2018年MLB開幕。躍動する大谷翔平。「動く球を覚えるべき」でも「メジャー仕様にモデルチェンジしたから勝てた」んでもないと思うよ
MLBロサンゼルス・エンゼルスの大谷翔平が2018年4月4日(日本時間5日)、本拠地インディアンス戦に8番DHで先発。5回の第2打席に2試合連続となる2号2ランを放った。さらに延長10回の第5打席でもセンター前ヒットを放ち、5打数2安打2打点の活躍を見せた。
試合はエンゼルスが延長13回3-2でサヨナラ勝ちを収めている。
「大エース松坂大輔の復活。550日ぶりの一軍登板は5回3失点で初黒星。そんなことより中日がクッソ弱いんだがww」
前日、本拠地初打席で3ランHRを放ち、ファンの度肝を抜いた大谷がまたしても躍動した。
本拠地デビューでの2試合連続HRはルーキーとしては史上初の快挙。しかも相手先発は2017年のサイヤング賞投手コーリー・クルーバーである。
オープン戦では不調を極め、二刀流どころかメディアにマイナースタートを進言されるなど、懐疑的な目で見られていた大谷。
だが、先発初勝利を挙げた4月1日を含め、周囲の評価は一変しつつある。
「画期的なパフォーマンス」
「二刀流のチャレンジを可能と感じさせた」
なお、次回は4月8日(日本時間4月9日)、アスレチック戦での先発登板が予定されている。
「2018年に横浜DeNAベイスターズがセリーグ優勝する理由」
大谷翔平やっぱりすげえなww あんまり観てなかったけど、一気に目が覚めましたよ
MLBロサンゼルス・エンゼルスに移籍した大谷翔平がすごい。
初先発で初勝利を挙げ、その2日以内に打者として本塁打。
これは1921年のベーブ・ルース以来の快挙とのことで、これまで二刀流に懐疑的だったファンやメディアも一様に大谷を称賛し始めている。
まあ、投手と打者を両立すること自体がレアケースなわけで、ちょっと活躍すればだいたい「ベーブ・ルース以来」になるでしょ。という噂もあるのだがww
「大谷6回1/3、11奪三振103球で勝敗つかず。なるほどカーブを便利使いか。スライダーの高速化よりも手っ取り早い」
そして、実を言うと僕は今シーズンの大谷をあまり観ていなかった。
時間がなかったのもあるが、中日ドラゴンズに入団した松坂大輔さんを追うので忙しかったというのが大きな理由であるww
「中日松坂大輔さんが開幕ローテ決定的? らしいけど、オープン戦最終登板を観た感想を言っていくぞ」
だがその中でも、先日の先発試合や2日連続HRはしっかりチェックし、顎が外れるほど驚いた次第である。
正直に申し上げると、オープン戦をざっと観る限り投打ともに少し時間がかかるかなと思っていた。
ところが、実際は開幕した途端に別人状態。
「大谷6回1/3、11奪三振103球で勝敗つかず。なるほどカーブを便利使いか。スライダーの高速化よりも手っ取り早い」
日本時代からそうだが、この選手のオープン戦の成績(防御率27.00、打率.125)はちっとも当てにならないww
2013年のルーキーイヤーから「投打どちらか一方を選べないから両方やるんだろ?」と言い続け、
「大谷は早くMLBに行った方がいい」
「もう二刀流でMLBに行っちゃえよ」
「『投手と打者、両方やらせてくれるなら入団してやってもいい』という超上から目線で移籍してほしい」
と訴えてきた人間としては、今の状況にはテンション上がりまくりであるww
「大谷翔平2016!! 二刀流に大賛成の僕が今さらだけどその理由を語ってみる。マジで二刀流でメジャーに行っちゃえよ大谷」
もちろん、ここからどうなるかはまったくわからない。
疲労や故障で調子を落としたり、研究されて壁にぶつかることもあると思う。
ただ、少なくともこの数戦で、多くのMLB関係者やファンが「投打両方で大谷を観たい」と思ったのではないか。
そして、僕は過去5年間、大谷にずっとそう思わされてきたことをつけ加えておく。
初登板で初勝利。投手大谷翔平はどうなのか。まだ、いまいち掴みきれてないかなぁと
では、今回は「投手大谷」について。
4月1日(日本時間2日)の初登板を振り返ってみる。
Already need a little distraction from work today? Ohtani is here for you… pic.twitter.com/AUr3bvxzMH
— Angels (@Angels) 2018年4月2日
率直な感想としては「まあまあだった」かなと。
申し上げたように、オープン戦に比べてはるかによかったことは間違いない。ボールが手につかず、打者と勝負するどころではなかった状態から、よくここまで持ってきたなというほどに。
だが、本来の大谷はこんなもんじゃない。
今のところのキャリアハイは2016年だが、あのシーズンに比べれば7割程度の出来ではないか。
平均97.4マイル(約156.7km)のストレート、
平均89.3マイル(約143~144km)のスプリット、
平均82.3マイル(約132~133km)のスライダー
という組み合わせのピッチングだが、どの球種も若干抜け球が目立つ。
特にスライダーはまだまだで、どちらかと言えばストレートとスプリットの2ピッチに近い。
「ヤクルトはなぜ弱くなったのか。2015年の優勝時と2017年では何が違ったのか。意外と球場にも原因があるかもよ?」
また、オープン戦のピッチングを観て、
「大谷は動くボールを覚える必要がある」
「160kmでも、きれいなまっすぐはメジャーでは打たれる」
「オープン戦からメジャー仕様にモデルチェンジしたから勝てた」
と評する日本の野球解説者が多くいたが、ちょっと違う。
とりあえず断言できるのは、160kmのきれいなまっすぐは打たれない。
「ビッグフライ オオタニサン!! 野球観戦の情熱が減退する中、大谷翔平のホームランでワクワクするだけの簡単なお仕事」
先日の大谷のストレートの平均球速が97.4マイル(約156.7km)。これはMLB全体で7位。先発投手に限れば、ヤンキースのルイス・セベリーノの97.7マイル(約157km)、メッツのノア・シンダーガードの97.5マイル(約156.9km)に次ぐ3位のスピードである。
まだ試合数が少ないが、これだけでもMLB屈指のスピードボールの持ち主ということがわかる。
実際の球速以上に速く見える大谷のストレート。「Perceived Velocity」の高さが顕著
また、ちょっとおもしろいと思ったのが「Perceived Velocity」という項目。
直訳すると「知覚速度」となるようだが、恐らく体感速度を表すのだと思う。
「Perceived Velocity (PV)」
↑ここを読むと、実際の球速に比べて打者が感じる速度を表すものらしい。
実際の球速よりこのPerceived Velocityが高ければ体感速度が速い球。遅ければ、球速ほど速さを感じない球ということになる。
そして、大谷のPVの値が98.2マイル(約158km)。
実際の速度より1km以上も速く感じるとのことである。
・セベリーノ:
平均球速97.2マイル(約157km)、PV97.2マイル(約156.4km)
・シンダーガード:
平均球速97.5マイル(約156.9km)、PV97.3マイル(約156.6km)
・大谷:
平均球速97.4マイル(約156.7km)、PV98.2マイル(約158km)
その他のリリーフ陣を含めても、この球速帯で実際の球速をPVがここまで上回っている投手はいない。
「松坂大輔2018年成績予想。ついにこの季節がやってきました。ほら見ろ、松坂はすげえだろが。あ?」
このPVはリリースポイントを参考に算出されるもので、いかに打者に近い位置でボールを離したかが影響するという。
そこで「Avg Extension(feet)」(足を踏み出した位置を表す数値)の項目を見ると、
セベリーノ:6.2フィート(約189cm)
シンダーガード:6.1フィート(約186cm)
大谷:6.7フィート(約204cm)
とある。
つまり大谷はセベリーノよりも約15cm、シンダーガードよりも約18cmも踏み出し位置が前にあることを意味する(MLBの平均は6フィート、約183cm)。
踏み出しが大きければその分打者に近い位置でボールを離すことが可能になり、よりPerceived Velocity(体感速度)をアップさせられる。
しかも大谷は193cmの長身から投げ下ろすフォームなので、必然的にボールに角度がつく。
「ダラス・カイケルとかいう88マイルのシンカーをひたすら投げ続けてフライボール・レボリューションに巻き込まれなかった人」
近い位置で、なおかつ角度のついたストレート。
打者からすれば、相当速く感じるのではないだろうか。
これなら別に動く球を覚える必要はない。
平均球速95、6マイル前後を維持して再現性を高めれば、MLBの中でも相当ハイレベルなストレートになるはず。
「松坂大輔の熱い123球に感動ww やっぱりすげえわコイツ。あの空気感を出せるのは選ばれた選手だけ」
メジャー仕様にモデルチェンジしたのではなく、MAXの状態に近づきつつあるという話。でも、まだまだ全然物足りないですよ
また「オープン戦からメジャー仕様にモデルチェンジしたから勝てた」という意見についてだが、これもちょっと違う。
というか、大谷は別にモデルチェンジしていない。
繰り返しになるが、これまでの大谷のキャリアハイは2016年。そして、今のところその水準にはまったく達していない。
大谷がガチでヤバかった2016年。
大谷翔平が1安打15奪三振で完封!日本ハムファイターズは2012年ぶりの優勝を決めた!二刀流として今季大活躍の大谷は、投手として10勝、本塁打は22本を記録している。
https://t.co/SceyF6RqUs via @PacificleagueTV— MLB Japan (@MLBJapan) 2016年9月29日
7回を投げて被安打1、無失点に封じる完ぺきな投球。ストレートも、スライダーも、フォークも、すべてがすごい、北海道日本ハム(@FightersPR)・大谷選手の投球まとめ!https://t.co/y8Iuesa1bO #大谷翔平
— パ・リーグ.com / パーソル パ・リーグTV公式 (@PacificleagueTV) 2016年10月12日
ストレートが157~160km前後。
スプリットが140~145km前後。
スライダーが132、3~138km前後。
カーブが128、129km前後。
ピンチを迎えてギアを上げるとストレートが常時160kmを計測し、スプリットが150kmを超える。
さらにスライダーが130km後半まで上がり、いわゆるスラッター化する。
アベレージでこのピッチングができれば、間違いなくMLBでも先発一番手クラス。スラッターが140kmを超えればサイヤング賞すら狙える投手になれると思う。
「大谷165kmキター!! 大谷のストレートの質が悪い? ファールされる160kmより空振りが取れる140kmの方が上? そうなの?」
スライダーの球速がアップしてスラッター化すれば、一気に覚醒する。メジャー仕様とかではなく、今のスタイルをグレードアップさせていけばいいと思う
何度も申し上げるが、今の大谷はキャリアハイの2016年の水準にはまったく至っていない。
特にスライダーは微妙で、コントロールしきれているとは言い難い。というより、もう少し球速と強度がほしい。
↓本人が「投げ切れたと思ったのに打たれた」と言っていたのがコレ。
Matt Chapman says, “Welcome to The Show.” pic.twitter.com/IVNazlT1WW
— MLB (@MLB) 2018年4月1日
83マイルで外いっぱいに沈むスライダー。
いったんフワッと浮いて沈むので、アッパースイングの打者にとっては捉えやすい軌道になっている。2016年時点の「ギュイン」と鋭角に落ちるスラッターに比べてだいぶ物足りない。
おかげで軽々とレフトスタンドにぶち込まれてしまった。
「スーパーエースの無双こそが一戦必勝のトーナメントを勝ち上がる最善手。金足農業・吉田輝星投手は最後まで腕を振る」
当面の課題として、このスライダーの球速を上げたい。できれば87~88マイル(140~141.5km)程度。
現段階でもスプリットは十分いいので、このスライダーが高速化してくれればさらにぶっ飛んだ超人大谷が観られるはず。
↓だって、平均157kmのストレート+このお化けスプリットですよww
— MLB (@MLB) 2018年4月1日
ここに高速化したスライダー(スラッター)が加われば、人類が反応で打つのなんて無理ゲーっすよww
で、余裕が出てきたところで120km弱のカーブで緩急をつければ、どう考えてもサイヤング賞まっしぐらじゃないっすか?
「大谷翔平の課題はスライダーかな。スプリットがダメ日は投げる球がなくなっちゃう。早急に球速をアップしてスラッター化したいね」
要は「メジャー仕様にモデルチェンジした」から勝てたのではなく、本来の姿に近づきつつあるから勝てた。
しかも、大谷のポテンシャルはこんなもんじゃない。ボールやマウンド、乾燥などに適応すればまだまだ上がある。というのがファイナルアンサーだと思う。
ん?
どうっすか?
めっちゃ楽しみじゃないっすか?
「長友「年齢で物事判断する人はサッカー知らない人。」←ああ、言っちゃった。力の落ちたベテランをいかに干すか? 団体スポーツって難しい」
まあ、あとはマジで疲労と故障だよね。
マエケンもスタートダッシュはよかったけど、そこから疲労でだんだん落ちていったからね。
「大谷翔平が日ハムの足を引っ張っている? 相手を勢いづけたのは覚醒した投手大谷だった?」
なお「打者大谷」についてはまた今度。
と言っても、打撃は難し過ぎてよくわからないんですよね……。
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