効果は当初の予想を大きく超える650億円とのこと。


実力の高さはもちろん、爽やかな見た目や嫌味のない受け答えが60、70代の女性の支持を集めているらしい。
 
僕も漫画の世界から飛び出したような大谷のプレーには毎回驚かされたし、どんな点差、状況でも手を抜かない姿勢にはいちいち心を動かされた。
 
他競技のファンの方が「○○にも大谷翔平がいれば」と嘆いているのを何度か見かけたが、正直この人はどんな競技をやっても一流以上になれる(はず)。それこそ突然変異のモンスターがたまたま日本で生まれたくらいに思っておいた方が精神の平静を保てるのではないか笑
 
これを同じプロが言うのはアレだが、少なくとも僕はあまりの異次元っぷりに「すげえ」以外の言葉が見つからない笑
 
トレバー・バウアーファームで初登板。やっぱりまっすぐが軸のピッチャーだよね。ホップ成分が高い“手元で伸びる”球。モーションの大きさはちょっと気になるかな
 

大谷を世界一理解している栗山英樹。あのドラマチックな結末は僕の貧弱な語彙では表現できないw

その大谷翔平をもっとも理解している栗山英樹が侍ジャパンの監督というのもこれまた素晴らしい。
 
高校卒業即メジャー行きを目指していた大谷に二刀流を提案し、日ハム入団を決意させた張本人。
日ハムが日本一に輝いた2016年は日本における二刀流の完成形を示したと言っても過言ではない。
 
その後、2018年にMLBに移籍した大谷は2021年に年間MVPを獲得、2022年には投手として自己最多に並ぶ15勝をマークし名実ともに世界一の野球選手に上り詰める。
 
 
そして今回、恩師である栗山監督のもとで再び躍動した。
 
アメリカ戦の最終回、同僚のマイク・トラウトを三振にとって優勝を決めるなど、僕の貧弱な語彙では表現しようがないくらいのストーリー性。
 
世界一の野球小僧が世界一自分を理解している指揮官のもとで世界一ドラマチックな結末で世界一を獲得した。
先日もちょろっと申し上げたが、今回のWBCは完全に「大谷の大谷による大谷のための」大会だった。
 
侍ジャパンが3-2でアメリカを下して優勝。大谷vsトラウト? フィクションとしては落第だけどこれは現実。世界一の野球小僧を宇宙一うまく使える栗山英樹
 

WBCに目の色を変えてるのは日本くらいって、それの何がいかんの? 野球は日本が王様になれる貴重な競技だから

ここまでいいことばかりをまくしたててきたが、WBCには当然ネガティブな意見もある。
 
中でもよく耳にするのが「特定の国だけでしか盛り上がっていない」という言葉。
 
WBCはアメリカ国内では空気。
街中で聞いても関心のある人はまったくいない。
スポーツバーに行っても中継を流している店はほとんどない。
目の色を変えてるのは日本くらいで、多くのファンにとってはシーズンの方がはるかに大事。
前のめりで優勝を目指している姿を見ると恥ずかしくなる。
世界的にはマイナースポーツである野球の世界一など無意味。
メジャーの選手がシーズン前の調整程度にしか思っていない時点で真剣に捉える必要はない。
などなど。
 
サッカーのW杯を引き合いに出したり、WBCに否定的な人は少なからず存在する。
 
 
僕自身、こういった意見にはいいかげんウンザリしているのだが、それ以上に「何がいかんの?」という思いが強い。
 
特定の国のみで盛り上がる、地域によって温度差があるなどほとんどの競技に言えることだし、1930年にスタート&20回以上開催されているサッカーW杯と比べるのもナンセンス。
 
そもそも野球は日本が世界で王様になれる可能性を秘めた貴重な競技である。
目の色を変えて優勝を目指すなど当たり前だろと思っている。
 
しかも野球には柔道のような階級もない。他国のフィジカルエリートをスピード&パワーでねじ伏せることが可能。
僕は「日本人は体格で敵わない分をチームワークと技術で補う」という考えが大嫌いなのだが、日本の野球はそこを見事に乗り越えてくれる。
 
今大会でも準決勝は吉田正尚の3ランで同点に追いつき村上宗隆の2ベースでサヨナラ勝ち。決勝戦では村上宗隆のホームランで同点に、岡本和真のホームランで突き放し、最終回に大谷翔平がマイク・トラウトを三振に打ち取り優勝を決めている。
 
よく聞く「足を絡めた細かい野球」ではなく長打と剛速球による真っ向勝負。
この部分のカタルシスはめちゃくちゃ大きい。
 
侍ジャパンが準決勝進出。でもイタリア強かった。4点先制してもドッキドキw 前のめりに勝利を目指す大谷翔平に感動。ダルビッシュはもういいかな…
 

「MLBは世界最高峰のリーグだけど、世界最強は日本」←これを言うための大会だから

一応言っておくと、MLBが世界最高峰のリーグであることに疑いの余地はない。
 
各国に選手が散らばり強豪チームの中心を担う。
さらに辞退者を含めて大会に不参加のトップ選手はまだまだ存在する。
 
これだけの国籍、ルーツを持つ選手がしのぎを削るMLBが質量ともに世界一のリーグなのは言うまでもない。
 
 
ただ、一番強いのは日本
プレミア12、オリンピック、WBCの三冠を達成した日本野球はどう考えても世界最強に決まっている。
 
つまり、日本にとってのWBCは日本が世界最強であることを証明するための大会。少なくとも僕はそう思っている。


そうそう。
前日にエース格2人を使い切っても全然勝負できるんですよ日本は。


 
山本由伸、今永昇太、上沢直之。2024年にMLBに移籍予定のピッチャーの成績を予想してみる。番外編として山﨑康晃も
 

WBCに問題が山積みなことくらいとっくにわかってんだよ。収益構造の歪さなんて10年以上前から言われてたし

はっきり言ってWBCに問題が山積みなことはとっくに承知している。
 
収益構造の歪さや日程、組み合わせの不公平さ、リーグ戦との兼ね合い、その他。
 
今回も保険の問題をクリアできずに辞退せざるを得なかった選手もいたし、プールC、Dの過酷さに比べてプールA、Bのヌルゲーっぷりは目に余る。
また日本が準決勝、決勝と連戦を強いられたのに対してアメリカは1日の休み&準決勝と同じ球場での開催が許された。
 
第三者機関ではない、MLBが運営することによる弊害はまだまだ多い。
 
 
その他、球数制限+実力差による間延び感は初めて野球観戦する人にとっては地獄でしかない。
 
半分はネタだと思うが、初見であの中国戦は確かにしんどいw


僕はワンマッチで格上相手に勝機を見出そうとした中国の戦略に感心させられたが、試合としておもしろかったか? と聞かれれば迷いなく「長くてつまらない」と答える笑
 
侍ジャパン4連勝で準々決勝進出。プールB東京ラウンド感想。弱者の兵法の中国、打撃のチェコ。ヌートバー、大谷翔平、ダルビッシュその他
 
大会序盤はこういう試合が多くなりやすいのもWBCに否定的な人を増やす要因なのかもしれない。
 
だが、そういった諸々をわかった上で「日本野球はすげえだろ」とドヤることは大事。
ここに関しては何物にも代えられない価値があると思っている。
 
 
てか、収益構造の歪さなんて10年以上前から言われてましたからね。
多少野球観戦に触れたことがあれば誰でも知っている話で、そんなことはわかった上で日本を応援してるんですよこっちは笑
 
それでも当初に比べればだいぶ洗練されてきているわけで。
 
2009年のように日本と韓国が5度も対戦することもなければ、初出場のチェコが中国に勝ったりメキシコが初のベスト4を果たしたりと新しい展開も見せている。
 
各試合、国同士のバチバチはあっても決してギスギスした雰囲気ではない。
 
いろいろな意味で前に進んでいると思うのだが。
 

報道のされ方は大いに不満。ちっともプレーに興味ねえじゃん。野球の奥深さが随所に詰まった大会だったのに

ちなみにWBCの報道のされ方についてはかな~り不満がある笑
 
ラーズ・ヌートバーの母親が球場の大画面に映された。
佐々木朗希がデッドボールを当てたチェコの選手にお菓子を持って謝罪した。
ダルビッシュが後輩を連れてラーメンを食べた。
チェコの監督がハチマキを巻いて会見に出席した。
大谷と佐々木がツーショット写真をアップした。
日本チームが試合後に客席に一礼した。
台湾のチアリーダーがセクシーだった。
大谷は3か月で4回しか外食しない。
 
いや、お前ら野球に興味ねえじゃん
プレーに関する報道、ちっともしねえじゃんと。
 
普段野球を観ない人の興味を引くにはこういうネタも必要なのはわかるが、さすがにそればかりだと胸焼けする。
ダルビッシュの開催した宇田川会? やヌートバーが合流した際の“たっちゃんTシャツ”あたりで味を占めたのだと思うが、いくら何でももう少しあるだろと。
 
 
沈む系の球を低めに集めまくる&少しでもピンチになったらすぐに交代する等、“弱者の兵法”で格上相手に勝機を見出そうとした中国。
国内にプロリーグがなく全員が学生や社会人だが、クリーンナップに凄まじいポテンシャルを秘めた選手がいたチェコ。
一時期に比べて弱体化した韓国や、史上初めて亡命した選手の出場を認めてベスト4入りを果たしたキューバ。
 
中でも韓国が高校から木のバットを使い始めたせいで強打者が育たなくなったり、先発ローテーションに助っ人を起用しまくったことで投手全体のレベルが落ちたりといった部分は非常に興味深い。
 
 
「誰と誰が写真を撮った」「誰が何を食った」も結構だが、こういう野球の奥深さ、国ごとに異なる事情などの情報があまりに少ない。
 
てか、サッカーW杯のときもこんな感じだったっけ?
個人的にはもうちょいマシなイメージだけど。
 
この部分にはずーっとモヤモヤさせられていたことを報告する。
 

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