吉成名高、井上直樹、クレベル・コイケ、倉本一真。RIZIN26で衝撃を受けた試合振り返り。やっぱり2週間の隔離は影響デカいよな【2020.12.31感想】

吉成名高、井上直樹、クレベル・コイケ、倉本一真。RIZIN26で衝撃を受けた試合振り返り。やっぱり2週間の隔離は影響デカいよな【2020.12.31感想】

2020年12月31日にさいたまスーパーアリーナで行われたRIZIN26を現地観戦したことは先日申し上げた通り。
 
あるべき場所に戻ってきた堀口恭司。朝倉海を1RTKOに沈めて王座奪還。やっぱりRIZINの現地観戦はサイコーだなw
 
運営の稚拙さや格闘技ファンのマナーの悪さ等、気になる部分は相変わらず多かったものの、全体的にはめちゃくちゃ楽しく過ごせた次第です。
 
賛否両論のあった五味隆典vs皇治、シバターvsHIROYAのエキシビジョンマッチ2試合も個人的にはまあまあ楽しませていただきました。
 
特にHIROYAから打撃でダウンを奪ったシバターの健闘ぶりは目を引くものがあり、よくも悪くも今回の目玉の一つだったことは間違いなさそう。
 
アーカイブ公開から16時間の時点でメインの堀口恭司vs朝倉海戦よりも再生回数が伸びているというのは、要するにそういうことなのだろうと。


 
何だかんだで間口を広げて取っつきやすい環境を作る、話題性のあるカードを組むことにはそれなりの意味がある。
 
僕自身も生のマニー・パッキャオにつられて2019年4月のRIZIN15を現地観戦してからどハマりした人間だったりするわけで。
 
RIZINの現地観戦が楽し過ぎてマイッタ。堀口恭司も那須川天心もパッキャオもよかったけど、一番はヤスティナ・ハバかな
 
旧K-1やPRIDE時代にも立ち技系の選手とプロレスラーがMMAで対戦!! というものがありましたが、要するにあれと同じノリで観ればいいのかもしれませんね。
もともとのハードルが低いせいで、それなりにがんばる姿を見せると「お、すげえ。やるじゃねえか」となる流れ。
 
逆に平本蓮のように自らハードルを上げまくった割にジャンプがめちゃくちゃ低かった場合はとんでもないしっぺ返しがくる。
 
“話題性”という意味ではどちらも正解だと思いますが、今回のYouTuber vs 立ち技選手のミックスルールの方がよりピースフルでよかったっすねww
 
 
というわけで表題の件。
今回はRIZIN26の中で、僕の印象に強く残った試合の感想を申し上げていくことにします。


 

○倉本一真vs中原太陽×(1R2分12秒TKO)

 
レスリングの元トップ選手である倉本一真がMMA転向以降8勝1敗の戦績を引っさげてRIZIN初参戦。初代タイガーマスクの愛弟子・中原太陽に1RTKO勝利した試合です。
 
この試合は第2試合ということもあって会場の盛り上がりもいまいちだったのですが、その中においてこの選手のパフォーマンスは群を抜いていました。
 
序盤から野生的なステップと前後の動きで距離を詰め、オーバーハンドの右を見せながらのタックルで中原をコーナーに押し付ける。
 
一度はスタンドに戻されたものの、今度は右のパンチをヒットしてダウンを奪うとそこから再びグランドに移行。バックからパウンドを落としまくってあっという間にレフェリーストップを呼び込んでしまいました。
 
レスリング出身の選手は相手を寝かせた後の手がない印象が強いのですが、この選手に関してはまったくそんなことはなく。
スルスルっとサイドから回り込み、相手の背中側を取ってゴンゴンパンチの雨を降らせます。
 
この日デビュー戦を迎えたグレコローマンの銀メダリスト、太田忍はこの状態からやれることがなく戸惑っていましたが、倉本一真は一味違う。いっさい躊躇することなく決めきってしまいました。
 
ここからの手がない太田忍。

 
この状態に持ち込める倉本一真。

 
もちろん中原太陽と所英男では足関節の技術に差があったのかもしれませんが、とにかくすごい。レスリングのトップ選手がMMAに適応するとこんなにすげえんだぞというのを見せつけられました。
 
倉本一真の今後に期待するとともに、太田忍も今回の敗戦でめげずにがんばってもらたいと思える試合です。
 
ついでに言うと、入場曲がケモ・ザ・ブラキシカンの「Just What You Feelin」というのはいい味出してましたよね。

Just What You Feelin (feat. Sen Dog & Tetsuya Nakamura)
Kemo the Blaxican
ヒップホップ/ラップ
¥204

今回は外国人選手の参戦が少なく入場曲も想定内のものが多かったのですが、唯一倉本一真の入場曲だけは「おお!」となりました。
ケモ・ザ・ブラキシカンをチョイスするセンスはなかなか……。
 
まあ、僕の中ではRIZIN15でヤスティナ・ハバが使用したラムシュタイン「Ich will」がRIZIN史上最高の入場曲と断言できますけどね。

Ich will
ラムシュタイン
メタル
¥255

まさかラムシュタインとは。
これには完全に一本取られた感がありました。
 
青木真也vsジェームズ・ナカシマ感想。すげえな青木。僕が知る中でのベストバウトかもしれん。でもUFCに行くのは違う気がするぞ
 

○井上直樹vs元谷友貴×(1R3分00秒タップアウト)

 
この試合はもう、井上直樹のすごさがひたすら発揮されただけの一戦というか。
バンタム級四天王の1人、元谷友貴に何もさせずに一本勝ちしてしまうパフォーマンスは圧巻としか言いようがありません。
 
手足が長くて前後左右への足もある。スタンドでの打撃もいける。
前回もちょろっと申し上げましたが、同門の佐々木憂流迦よりも全然強そうに思えます。

 
本人は試合後にタイトルマッチがしたいとコメントしておりましたが、個人的には堀口恭司よりも朝倉海との一戦が観たい。
 
スタンドでの打撃がダメダメだった佐々木憂流迦は朝倉のパンチであっさりと撃沈させられましたが、井上直樹のオールラウンダーっぷりなら何かを起こせる可能性は十分ありそう。
 
あのたどたどしいマイクを聞いて榊原のおっさんがどう感じるか。キャラが立っていると思うか、それとも朝倉海の相手にふさわしくないと判断するかは何とも言えないところですが。
 
あとはまあ、元谷友貴は2019年末のパトリック・ミックス戦でも思いましたが、相手のスケールが一定以上になると飲み込まれてしまう印象ですね。
 

○クレベル・コイケvsカイル・アグォン×(1R4分22秒タップアウト)

 
お次は第9試合のクレベル・コイケvsカイル・アグォン戦。
この試合も井上直樹vs元谷友貴戦同様、めちゃくちゃすごかったです。
 
僕はクレベル・コイケのことはこれまで名前しか知らなかったのですが、いや、こりゃかなり強いんじゃないっすかね?
 
一見打撃が微妙な感じもしますが、長い手足を駆使して変な角度から飛んでくるパンチとキックは出どころが見にくく対策しづらそう。

 
グランドに持込んで以降のキレっぷりなども含め、ちょっとだけUFCのトニー・ファーガソンと似ている感じもします。
 
相手のカイル・アグォンも決して弱い選手ではないはずで、割とガチで平本蓮を下した萩原京平にも勝つんじゃねえか? という。
 
試合前の会見で「いずれ朝倉未来と対戦したい」と発言していましたが、確かにそれはおもしろそうですね。
朝倉未来の空間支配が上回るか、クレベル・コイケがカウンターをかいくぐって長い手足を活かしてニュルニュルと寝技に持ち込むか。
 
欲を言えばスタンドでの爆発力がもう少しあればとも思いますが、フェザー級のトップ戦線に絡む実力は十分ありそうに思えます。
 
いや、すげえなマジで。
さすがはホベルト・サトシ・ソウザの同門だけある。本当にまだまだ僕の知らないいい選手がたくさんいますよね。
 
マクレガーvsポイエー、チャンドラーvsダン・フッカー振り返り。マクレガーの負け方はストライカー全盛時代の終焉みたいな試合だったな
 

○浜崎朱加vs山本美憂×(1R1分42秒タップアウト)

いつも思うのですが、山本一族のこの独特の華は何なんでしょうか。
以前もちょろっと申し上げましたが、“DQN一歩手前のカッコよさ”というのは確実にあると思っていて、山本KIDや美憂を始め、この一族の持つ雰囲気は見事にそれに合致します。
 
“判定のカリスマ”山本美憂を見ろ。RIZIN発のスターは朝倉未来じゃなく山本美優だから。DQN一歩手前のスレスレ感が一番カッコいいんだよw
 
まあ3度離婚、4度結婚の上に46歳でMMAの最前線でやっているなんてね。そらあなた、DQN一歩手前のカッコよさが出るっつー話ですよww


 
この華ですからね。


 
なお試合自体は……。
浜崎朱加との実力差はもちろんのこと、今回の山本パイセン、最初から右膝がおかしかったのかもしれませんね。
全体的に動きも悪かったし、開始直後にローを何発か蹴られただけで嫌がる仕草が見て取れました。
 
絶好調で挑んでも難しい相手だった分、いろいろと残念でした。
 

○吉成名高vsペットマライ・ペットジャルーンウィット×(1R2分20秒KO)

 
そして、この日僕がもっとも衝撃を受けた試合がコレ。
第6試合の吉成名高 vsペットマライ・ペットジャルーンウィット戦です。
 
吉成名高は日本人初のラジャダムナン・ルンピニー統一王者とのことで、ムエタイ界隈では知らぬ人がいないレベルのスーパーマンという話。
 
僕もPPVを購入したRIZIN22でこの選手を初めて観たのですが、正直そのときはすごさがよくわからず。
相手をコテンコテンと投げてばかりで、いまいち盛り上がらんなぁ〜程度の認識でしかなかったことを報告させていただきます。
 
ところが……。
今回のペットマライ戦では前回のような組みからの投げは使わず、中間距離でのキックと近場での肘で相手を圧倒。「フルボッコ」という言葉がピッタリの内容で1RKO勝利を挙げてしまいました。

 
いや、すごかったですね。
ドン引きする強さというか、背筋が寒くなるファイト。
 
那須川天心の試合は“華麗な動きに魅せられる”感じですが、この選手が感じさせるのは絶望感。「あ、もうヤバい」「絶対勝てないわ」的な、寒気がするような恐怖です。
 
その流れで前回の優心戦をもう一度観てみたところ……。

ダーメだ。
これはダメだ。
 
誇張でも何でもなく、大人と子どもくらいの差がある。
投げてばかりで盛り上がらんなぁどころではない、力の差がありすぎて相手がまともに立ってられないだけだったという。
 
昔からよく“ちぎっては投げ、ちぎっては投げ”という表現を耳にしますが、この試合はまさにそれでした。
だって、1Rの中盤くらいで優心陣営から「諦めんな!!」って声が聞こえますからね。
 
 
さらにKNOCK OUTでの石井一成vs吉成名高のエキシビジョンマッチがすごかったとTwitterで教えていただいたので観てみたのですが、

ガチですごくてワロタww
 
石井一成ってアレですよ。僕も知ってるくらいのめちゃくちゃいい選手ですからね。
 
その選手(階級上)と互角以上に渡り合いつつ、2Rから一段ギアを上げてさらに異次元のパフォーマンスを見せつけるという。
エキシビジョンとは言え、この選手のポテンシャルの高さは十分すぎるくらい伝わってきます。
 
 
そう考えると、吉成名高のよさが一番出るのはKNOCK OUTかもしれませんね。
 
現状、RIZINではこの選手に見合う相手を連れてくるのは難しい。K-1は肘なしルールに加えて独占契約の縛りがキツい。
その点KNOCK OUTであれば肘ありor肘なしを選べる上に、名前を売るためにRIZINと掛け持ちすることもできる? のかな?
 
少しだけムエタイの試合も漁ってみましたが、やっぱりゾクゾクするくらい強いっすねww

 
那須川天心vs皇治感想。リスクを背負ったのは那須川天心だし、皇治はホントにおいしい試合だった。K-1を離脱した行動力は素晴らしいけど
 

2週間の隔離はキツいよね。ここを真剣に何とかしないと有力選手に離脱される可能性も…

最後になりますが、やはり海外からの渡航+2週間の隔離を課される選手と日本を拠点にする選手とでは条件に差がありすぎる気はします。
 
○吉成名高vsペットマライ・ペットジャルーンウィット×
○クレベル・コイケvsカイル・アグォン×
○浜崎朱加vs山本美憂×
○浜那須川天心vsクマンドーイ・ペットジャルーンウィット×
×朝倉海vs堀口恭司○
 
今回も海外からの渡航組はメインの堀口恭司以外全員が敗戦(他にもいた?)。純粋な実力差もあるのかもしれませんが、隔離期間の影響も少なからずあったのではないでしょうか。
 
先日も申し上げたように今回のRIZIN26は興味のある試合が多かったためにこういう不公平感には目をつぶりましたが、この部分に関してはマジで何かの対策があればと思います。
 
恐らく今後もコロナの影響は続くはずで、2週間の隔離期間のせいで海外の有力選手が参戦を拒否する、他団体に移籍するといったケースも十分考えられるわけで。
 
年に何試合もできない一発勝負の格闘技では特に重要になるのかなと。
 

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