侍ジャパンが3-2でアメリカを下して優勝。大谷vsトラウト? フィクションとしては落第だけどこれは現実。世界一の野球小僧を宇宙一うまく使える栗山英樹【WBC2023感想】

侍ジャパンが3-2でアメリカを下して優勝。大谷vsトラウト? フィクションとしては落第だけどこれは現実。世界一の野球小僧を宇宙一うまく使える栗山英樹【WBC2023感想】

2023年3月21日(日本時間22日)に米・フロリダ州で行われたWBC決勝戦。前日メキシコに劇的な逆転勝利を飾った日本はアメリカと対戦。2本のホームランを含む3点を挙げ、そのまま1点差を守り切っての勝利。2009年大会以来、14年ぶりの世界一に輝いている。
 
なお二刀流の大谷翔平はこの日も3番DHで先発出場。3打数1安打1四球と結果を出し、また1点リードの9回には抑えとして登板。2アウトランナーなしから同僚のマイク・トラウトを三振に打ち取り見事胴上げ投手となっている。


 

侍ジャパン優勝しちゃったよ。終わりよければすべてよしですね。演出過多の栗山采配には「おいおい」と思ったけど

侍ジャパンにとっては前日のメキシコ戦に続いての連戦となった今回。
 
対戦相手のアメリカは2017年大会に続く連続優勝を目指す強豪で、大会を主催するMLBとしても絶対に勝ってほしい試合である。
 
 
で、結果は3-2で日本が勝利。
しかも最後はリリーフ登板した大谷翔平がアメリカの主将&同僚のマイク・トラウトを三振に打ち取る劇的な幕切れ。
 
投打でチームをけん引した大谷が文句なしの大会MVPに輝いている。
 
 
 
僕もこの日は試合開始から食い入るように観ていたのだが、いや、ちょっとたまりませんね。
 
中盤のジリジリした展開には息が詰まりそうだったし、ラストの大谷vsトラウトは緊張がヤバすぎて直視できなかったほど。


栗山監督の演出丸出しの采配には「おいおい」と思うこともあったが、結果的に優勝したので問題ない。
終わりよければすべてよしの精神で許してやろうと思う()
 

アメリカの先発メリル・ケリーは案外いけそう。メキシコのパトリック・サンドバルの方がやっかいだったでしょ

まず試合の展望だが、実を言うと僕はアメリカチームをあまり研究(?)できていない。
 
準決勝、決勝と連戦だったのはもちろん、メキシコ戦の余韻がデカすぎたのが笑
また、その直後に外出しなければならなかったせいであれこれ考える時間はほとんどなかった。
 
侍ジャパンがメキシコにサヨナラ勝ち。不調の村上宗隆が守護神を打ち崩す。終盤の逆転力、日本は世界一ドラマチックなチーム
 
その限られた時間で(9割方自分のせいだけどw)唯一調べたのが先発予定のメリル・ケリー。韓国リーグで結果を出して2019年からメジャー復帰を果たした逆輸入右腕とのことで、どんな感じかな? と思って眺めたところ……。
 
おや、そこまでぶっ飛んでいいわけじゃなさそうだぞ?
 
カッター気味のストレートと140km弱のチェンジアップを軸に組み立てる技巧派だが、特別スピードがあるわけでも驚くような変化をするわけでもない。全体的に高次元でまとまっているものの、やっかいさで言えばメキシコのパトリック・サンドバルの方がはるかに上。
 
なるほど。
これならビビる必要はまったくない。
 
今の侍ジャパンの打力があれば十分対抗できるのではないか。
 
後出しじゃんけんになってしまうが、何となく村上宗隆と合いそうだなと思ったことを報告しておく。
 

日本の先発今永昇太は最適解。絶好調の日に当たればいけると思うけど…

対する侍ジャパンの先発は今永昇太。
 
当初は韓国戦で先発したダルビッシュが先発か? とも言われていたが、メキシコ戦の直後に栗山監督が今永の起用を明言している。
 
WBCの先発3本柱は山本由伸、佐々木郎希とあと1人は? 大谷翔平とダルビッシュどっちよ。ダルビッシュがいまいち過ぎて…
 
このピッチャーは今のNPBではNo.1サウスポーと言っても過言ではなく、今大会でも第二先発として抜群の安定感を見せている。
ダルビッシュの調子が上がらない中での先発起用は最適解と言えるのではないか。
 
ただ、高めに伸びるストレートが持ち味な分被弾も多い。
調子がよければまず打たれないだろうが、少しでも球威が落ちたり指にかからない球がいけばアメリカ打線にはあっという間に捕まってしまう(と思う)。
 
本人は近い将来のMLB移籍を希望しているらしいが、成績的には菊池雄星と同程度に収束するかなぁと。
 
そんな感じで、現時点での今永の実力はMLBでは並の中~上あたり。
決勝戦が絶好調の日に当たることを祈りつつ、そっと画面を閉じた次第である笑
 

アメリカのリリーフ陣がそこまでじゃなかった。日本が一方的にボコられる展開も覚悟してたけど

そして上述のように結果は3-2で日本が勝利。
 
案外攻略しやすいんじゃねえか? と思ったメリル・ケリーは2回途中で降板、今永も2回を投げ切ったところで2番手戸郷翔征にマウンドを譲っている。
 
しかもメリル・ケリーは村上宗隆にHRを浴び、飛翔癖のある今永は今大会好調のトレイ・ターナーにスタンドインを許すという。両投手とも“悪い意味”での想定内だった。
 
 
そして、そこから先は(僕にとっては)完全に未知の領域。
アメリカのリリーフ陣をほとんど知らない上に日本はエース格の佐々木朗希と山本由伸を準決勝で使い切っている。
 
出てくるピッチャーが150kmオーバーの速球派ばかりなら日本打線はまず打てない。
 
一方、日本のリリーフ陣はここまであまり出番がなかった選手が中心。各国が強力打線を擁する中、少しでも力の落ちる、不調のピッチャーを出せばあっという間に捕まるのは前の試合までではっきりしている(ダルビッシュ、G.ガエゴス、湯浅京己など)。
 
あ~、これはマジでわからんぞ? と思いながら眺めていると……。
アメリカの3番手カイル・フリーランドがまさにそれだったという。
 
 
というか、アメリカの投手陣は本当に“ボチボチ”でしたよね。
 
先発メリル・ケリー、3番手カイル・フリーランド、5番手デビッド・ベドナー。
無理ゲーだと思わせたのは6番手のデビン・ウィリアムズくらいで、あとは4番手のジェイソン・アダムが気持ち悪い変化球を投げていた程度。
 
ゴリゴリの速球派にねじ伏せられるのかなと思っていた分、やや拍子抜けだった。
 
侍ジャパン4連勝で準々決勝進出。プールB東京ラウンド感想。弱者の兵法の中国、打撃のチェコ。ヌートバー、大谷翔平、ダルビッシュその他
 
準決勝からの連戦、エース格を使い切っている日本。
圧倒的な攻撃力でキューバを圧倒&1日の休みがあったアメリカ。
 
戦力的にも状況的にも日本の不利は否めない、最悪一方的にボコられる展開もあるかも? と思っていたのだが、その陳腐な予想を覆した侍ジャパンには心から感服する。
 

大谷翔平vsマイク・トラウトは恐れ入りました。世界一野球がうまい野球小僧を宇宙一うまく使う監督。フィクションとしては落第だけど…

最後の大谷翔平vsマイク・トラウトについては恐れ入りましたとしか言いようがない。
 
キャンプからちっとも調子の上がらないダルビッシュを8回に投げさせたことにブチ切れそうになったが、あの被弾を含めてすべてが映画的だったというか。


誇張でも何でもなく「大谷の大谷による大谷のための」WBCだった。
 
WBCの余韻がすげえw 「日本野球が世界最強」ってドヤるための大会。課題が山積みなのはわかってるし収益構造の歪さなんて10年以上前から承知してんだよ笑
 
イタリア戦の際にも申し上げたが、ピッチャーとしての出来は山本由伸の方が上だし投げている球は佐々木朗希に及ばない。その上全力疾走直後のピッチングでバタつくなど、危なっかしいシーンも少なくない。
 
侍ジャパンが準決勝進出。でもイタリア強かった。4点先制してもドッキドキw 前のめりに勝利を目指す大谷翔平に感動。ダルビッシュはもういいかな…
 
だが、この選手の空気感や野球に対する姿勢がそういった負の要素をあっさりと覆す。

「今日一日だけは、彼らへの憧れを捨てて、勝つことだけを考えていきましょう」

準決勝の掛け声をダルビッシュに任せた時点で決勝で大谷が指名されることは明らかだったが、そのクサい演出を余裕で超えてくるのだから笑うしかないw
 
世界一野球がうまい選手は宇宙一の野球小僧。
そして、宇宙一の野球小僧を世界でもっともうまく使えるのがかつて本人に二刀流を提案した栗山英樹監督。
 
フィクションとしてはあまりにベタすぎるが、ビックリすることにこれは現実である笑
 

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