ジェシー・ロドリゲスいい選手!! クアドラスに興味がなくて観てなかったけど。ちょっと亀田興毅っぽい。アンカハスがコケて統一戦が消えた井岡に中谷潤人が?

ジェシー・ロドリゲスいい選手!! クアドラスに興味がなくて観てなかったけど。ちょっと亀田興毅っぽい。アンカハスがコケて統一戦が消えた井岡に中谷潤人が?

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2022年3月21日放送分のWOWOWエキサイトマッチを視聴した。
 
この日のラインナップは2月5日(日本時間6日)に米・アリゾナ州で行われたWBC世界S・フライ級王座決定戦、ランキング3位カルロス・クアドラスvsL・フライ級6位ジェシー・ロドリゲス戦と、同日ネバダ州で行われたIBF世界S・フライ級タイトルマッチ、王者ジェルウィン・アンカハスvsランキング11位フェルナンド・マルティネス戦の2試合である。
 
1試合目のクアドラスvsロドリゲス戦はL・フライ級上がりのロドリゲスがぶっつけ本番でクアドラスを下して初戴冠。2試合目のアンカハスvsマルティネス戦は世界初挑戦のマルティネスが9度防衛中の安定王者アンカハスを敗りこちらも初戴冠に成功。同じ日に同じ階級で2つのアップセットが起きるまさかの1日となったわけだが。
 
今回は未視聴だった1試合目のクアドラスvsロドリゲス戦を中心に眺めてみた次第である。
 
フェルナンド・マルティネスvsジェイド・ボルネア。勝った方は日本にくればいいんじゃない? 田中恒成のターゲットらしいしね。田中に勝てば中谷潤人との統一戦も?
 

ジェシー・ロドリゲスが思った以上にいい選手で驚いた。クアドラスに興味がわかないせいでスルーしてたけど

まずはカルロス・クアドラスとジェシー・ロドリゲスによるWBC世界S・フライ級王座決定戦について。
 
表題の通りなのだが、思った以上にロドリゲスがいい選手だったことに驚いている。
 
僕自身、この試合にはあまり興味がわかなかったせいで(今のクアドラスに興味がない)リアルタイム視聴はしていない。ジェシー・ロドリゲスがぶっつけ本番で2階級上の世界戦に勝利したと聞いても「へえ〜、そうなんだ〜」程度で、後追い視聴をしようとすら思わなかった。
 
で、時間ができたのでちょろっとエキサイトマッチを眺めてみたところ……。
 
おお、すげえなジェシー・ロドリゲス。
こりゃあぶっつけ本番で勝ったのも納得できるわ。
 
正直、僕はロドリゲスがサウスポーであることすら知らなかったのだが、諸々をひっくるめての圧勝劇に今さらながらテンションが上がっている。
 
寺地拳四朗vs京口紘人ほか振り返り。拳四朗のあまりの強さに目が覚めた。皮肉でも批判でもなく拳四朗は事件を起こしてから一気に人生が開けたよな
 

職人的な雰囲気のロドリゲス。足が衰えたクアドラスはハンドスピード頼りの試合運びしかできることがない

高いガードに鋭い右リード。
サイドへ動きながら絶妙のタイミングで打ち込むカウンター。
そして近場でのボディ、顔面へのフック、などなど。
 
現在22歳と若いジェシー・ロドリゲスだが、距離感とアングル調整に長けたアウトボクシングからは職人的な雰囲気が漂う。
 
特にカウンターのタイミングは天性のものというか、相手の動き出しやフッと気が緩む瞬間を捉える嗅覚がめちゃくちゃ高い。
狙って出しているというより、どちらかと言えばナチュラルに身体が反応しているイメージ。
 
 
一方のクアドラスはハンドスピードで相手を圧倒するスタイルの選手。
 
だが、今回は1発目にことごとくカウンターを合わせられるせいでなかなか連打が続かない。そのつどコンビネーションの発動を止められ、棒立ちになったところに逆に追撃をもらう流れ。
 
もともとクアドラスは超絶ハンドスピードに加えてフットワークを駆使して縦横無尽に動き回るスタイル。
だが2018年2月のマックウィリアムズ・アローヨ戦あたりから足の動きが落ち、ここ数戦は近場でのハンドスピード頼りの試合が続いていた。
 
こいつホントにクアドラスか? アローヨと足止めて打ち合うとか、何があったんだオイ。激しい打撃戦の末にアローヨ判定勝利
 
前戦のファン・フランシスコ・エストラーダ戦などはそれが顕著で、エストラーダがハンドスピードに慣れていない序盤は優勢→中盤以降はエストラーダの連打に捕まり最後はTKO負けというわかりやすい結果に。
フットワークの衰えによって「バババッと連打を浴びせてパッと離れる」“パッと”の部分が目減りし、手数勝負以外にできることがなくなりつつある。
 
僕がクアドラスに興味がなくなったのもこれが理由だったりする。
 
 
そして、今回はそれがモロに出た試合だった。
超絶連打を持ち味とするクアドラスだが、パンチの精度自体はあまり高くない。若干ワイド気味にパシャパシャと打つイメージで、1発1発の脅威は少ない。
 
逆にジェシー・ロドリゲスは近場での精度が高くタイミングも抜群。手数で押し切られる前に初弾にカウンターを合わせて流れを引き寄せる度胸もある。
全盛期のクアドラスは連打の精度の低さをフットワークでカバーしていたが、足が衰えた今はそれも難しい。
 

ロドリゲスの亀田興毅っぽさ。複数階級制覇の条件は揃ってる気がするよ

実を言うと僕はジェシー・ロドリゲスを脳筋タイプのゴリ押しファイターだと思っていた。それこそ先日ロマゴンに敗れたフリオ・セサール・マルティネスと似たタイプというか。
 
ロマゴンすっげえわ。マルティネスを連打で圧倒。ディフェンシブに傾倒した割り切りで再び上昇気流に。井岡一翔戦が観たいけど、ないんだろうな笑
 
だが、実際にはまったくそんなことはなく。
むしろ距離感と角度、タイミングに優れたカウンター使いだった。
 
・ナチュラルなカウンター
・鋭い右リード
・常に高く上げたガード
・アングル調整と前後の距離感
・サウスポー
 
鉄壁のガードに前後の出入りとアングル調整、天性のカウンターが持ち味のアウトボクサー。
 
遠間から当てるカウンターがある。
相手を近寄らせない右リードがある。
サイドに動いて芯を外す足がある。
 
なるほど。
これは確かに複数階級制覇の条件に合致しているかもしれない。
 
何となくだが、僕の中では強化版亀田興毅のイメージがしっくりくる。
しかも亀田と違ってこの選手は鋭い右リードを兼ね備える。亀田は左のカウンターをジャブ代わりのように使っていたが、ジェシー・ロドリゲスの右リードは亀田よりもはるかにスムーズに出る。
 
現在のS・フライ級トップ戦線にフィジカルのゴリ押しタイプがいないことを考えると、このまま成長すればかなり強い王者になりそうな……。
 
 
と言っても身体つきはまだまだ脆弱というか、肩周りや胸の薄さ、腕の細さが目につく。現状はやはり急ごしらえのS・フライ級なのだろうと。
 
さらに本人もフライ級に下げての複数階級制覇を視野に入れているとか。WBCなら暫定王者マックウィリアムズ・アローヨでも正規王者フリオ・セサール・マルティネスでも十分勝機はありそう。
 
ジェシー・ロドリゲスがシーサケットを翻弄して8RTKO勝利。ロマチェンコみたいだったね。機動力の差を見せつけて蜂の巣に
 

アンカハスがコケたのがまあまあ複雑w 井岡一翔とのビッグマッチが…

続く2試合目のIBF世界S・フライ級タイトルマッチ、ジェルウィン・アンカハスvsフェルナンド・マルティネス戦については先日申し上げた通り。
 
ホントに勝ちやがったよフェルナンド・マルティネス。アンカハスとの打ち合いを制して王座初戴冠&井岡一翔との統一戦が消滅。まいったなオイ。クッソ複雑じゃんよ笑
 
連打型のマルティネスに早々に捕まったアンカハスが近場での打ち合いでも後れを取り、最後まで劣勢をはね返せずに大差判定負け。
ブランクと減量苦の影響か、持ち前の射程の長さやフットワークは鳴りを潜め、丸出しの顔面に左右フックをもらいまくった末の敗戦である。
 
僕自身、フェルナンド・マルティネスの殺気に満ちたファイトスタイル、顔面偏差値の高さには大いに期待していたのだが、それでも実際にアップセットが起きると……。
 
「ようやく井岡一翔にビッグマッチが!!」と思っていた分、アンカハスの陥落はまあまあの喪失感である。
 

田中恒成以上の地味強中谷潤人。井岡はバンタム級での井上戦を真剣に検討してもいい?

しかも報道によると、現WBOフライ級王者中谷潤人が近い将来の井岡一翔戦を意識しているとか。


これはちょっと厳しすぎるというか、井岡にとっては最悪の流れな気が……。
 
だってアレでしょ?
中谷潤人なんて、田中恒成以上の地味強ローカルヒーローじゃないっすか。
 
王座戴冠を果たしたジーメル・マグラモ戦は無観客? の後楽園ホール&深夜の関東ローカル放送。初防衛戦は元L・フライ級王者アンヘル・アコスタに快勝したものの、開催地は海外&放送はDAZN配信のみ。
 
中部にファンベースを持ち、世界最速3階級制覇を果たした田中恒成と比べて派手さもなければ知名度も劣る。
 
その割にスケール感は田中以上、井岡すらも飲み込みそうな潜在能力を秘めているという。
 
ファンは喜ぶかもしれないが、本人的には“お前じゃない”感が凄まじいのではないか。絶対に「メリットがない」「格が違う」って言い出すヤツじゃねえかと。
 
コバレフが戻ってくる。コバレフが戻ってくる(大事なことなので2回言った)。違法配信おもしろおじさんがTriller興行のメインでプーレフと対戦
 
先日バンタム級王者の井上尚弥が井岡一翔戦を名指しでぶち上げたことが話題になったが、こうなったら冗談抜きでバンタム級での井上戦を真剣に検討してもいいかもしれない。


井岡一翔がガチのビッグマッチに恵まれずにこのままキャリアの幕を引く展開はあまりに切ない。まさしく内山高志や山中慎介の悲劇の再現がががががが。
 
まあ、僕としては身動きの取れない井岡を外堀から埋めていった田中恒成陣営のやり口よりは今回の方が受け入れられそうではありますが。
 
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