那須川天心vs風音戦感想。天心の勝ちで問題ないと思うけど、攻略のネタが揃いつつあるのが…。これは武尊有利に傾きつつあるんじゃない?
2022年4月2日に東京・代々木競技場第一体育館で行われたRISE ELDORADO 2022。メインイベントに登場した那須川天心が同門の風音と55kg契約3分3Rで対戦し、2-0の判定で那須川天心が勝利。通算成績を41戦全勝28KOとした。
RISEでのラストマッチの舞台に上がった那須川天心。ところが同門の風音を相手に判定勝利を挙げたものの、一部からは忖度判定とも言われる大苦戦。6月19日に東京ドームで予定される武尊戦に不安を残す内容となった。
ちなみにこの日の僕はバスケ観戦に出かけており、RISEの存在自体を忘却していた。
で、帰宅後にスポーツニュースで試合があったことを知った次第である。
八王子ビートレインズがしながわシティに快勝。でもこの試合は100点ゲームで勝たなきゃダメだった。舐めプの結果、案の定…
天心の勝利でいいと思うよ。お互いにダウンか? というシーンが1回ずつあったけど
那須川天心vs風音。
申し上げたように僕は当初この試合をすっかり忘れていた。
帰宅後に「那須川天心が苦戦した」「忖度の判定だった」という声を聞いて「ああ、そういえば今日だったか」と思い出し、後追いで視聴してみたわけだが……。
まず判定結果についてだが、僕は那須川天心の勝利で問題ないと思っている。
全体を通した感想としては、苦戦には違いないが天心は負けてはいない。
クリーンヒットの数、ダメージ、印象的な1発、試合のペース。どれを取っても天心がわずかにリードしていたように思える。
僕のクソ素人採点では1Rは天心、2Rは微妙だけど風音? 3Rはこれまた微妙だけど天心かなぁといったところ。
試合後は風音勝利の声が多かったようだが、正直はっきりと風音が取ったと言い切れるラウンドはなかった気がする。
なお、1R中盤あたりで天心がスリップ気味のダウンを喫したが、アレはダウンと取られてもおかしくなかったと思う。
また3Rに天心の胴回し回転蹴り→風音のスリップダウンも見ようによってはダウン判定でいいかもしれない。
仮にあの二つが両方ダウンなら1、2Rが風音、3Rが天心となって結果は風音が勝利。逆に3Rの胴回し回転蹴りでのスリップだけがダウンだった場合は文句なしに天心の勝利となる。
大接戦には違いないが判定自体はそこまでおかしなものではない。風音にとっては残念な結果だったが、今回は天心の主人公属性が勝ったと考えるしかない。
那須川天心vs武尊戦のルール決定。当日計量が試合3時間前。Aサイドの天心陣営主導で動いている試合なんだろうな。チケット価格最高300万円はびっくりしたよ
風音陣営に研究されてたなぁ。天心攻略には下から崩してプレッシャー→打ち合いで勝負
大苦戦を強いられた那須川天心に関しては、不調に加えて風音陣営に研究されていたことが大きかったなぁと。
まず、那須川天心を攻略するにはローとミドルを駆使して下から崩すというのが最適解なのは間違いなさそう。
RISE ELDORADO 2021現地観戦。那須川天心が苦戦。原口健飛クッソ強い。相内誠ががが。格闘技ハァンやっぱりすげえw
今回も風音のローに嫌そうな表情を見せていたし、2020年12月のクマンドーイ戦や2021年2月の志朗戦でもガードの上から強烈なミドルを何発ももらってしんどそうにしていた。
下をガシガシ蹴られると足が止まる→相手の圧力を正面から受けてしまう傾向は随所に見られる。
そして、正対したところで圧力をかけて打ち合いに巻き込むのが理想。
これまでもっとも天心を苦戦させた2018年6月のロッタン・ジットムアンノンと同じ流れに持ち込めれば。
風音は前に出てプレッシャーをかけるというより差し合いで勝負するタイプだったが、それでも強引にこられるとロープを背負わされるシーンが目についた。
特に最近の天心はパンチに傾倒しており、余裕がなくなると手だけで何とかしようとしがち。
カウンターのタイミングは素晴らしいし目もいいと思うが、KOの危険度という意味では以前ほどではない。「何が飛び出すかわからない」びっくり箱のような豪快さは薄れつつある。
それに加えて減量苦? 調整の失敗? により、動きそのものがよくなかった。
ぱっと見の印象だが、いつもよりも身体に力感がなくフワフワしていた。
まあ、武尊戦(58kg)に照準を合わせて身体を作っている最中の55kgは結構難しかったのかもしれませんね。
【RISE】那須川天心が一夜明けて告白。減量苦で「こんなの人生で1回も無い。力が入らなかった」。武尊戦は「自分の好きなようにやるしかない」#RISE #那須川天心 https://t.co/wo8nUfXnX9
— ゴング格闘技 (@GONG_KAKUTOGI) April 3, 2022
天心vs武尊は武尊有利か? 相性的にも武尊は天心攻略のネタを兼ね備えてそう
先日、那須川天心vs武尊戦の東京ドーム開催(6月19日)が正式発表されたわけだが、今回の試合を観ると武尊がやや有利か? という気がしてきている。
僕はこれまでこの対戦がどうなるかがまったくわからず、今も答えを出せずにいる。
天心がポイントアウトする感じもするし、武尊がどこかで捕まえる気もする。そもそもラウンド数が発表されていないので予想もクソもない。
世間的には天心有利の予想が多いようだが、だったら僕はあえて武尊の判定勝ちにしておくか。
ちっともわからないので諦めたというか、いつもの? 天邪鬼気質で武尊勝利とさせていただいた。
那須川天心vs武尊予想。やるなら2021年末のRIZINか? どっちでもいいからさっさと結論を出せよ。契約体重次第だろうけど、有利なのは…
ただ、今回の那須川天心vs風音戦を受けて本格的に武尊勝利予想に傾きつつある。冗談抜きで武尊がKOする可能性も出てきたんじゃねえの? みたいな。
上述の通り天心攻略には
・ロー、ミドルで崩す
・ゴリゴリに圧力をかけて打ち合いに巻き込む
ことが重要。
しかも最近の天心はボクシング転向を見越してか、ファイトスタイルがパンチに偏り気味。余裕がなくなると手だけで対応しがちなところがある。
ローや前蹴りでの崩しが得意&打たれ強く近場での打ち合い上等の武尊にとっては相性がいい相手と言える。
対戦相手が決まらない、ボクシング転向、コロコロ体重が変わる。いろいろ手を出しすぎて下降気味の天心
さらに最近の両者を比べてみても武尊に分があるように思えてくる。
那須川天心の直近3戦は
・鈴木真彦(2021年9月)
・五味隆典(2021年12月)
・風音(2022年4月)
昨年末の五味隆典戦は体重差20kgのボクシングルールという変則マッチで、予定していた吉成名高戦がポシャったために急遽組まれたもの。
今回のRISEラストマッチも当初はロッタン・ジットムアンノンとの再戦を模索していたようだが、結局スケジュールや階級の問題で調整がつかず。消去法的に風音が選ばれている。
予想外だらけのRIZIN33。八百長? あり、純粋なMMAあり、最強幻想あり、ベラトール表明あり。シバター、天心、パク・シウ、サトシ、カズJr.その他感想
もっと言うと、2021年9月の鈴木真彦も過去に対戦のオファーを断られた経緯がある。試合前から両者の間には微妙な空気が流れていた。
・一度対戦を断られた相手との不本意な因縁マッチ
・吉成名高→体重差20kgのボクシングルール(エキシビジョン)に変更
・ロッタンとの再戦→同門の風音に変更
それ以前にも大﨑孔稀、HIROYA、所英男との3対1のボクシングマッチといった意味不明なエキシビジョンに駆り出されたり、ここ最近の天心は相手探しに苦労している。
まあ、対戦相手が決まらないのはRIZINキック部門の行き当たりばったりさにも原因があるのだが。
その上これまで二人三脚でやってきた父親との関係も微妙になっているとか。
なぜ那須川天心の父・弘幸が対戦相手のセコンドに?「いまは風音との絆の方が強い」「息子だろうと関係ない」“禁断の親子対決”の真相(布施鋼治)#格闘技 #RISE #RISE_ELDRD #那須川天心 #風音 #那須川弘幸 https://t.co/8KxabfEKHJ
— Number編集部 (@numberweb) April 1, 2022
ボクシングとキックの練習を並行しつつ、五味隆典との20kg差マッチ→風音との55kg契約戦(階級上のロッタンとの再戦を見据えていた)をこなして自分よりも重い武尊との大一番(58kg契約)に備える。
これだけあれこれ手を出して体重もコロコロ変わればそりゃ不調にもなるし、父親兼トレーナーともギクシャクするでしょという話である。
クレベル・コイケvs萩原京平はさすがの僕も厳しいなとオモタ。打倒クレベルの可能性が一番ありそうなのって実は…
満を辞して大一番に挑む武尊。ピーキングと勝負強さ、徹底的なサウスポー対策
一方の武尊は最後の試合が2021年3月のレオナ・ペタス戦。先日軍司泰斗とのエキシビジョンマッチを行なったが、公式戦自体は約1年3ヶ月ぶりとなる。
だが、それ以外ではボクシングジムでの出稽古や各キック選手との練習でサウスポー対策に余念がない。
場慣れという意味でも2月に軍司泰斗とのエキシビジョンを入れたのも悪くない。
そして何より、この選手のピーキング、ここぞの勝負強さは凄まじいものがある。
2021年3月のレオナ・ペタス戦ではブランク明けだったことや村越優汰に苦戦を強いられたことで試合前は不利予想も多かったが、蓋を開けてみれば見事なKO勝利。すべての不安要素を吹っ飛ばす千両役者っぷりを見せつけた。
武尊vsレオナ・ペタス感想。武尊の主人公属性がすべての予想をひっくり返す。K-1のすごさと未成熟さが絶妙なバランスで噛み合った
調子が下降気味で攻略法も出揃っている那須川天心。
情報を隠しつつ(vsサウスポーの情報が村越優汰戦しかない)徹底的なサウスポー対策で本番に備える武尊。
“満を辞して”という意味ではボクシング転向を控えた中途半端な状態の天心よりも期待度は高い。
コンディション的にもメンタル的にも風向きが武尊に向いてきた気がするのだが。