ルイス・ネリが代役カルモナから3度ダウンを奪ってTKO勝利。久しぶりのネリらしい試合。打倒フルトンにはまったくつながらないけど笑【結果・感想】

ルイス・ネリが代役カルモナから3度ダウンを奪ってTKO勝利。久しぶりのネリらしい試合。打倒フルトンにはまったくつながらないけど笑【結果・感想】

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2022年10月1日(日本時間2日)にメキシコ・ティファナで行われたS・バンタム級10回戦(でよかった?)。
元2階級制覇王者でWBC同級1位のルイス・ネリがダビド・カルモナと対戦し3RTKOで勝利。2021年5月のブランドン・フィゲロア戦での7RKO負け以降、再起2連勝を飾った試合である。
 
 
元2階級制覇王者ルイス・ネリが再起2戦目で日本の井上尚弥とも対戦経験のあるダビド・カルモナを3RTKOで退けたわけだが。
 
ただ、当初ネリの相手にはヘスス・ルイスが予定されており、試合直前にヘスス・ルイスが欠場、代役としてカルモナが抜擢された経緯がある。
 
カルモナは2018年5月にカリド・ヤファイに敗れてからフェザー級やS・バンタム級等、適正より重い体重でリングに上がっている選手。さらに直近の戦績が1勝3敗と、正直ルイス・ネリに対抗するのは難しいのでは? と思っていた次第である。
 
実際の試合もそんな感じで、3Rまでに3度ダウンを奪われてのTKO負け。井上尚弥の強打に12R耐え切った頃に比べても下降線に入っていると言えそうである。
 
ルイス・ネリがよかった。この階級にフィットしてきた感がある。相変わらずの前半型で危なっかしいけどホバニシャンは初のKO負け
 

ヘスス・ルイスのドロッドロの泥仕合に期待してたww カルロス・カストロ戦の出来がよかったルイス・ネリがまた…

ルイス・ネリvsダビド・カルモナ。
対戦予定だったヘスス・ルイスが直前で欠場、代役としてカルモナが抜擢された一戦。
 
実を言うと僕はルイス・ネリvsヘスス・ルイス戦を結構楽しみにしていて、変更が発表された際はズッコケそうになった。
 
ヘスス・ルイスは戦績43勝9敗5分のオーソドックス。過去敗れた相手はレオ・サンタ・クルスやディエゴ・デラ・ホーヤ、ランディ・カバジェロ、カルロス・カストロと強豪ばかり。特に2020年2月のカルロス・カストロ戦は0-2の判定負けとかなり肉薄しており、いわゆるトップ戦線の少し下に位置する選手と言えそうである。
 
過去の試合をいくつか眺めてみたが、スピードやパワーに突出したものは感じないがとにかくしつこい。どんな相手にも一定以上の試合をするというか、何度突き放してもヌルヌルとまとわりついてくる印象である。
 
恐らくだが、ルイス・ネリとの対戦もドロッドロの泥仕合になる
ネリがバンタム級時代のパワーを発揮できればねじ伏せられるとは思うが、そうでなかった場合は……。
 
「勝つには勝ったけど、やっぱりネリはこの階級じゃ厳しいよね」という評価が下されそうな相手だなぁと。
 
それこそ2020年9月のルイス・ネリvsアーロン・アラメダ戦以上にパッとしない(笑)試合になりそう。
前回のカルロス・カストロ戦でボチボチの出来を見せたネリの評価が再びドロ沼化するパティーンもあるのではないか。
 
ルイス・ネリの成長と割り切り。無敗のカルロス・カストロからダウンを奪って背水の復帰戦で判定勝利。今回はなかなかよかったんじゃないですかね
 
(ネリにとっての)ダルい結末を期待していた分、代役がカルモナと聞いた瞬間はまあまあ拍子抜けしたことを報告させていただく。
 

カルモナは明らかに適正階級を超えてたな。序盤は警戒していたネリもすぐに大胆に腕を振りまくる

試合の具体的な感想だが、案の定カルモナにとっては厳しい内容だった。
 
2016年5月の井上尚弥戦に比べてウエスト周りが緩く全体的に動きももっさりしている。
もともとずんぐり体型でスピードがある方ではなかったが、さすがにこれは身体が重すぎるような……。
 
ルイス・ネリも1Rの序盤はカルモナのカウンターを警戒していたものの、ラウンド後半あたりから徐々に大胆に。
右リードを見せパンチにして左ストレートを伸ばすパターンでぐいぐい追い詰めていく。
 
 
ルイス・ネリはどちらかというとサウスポーを得意とするタイプ。
斜め後ろへの上体反らしがそのままサウスポーの左を回避する角度になる&ラリアットのように振り回す左が左構えの顔面をなぎ払う位置にくることで打ち終わりのカウンター→パワフルな連打へつなぐ流れをナチュラルに実現する(と思う)。
 
だがオーソドックスが相手だとこの勝ちパターンがいまいち機能せず、前手のリードの重要度が爆上がりする上がる印象。
格下のアルツール・ビヤヌエバにダウンを奪われたりと対サウスポーに比べていまいちなパフォーマンスが目に付く。
 
みんな大好きルイス・ネリがアラメダに勝利して二階級制覇。でもパワフルさと回転力が目減りしたかな。次戦はローマン? フィゲロア?
 
ただ、今回に関してはそこはあまり関係がなく。
S・フライ級上がりのダビド・カルモナとは根本的なフィジカルに差があり、ある程度の被弾はまったく意に介さない。申し上げたように1Rの後半くらいからカルモナのパンチに脅威を感じていないのが丸わかりだった。
 
2Rに入るとほぼ警戒心が消えたネリはガツガツ前に出て無遠慮に腕を振る。
カルモナも角度を変えながらどうにか反撃の糸口を探すものの、ネリの圧力を抑えきれずに防御でいっぱいいっぱいに。
 
カウンターをもらいながらも攻めまくり、多少雑になっても関係なく馬力でねじ伏せる。
バンタム級時代の勝ちパターンを取り戻したネリが見事3RTKOでカルモナを仕留めてみせた。
 
 
ヘスス・ルイスの欠場は確かに残念だったが、それはそれとして。久しぶりにネリの豪快なKOが観られたのは個人的にはよかった(カルモナの調整不足を差し引いても)。


まあ、これが打倒スティーブン・フルトンにつながるような勝ち方だったか? と聞かれればまったくそうは思わないのですが。
 
ルイス・ネリがフローイラン・サルダールをフルボッコに。階級下&知名度のある相手は得意よねw 井上尚弥vsネリ戦は相変わらず現実味がなくて…
 

カルモナはうまさは見せたけど…。井上尚弥相手にも12R耐えたディフェンス

一方、敗れたダビド・カルモナは上述の通り適正階級を大きく超えていた印象。
 
どことなく動きがもっさりしていてパンチも脅威にならない。
ネリの1発であれだけグラつかさせられることを鑑みても、S・バンタム級でトップ戦線に食い込むにはフィジカルが追いついていないのだろうと。
 
 
それでもディフェンスのうまさは随所に見せたと思う。
 
常に左右に動き続け、前手の1発目にそのつどカウンターを被せる。
カルモナはアングルと距離の調整、同時打ちのタイミングで返すカウンターが持ち味の選手で、2016年5月の井上尚弥戦でもこのスタイルは十分機能した。
芯を外すディフェンス、相手の力を出させない位置取りは井上の対戦相手の中でも屈指のものがある(と思う)。
 
それだけに適正階級に留まれなくなったのは……。2018年5月のカリド・ヤファイ戦での体重超過から歯車が狂ったのだと想像するが、今回の感じだともう二度と元には戻らなそうな気がががが。
 
フェルナンド・マルティネスがアンカハスに再び勝利。これでアンカハスはトップ戦線から脱落かな。組みし易しな選手になっちゃったよね。マルティネスは2023年に来日しれ
 

早い時期からガツガツキャリアを重ねると30歳前後でガタがくる。日本人選手で言えば亀田興毅がそうかな

てか、カルモナってまだ31歳なんですね。
 
2009年にデビューしてここまで37戦。
年3試合弱とペースとしてはそこまで早いとは思わないが、それでもだいぶガタがきているような……。
 
32歳ですでに62戦のキャリアがあるカネロもそうだが、十代のころからガツガツやっていると30歳前後で蓄積がドバーっと出るケースが多いのかもしれない(怪我だったり不調だったり)。
 
カネロvsゴロフキン2戦目を久しぶりに視聴。両者が憎悪とプライドをバッチバチにぶつけ合った白熱の試合。全3戦に流れがあっておもしろいよね
 
ちなみに日本人選手で言えば亀田興毅がそれに近い(僕の中では)。
 
以前にも申し上げた記憶があるが、30歳手前で一度競技を離れて年単位で休む→肉体改造&ダメージ回復に努めた後に復帰するルートは選手寿命を伸ばす意味でもアリだと思っている。
 
 
なお、当のルイス・ネリも現在27歳で今回が33戦目である。
 
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