モロニーvsバエズ感想。僕はジェイソン・モロニーが好きなんですよね。井上尚弥とはロドリゲスではなくvsモロニーが観たかった【結果・感想】

モロニーvsバエズ感想。僕はジェイソン・モロニーが好きなんですよね。井上尚弥とはロドリゲスではなくvsモロニーが観たかった【結果・感想】

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2020年6月25日(日本時間26日)、米・ネバダ州ラスベガスで行われたバンタム級10回戦。WBO世界同級2位ジェイソン・モロニーがレオナルド・バエズと対戦し、モロニーが7R終了TKOで勝利。念願の米進出初勝利を挙げた一戦である。
 
 
日本の井上尚弥が優勝したWBSSバンタム級トーナメントにも出場していたジェイソン・モロニー。
エマヌエル・ロドリゲスに敗れて以来の米国でのリングとなったが、相手のレオナルド・バエズは普段フェザー級やS・バンタム級を主戦場とする。
 
一回り身体の大きな相手にモロニーは序盤からうまく距離を測り、サイドに回りながら的確にヒットを重ねる。また、大柄なバエズの懐に潜り込んで接近戦を展開するなど、地力の差を発揮して試合を有利に進めていく。
 
3Rにバエズが右目上から出血し、試合はさらにモロニーのペースに。
バエズも6、7Rと何とか勝機を見出そうと圧力を強めて腕を振るが、モロニーの巧みなフットワークに追いつけず。
 
バエズが7Rに左目もカットしたことにより、試合は7R終了時点でのTKOが告げられる。これでモロニーの米国進出初勝利が決定した。
 
尚弥きゅん。井上尚弥がモロニー(マロニー)を7RKO。モロニーはいい選手だったし井上の試合で過去一番好きかもしれない
 

完勝でしたねジェイソン・モロニー。一回り大きなレオナルド・バエズを寄せ付けず

2018年10月のエマヌエル・ロドリゲス戦以来、約1年8か月ぶりに米国のリングに上がったジェイソン・モロニー。
 
相手のレオナルド・バエズは普段はフェザー級やS・バンタム級が主戦場とのことで、若干パワーレス気味なモロニーにとっては強敵の部類と言える。
 
というかモロニーさん、ロドリゲスに負けて以降、すでに3試合もこなしてるんですね。
WBAオセアニアタイトルなるものを獲得しているようで、あの敗戦からきっちり再起なさっているらしい。
 
2019年5月の井上戦から2度も試合がすっ飛んだエマヌエル・ロドリゲスとは真逆というか、よくも悪くも地域格差が出ている感じか。
 
ルイス・ネリvsロドリゲスはおもしろ過ぎるでしょ。ネリの連打かロドリゲスのカウンターか。派手なKOが観たいね
 
そしてリング中央で対峙した両者を観ると、レオナルド・バエズの方が明らかにデカい。
 
身長175cm、リーチ174cmのバエズに対し、モロニーは身長、リーチともに165cm。階級差というか、もともとのフィジカルにも大きな差があるように思える。
 
 
だがジェイソン・モロニーはうまく左右に動いて芯を外し、バエズのサイドから左リードのヒットを重ねる。
体格差を活かして前に出るバエズだが、ポジショニングとガードを駆使して死角に回り込むモロニーをなかなか捉えることができない。
 
常に間合いの外をキープし、細かいヒットを重ねるモロニー。
 
バエズが強引に前に出てくれば、自ら身体を寄せてインファイトで勝負。
遠い位置では足を止めずに角度の調整しながら的確な左を当て、回転半径を徐々に狭めるイメージで距離を詰めてインファイトに持ち込む。
 
一回り大きなバエズを翻弄し続け、最後は7R負傷TKOでの勝利。ほぼ完勝と言ってもいい内容だったのではないか。
 
ホセ・ペドラサvsミケル・レスピーエル感想。ペドラサってホントに器用だよな。余裕が出ると試合中に全部試したくなる感じ
 

モロニーのことが気に入っている。ちょっと河野公平っぽさもあり、井上との対戦が観たかった

実を言うと僕は2018年10月のエマヌエル・ロドリゲス戦以来、ジェイソン・モロニーのことが結構気に入っていて、井上尚弥とはロドリゲスよりもドネアよりもこの選手と対戦してもらいたいと思っていた。
 
今回のバエズは上背、リーチのあるパワフルなタイプだが、射程自体はあまり広くない。
腕の届かない位置ではできることがなく、思いっきりくっつかれると自分のリーチが邪魔になる。
ウェルター級のジェシー・バルガスの下位互換というか、動きも直線的で本当にメキシカンっぽい選手というイメージ。
 
なので、中間距離に留まりさえしなければ危険な1発はまず飛んでこない。
惜しくも敗戦を喫したロドリゲスもそうだが、足を止めずにサイドに回り込むスタイルのモロニーにとっては比較的やり易い相手だった。
 
モロニー(マロニー)がんがれ。井上尚弥相手にどこまで粘れるかの試合かなぁ。モロニー好きだし、井上の苦戦も観たいけど
 
そして、モロニーのこのスタイルは井上尚弥攻略にも有効だと思っている。
 
絶えずアングルを変えつつサイドに回り込んでヒットを重ね、インファイトでは肘をうまく使ってスペースを確保しボディを狙う。
ポジション取りがめちゃくちゃうまく、なおかつ相手の連打に耐えながら前に出る根気もある。
 
これは元WBA世界S・フライ級王者の河野公平とも少し似ていて、特に離れた位置からインファイトに巻き込むまでの流れは「河野を参考にしたの?」と思うくらい(そうでもないか?)。
 
ロドリゲスの評価が下がった? いや、モロニーの評価が上がったんだよ。河野公平化したモロニーがロドリゲスを追い詰める
 
井上のリードに耐えながらインファイトが機能すれば何かが起きるかもしれない。そういう意味でもモロニーが持ち味を発揮した上で完勝を果たしたのはよかった。
 
 
ちなみにだが、弟のアンドリュー・モロニーにはまったく興味がない。
前々日のタイトルマッチで負けて王座から陥落したらしいが、今のところ1mmも観る気が起きない。
 
 
まあ、正直に申し上げるとモロニーが井上をどうこうできるイメージはまったく湧かない。
若干パワーレスなモロニーに井上の豪腕を抑えきれるとは思えないし、何よりこのスタイルは体力の消耗がめちゃくちゃ激しい。
 
2017年5月のIBFウェルター級タイトルマッチ、ケル・ブルックvsエロール・スペンスJr.戦でのケル・ブルックがこれに似たスタイルで善戦したが、結局後半に力尽きて11RKO負けを喫している。
 
ウェルター級屈指のフィジカル強者であるケル・ブルックでもスペンスの圧力に1試合耐えきるのは不可能だったことを考えると、ジェイソン・モロニーvs井上尚弥ではせいぜい7、8Rまで粘れば御の字かなぁと。
 
序盤に拳を負傷したエマヌエル・ロドリゲス相手でも、後半はだいぶゼーハーゼーハーしてましたからね。
 

相変わらず刻むよね〜。モロニー兄弟の試合をメインとセミに組み込んで週末開催じゃダメだったの?

そして、何度か申し上げているようにTOP RANKがやたらと興行を小刻みに開催している理由がいまいち理解できない。
 
先日のシャクール・スティーブンソンvsフェリックス・カラバロ戦、ジェシー・マグダレノvsイェニフェル・ビセンテ戦もそうだが、メインの選手を中1日で別の興行に分けるのはどんな意図があるのか。
今回もモロニー兄弟を同じ興行に起用して週末開催にすればよかったんじゃないの? と思うのだが。
 
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同じ会場で中1日、そこそこ名のある選手をわざわざ分けて平日開催する。
1回のイベントを濃くして週末に開催するより、小規模でも回数を重ねた方が実入りが多いということか。
 
ただ、試合数が増えればその分クソ試合に当たる確率も上がるわけで、個人的には週末開催の方がはるかにありがたかったりする。
 
 
新型コロナウイルス感染拡大の影響でマッチメークにも苦労したという話も聞こえてきたし、シャクール・スティーブンソンの相手を務めたフェリックス・カラバロは準備期間がかなり短かったとのこと。
 
無理やり駒を集めて微妙な試合を数多く組む必要性があるのかないのか。
採算面と話題性を天秤にかけた上での判断なのだと思うが、部外者の素人にはいくら考えてもよくわからない。
 
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