ルイス・ネリvsアザト・ホバニシャンは興味深い組み合わせ。連打型のホバニシャンはネリの苦手なタイプっぽい。でも、応援するのはネリかな?【予想・展望】

ルイス・ネリvsアザト・ホバニシャンは興味深い組み合わせ。連打型のホバニシャンはネリの苦手なタイプっぽい。でも、応援するのはネリかな?【予想・展望】

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2023年2月18日(日本時間19日)に米・カリフォルニア州で行われるWBC世界S・バンタム級挑戦者決定戦。同級1位ルイス・ネリと2位アザト・ホバニシャンが対戦する。
 
この両者の対戦は昨年11月のWBC総会で挑戦者決定戦として承認されたもので、今回ようやく正式決定したとのこと。
 
ルイス・ネリがよかった。この階級にフィットしてきた感がある。相変わらずの前半型で危なっかしいけどホバニシャンは初のKO負け
 
現在WBC王座はスティーブン・フルトンが保持しており、日本の井上尚弥と防衛戦を行うことが濃厚と言われている。
 
だがルイス・ネリはバンタム級時代に体重超過や禁止薬物陽性反応が出た過去があり、現在は日本で試合ができない状況。仮に井上がフルトンに勝利&ネリが指名挑戦権を得ても日本開催とはいかない。また所属も違うために交渉も難航しそうである。
 
一方のアザト・ホバニシャンは21勝3敗17KOの戦績を持つ強豪で、2015年以降はレイ・バルガスとのタイトルマッチ以外に負けはない。年齢的にも絶対に落とせない試合になりそうである。
 
復帰戦のリゴンドー。地球上でもっとも不愉快なアイツが戻ってくる。3連敗阻止に向けてヘスス・マルティネスと対戦。バネの低下がオフェンスに影響してる気ががが
 

すんなり決まったネリvsホバニシャン戦。GBPの後押しがあったらしいね

井上尚弥とスティーブン・フルトンの交渉に注目が集まる中、しれっと正式発表された挑戦者決定戦。
 
ルイス・ネリとアザト・ホバニシャンの対戦は昨年末にWBCの承認を得たとのこと。
 
確かホバニシャンをプロモートするGBPの後押しによってPBC所属のネリとの対戦交渉がスムーズに進んだとか。
プロモーターの違いによって全盛期の強豪同士の対戦がなかなか決まらないボクシング界だが、この辺の階級に関しては「まあ、ええんちゃう?」「コケてもそこまで痛手じゃないし」という感じなのかもしれない。
 
どちらにしろ(僕が注目している)ルイス・ネリの挑戦者決定戦は楽しみ。
井上との絡み云々はともかく単純にテンションの上がる一戦である。
 
レイ・バルガスvsオシャキー・フォスター。フォスターは絶対に関わっちゃダメなヤツ。バルガスにとっては初めて遭遇するタイプ。三階級制覇を欲張ったせいで笑
 

意外とルイス・ネリが危ない? 連打型のホバニシャンはネリの得意なタイプではない

で、どんな試合になるかな? と思って両者の過去の試合を眺めてみたのだが、案外ルイス・ネリが危ないかも? と思っている。
 
下記でも申し上げた通りルイス・ネリにとってアザト・ホバニシャンはあまり相性がいいタイプではなさそう。
 
みんなのルイス・ネリがアザト・ホバニシャンとの挑戦者決定戦承認。“総会”ってのは選手とプロモーターの営業の場も兼ねてるっぽいな。亀田和毅もWBA総会に乗り込めば?
 
ホバニシャンは旺盛な手数と左右に動きながら前に出るタイプ。1発で試合を終わらせるようなパンチ力や目の覚めるようなカウンターがあるわけではないが、とにかくしつこい。ガードの隙間からひたすら連打を打ち込み最終的には相手を嫌倒れさせる。
 
低いガード&カウンター使いのネリとしては、あの連打に巻き込まれるとかなり苦労するのではないか。
 
しかもS・バンタム級のネリはこれまでのような馬力でねじ伏せるファイトができていない。
前回のダビド・カルモナ戦は明らかに適性を超えているカルモナをボコしたが、その前のカルロス・カストロ戦やS・バンタム級初戦のアーロン・アラメダ戦では圧力よりもむしろ差し合いで上回った感が強い。
 
初黒星を喫したブランドン・フィゲロア戦などは典型的。
序盤こそフルスロットルでフィゲロアを押し込むシーンもあったが、徐々にパワーの違いが表面化→中盤にボディでKOされる。
この階級でのフィジカル面の物足りなさを露呈してしまった。
 

ルイス・ネリがホバニシャンを馬力で押しこめるか。思ったよりもホバニシャンはパワーがありそうだけど、実はサウスポーが苦手?

なので、今回の試合はネリが馬力でホバニシャンを押し込めるかどうかが見どころだと思っている。
アーロン・アラメダやカルロス・カストロのような中間距離の相手には即興? のアウトボクシングで切り抜けたネリだが、フィゲロアの圧力と連打は手に負えなかった。
 
ただ、連打型とは言えホバニシャンにはフィゲロアほどのパワーも上背もない(と思う)。
ルイス・ネリも(体力のある)前半はフィゲロアを押し込めていたことを考えると、そこまで圧倒される危険はなさそう。
 
ルイス・ネリ陥落。フィゲロアとの打ち合いに根負け&ボディを被弾で撃沈。いい試合だったけど何であんなに自信たっぷりだったんだろうな
 
ルイス・ネリのパワーがホバニシャンの連打を上回ればネリが有利。
ホバニシャンの前に出る圧力と連打でネリがタジタジになればホバニシャンにペースが傾く。
 
てか、ホバニシャンの過去の試合を観ると思ったよりも圧力が強そうなんですよね。
前回「ホバニシャンは風貌や体型を含めてノルディ・ウーバーリっぽさがある」と申し上げたが、ネリにとってはウーバーリよりもはるかにやっかいかもしれない。
 
その一方でホバニシャンはvsサウスポーがそこまで得意でもなさそうな……。
相手が右構えの場合に比べて積極さに陰りが見られる上にパンチが大振り気味なのでカウンターをもらいやすい。
打ち終わりにネリの1発が入ればそのままダウンする可能性もあるのではないか。
 

勝敗予想は「よくわからない」。一応ホバニシャンの判定勝利にしておくか

そんな感じで、展望としては「よくわからない」
 
ネリが勝つには前に出続けてホバニシャンの連打を押さえつけることが必須だが、S・バンダム級での物足りなさや相性を考えるとなかなか難航しそう。
 
逆にホバニシャンにはフィゲロアほどの馬力やサイズはなく、なおかつvsサウスポーをやや苦手としている気が……。
 
前半にたっぷり貯金できればルイス・ネリ。
早い段階で連打地獄に巻き込めればホバニシャン。
 
とりあえず勝敗予想は判定でホバニシャンにしておくか。
いくら考えても堂々巡りするだけだし。
 
なお、どちらに勝ってほしいか? と聞かれればやはりルイス・ネリである。
ホバニシャンにまったく思い入れがないのもそうだが、ルイス・ネリが上がってきた方がおもしろそうなので。
 
ルイス・ネリが代役カルモナから3度ダウンを奪ってTKO勝利。久しぶりのネリらしい試合。打倒フルトンにはまったくつながらないけど笑
 

暫定王座は必要でしょ。統一王者がビッグマッチの方ばかり向いているせいで指名挑戦者の渋滞が…

そして何度も申し上げているように暫定王座はどう考えても必要である。
 
今春開催? のスティーブン・フルトンvs井上尚弥戦の結果によってはこの試合の勝者との絡みもありそうだが、仮にフルトンが勝った場合は指名戦よりもムロジョン・アフマダリエフとの4団体統一戦を優先するのではないか。
 
また当のアフマダリエフは日本の勅使河原弘晶をKOしたマーロン・タパレスとの指名戦を控えているが、WBAの指名挑戦権を保持する亀田和毅はずーっと待ちぼうけを食わされている。
 
さらにWBOのレイセ・アリームは井上が階級を上げたせいでランキング1位の座から押し出されてしまった。WBAの暫定王座廃止措置とともに付与されていた指名挑戦権もゴタゴタの末に消失しちゃったしね。
 
主要4団体の王座を2人が分け合い、下から階級を上げてきた指名挑戦者も4団体統一を目指している。
その状況の中、挑戦者決定戦を連発したせいで指名挑戦者の渋滞が尋常じゃない。
 
WBAが暫定王座廃止? いや、暫定王座はいるだろw ここまでビジネスが肥大化すれば王座乱立も仕方ない? L・フライ級の上位ランカーに注目してみた
 
繰り返しになるが、暫定王座は明らかに必要。統一王者が誕生したとか、王者の気持ちが統一戦にばかり向いているならなおさらである。
 
“一つの階級(団体)に王者は1人”の理想は大いに結構だが、実際にはなかなか難しい。
王座認定団体にはぜひとも現実に即した運用をだな……。
 
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