RIZINバンタム級GP勝敗予想。本命の朝倉海、井上直樹にアップセットを起こすとすれば瀧澤? 扇久保? 那須川天心のRIZINラストマッチは五味隆典

RIZINバンタム級GP勝敗予想。本命の朝倉海、井上直樹にアップセットを起こすとすれば瀧澤? 扇久保? 那須川天心のRIZINラストマッチは五味隆典

2021年12月31日、さいたまスーパーアリーナで行われるRIZIN33。第2、3試合で開催中のバンタム級GP準決勝(&第4試合でリザーブファイト)が組まれており、その勝者が第16試合のメインイベントで対戦する予定となっている。


また2022年のボクシング転向を宣言している那須川天心は今回がRIZINでのラストマッチとなる。
対戦相手は人選が難航した末に大ベテランの五味隆典に決定。3分2Rのボクシングルール、体重差約13kgという変則ルールでの対戦となる。
 
 
というわけで、今回はこのバンタム級GP準決勝2試合とリザーブファイト、計3試合の勝敗予想と那須川天心vs五味隆典戦についての所感? を適当に言っていこうと思う。
 
 
まあ、何だかんだでバンタム級GPの予想ごっこも今回がラストである。当たろうが外れようが楽しければいいので気楽にやっていくことにする。
 
RIZIN33現地観戦感想。朝倉海、井上直樹を下して扇久保が優勝。元谷vs金太郎のリザーブファイト。予想外が山盛りの2021年大晦日
 

井上直樹vs扇久保博正

勝利予想:井上直樹
 
まずは第3試合の井上直樹vs扇久保博正戦について。
 
井上直樹は僕が2020年末に初めて現地観戦して「こりゃやべえわ」となり、今回の優勝候補筆頭にも挙げている選手だが……。
 
朝倉海は微妙? 井上直樹とんでもない。扇久保博正、元谷友貴、ベイノア、気の毒な那須川天心その他感想
 
正直この試合は井上の圧勝の匂いがプンプンするというか、扇久保に勝ち筋が見えないのが本音だったりする。
 
 
まず両者の一番の違いは射程の長さ。
身長175cmで手足も長くスラッとした井上に対し、扇久保は身長162cmでずんぐりとした体型。ファイトスタイルも中間距離〜至近距離での差し合い、テイクダウンからの展開を得意とする。
 
また井上直樹は立ってよし、寝てよしのオールラウンダーだが、とにかく射程の長さが凄まじい。遠い位置からカーフ、ローを伸ばし、長いリーチを活かしたジャブで前進をストップする。相手がパンチの引きに合わせてカウンターを狙ってきても、スルッと後ろに下がって距離をリセットするうまさもある。
 
扇久保が勝つには、まずこの距離の違いを埋める必要があるのだが……。
 
それをできるネタは僕には見当たらない。
 
石渡伸太郎のように遠い間合いから身体を目いっぱい伸ばして打ち込む左もなければ、金太郎の“タマの取り合いしちゃるけん”的な一本キレた思い切りのよさも感じられない。
 
それこそ1RKO負けを喫した朝倉海戦のように、射程が合わずに一方的にフルボッコにされる展開が濃厚なのではないか。
井上としては、カウンターにだけ気をつけて遠間からカーフを蹴っていれば九分九厘勝てるという噂も……。
 
なので、扇久保が勝機を見出すにはやはりテイクダウンを狙うしかない。
扇久保が純粋なタックルでテイクダウンを奪ったシーンと言えば2019年12月のvs石渡伸太郎戦だが、上のパンチを見せる→下にタックルのパターンが井上に通用するかどうか。
 
あの試合は打撃である程度渡り合えたおかげで石渡をコーナーに追い詰めることができたが、井上はじっくり相手と対峙するというより常に左右に動き続けるタイプ。扇久保としても、コーナーに追い詰めるだけでも一苦労じゃないの? というのが本音だったりする。
 
 
何せこの身長差ですからね。


唯一懸念材料があるとすれば、ぶん殴りすぎた井上が拳を負傷することくらいか。
 

朝倉海vs瀧澤謙太

勝利予想:朝倉海
 
続いて第2試合の朝倉海vs瀧澤謙太戦について。
 
勝敗予想は順当に朝倉海とさせていただいたが、個人的に番狂わせが起きるとすればここだとも思っている。
 
前回の元谷友貴vs瀧澤謙太戦でも元谷勝利予想の声が多く、僕自身も元谷の勝利を予想させていただいた。
 
ところが結果はスタンドで1発当てた瀧澤が一気に攻めきっての勝利。スタンドでの怖さをモロに発揮して準決勝にコマを進めている。
 
 
対する朝倉海は初戦で渡辺修斗のテイクダウンにヒヤリとさせられ、準決勝ではアラン・ヒロ・ヤマニハの打撃に大苦戦。前評判ほどの強さを見せられずにいる。
 
井上直樹に穴が見当たらない。朝倉海は穴が目立つ。扇久保、瀧澤、ヤマニハ、金太郎、元谷、大塚。RIZIN30バンタム級GP2回戦答え合わせ
 
しかも過去の対戦を振り返ると、2019年12月のマネル・ケイプ、2020年12月の堀口恭司、2021年9月のアラン・ヒロ・ヤマニハとストライカー寄りの選手に苦労する傾向が見られる。
 
今回の瀧澤謙太も完全にストライカータイプで、なおかつ妙なタイミングの打撃を持ち味とする。
 
過去の対戦相手も2020年9月の金太郎、2021年9月の元谷友貴と打撃が得意な相手を下してきている(僕は元谷は打撃の選手だと思っている)。
 
 
展開としてはプレッシャーをかける朝倉海に対し、瀧澤謙太がサイドに動きながらカウンターを狙う流れになると思うが、どこかの段階で瀧澤の左が1発でも入れば。
 
前回の元谷戦でも勝負を決めた左フック以外にもショートのカウンターが何発かヒットしていたし、下がりながらでも威力をキープできるのもこの選手の特徴。
 
基本、朝倉海は1Rの2分半までが激強の選手なので、右ハイキックを見せながら朝倉の出足を封じつつラウンド後半に左を顔面にぶち込めれば。
 
 
てか、アレなんですよね。
個人的に“試合で勝った相手を手下にしていく”朝倉海のお決まりのパターンを崩してもらいたいというのがありまして。
 
仮に今回のGPで朝倉海が優勝した場合、後日戦った相手を自身のYouTubeに呼びつけて笑顔で「ありがとうございました」をやる可能性が高い。
 
勝利した相手と「だけ」しか“雨降って地固まる”をやらないコイツらの鼻を明かしてもらいたいというのがあったりなかったり。
 

金太郎vs元谷友貴

勝利予想:金太郎
 
そして、リザーブファイトの金太郎vs元谷友貴戦について。
 
この試合ははっきり言って上記2試合よりも勝負論のある組み合わせだと思っている。
勝利予想は金太郎とさせていただいたが、元谷が勝つ可能性も十分ある気がしている。
 
 
勝敗を分けそうなのはやはりスタンドでの攻防だろうか。
 
以前から何度も申し上げているように元谷友貴は基本的にはスタンドの選手。グランドでの極めが強いと言われているが、そこに持ち込むためにはまずスタンドである程度渡り合う必要がある。
 
2020年8月の魚井フルスイング戦、2021年6月の岡田遼戦を観ればそれは明白で、スタンドでそこそこ渡り合えた(上回った)からこその完勝だったと言っても過言ではない。
 
逆に2020年12月の井上直樹戦、2021年9月の瀧澤謙太戦ではスタンドで自分の形が作れず、1Rであっさり敗退している。
 
2019年12月のパトリック・ミックス戦もそうだが、相手のスケールが一定以上になると手も足も出なくなるのがこの選手の特徴? 限界値? なのかなと。
 
バンタム級GP答え合わせ&皇治vs白鳥、矢地vs川名、吉成vs誓。金太郎vs伊藤空也、倉本一真vsヤマニハ。地味におもしろい試合が多かった
 
つまり、今回は金太郎のスタンドが元谷の許容値を超えるかどうかが一番の見どころになる(と思う)。
 
魚井フルスングのように元谷のプレッシャーで下がらされた場合は相当危ない。コーナーに詰められ、苦し紛れに出した打撃にタックルを合わされるパターン。
 
逆に金太郎が持ち前の思い切りのよさを発揮して元谷の警戒心を煽ることができれば。
ゴリゴリの打撃戦に持ち込み、近場で膝を1発当ててKOという結末も?
 
 
いや、ホントにわからんですねこの試合は。
どちらも打撃に秀でていて、どちらも前に出てプレッシャーをかけるタイプ。
なおかつグランドにも対応可能なオールラウンダー。
 
打撃なら若干金太郎かな?
やっぱりグランドは元谷?
 
案外一方的になりそうな気もするし、ギリギリの消耗戦になりそうな気もしている。
 

那須川天心vs五味隆典

ラストは第13試合、那須川天心vs五味隆典について。
 
この試合は勝敗予想というより、決定までの経緯の方が「う〜ん」という印象が強い。
 
那須川天心は早い段階でボクシング転向、2021年末でのRIZIN卒業を宣言しており、もしかしたら今回K-1王者武尊との頂上対決が実現するかも? とも言われていた。
 
ところが実際には2022年6月の開催が正式発表されるという。
どうやら榊原信行CEOの進言? により、武尊戦のためだけに那須川天心サイドがキック引退を引き延ばすことにしたとか。
 
で、RIZINとしてはラストマッチの相手に日本人初のムエタイ統一王者吉成名高を見込んでいたところ……。
直前で吉成名高側がオファーを断り、急遽五味隆典とのボクシングルール対決が決定したとのこと。
 
 
こういうのを見ると、やはり那須川天心はボクシングに転向するしかない、キックではやることが残っていないんだなあと思わされる。
 
2021年6月のRIZIN28でも相手選びが難航した末に大﨑孔稀、HIROYA、所英男との3対1ボクシングマッチとかいうよくわからないことをやらされていたし、その際にも相手が逃げた、逃げないのしょーもない罵詈雑言が飛び交っていた。
 
 
また今回の五味隆典戦が発表されたのも2週間前。しかも体重差は13kg以上とのことで、いろいろな意味で「大丈夫かおい?」と言わざるを得ない。
 
こういう誰も幸せにならない、得をしないマッチメークが繰り返されるなら、本人のためにも早めにボクシングに転向した方がいいのではないか。
 
と同時に、那須川天心vs武尊の大晦日開催を期待していたファン(僕も含めて)にとっては何とも残念な話である。
もともとRIZINのキック部門にストーリー性がなく、常に行き当たりばったりなのも大きいとは思うが。
 
那須川天心vs武尊予想。やるなら2021年末のRIZINか? どっちでもいいからさっさと結論を出せよ。契約体重次第だろうけど、有利なのは…
 

吉成名高は天心とやるには小さいよな。知名度アップを狙うなら勝負してほしかったけど

僕も吉成名高の試合は会場やテレビで観たことがあるが、正直天心と対戦するには身体が小さいと思う。
 
もともとムエタイのミニフライ級(47.63kg)の選手で天心とは2階級の差がある。しかも初めて55kgで試合をしたのが2021年12月5日とのこと。スケジュール的にも厳しい上に自分の中での手応えも足りなかったのだろうと。
 
打倒那須川天心を掲げてRIZINに参戦&今回が最初で最後のチャンスではあったが、オファーを断ったこと自体はそこまでおかしい話ではない(気がする)。
 
吉成名高、井上直樹、クレベル・コイケ、倉本一真。RIZIN26で衝撃を受けた試合振り返り。やっぱり2週間の隔離は影響デカいよな
 
とは言え、ライト層に名前を売るには一発勝負に出る必要があったことも確か。賛否両論を呼んだメイウェザー戦で那須川天心が一気に知名度を上げたように、多少不利な条件でもオファーを受けておけば吉成名高の名前が広がった可能性は高い。
 
現状、那須川天心vs武尊戦を除けばもっとも耳目を集められるカードなのは間違いないわけで。
 

「勝負するべき」どうこう言えるのは部外者だから。内部の人間、責任者が名指しで選手を批判するなんて言語道断ですよ

そして、これはファンの身勝手な意見であることも重要。
「勝負するべき」どうこうの話はあくまで部外者の無責任な希望であり、内部の人間が言っていいことではない。
 
RIZINの榊原信行CEOがオファーを断った吉成名高を名指しで批判していたが、これは絶対やってはいけないことだと断言できる。
 
「【RIZIN】那須川天心戦を受けなかった吉成名高 榊原CEO「天心の前に立つ勇気がなかった」」
 
少し前に斎藤裕との対戦を断ったクレベル・コイケにも似たようなことをしていたが、なぜこのおっさんはこういうことを平気でやってしまうのか。


「勇気がない」
「逃げた」
「やる気のない」
こういう言葉を内部の人間、それも団体の責任者が特定の選手に浴びせる神経が僕にはまったく理解できない。
 
僕は部外者が「逃げた」だのと無責任に喚くのもダサいと思っているが、それを影響力のある人間が平然とやるというのは……。
 
もしかしたらクレベル・コイケにも吉成名高にも誠意に欠ける部分はあったのかもしれない。
だが、そういった内情を代表者が公衆の面前でペラペラと喋り倒すのはあまりに無神経である。
 
吉成名高に対しては本人が後日が謝罪コメントを出したようだが、だからといって「吉成名高が那須川天心から逃げた」印象が払拭できたわけではない。このおっさんの一時の感情のせいで、吉成名高はこの先ずーっと「那須川天心から逃げた」という十字架を背負わなくてはならなくなった。
 
朝倉未来がクレベル・コイケに失神KOで敗れる。リングならではの決着だったな。勝負論のある好ファイト
 
どちらに非があるか、実情はどうだったのかなど僕には知る由もないが、先方の事情も考えずに感情のまま一方的に相手を罵るやり方には心底虫唾が走る。
 
那須川天心vs武尊戦を正式決定したり、RIZINにメイウェザーを連れてきたりといった榊原氏のバイタリティは文句なしに凄まじい。だがその反面、自分の思い通りにならない相手への敬意のなさは目に余る。
 
 
那須川天心vs武尊戦に関しては頑なにノーコメントを貫いたくせに、うまくいかなかったクレベル・コイケや吉成名高には記者の前でペラつきまくるって。
 
率直に申し上げてクソである。
 

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