ルイス・ネリがよかった。この階級にフィットしてきた感がある。相変わらずの前半型で危なっかしいけど。ホバニシャンは初のKO負け【結果・感想】
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2023年2月18日(日本時間19日)に米・カリフォルニア州で行われたWBC世界S・バンタム級挑戦者決定戦。同級2位ルイス・ネリと同3位アザト・ホバニシャンが対戦し、11R1分51秒TKOでルイス・ネリが勝利。スティーブン・フルトンの持つ王座への挑戦権を獲得した試合である。
ルイス・ネリvsアザト・ホバニシャン。
(確か)現在はルイス・ネリがPBC傘下でホバニシャンはGBP。所属が違う選手同士の対戦ということでどうなるのかな? と思っていたところ、GBPの後押しによってこの試合が実現したとか。
中継はDAZNでBoxrecによるとプロモーターもGBPとのこと。いわゆるホーム側はホバニシャンだったと想像するが、どちらかと言えば場内はネリの応援の方が大きかった気が……。
その辺は僕にはわからないが、どちらにしろPBCとGBPの関係は比較的良好そうある。
みんなのルイス・ネリがアザト・ホバニシャンとの挑戦者決定戦承認。“総会”ってのは選手とプロモーターの営業の場も兼ねてるっぽいな。亀田和毅もWBA総会に乗り込めば?
そういえばDAZNが日本での新プランを発表しましたね。
スタンダードプランが月額3700円で一つ下のグローバルプランが980円。グローバルプランは格闘技等のコンテンツを中心に扱うとのことで、ボクシングしか観ない方にとってはこのプランで十分なのかな? という気はする。
まあ、野球中継があるかぎり僕はこちらに変更することはなさそうだが。
しかし今回の値上げは後出しが過ぎる上にペースが異常。
笑いごとじゃないレベルで継続を悩むかどうかの瀬戸際にきている。
連打型のホバニシャンはルイス・ネリの苦手なタイプ? でもvsサウスポーが苦手そうな…
まず試合前に考えた展望は下記。
ルイス・ネリvsアザト・ホバニシャンは興味深い組み合わせ。連打型のホバニシャンはネリの苦手なタイプっぽい。でも、応援するのはネリかな?
・ホバニシャンはずんぐり体型の連打型
・1発の威力はないがとにかくしつこい
・ガードが低いカウンター使いのネリにとっては苦手なタイプ?
・ただ、過去の試合を漁るとホバニシャンはサウスポーが苦手っぽい
・どちらが馬力で相手を押し込めるかが見どころになるのでは?
・勝敗予想はホバニシャンの判定勝利だけど、よくわからない
・ネリの勝利も全然あり得る
・僕が応援するのもネリ(ネリが勝った方がおもしろそうだから)
ホバニシャンはパワフルな連打型で、豊富なスタミナと根気よさで相手を追い回すスタイルの選手。
1発1発の威力はそこまでではないが、しつこくまとわりついて連打を浴びせることで最終的に相手を嫌倒れさせる。
L字気味のガード+カウンター使いのネリにとってはやりにくい相手なのではないか。
ただ、2019年6月のグレン・ポラス戦を観るとあまりサウスポーが得意ではなさそう。
vsオーソドックスと比べて距離を詰めるのにモタつく上に打ち終わりのディフェンスがザル。基本的に真正面に立ちっぱなしでアングルを変えることもしない。サウスポーの左がちょうど当たる位置に常に顔面がある。
実力差のあったグレン・ポラス戦ではそこまで大ごとにはならなかったが、カウンターが得意なルイス・ネリの場合はどうなるか。
近場での連打に巻き込めれば持ち味を発揮できると思うが、ネリのパワーを抑え込めなかった場合はちょっとおかしなことになる。
なので、試合の見どころはどちらが馬力で相手を後退させられるか。
前半型のネリが序盤にたっぷり貯金を作ればネリが有利。
逆に早い段階からホバニシャンが打ち合いの展開に巻き込めればそのまま勝ち切る可能性が高い。
考えれば考えるほどわからないのだが、とりあえずホバニシャンの判定勝利を予想しておく。
だいたいこんな感じである。
ルイス・ネリがフローイラン・サルダールをフルボッコに。階級下&知名度のある相手は得意よねw 井上尚弥vsネリ戦は相変わらず現実味がなくて…
ホバニシャンのサウスポーが苦手っぷりとネリのパワフルさ。ボディでネリを削りたかったけどね
結論としてはホバニシャンがサウスポーが苦手すぎた、ネリが思った以上にパワフルだったなぁと。
上述の通り2019年6月のグレン・ポラス戦を観る限りホバニシャンはvsサウスポーでの動きがあまりよくない。
今回はそれがモロに出てしまった印象である。
得意の連打を発動するにはある程度の位置まで近づく必要があるのだが、それがいまいちうまくいかない。
前手の右で動きを止められ、左ジャブは空を切るのみ。いきなりの右も踏み込みが浅くスウェイで楽々避けられる。
vsオーソドックスのルイス・ネリはあのスウェイが間に合わずに顔を跳ね上げられるシーンが目立つのだが、ホバニシャンの右はそこまでの伸びがない。
さらにディフェンス面がとんでもなくヌルい笑
打ち終わりに顔の位置が動かずアングルを変える素振りもない。
自分のパンチはクネクネと芯を外され相手のパンチは芯でモロにもらう。もしかしたらどちらも有効打にカウントされているのかもしれないが、ダメージに関しては一目瞭然である。
もう一歩中に入って連打に移行するシーンもあるのだが、そのつどネリのパワーに跳ね返されてしまう。
個人的にあの連打にネリが怯まず打ち返したことはちょっと意外だった。それこそ初黒星を喫したブランドン・フィゲロア戦ではフィゲロアの連打を抑えきれずに7Rに撃沈させられたのだが。
もちろん単純にフィゲロアの方がホバニシャンより上だったとは思うが、同時にネリがこの階級にフィットしてきたのもありそう。
ルイス・ネリ陥落。フィゲロアとの打ち合いに根負け&ボディを被弾で撃沈。いい試合だったけど何であんなに自信たっぷりだったんだろうな
ホバニシャンとしてはさっさと接近戦に持ち込んでボディで削りたいのだが、それをやるにはvsサウスポーの対応があまりにザル。
自分の距離に入るまでにダメージを負い、近場の打ち合いではネリのカウンターに対処するのに手いっぱいになる。ボディを狙っているのは何となく伝わってきたが、とにかく腕を下げる余裕がなかった。
要するにボディ打ちの作戦を実行する段階まで進めなかったというのが(僕の)ファイナルアンサーである。
ネリはフィゲロア戦での負けからよくここまで持ち直してきたな。僕の中ではこの階級で一番の注目株に笑
勝利したルイス・ネリに関してはかなりよかったと思っている。
前回のダビド・カルモナ戦は根本的なフィジカルに差がありすぎてあまり参考にならなかったが、今回は別。この階級で長くトップ戦線で戦ってきた&KO負けが一度もないホバニシャンをストップしたというのはそれなりに価値がある(と思う)。
2022年2月のカルロス・カストロ戦では自らのフィジカル不足を自覚した振る舞いに関心させられたが、この試合ではファイター型と打ち合って勝ち切る力強さを証明した。
ルイス・ネリの成長と割り切り。無敗のカルロス・カストロからダウンを奪って背水の復帰戦で判定勝利。今回はなかなかよかったんじゃないですかね
相変わらずの前半型で終盤はバテバテだったが、チャンスの局面で見せる底力はさすがとしか言いようがない。勝負どころを見誤らない嗅覚と相手を倒し切る二番底は王者経験者とそれに届かない選手の決定的な差なのかもしれない。
マジな話、ルイス・ネリはよく持ち直してきたと思う。
ブランドン・フィゲロアに豪快に敗れ、階級の壁をはっきりと見せつけられたのが2021年5月。
ところが約8ヶ月後の再起戦では無敗のカルロス・カストロを相手にこれまで見せたことのないアウトボクシングで判定勝利をもぎ取る。
続くダビド・カルモナ戦では久しぶりにネリらしいパワフルな勝ち方を披露し、この日は打ち合いでの強さ、階級へのフィットを感じさせてTKO勝利を挙げてみせた。
壮絶なKO負けからの巻き返し、トレーナーを取っ替え引っ替えしていた迷走期から脱する精神力は素直にすごいのではないか。
そんな感じで、僕の中ではルイス・ネリがS・バンタム級における一番の注目株になりつつある(前から似たようなことを言ってるけど笑)。
ルイス・ネリすげえじゃないっすか。
キャリアでKO負けがない連打型のホバニシャンに打ち勝ってTKOって。
普通にナイスファイトだったんじゃないの?ホバニシャンはvsサウスポーがザル過ぎたな。な〜んか過去の試合漁って怪しい感じがしてたけど笑
結局ルイス・ネリが勝たなきゃつまらんのですよw
— 俺に出版とかマジ無理じゃね? (@Info_Frentopia) February 19, 2023
フルトンには勝てる感じがしない。vs井上尚弥は今のところ現実感がないのよね…
なお、相変わらずルイス・ネリがスティーブン・フルトンに勝てる感じはまったくしない。
今回の試合を経てもやっぱりフルトンにはアウトボクシングで翻弄されそうだし、仮に接近戦で勝負してもクリンチやボディでヌルヌル誤魔化されそう。
この階級のトップの1人には違いないが、トップ中のトップには一歩及ばないというのが僕の中でのルイス・ネリの位置付けである。
ルイス・ネリが代役カルモナから3度ダウンを奪ってTKO勝利。久しぶりのネリらしい試合。打倒フルトンにはまったくつながらないけど笑
あとはアレだ。
本人が盛んに名前を出している井上尚弥ね。
実を言うと、僕は(今のところ)両者の対戦にあまり現実感を感じられない。
WBCの王座挑戦権を獲得したネリだが、井上がフルトンに勝った場合(井上vsフルトン戦が実現するとして)はどうするのだろうか。
現状、ネリは日本で試合ができないので日本開催はなし。
必然的に海外での開催となるわけだが、その場合の窓口は(クソの役にも立たないと評判の)トップランクが務めるのだろうか?
冗談はともかくトップランク所属の井上とPBC所属のネリの対戦がすんなり決まるの? という話。
申し上げたようにPBCとGBPの関係は良好なようだが、トップランクとPBCは犬猿の仲と聞いた記憶がある……。
仮に交渉がまとまらずに入札となった場合は第三者が興行権を買い取る?
ファイトマネーが高騰しまくっている井上の試合を?
少なくともネリを追い出した張本人であるカイチョーHONDAが入札に参加するとは思えないけど。
などなど。
井上尚弥vsルイス・ネリ。ネリがんばれ。井上は階級アップで無敵感が薄れた? 相手が警戒しすぎるせいで雑になった? タパレス戦のモタつきを受けての今回
井上尚弥vsルイス・ネリ戦がビッグビジネスになるのは間違いなく日本だが、現段階ではそれが一番あり得ない。
僕がこの両者の対戦にいまいちピンとこない一番の理由がこれである。
まあ、わからないですけどね。
なぜならボクシングだから笑
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