チャーロ兄がデレビヤンチェンコさんのがんばりに剛腕で勝利。ミドル級で初めてチャーロらしい試合。でも2年半で防衛4度か…【結果・感想】

チャーロ兄がデレビヤンチェンコさんのがんばりに剛腕で勝利。ミドル級で初めてチャーロらしい試合。でも2年半で防衛4度か…【結果・感想】

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2020年9月26日(日本時間27日)、米・コネチカット州で行われたWBC世界ミドル級タイトルマッチ。同級王者ジャーマル・チャーロがランキング1位セルゲイ・デレビヤンチェンコと対戦し、3-0(118-110、117-111、116-112)の判定で勝利。4度目の防衛に成功した一戦である。
 
 
2019年12月以来、約10か月ぶりのリングとなった王者チャーロ。
相手のセルゲイ・デレビヤンチェンコはダニエル・ジェイコブスやゲンナジー・ゴロフキンとも接戦を繰り広げるなど、キャリア15戦ながらも毎試合実力の高さを示している。
 
 
試合は序盤からチャーロの強烈な左リードが再三デレビヤンチェンコの顔面をとらえ、得意のインファイトに持ち込みたいデレビヤンチェンコの前進を寸断する。
 
ところが5Rに入ると、踏み込みのタイミングを掴んだデレビヤンチェンコがチャーロの懐で連打を浴びせる流れに。チャーロにロープを背負わせ、サイドに動いて角度を変えつつパンチを放っていく。
 
対するチャーロも左リードに加えて強烈なアッパー、フックを中心に応戦。8Rには右フックをテンプルにヒットしてデレビヤンチェンコをグラつかせるなど、持ち前のパワフルさを発揮する。
 
終盤に入っても前に出続けるデレビヤンチェンコの前に疲れを見せるチャーロだったが、要所で左リードを効果的にヒットし決定機は作らせず。文句なしの判定勝利で4度目の防衛に成功した。
 
ゴロフキンがシェルメタを7RKO。全盛期なら2Rで終わってたな。もう村田かチャーロとやるしかないっしょ
 

楽しみにしていたチャーロ兄とデレビヤンチェンコの一戦。チャーロ弟にはちっとも興味がわかないんですよね…

チャーロ兄弟を始め、S・バンタム級王者ブランドン・フィゲロアや元王者のダニエル・ローマン、ファン・カルロス・パヤノ、ルイス・ネリ、バンタム級王者のジョン・リエル・カシメロなどなど。有名選手が多く出場して盛りだくさんだった先日のPBC興行。
 
その中でも僕がルイス・ネリvsアーロン・アラメダ戦と並んで楽しみにしていた試合がこれ。チャーロ兄とセルゲイ・デレビヤンチェンコによるWBC世界ミドル級タイトルマッチである。
 
みんな大好きルイス・ネリがアラメダに勝利して二階級制覇。でもパワフルさと回転力が目減りしたかな。次戦はローマン? フィゲロア?
 
ちなみにこの前までデレビヤンチェンコの名前がどうしても覚えられずに「デレビ何たらさん」と呼んでいたのだが、ようやく頭に入った次第である。
 
 
なお、個人的にチャーロ弟にはまったく興味がなく。
初黒星を喫したトニー・ハリソンに1年越しのリベンジを果たしたと聞いても「そもそも初戦を観てねえし」という感じで、ちっとも食指が動かない。
 
今回もジェイソン・ロサリオとの3団体統一戦を鮮やかなKO勝利でクリアしたとのことだが、なぜかその試合の記憶だけがすっぽり抜けているww
 
てか、いつの間にか3団体統一しちゃってるの?
 
ああ、ジャレット・ハードに勝ったジュリアン・ウィリアムズに勝ったジェイソン・ロサリオがこの試合に漕ぎつけたわけね。
 
そういえばジャレット・ハードはどうしちゃったのよ?
今年1月の復帰戦に勝利したみたいだけど、そこからタイトル戦線に絡んでこないの?
 
などなど。
チャーロ弟に興味がない上に情報も追えていないせいで、完全な置いてきぼりを食っているw
 
 
逆に兄貴の方はめちゃくちゃお気に入り。
2015年あたりから「この選手は3階級制覇を果たす。なぜなら僕がそう決めたから」と喚いているのだが、それだけにミドル級進出以降の停滞っぷりはもどかしいものがある。
 

チャーロ兄の能力が久しぶりに解放された気がするよ。フィジカルモンスターっぷりを発揮できればホントに強いよね

というわけで、以前にあれこれ考えた展望を見返してみたところ……。
 
「俺は避けられているッッッ!!」チャーロ兄とデレビなんたらさん(ちっとも覚えられない)のマッチメークは実現させるべきだと思うの
 
・チャーロ兄は基本的には強ジャブとカウンターの選手
・この馬力と1発の威力がどこまで機能するか
・でも、動きが直線的で接近戦も苦手
・デレビヤンチェンコが近場のフットワークと連打で翻弄するかも?
・チャーロ兄にとってはあまり相性がよくない相手
・割ときわどい試合になるかも?
・全体を通してデレビヤンチェンコがペースを握るのではないか
 
んん、何となくそれっぽいことを言っている感じか?
実際には接戦とまでは言えないものの、デレビヤンチェンコの能力の高さ、チャーロ兄の馬力と1発の威力の双方が発揮された好試合だったと思う。
 
 
特に今回はチャーロ兄の剛腕とうまさが両立できた試合だった気がする。
 
遠い位置から身体を伸ばすように打ち込む左でデレビヤンチェンコを突き放し、打ち下ろし気味の右につなぐ。
また、相手が距離を詰めてきた際はさっと離れて芯を外したり、スルスルっと身体を寄せて動きを封じたり。
得意のカウンターや意味不明な角度からのアッパーを要所でヒットするなど、スペースのある位置での強さはさすがだった。
 
ミドル級進出以降、チャーロ兄の実力がもっとも発揮できた試合と言っていいのではないか。
 
いや、そうなんだよな。
この選手は僕がS・ウェルター級時代に“フィジカルモンスター”と呼んでいただけあり、持ち前のスピード&パワーが機能すればホントに強い。
逆にミドル級ではその部分でのゴリ押しが効かなくなった分、接近戦で糞詰まりにされる局面が増えていたわけで。
 
この試合とか、フラストレーションがヤバかったですよね。

3Rまでに左リードのタイミングを覚えられ、手を出すたびに懐に入られてごちゃごちゃ動かれるパティーン。
ブランドン・アダムスのインファイトがそこまでではなかったおかげで大差判定勝利を挙げたものの、スッキリした勝ち方とは言い難い。
 
「違うんだよ。僕が求めてるのはそういうことじゃねえんだよw」みたいな。
 

がんばり屋さんのデレビヤンチェンコ。いい流れにはなったが、根本的なパワー差を埋められず

逆にデレビヤンチェンコは小兵の辛さというか、根本的なフィジカルの違いに最後まで苦しめられた感じ。
 
実際、今回も試合運び自体は悪くなかったと思う。
 
チャーロ兄の動きを読んで身体を振りながら距離を詰め、得意の接近戦に持ち込む。
近場でコンパクトな連打とサイドへの動きで相手をうんざりさせるスタイルも機能していたし、ダメージを抱えながらも最後まで勝負を捨てない姿勢には胸を打たれるものがあった。
 
だが、チャーロ兄とのパワー差だけはどうにもならず。
 
前回のゲンナジー・ゴロフキン戦では1Rにダウンを喫したものの、2Rからはしっかり自分の距離で勝負できていた。ゴロフキンが本調子でなかったとはいえ、終始ペースを握っていたのはデレビヤンチェンコの方だったように思える。
 
この試合でもゴロフキン戦と似たような展開に持ち込めれば十分勝機はあると思っていたのだが……。
相手との間合い、踏み込みのタイミングを覚えるまでに前半4Rをまるまる使ってしまったのが痛かったなと。
 
その上、8R後半にテンプルに右を被弾して盛大にグラつかされるという。5~8Rまではかなりいいペースで試合をコントロールできていたのに、あの1発で再び流れを手放してしまった。
 
ラスト2Rはチャーロ兄もかなり疲弊していたし、もう2R早く接近戦に持ち込めていれば。
 
チャーロ兄の圧力を受けながら前に出続けるのは精神力と体力を相当削られるのだと思うが、結局その部分を最後まで乗り越えられずに終わった試合だった。
 
 
2013年11月にゴロフキンに敗れたカーティス・スティーブンスや元S・ライト級王者イバン・バランチェクと同様、もう少し身体が大きければと思わされる選手である。
 
バランチェクvsセペダ感想。バランチェクってこんなに荒っぽい選手だったんだな。ホセ・セペダはちょっとアドニス・スティーブンソンっぽい
 
まあ、そもそも身体が大きければわざわざリスクを冒して接近戦を選択しないという噂もありますが。
 

2年半で4度目の防衛…。どうするよ? 思い切って階級アップするか? たぶんカレブ・プラントは相当やっかいだぞ?

これで4度目の防衛を果たしたチャーロ兄だが、2018年4月に空位の同タイトルを戴冠してから2年半で防衛4度……。改めて振り返るとちょっと物足りない。
 
内容もマット・コロボフに遠間で距離を支配され、ブランドン・アダムス相手に糞詰まりを起こし、デレビヤンチェンコの接近戦に最後まで苦労させられ。スカ勝ちしたのは下の階級から上げてきた小柄なデニス・ホーガン戦のみ。
 
繰り返しになるが、僕がチャーロ兄に求めているのはそういうことじゃないw
 
 
確かにこれだけ試合数が少なく内容も微妙だと、「俺は避けられているッッッ!!」とグラップラー刃牙的なテンションで叫びたくなるのもわかる気がする(叫んだとは言ってない)。
 
実際には同じPBC内にビッグネームがいない上に地味過ぎて挑戦するうま味がないという方が正解なのだが。
 
前々から言われているように日本の村田諒太とはめちゃくちゃ噛み合うと思うが、その試合のためにTOP RANKとPBCが手を組むはずがなく。
それ以前に村田をプロモートする帝拳ジムがそんな危険を冒すとは考えにくい。チャーロ兄よりよっぽど身軽そうなデレビヤンチェンコの挑戦ですら、さらっと蹴りそうな気配がプンプンする。
 
村田諒太の覚醒とコロナによるブランクがもったいなさすぎな件。ブラント、バトラー戦の勢いのまま間髪入れずに次戦に行きたかった
 
このまま離れた場所からゴロフキンやカネロを挑発し続けるのがいいのか、それとも思い切って王座返上→階級アップするべきか。
 
一応、S・ミドル級ならカレブ・プラントがIBF王者に君臨しているが……。
 
恐らくこれまでのチャーロ兄の相手に比べても最上級の地味強。

体格的な優位性が完全に失われる分、面倒くささはオースティン・トラウト以上だと思われる。
 
 
以前にちょろっと噂になっていたダニエル・ジェイコブスが相手をしてくれればいいが、アイツも階級アップしちゃったしね……。
 
ウェルター級のテレンス・クロフォードもそうだが、このジリ貧っぷりは何ともモヤモヤするww
 
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