やっちまったベイノアvs井上雄策。最高すぎたキム・スーチョル。ノジモフ、コレスニック、神龍誠クッソ強い。日環対抗戦もおもしろかった【RIZIN46現地観戦感想】
2024年4月29日に東京・有明アリーナで開催されたRIZIN46。
鈴木千裕vs金原正徳戦をお目当てに現地観戦してきたわけだが。
金原正徳の負けがショックで整理がつかん。悔しすぎてインタビューも聞かずに帰ったw 鈴木千裕が勝つならコレだよね
今回はそれ以外に気になった試合の感想を言っていく。
具体的には、
・山本空良vsイルホム・ノジモフ
・中原由貴vsビクター・コレスニック
・“ブラックパンサー”ベイノアvs井上雄策
・倉本一真vsヤン・ジヨン
・神龍誠vsイ・ジョンヒョン
・中島太一vsキム・スーチョル
の6試合。
ちょっと数が多いので駆け足になることをお伝えする笑
お、レニー・ハート完全復活?
一時期調子が悪そうだったのでよかったですね。
相変わらずのド派手な入場。このエンタメ性は本当にすごいと思う。
×山本空良vsイルホム・ノジモフ○(2R3分39秒TKO)
2023年4月の金原正徳戦以来、約1年ぶりの実戦となる山本空良と2023年11月のアゼルバイジャン大会でRIZINデビューを果たしたイルホム・ノジモフの一戦。
正直、この試合は力の差があったなと。
立ち上がりこそ山本空良がよさを見せたものの、形勢は徐々にノジモフに傾く。
1R後半からはノジモフの打撃で山本がグラつくシーンも。
2Rからはさらに一方的な展開となり、コーナーでダウンした山本にノジモフがパウンドを落としまくってレフェリーストップを呼び込む。
満を持して復帰戦のリングに上がった山本空良だったが、見せ場らしい見せ場は開始直後くらい。残念ながらプロ初のKO負けを喫してしまった。
久保優太vs斎藤裕感想。久保優太に度肝を抜かれた。平本蓮より衝撃度は上。完成度はキックからの転向組の中でNo.1じゃない? 那須川天心に匹敵する天才なんだろうな
×中原由貴vsビクター・コレスニック○(判定3-0)
続いてこの試合。
僕は両者の試合を観たのは(たぶん)初めてだったのだが、どちらも強かったですね。
勝利したビクター・コレスニックはいわゆる“長くて尖ってる”人。
サンボがバックボーンとのことで、スラっと伸びた手足を目いっぱい使った打撃を得意とする。
中原由貴も終了間際にギロチンなどで食い下がったが、的確さと威力で上回られた感がある。
てか、イルホム・ノジモフもこのビクター・コレスニックもめちゃくちゃいい選手っすね。
RIZINフェザー級は平本蓮や朝倉未来を中心に回っているが、実はこの人たちの実力も相当なのではないか。
クレベル・コイケ、ウガール・ケラモフ、さらにファン・アーチュレッタもフェザー級に進出する。そこにノジモフ、コレスニックが加わりいよいよ国内勢はピンチかもしれない。
まあ、その辺はマッチメークでうまく調整するのかな? とは思うが。
○“ブラックパンサー”ベイノアvs井上雄策×(判定3-0)
メインの鈴木千裕vs金原正徳戦以外で僕がもっとも楽しみにしていたのがこの試合。
“ブラックパンサー”ベイノアは2022年大晦日の宇佐美正パトリック戦後に海外修行に出ており、今回が約1年4か月ぶりの復帰戦となる。
対する井上雄策だが、こちらはまったく知らない。
聞いたところによるとYouTubeチャンネルの登録者が40万人以上いるとか。今回の起用はその影響もあったのかもしれない。
実際の試合だが、いや、やってもうたなオイw
交錯をとことん避けてサークリングを続けるベイノアに対し、何とか打ち合おうとするも追いつけない井上雄策。
レフェリーがファイトを促すものの、ベイノアは遠間からの単発に終始するのみ。井上も最初の1発をヒットした次が続かない。
ブーイングまみれ中3Rが終了し、ベイノアの判定勝利が告げられる。
繰り返しになるが、やってもうたなオイw
開始直後に左手を大きく前に出して距離を測る井上を観て「あ、ちょっとマズいかも?」と思ったのだが、まさかここまで何も起きないとは笑
そんなへっぴり腰のタックルが決まるわけねえだろw
僕がベイノアに求めているのは“荒削りだがMMA適性の高いキック出身選手”のファイト。
MMAデビュー戦では持ち前のバネと極真仕込みの打撃でドミネーター聡志を追い詰めた。
続くロクク・ダリ戦、武田光二戦でも1発で局面をひっくり返す打撃を披露した。
宇佐美正パトリックにはワンパンKOで敗れたが、十分すぎるほどの爪痕を残している。
勝っても負けてもハズレがない、野性味溢れる試合運びがこの選手の魅力だったのだが。
朝倉海は微妙? 井上直樹とんでもない。扇久保博正、元谷友貴、ベイノア、気の毒な那須川天心その他感想
これだけ期待と真逆のパフォーマンスを見せるとは思わなかった。
おかげで井上雄策がどんなファイターなのかもわからずじまいである笑
まあ、ベイノアの立場を考えれば勝ちにこだわるのも理解できなくはない。
キックを含めると2022年から4連敗中。充電期間をたっぷり設けての復帰戦だったわけで。
何が何でも勝ちたい、結果が欲しいという思いは山ほど伝わってきた。
判定を聞いた直後に嬉しさが溢れ出しちゃってたしね笑
もともと空気が読めない性格なのかもしれないが、それ以上にしんどかったのだろうと。
多少浮かれるのも許してやれよと思わないでもないw
“ブラックパンサー”ベイノアが困惑 判定勝ちもRIZINで異例のブーイング「日本が変わっちゃったのか?」/ファイト/デイリースポーツ online https://t.co/UIsZ0TNwAL #DailySports
— デイリースポーツ (@Daily_Online) April 29, 2024
恒例のパワハラモードを発動した榊原のおっさんが報道陣の前で名指し批判を展開していたが、まあ落ち着けってw
もう1回くらい様子を見てもいいんじゃないの?
MMA初戦でドミネーター聡志に大健闘、2戦目では経験豊富なロクク・ダリにKO勝ち。
日本ライト級トップの武田光二を相手にあわやの展開を作り、宇佐美正パトリックにワンパンKO負け。
このおっさんの言う“負ける勇気”“お客さんが求めるもの”を目指し続けた結果がコレである。
唯一の盛り上げ枠が大コケしたことが許せないのは理解できるが、多少は“格闘家”ベイノアを尊重してもバチは当たらないと思うのだが。
あの空気の中でダンスをさせられるRIZINガール、マジで地獄w
太田忍vsロジャー・ブランクちょっと力の差がありましたね。太田は牛久絢太郎戦がよかった。vsキム・スーチョルはかなり興味ある
○倉本一真vsヤン・ジヨン×(判定2-1)
⽇韓対抗戦の1戦目として行われたこの試合。
ぶっちゃけ僕はヤン・ジヨンの勝ちだと思ったのだが、どうやら反則の分だけ倉本一真に軍配が上がったっぽい。
レスリングの元トップ選手、身体能力の高さを活かしたファイトが持ち味の倉本だが、当初期待していたほどではなく。
修斗基準ならフィジカルでねじ伏せられるものの、一段レベルが上がると通用しない部分があれこれと出てくる。
バンタム級GP答え合わせ&皇治vs白鳥、矢地vs川名、吉成vs誓。金太郎vs伊藤空也、倉本一真vsヤマニハ。地味におもしろい試合が多かった
今回もヤン・ジヨンにタックルを踏ん張られる光景に「ああ、そうか」となった。
また、まっすぐ伸びるパンチをモロに被弾するのも……。
もらい方がおっかない上に芯で食うせいで1発1発がすこぶる効く。この試合でも3R開始時点でダメージと疲労でフラフラになっていた。
太田忍戦のKO負けもそうだが、そろそろ何かを変えないと“そこそこの立ち位置”のまま尻すぼみで終わりそうな……。
○神龍誠vsイ・ジョンヒョン×(1R4分29秒一本)
執拗な挑発を繰り返すイ・ジョンヒョンを神龍誠が迎えうったこの一戦。
結果はグランドで強さを発揮した神龍誠が一本勝ちを収めたわけだが。
いや、強かったですね神龍誠。
僕は神龍の試合を初めて生観戦したのだが、なるほど。確かに期待の若手と言われるだけある。
テイクダウンで上になったところから頭をスッとずらしてバックに移行、そこで時間をかけて締め上げタップアウト。
この“頭の位置を変える”動作があまりに鮮やかで、「うめえなオイ」とつぶやいてしまったことをお伝えする笑
そして神龍誠に勝った堀口恭司のすごさである。
前回「フライ級に落としてグレードダウンした」「相対的にスピード面のアドバンテージが失われた」などと好き勝手なことをほざいたが、神龍誠に一本勝ちできるのだから文句なしにとんでもない。
やはり日本人では頭ひとつ以上抜けた選手である(熱い手のひら返し)。
RIZIN45遅めの感想。「そりゃそうでしょ」案件続出の中、扇久保がドットソンに勝ったのはビビった。明確に落ちた堀口恭司、ペナルティで選択肢がなかったアーチュレッタ
あ、唐突に神龍誠vs扇久保博正戦が決まったわ。
×中島太一vsキム・スーチョル○(2R6秒KO)
ラストは中島太一とキム・スーチョルによる⽇韓対抗大将戦。
キム・スーチョルが2R開始早々に右ストレートからの左フックでダウンを奪い、そのままパウンドでレフェリーストップを呼び込んだ一戦である。
この試合は盛り上がりましたね。
それこそ全10試合の中で一番テンションが上がったかもしれない。
とりあえず1Rは互角の展開で中島太一にもチャンスがあるように見えた。
このヒリつく感じが2Rも続くのかな? と思っていたところ、2Rが始まるとともにキム・スーチョルが鋭く踏み込み右をドカン。
あっという間に終わらせてしまった。
マジな話、敗れた中島太一もちゃんと強かったと思う。
「バンタム級なら負ける気がしない」のコメント通りリング中央での打ち合いでもキム・スーチョルに後れを取ることはない。
テイクダウンやギロチン等、グランドに移行しそうになるたびにグイッと踏ん張りスタンドに戻す。
ただ、一瞬のチャンスを逃さないキム・スーチョルの嗅覚はさすがとしか言いようがない。
単純なフィジカルはほぼ互角だったが、もっとも大事な“勝負勘”に差があったのかもしれない。
【#RIZIN46】キム・スーチョル 中島太一にKO完勝「私は大山先生と力道山先生のDNAが…」|東スポWEB https://t.co/ADrSJhzaor
— 東スポ (@tospo_prores) April 29, 2024
こんなヤツを好きになるなという方が難しいw
またすぐに日本に来いよ。
RIZIN vs Bellator全面対抗戦でRIZIN勢が全敗。クレベルと武田の試合でRIZINの現在地がわかった気がしたよ。スーチョルもサトシも惜しかった。扇久保は…
てか、⽇韓対抗戦はおもしろかったですね。
国同士のギスギスした感じもなく3試合それぞれに特徴があった。
結果は日本勢の2勝1敗だが、先鋒戦は反則がそのまま影響したことを考えると“ちょうどいい”終わり方だったのではないか。
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