カネロが戻ってくる。WBO暫定王者ジョン・ライダーとの復帰戦。打ち合いになりそうだけど、僕はカネロを応援する。でもジョン・ライダーもいい選手っぽい【予想・展望】

カネロが戻ってくる。WBO暫定王者ジョン・ライダーとの復帰戦。打ち合いになりそうだけど、僕はカネロを応援する。でもジョン・ライダーもいい選手っぽい【予想・展望】

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2023年5月6日(日本時間7日)にメキシコ・グアダラハラで行われる世界S・ミドル級統一戦。同級4団体統一王者サウル・“カネロ”・アルバレスがWBO暫定王者ジョン・ライダーと対戦する。
 
 
2022年9月に元ミドル級統一王者ゲンナジー・ゴロフキンとの3度目の対戦を制したカネロ。
ところがその試合で左手首の怪我が悪化。手術に踏み切り今回が約8か月ぶりの復帰戦となる。
 
対戦相手のジョン・ライダーは32勝5敗18KOの戦績を持つサウスポーで、昨年11月にザック・パーカーを4RKOで下し王座挑戦権を獲得している。
 
なおカネロが母国メキシコで試合をするのは約12年ぶり。シンコ・デ・マヨの翌日開催ということでより多くの注目を集めることが予想される。
 
カネロvsジョン・ライダー感想。ダウンで吹っ切れたライダーの健闘。カネロが下降線に入ったという意見には同意せざるを得ないな。切ないけど
 

井上尚弥が負傷離脱、拳四朗の統一戦が消滅、フューリーvsウシク戦が決裂。でもカネロの復帰戦は楽しみだよん

ここ最近、野球観戦の方が忙しくボクシングをほとんど観ていなかったのだが、いろいろと動きがあったとのこと。
 
侍ジャパンが3-2でアメリカを下して優勝。大谷vsトラウト? フィクションとしては落第だけどこれは現実。世界一の野球小僧を宇宙一うまく使える栗山英樹
 
5月に予定されていた井上尚弥vsスティーブン・フルトン戦が井上の負傷によって延期に、締結間近と言われていたタイソン・フューリーvsオレクサンドル・ウシク戦が突然決裂。
さらに寺地拳四朗と対戦予定だったジョナサン・ゴンサレスがマイコプラズマ肺炎を患い欠場するとのこと。
 
井上の負傷、ジョナサン・ゴンサレスの病気は残念だが、ヘビー級の頂上決戦の方は1mmも心が動かない
 
僕がウシクに興味がないのもあるが、ビッグマッチが決定間近でポシャるパターンはあまりにいつも通り。「あいかわらずボクシングがボクシングしとるわ」と平然と受け止めている次第である。
 
 
ただ、そんな中でカネロの復帰戦はめちゃくちゃ楽しみ。
前回のゴロフキン戦は左手首の負傷もあっていまいちの出来だったが、怪我明けとなる今回はどうか。
 
また対戦相手のジョン・ライダーの戦績を見るとビリー・ジョー・サンダースやロッキー・フィールディング、カラム・スミスなど、これまでカネロに敗れた面々に敗北している。
 
 
身長175cmとそこまで上背があるわけでもなく、両者が並んだ写真を見てもそれがわかる。


WBOの暫定王者なので間違いなく強いとは思うが、カネロとしては「復帰戦にちょうどいい相手」くらいに考えているのではないか。
 

ジョン・ライダーは割といい選手に思える。中間距離で勝負するサウスポー。カネロはサンダース戦以来のvsサウスポーだけど…

ジョン・ライダーの過去の試合を漁ってみたのだが、おや、普通にいい選手に見えるぞ?
 
絶えず上体を動かして的をズラし、右リードで相手を下がらせて連打につなぐ。
左を常に高く上げて顎をガード、斜に構えることで極力急所を遠ざける。
 
サウスポー+KOの少なさから勝手にアウトボクサーをイメージしていたのだが、どうやらそうはもないっぽい。どちらかと言えば中間距離の選手で、2022年2月のダニエル・ジェイコブス戦などを観るとむしろ近い位置での打ち合いを得意としている。
 
右腕を下げたところから打ち出すジャブの多彩さ、相手が怯んだ際の連打、劣勢の中でのクリンチ、などなど。
指名挑戦者としての実力は十分ありそうである。
 
 
対する王者カネロだが、この選手がサウスポーと対戦するのは2021年5月のビリー・ジョー・サンダース戦以来となる。
 
カネロvsサンダース感想。カネロの凄さと大観衆の熱気に目を奪われた。同時にボクシングのしょーもなさも山ほど目の当たりにしたよね
 
だが、申し上げたようにジョン・ライダーは中間距離で勝負する選手。サンダース戦のように足を使う相手を追い回す展開にはならないように思える。
 

どちらが相手を押し込む展開を作れるか。接近戦での精度は断然カネロだと思うけど

要するにこの試合はどちらが相手を押し込むかが見どころかなと。
 
右リードを中心にリング中央で勝負するジョン・ライダーに対し、カネロはガードを上げてプレッシャーをかけつつ打ち終わりにカウンターを返す流れを得意とする。
 
なので、試合を優位に進めるには両者ともに自分が前に出ることが重要になる。
 
特にジョン・ライダーは下がらされるとマズい。
カウンター使いのカネロはロープ際でのクネクネディフェンスでしのぐことも可能だが、恐らくジョン・ライダーはそういうタイプではない。
 
一足飛びで間合いを詰める踏み込みがあるわけでもなく、2019年11月のカラム・スミス戦のように遠間に釘付けにされるとできることがなくなる。
 
 
いや~、どうなりますかねコレは。
 
スタイル的に打ち合いにはなると思うが、接近戦での精度は十中八九カネロに軍配が上がる。
 
またジョン・ライダーが距離を詰め切れなかったカラム・スミスをカネロは12R圧倒してみせた。
 
カネロがカラム・スミスに完勝。階級屈指のビッグマンがカネロに蹂躙される現象を“ロッキー・フィールディングの呪い”と名付けよう
 
そう考えると、ジョン・ライダーが勝機を見出すには相当の気合いが必要になる。
たとえばダニエル・ジェイコブス戦のように身体ごとぶつかっていくくらいの強引さ……。
 
ジョン・ライダーがキャリア最高の状態でリングに上がり、カネロの調子がvsゴロフキンVol.3程度であれば。
辛うじてジョン・ライダーにも勝ち筋が見えるかもしれない。
 

僕はカネロを応援するよ。ジョン・ライダーは地味すぎるし、カネロには今後もビッグマッチを実現してもらわなければならない

なお僕自身はジョン・ライダーではなくカネロを応援させていただく。
理由はカネロの試合を待ち望んでいたのと、ジョン・ライダーにあまり魅力を感じなかったから。
 
指名挑戦者にふさわしい実力の持ち主とは申し上げたが、4団体統一王者になってほしいか? と言ったら……。
 
正直、地味さ加減ではライト級のデビン・ヘイニー以上と言わざるを得ない笑
 
 
またカネロには今後もビッグマッチを実現してもらう必要があるので()
 
現状、S・ミドル級で残っているのはデビッド・ベナビデスとデメトリアス・アンドラーデくらいだが、たとえば期待のデビッド・モレルの挑戦を受けるとかね。
 
当時23歳のカネロが36歳のフロイド・メイウェザーに挑むも、あらゆる面で圧倒されたのが2013年9月。
仮にデビッド・モレルvsカネロ戦が決まればそれと似た構図になるのではないか。
 
カネロvsゴロフキン3。金ヅル同士の3度目の遭遇。「割り切って儲けようぜ」的な乾いた同意があった気がした。ゴロフキンの追い上げに感動したよ
 
諸々を加味すると、やはり今回はジョン・ライダーではなくカネロに勝ってもらわなくては困る笑
 
というわけで勝敗予想はカネロの判定勝ち、もしくは後半KOとしておく。
 
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