速い球を投げるには? 急激なブレーキによる加速をリリースポイントで爆発させる。強いパンチを打つ方法と共通してる?

速い球を投げるには? 急激なブレーキによる加速をリリースポイントで爆発させる。強いパンチを打つ方法と共通してる?

先日、プロボクサーの長濱陸選手のブログで下記の記事を読んだ。
 
強打の技術 『ブレーキ効果』
 
肩を支点にして身体を回転させて加速を生み、肩関節がある程度回ったところで身体を反対側に回して急ブレーキをかける。そうすることにより、拳にさらなる加速がついて強力なパンチを打てるようになる。
といった内容の記事(間違ってたらすみません)。
 
「なるほど〜」「相変わらずすげえな〜」と関心すると同時に、何年か前に僕が調べた「野球のピッチャーが速い球を投げるには?」の理屈と共通している部分が多くおもしろいと思った次第である。
 
僕は別に150kmのストレートを投げたいわけでもないし、元世界ミドル級統一王者ゲンナジー・ゴロフキンをKOしたいわけでもない。
単なる素人に過ぎないのだが、今回は当時調べたことを備忘録として書いてみたい。
 
 
というか、この辺の話題はマニアック過ぎて興味がない人には本当に需要がないんすよね。一時期、三角関数(サイン・コサイン・タンジェントのヤツね)にハマったことがあるんですが、絶対誰も興味ないですからね。
 
前田健太がノーノー未遂。すげえなマエケン。今年はいいと思ってたけど、まさかここまでとは。めちゃくちゃワクワクしたわ。なお勝ち星
 

アロルディス・チャップマンの投球フォームが参考になる。踏み出した足による急ブレーキ

下記の動画はMLBニューヨーク・ヤンキースに所属するアロルディス・チャップマン。
「Chapman hits 106 MPH in relief appearance」
 
2011年のシンシナティ・レッズ時代に106マイル(約170.6km/h)を投げた際の動画である。
いわゆるチャップマンが“もっとも速かった”時期のピッチングで、名実ともに「世界最速の投手」の地位を確立した試合でもある。
 
今回の「速い球を投げるには?」については、この選手の投球フォームが参考になるのではないかと思う(出典:MLB.com)。
 
身体を縮めてパワーを溜め、

 
弓を引き絞るようにテイクバック。ここで前方への加速を一気に高める。

 
そして、一番のミソがこの部分。

1.弓を引き絞って発生させた前方への加速を
2.踏み出した足を突っ張ることにより、反対側からブレーキをかける。
3.それによって、前方への加速をさらに増幅させる。
 
上記の「強打の技術」の記事と同様、肩を支点に反対側から急ブレーキをかけることでボールにより強い力を伝える。
 
 
僕の記憶によると、昔は「ピッチャーは踏み出した足を突っ張ると前への力を殺してしまう」「膝を曲げて余裕を持たせることにより、前方への力をそのまま伝えられる」と言われていた気がする。
 
実際、踏み出した足をここまで突っ張るピッチャーは少なかったように思う。
 
だがこの10年前後でそれらの常識が覆り、多くのピッチャーがこの「加速→急ブレーキ」を利用してリリースポイントでパワーを爆発させるピッチングに移行した。
 
 
例えばだが、千葉ロッテマリーンズやニューヨーク・ヤンキースに所属した伊良部秀輝投手と、横浜ベイスターズや巨人ジャイアンツで活躍したマーク・クルーン投手を比較すると、その違いが顕著になると思う。
 
強靭な背筋と腕力で球速を出している伊良部に対し、チャップマンと同様、踏み出した足を突っ張ることで前方への力を一気に加速させるクルーン。
 
全身をムチのようにしならせるクルーンの方がより効率的に身体を使えていることがわかる。
 
 
あえて動画は貼りませんが、興味があれば「伊良部秀輝」「マーク・クルーン」で検索してみてください。
 

回転を加えることでさらに強い力を生み出す。投球後に身体が流れるのはいいこと?

また、踏み出した足を軸に横回転を加えることにより、さらに強い力を生み出すことが可能になる。
 
下記はチャップマンの投球フォームを後ろから見たところ。


 
右足(右ピッチャーなら左足)を地面に着くと同時に、その足を軸に腰を横に回転させる。
 
 
ピッチャーのフォームにもよるが、足が着地した瞬間は真横に近い回転だったものが徐々に縦方向に傾いていくイメージ。
踏み出した足を軸に身体をコマのように“グルンッ”と回転させることにより、急ブレーキで生み出した前方への加速にプラスアルファを加えることができる。
 
 
このように投球後に三塁側(右ピッチャーなら一塁側)に身体が倒れるのは、体重移動がうまくいっている証拠でもある。


 
昔は「ピッチャーは9人目の野手」「投球後に身体が流れるのはよくない」と言われていたが、これも上述の踏み出した足による急ブレーキと同様、「常識」と呼ばれるものが徐々に変わってきた結果なのかなと。
 
 
まあ、この部分は「強いパンチを打つ方法」とは少し事情が異なるのかもしれませんが。
 

力任せとは全然違う加速。やってみるとわかるけど、あまり頑張り過ぎると怪我するから気をつけてねw

上記の投球フォームは試しに自分でもやってみたのだが、確かに全然違う。
 
実際に球を投げなくても、部屋の中でシャドーピッチングをするだけでも顔の横を腕が“ビュンッ”と通過していくことがわかる。
力任せに腕を振るのとは明らかに異なる、急ブレーキによる加速が指先に伝わる感覚。
 
 
ただ、一応言っておくとやり過ぎには要注意である。
何事にも“ほどほど”というラインがあって、恐らくこの「加速と急ブレーキ」も例外ではない。
 
踏み出した足によるブレーキばかりを意識していればどうしても腕は縮こまる。肝心の前方への加速が足りなくなり、結果的にヒョロヒョロな腕の振りができあがる。
 
また身体を回転させることを考え過ぎるとそれだけ視点がブレるので、そもそものコントロールがつかなくなる。
 
 
何よりあまりに極端なストップ&ゴーは怪我につながる
 
肩を支点に加速を加えると言っても人間の身体には多くの関節がある。やってみるとわかるが、投球時に肩や肘にかかるストレスは相当なもの。
 
先発ピッチャーならそれを毎試合100回単位で繰り返すことになるわけで、トミー・ジョン手術でキャリアを停滞させるピッチャーが後を絶たないのも理解できる。
 
僕も自分で試してみてわかったのだが、確かにこれはヤバい。
部屋の中で少し素振りをしただけでも肘への負担ははっきりと感じるし、次の日まで微妙に違和感も残っていた。
 
 
投球フォームや筋力アップ、登板間隔などなど。トレーニングや管理面で防げることも多いとは思うが、速い球を投げることと怪我をせずに長持ちさせることはある意味トレードオフと言えるのかもしれない。
 
プロ野球が高校生のトライアウト検討だって。最高じゃんか。Jリーグの投げ銭もそうだけど、他競技の指標になる可能性があるよね
 
てか「ブレーキによる加速」を試すのはいいんですけど、ホントに無理しないほうがいいっすよ。
単なる素人が部屋でピッチングの真似事をした結果、靭帯が切れてトミー・ジョン手術とか、マジで意味わからんですからねww
 
 
なお上記の内容は僕が個人的に調べたことなので、間違いもあるかもしれません。
 

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