田中マー君日本復帰戦、崖っぷち? の筒香嘉智、二刀流復活の大谷翔平は結局どうなのよ? 2021.4.22時点での振り返り

田中マー君日本復帰戦、崖っぷち? の筒香嘉智、二刀流復活の大谷翔平は結局どうなのよ? 2021.4.22時点での振り返り

2021年シーズンがスタートし、4月後半に入った日本プロ野球。
一方、去年は大幅に開幕が遅れたMLBも今年はここまで順調に試合を消化し、そろそろ3週間が過ぎようとしている。
 
チームごとの戦力もある程度見えてきた頃だと思うので、ここらで一度僕の気になる選手を取り上げて状態を振り返ってみたいと思う。
 
具体的には、
・田中将大(楽天)
・筒香嘉智(レイズ)
・大谷翔平(エンゼルス)
の3人。
 
特に日本復帰を果たした田中将大の初登板は注目度が高く、敗戦投手になったことに驚いている方も多いのではないか。
そのあたりも含めて僕の感想を適当に言っていくことにする。
 
松坂大輔引退表明…。多くのものを背負って腕を振り続けた旧世代の生き残り。圧倒的な躍動感、背中から漂う悲壮感と哀愁がたまらなくカッコよかった
 

田中将大(楽天)

vs日ハム
5回、75球、被安打4、奪三振5、四死球1、失点3、自責点3
0勝1敗0S
 
まずは今シーズン、ヤンキースから古巣楽天に復帰した田中将大について。
 
大きな期待感を持って迎えた4月17日の初登板だったが、結果は5回3失点でまさかの敗戦投手に。2012年8月から続けていた日本での連勝記録も28でストップしてしまった。
 
特に2回に伏兵・石井 一成に打たれたホームランには驚いた方も多かったと想像する。
 
 
初登板を観た率直な感想だが、はっきり言って微妙だった
 
ストレートの球速はコンスタントに150km前後を計測していたものの、威力自体はそこまでではない。
というより田中マー君のストレートはもともと凡庸な部類で、MLB時代も基本は変化球で勝負してきた投手。
 
ホームランを打たれた2球も両方ストレートでコースも威力も「まあ、そうなるよな」という球だった。
 
じゃあ何がアカンの? という話なのだが、要するにスプリットがダメダメだったことが大きい。
 
この日の田中マー君はスライダーとストレートが全体の7割近くを占め、代名詞であるはずのスプリットは15%ちょい。完全にスライダーを軸にピッチングを展開していた。
 
そして、このたま〜に投げるスプリットがちっともよくないのである。
本来、このピッチャーのスプリットは140km弱のスピードで加速するように落ちるのだが、今回の登板では落ち方があまりにヌル過ぎた。沈む角度も小さくなかなか空振りが奪えない。
 
申し上げたように田中マー君のストレートはもともと大したことがない。
それを一級品のスライダーとスプリットでカバーするのが持ち味で、この2球種の精度がすべての生命線となる。
だが今回はそのうち一方の球種が微妙だったせいでピッチングの幅が著しく狭くなってしまった。
 
ストレートを見せ球にスライダーでカウントを稼ぎ、スプリットの影をチラつかせながら別の球種で意表をつく。
恐らく何試合かはこれで誤魔化せるとは思うが、そのうちキツくなるときが確実にくる(と思う)。
 
というより、この試合でも左打者を打ち取るのにだいぶ苦労してましたからね。
 
オープン戦で観たときは、
3月6日の中日戦ではスプリットがよくてスライダーがダメ
3月20日の巨人戦ではスライダーがよくてスプリットがダメ
だと思ったのだが、今後はどうなるか。
 
仮に今の状態が続くと、最終的な防御率は3点台後半~4点台くらいに収束しそうな……。
今年の楽天ならそれでも二けた勝利くらいはできそうだが、この選手が求められる水準はそこか? と聞かれると非常に難しい。
 
何せ推定年俸9億円の物件ですからね。
 
大谷翔平8勝目&40号。これで100K&100投球回&100安打以上のトリプル100も達成。いや、でも今日は完投させなきゃダメな日だったよ…
 

筒香嘉智(レイズ)

14試合 打率.170 本塁打0 打点5 安打8 盗塁0
 
続いてはMLBタンパベイ・レイズの筒香嘉智について。
4月22日のロイヤルズ戦では2番指名打者で出場し5打数1安打。4月19日のヤンキース戦から3試合連続安打を継続中である。
 
だが内容的にはなかなか厳しいもので、ヒットを打ったと言っても当たり損ねの小フライがレフト前にポトリと落ちただけ。
しかも18日のヤンキース戦での決勝打を監督から絶賛されたにもかかわらず、翌日の試合では出番なし。この選手の立ち位置がはっきりとわかる起用と言える。
 
 
映像を観ればわかるが、とにかく93マイル以上のストレートが前に飛ばない
高めのストレートでファールを打たされて追い込まれ、外側からフワッと曲げるバックドアを引っかけさせられる。
ストレートに合わせて始動を早めているためバットが止まらず、結果腰砕けのスイングに。
 
恐らくだが、4月11日のヤンキース戦で5打数1安打4三振を喫した試合で大きく崩された印象。
あの試合以降、9打数1安打6三振と壊滅的な状況に陥っているので、本人的にも相当キツかったと想像する。
 
 
というか、前回「筒香に上昇の兆しが見える」とかほざいた僕の立場はww
これまで一貫して「可能性が見えない」と言い続けてきた僕が初めて褒めたというのに。
その直後からガッタガタになるってどういうことよ。
 
筒香嘉智(30)さん、30試合.167、HR1、長打率.219、OPS.489、三振率.281、年俸約5億←ちょっと擁護する部分が見当たらんのだが
 
そもそも「速いストレートが打てない」「このままMLBに行っても苦労する」というのはNPB時代から言われていたわけで。
誰もが知っている弱点を晒したままノコノコ乗り込んでいって、予想通りに撃沈するってどうなのよ。
 
2020年は変則シーズンによる準備期間の少なさ等、それなりに言い訳もできたが、今シーズンに関してはお話にならないとしか言いようがない。
 
4月22日時点で52打席、打率.173、OPS.444。
直近のロイヤルズ戦ではストレートを捨てて変化球待ちの軽打に切り替えていたようだが、いや、そうじゃない。お前が求められてるはそこじゃないでしょと。
 
冗談でも何でもなくタイムリミットが迫っている気がする。
 

打者大谷翔平(エンゼルス)

15試合 打率.310 本塁打5 打点13 安打18 盗塁2
 
そして今シーズンから二刀流を復活させたMLBロサンゼルス・エンゼルスの大谷翔平。
 
まず打者大谷についてだが、これは結構いいと思う
 
テイクバックをすり足にしたことでスピードボールにタイミングが間に合っている上に、鋭く落ちるカッター、スラッター系の球にも反応できている。
 
上述の筒香の打席を観たあとに大谷の打席を観ると、タイミングやスイングの違いが一目瞭然。
さすがに一線級のピッチャーからコンスタントに打つのは難しいと思うが、ホームランもトラウトに次ぐチーム2位の5本を放っている。普通にコンディションをキープできていると言ってよさそうである。
 
少なくとも、早い段階で「こりゃダメだ」と見限った2020年シーズンとは雲泥の差を感じる。
これで固め打ちが出るようになれば、冗談抜きで3割25本以上も見えてくるかもしれない。
 
投手大谷翔平の洗練されっぷりに驚いた。打者大谷翔平はよーわからん。コイツのせいで野球のルールを変えなアカン? やっぱりモノが違うってあるんやね
 
なお今後の課題としては、左の速球派への対応力だろうと。
4月20日のレンジャーズ戦で元中日のジュエリー・ロドリゲス相手に三振を喫していたが、ああいう低い位置から腕が出てくるサウスポーが鬼門になるのは間違いなさそう。
 

投手大谷翔平(エンゼルス)

vsレンジャーズ
4回、79球、被安打1、奪三振7、四死球7、失点0、自責点0
0勝0敗0S
 
2020年の投手大谷に関しては以前申し上げたように第1戦目で興味を失ったのだが、それに比べれば今年は格段にコンディションがいい。
 
投手大谷翔平が酷い。世界最高峰のリーグでスターターを務めていいレベルではない。MLB開幕日本人投手登板振り返り
 
ストレートは常時95マイルを超え、80マイル中盤のスライダーも健在。そこにカーブで緩急をつけつつカウントを整えて87、88マイル前後のスプリットで勝負する。
 
相変わらず搭載エンジンのデカさは世界一と断言していいレベルで、どれだけ夢を見させてくれるんだよと言いたくなるパフォーマンスである。
 
ただ、いつまでそれをやってんの? と。
 
エンジンのデカさ、ポテンシャルの高さは文句のつけようがない。
160kmに迫るストレートと140km後半で直角に落ちるスプリットにカーブで緩急をつけられれば、どんな打者でも打つのは困難を極める。
 
だが、いかんせんムラが大き過ぎる。
 
この日もストレート、スライダーを引っかけまくった挙句に被安打1ながらも7四死球。
で、フォアボール連発でどうにもならないと思ったら、突然凄まじいストレートとスプリットで三振を奪ったり。
 
唯一まともにストライクが取れるカーブを多投して何とかしのいでいたが、ああいう「タッチ」の上杉達也みたいなピッチングからはそろそろ抜け出してもらいたいのだが……。
 
言っても今年ですでに27歳ですからね。
 
やろうとしていることはわかる。
試合ごとの工夫も感じられる。
 
でもあまりに安定感がなく再現性が低い。
 
何となくだが、トミージョン手術を経たことでそれまでの経験値がリセットされてしまった感もある。
 
現状、完成度だけで言えば阪神の藤浪晋太郎の方が明らかに上。
これも二刀流の弊害なのだと思うが、その辺どうなのよ? と。
 
「もはやマンガの世界を超えてる!」などと言われながらゆっくり下降線に入り、最終的には「高橋尚成と似たような成績でした」みたいなのはホントに勘弁してもらいたいw


まあでも、去年は速攻で「ダメだこれ」となったことを考えると、こういう話ができる分マシなのかな? とも思うわけですが。
 

Advertisement

 

 

 

 

【個人出版支援のFrentopia オンライン書店】送料無料で絶賛営業中!!