中谷潤人vsアンヘル・アコスタ。「中谷強かったね」しか感想がないんですよね。井上尚弥に次ぐスター候補と言われてもピンとこない【結果・感想】

中谷潤人vsアンヘル・アコスタ。「中谷強かったね」しか感想がないんですよね。井上尚弥に次ぐスター候補と言われてもピンとこない【結果・感想】

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2021年9月10日(日本時間11日)、米・アリゾナ州で行われたWBO世界フライ級タイトルマッチ。同級王者中谷潤人と指名挑戦者アンヘル・アコスタが対戦し、4R32秒負傷TKOで中谷が勝利。初防衛に成功した一戦である。
 
 
試合開始とともにリング中央でスタンスを広めにどっしりと構えるサウスポーの中谷。
対する挑戦者アコスタはガードを上げて踏み込みのタイミングを測る。そして、中谷の右リードに合わせて距離を詰め、至近距離で得意の両フックを振るう。
 
だが、王者中谷は動じず落ち着いてボディを突き刺し、アコスタを追い出す。
さらにショートでの右リード、左フックでアコスタを後退させ、ガードの外側から左を顔面に。
 
ラウンド後半には左ストレートで顔面を打ち抜きアコスタをのけぞらせるシーンも。
この1発でアコスタは鼻血が止まらなくなり、徐々に失速していく。
 
それ以降、中谷のボディ打ちで後退させられる場面が目立ち、3Rからは中谷の一方的な展開になる。
 
 
4R開始と同時に突進し腕を振るアコスタ。だが、中谷はここでも冷静に下がりながらの連打を浴びせ、さらにクリンチを振りほどいて強引にリング中央に戻す。
 
するとアコスタの出血、表情を確認したレフェリーが試合をストップする。
その瞬間、4R32秒TKOで中谷の初防衛が決定した。
 
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そら勝つよな。アコスタはフライ級では小さいと思うよ

元L・フライ級王者アンヘル・アコスタを4R負傷TKOで下し、2020年11月のジーメル・マグラモ戦以来約10ヶ月ぶりのリングで初防衛に成功した中谷潤人。
 
と言いつつ、今回は中谷潤人が問題なく勝つだろうと思っていた試合で、結果を見ても「うん、そうだよな」という思いが強い。
 
挑戦者アンヘル・アコスタはもともとL・フライ級が適正というか、複数階級で強さを発揮するようなスケールは感じない。
 
2017年5月の田中恒成戦では粘り強さを発揮したが、正直戦績ほど圧倒的なものはない。
で、格下に足元をすくわれる前に他団体王者とのビッグマッチが実現すれば…と思っているうちにエルウィン・ソト戦で顎弱族っぷりを露呈した上で陥落してしまった。
 
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身長、リーチともに170cmとフライ級としては破格のサイズを誇る中谷潤人であれば、十中八九問題なくクリアするだろうと思っていた次第である。
 

序盤はアコスタの突進にタジタジになるかも? でも、大丈夫でしょと思ってたかな

ただ、僕自身があまり中谷潤人の試合を観たことがない(ジーメル・マグラモ戦は未視聴)せいで、この選手がどこまで圧倒するかが未知数だったことも確か。
 
適正階級を超えているとはいえ、アコスタの突進力、左右フックのぶん回しが脅威なことには違いない。
さらに中谷は前手の右リードにそこまで鋭さがない上に打ち合いの局面でガードのヌルさが目につく。
 
そう考えると、序盤はアコスタの突進にタジタジになる可能性もあるのではないか。
もしかしたら効かされるシーンも出るかもしれないし、アコスタのフックをモロにもらえば「まさか」もあり得る。
 
 
まあでも、大丈夫だとは思いますけどね。
単発タイプのアコスタには接近戦でも打ち負けないと思うし、純粋なフィジカルにも結構な差がある(はず)。
最初は押されたとしても、近場のボディで徐々に疲弊させつつ、どこかで左ストレートを打ち込むチャンスが巡ってくる気がする。
 
アコスタのハの字型のガードを見るに、中谷のアッパーが下から突き刺さりそうだし。
 
 
何となくのイメージとしては、2021年5月のブランドン・フィゲロアvsルイス・ネリ戦と近い展開になるのかなと。
 
そんな感じで今回は中谷潤人の9RKO勝利を予想してみたわけだが……。
 
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中谷潤人は僕の予想をさらに超える強さを見せてくれた。王者のボクシングで格の違いを見せつけた“だけ”

結果的に中谷潤人は僕の予想をさらに超える強さを見せてくれた。
 
右リードの戻り際に距離を詰めるアコスタに対し、中谷は腕を畳んでボディや顔面に連打を浴びせてその場に留まらせない。
また、遠い間合いではガードの外側から得意の左をフック気味にヒット。
 
2R中盤にアッパー2発で後退させられるシーンもあったが、「おや?」と思ったのはその一瞬だけ。KO率80%を超える強打者にほぼ何もさせずに完封してしまった。
 
てか、ホントに「中谷強かったですね」しか感想がないんですよねw
技術的な部分はよくわからないし、申し上げたように僕はフライ級のアンヘル・アコスタがそこまでいいと思っていない。
 
要は、初防衛戦を迎えたチャンピオンが“王者のボクシング”で指名挑戦者に格の違いを見せつけただけ。
23歳の日本人王者が初の北米のリングで防衛に成功したという注意書きがなければ、普通に力の差がある一戦だったというのが率直な感想である。
 
もちろん中谷潤人のパフォーマンスに文句をつける気はまったくない。
WOWOWエキサイトマッチの解説者が1Rの中谷を見て「動きが硬いですね」と言っていたが、中谷の試合をあまり観たことがない僕には正直よくわからなかった。
 
というより、どっしり構えてズンズン攻める姿勢に「おお、いいじゃんコイツ」と思ったくらい。
それこそウェルター級王者のエロール・スペンスJr.を彷彿とさせる立ち上がりに見えたほど……。
 
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打ち合いでのガードのヌルさは気になるが、接近戦で押し負けないフィジカル、パッキャオ戦でウガスが多用したのと同じ外旋回のフック、などなど。
自分よりも小柄な相手を仕留め慣れているのがよくわかるパフォーマンスだったなぁと。
 
 
なおストップのタイミングに関しては、その瞬間は「おい、早くねえか?」と思ったが、試合を観直してみるとまったくそんなことはない。
2R以降のアコスタはずーっと鼻血がダラダラだったし、3R終了時には表情も虚ろ。何度もドクターチェックが入っていたことを含め、あそこで止めたのは妥当な判断だった。
 
それでもちょっと唐突ではあったけどね。
せめてロープに詰まったり、打たれて棒立ちになってからでもよかった気もする。
2021年5月のエルウィン・ソトvs高山勝成戦でもそうだが、両者がリング中央で対峙しているところに突然レフェリーが割って入るのはさすがにどうなのよ? と思わないでもない。
 
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井上尚弥に次ぐスーパースター候補? いまいちピンとこないんですよね。スターというより癒し方面な気が…

ちなみに中谷潤人が井上尚弥に次ぐ日本のスーパースターになり得るという意見についてはいまいちピンときていない。
 
僕がこの選手の試合をあまり観たことがないのもあるが、一番の理由は風貌と雰囲気が“スター”っぽくないから。
 
何というか、スターというより癒し方面の空気感なんですよね。
 
長身サウスポーの倒し屋、ファイトスタイルも王道中の王道というスペックなのに、醸し出す雰囲気は「売れるきっかけを探してる若手芸人」みたいな印象なのが……。


煽りVや紹介記事で毎回家族との絆を強調してくるのも“スター”っぽさを感じない要因だったり。
 
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それでも本人の資質は見た目からはまったくわかりませんが。
 
「ミステリアスなかわいいキャラなのに北斗百裂拳」のギャップを売りにしていたはずの寺地拳四朗が酔っ払って不法侵入+他人の車を破壊した事件なんかもあったわけで。
 
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