マーク・マグサヨvsフリオ・セハ感想。1発のロマンと正面突破な試合運び、脆さが同居する。ダウンを奪われながらも足ピーンの失神KO勝利【結果・感想】

マーク・マグサヨvsフリオ・セハ感想。1発のロマンと正面突破な試合運び、脆さが同居する。ダウンを奪われながらも足ピーンの失神KO勝利【結果・感想】

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2021年8月21日(日本時間22日)に米・ネバダ州ラスベガスで行われたPBC興行。WBA世界ウェルター級スーパー王者ヨルデニス・ウガスと同休養王者マニー・パッキャオの一戦をWOWOWエキサイトマッチで視聴したわけだが、今回はそのアンダーカードについて。
 
具体的には、
・カルロス・カストロvsオスカル・エスカンドン(フェザー級10回戦)
・ロバート・ゲレーロvsビクター・オルティス(ウェルター級10回戦)
・マーク・マグサヨvsフリオ・セハ(フェザー級12回戦)
の3試合。
 
中でも22戦全勝15KO中のマーク・マグサヨの試合には結構ワクワクしていたこともあり、当日のO.A.でも大いに楽しませていただいた。
 
 
というわけで、このマーク・マグサヨとフリオ・セハによるフェザー級12回戦を中心に感想を言っていこうと思う。
 

○カルロス・カストロvsオスカル・エスカンドン×(10R1分8秒TKO)

まずはこの試合。
 
WBC世界S・バンタム級2位カルロス・カストロが元王者オスカル・エスカンドンと対戦し、10R1分8秒TKO勝利を挙げた一戦である。
 
 
この対戦はマグサヨvsセハ戦同様に僕が楽しみにしていた試合で、できればWOWOWエキサイトマッチでO.A.されないかなぁと思っていたところ。
 
パッキャオvsウガス戦他展望。スペンス離脱による代打ウガスどうよ? パッキャオは今回がラストファイトで大統領選に出馬するとか
 
だが残念ながら中継はなく、あとで結果を知った次第である。
 
 
試合後の記事やSNSでのハイライト映像などの断片的な情報によると、どうやらかなりの激戦だったとか。
僕はカルロス・カストロが中盤くらいにはKOするのでは? と思っていたのでこの結果には「へえ、そうなんだ」と少々驚かされている。
 
しかも、初回にエスカンドンの左でカストロが腰を落とすシーンまであったらしい。
 
エスカンドンが想定以上にがんばったのか、カストロがエスカンドンの圧力に飲まれたのか。恐らく両方だとは思うが、どちらにしろなかなか決着がつかず(ポイントは87-84、87-84、88-83とカストロがリード)に最終回まで長引いたというのはちょっと意外だった。
 
とは言え、手こずりながらも最後の最後にKOで決めたカストロはさすがである。
鋭い左ジャブとよく動く足、打ち下ろしの右という3つの強力なネタを使い分けるファイトスタイルは今後も期待していいのではないか。
 
 
てか、エスカンドンは側頭部にフックを被弾して首がカクッと折れるシーンが目につくのがおっかないんですよね。
 

○ロバート・ゲレーロvsビクター・オルティス×(判定3-0 ※96-94、96-94、96-94)

続いてはこの試合。
 
元4階級制覇王者ロバート・ゲレーロと元WBCウェルター級王者ビクター・オルティスによるウェルター級10回戦。3-0(96-94、96-94、96-94)の判定でゲレーロが勝利した一戦である。
 
 
僕はもともとこの試合にあまり興味がなく、できればWOWOWエキサイトマッチでは上述のカルロス・カストロvsオスカル・エスカンドン戦の方を中継してもらいたいと思っていた。
 
 
ロバート・ゲレーロは元4階級制覇王者と言ってもすでに38歳。2013年5月のフロイド・メイウェザー戦、2015年3月のキース・サーマン戦あたりが最後の輝きだったことを考えると、すでにトップ戦線に絡む状態ではない。
 
一方のビクター・オルティスも年齢こそ34歳だが、直近の試合が2018年2月とブランクが大きい。2011年9月のフロイド・メイウェザー戦での頭突きでメイウェザーをキレさせて以降、いまいちパッとしないキャリアが続いている。
 
そう考えると、ビッグネーム同士の対決と言ってもいまいちそそられるものがない。
当日も適当に流して終わりかなぁと思っていたのだが……。
 
何だかんだで結構楽しめたことを報告しておく。
 
 
申し上げたように両者ともに全盛期と比較すれば下降線にあるのは間違いない。
また、元王者とはいえどちらもトップ中のトップからは若干格落ちする選手でもある。
 
内容自体もそこまで盛り上がるものではなかったのが正直なところである。
 
 
だが、こういうベテラン同士の対戦には何とも言えない味があることも確か。
先日「マニー・パッキャオは現役を続行するなら“生き様を見せる”方向にシフトすればいいんじゃない?」と申し上げたが、今回の両者もまさにそんな感じ。
 
落ちたなパッキャオ…。ウガスに3-0の判定負け。仮に現役続行するなら王座を狙うよりも“生き様を見せる”方向にシフトしていけば
 
今の自分に残された戦力をどうすれば最大化できるか。
フルスロットルで動ける時間が少ない分、抜きどころをどこに置くか。
 
これまでのキャリアで積み重ねた経験値を総動員して力を振り絞る姿からは、インテリジェンスの高さと否応なしの哀愁が漂う。
 
マニー・パッキャオやロイ・ジョーンズJr.、シェーン・モズリーといったレジェンドたちの実績には及ばないものの、全盛期を過ぎてもリングに上がり続ける彼らの“生き様”にはやはり心動かされてしまう。
 
 
まあ、試合を観てないんですけどね!!
 

○マーク・マグサヨvsフリオ・セハ×(10R50秒KO)

そしてラストはこの試合。
 
WBC世界フェザー級5位マーク・マグサヨと同級12位フリオ・セハが対戦し、マグサヨが10R50秒KOで勝利した一戦である。
 
 
まず最初に申し上げておくと、僕はマーク・マグサヨという選手にあまりピンときていない
 
22戦全勝15KOと戦績こそ派手だが、試合運びが正直すぎてそこまでぶっ飛んで強いようには見えないのが本音だったりする。
 
 
そして、今回の試合もまさにそんな感じ。
セハの連打と圧力にタジタジにされ、ロープ際でのボディ攻撃に大いに苦しめられる。
で、5R終盤にはたっぷりと下を意識させられたところで外側から顎をスパッと打ち抜かれてダウン。
 
あの時点では割とガチで「マグサヨ負けるかも?」と思った次第である。
 
 
また、接近戦があまり得意ではないというのもよくわかった。
前回の予想記事で「両者の射程は似ている」と申し上げたが、実際には中間距離のみのマグサヨと至近距離で力を発揮するセハという印象。
 
 
マグサヨは手数こそ少ないものの、左ジャブからつなぐストレートがよく伸びる上に威力も凄まじい。
 
だが、それはあくまで自分の腕が伸びる位置での話。
 
そこから一歩近づかれるとあっという間に手が出なくなり、ガードを上げて亀になる悪癖が顔を出す。
しかも基本はまっすぐ下がるのみで左を引っ掛けてサイドに逃げるといった動きもないため、すぐにロープを背負わされて糞詰まりを起こす。
 
中間距離での1発の威力、爆発力は抜きん出ているが、できることはあまり多くない。
格下相手には滅法強いが、苦手なタイプにはすぐに手詰まりになるというのがこの選手の特徴なのだろうと。
 
バージル・オルティスvsカバロウスカスのThis is boxingな一戦。オルティスの若さとカバロウスカスの失速癖で大盛り上がり
 

マグサヨのロマン。あそこまでヘロヘロにさせられてからの逆転劇は今後に期待せざるを得ないw

だがマグサヨの馬力、1発の威力には本当にロマンがある。
 
4、5、6Rとあそこまでヘロヘロにされながらも後半から持ち直したメンタル、身体の強さは素晴らしかったし、10Rに一気に畳み掛けてセハを失神させた爆発力もすごい。
 
特に各ラウンドごとに1、2発のカウンターをヒットして着実にダメージを蓄積させていったことが最後の最後に大きなリターンとなった。
 
もちろんセハが“打たせながら打つ”激闘型でカウンターを狙いやすいというのもあるが、ロープを背にした状態でも心折れずに打ち返し続けたマグサヨの勤勉さと自分のパンチに対する自信はなかなかのもの。
 
・中間距離以外でできることが少ない
・圧力をかけられると亀になってまっすぐ下がる
・ディフェンス面の甘さ
 
いろいろと粗が多い上に現時点では王者ゲイリー・ラッセルJr.に歯が立つとも思えない。
それでも身体を硬直させて空中で失神するセハの姿を見せられると、問答無用で期待感が高まってしまう。
 
 
いや、フリオ・セハもがんばったんですけどね。
上述のオスカル・エスカンドン同様、激闘型の選手はどうしても後半にダメージが噴き出して押し切られるパターンが多くなりますよね。
 
リゴンドーがフリオ・セハを接近戦でKO。コイツ残り時間の少なさを意識してるっぽい。衰え以上に需要が。値打ちこいてる場合じゃない
 
 
以上である。
3試合中2試合を未視聴のまま語るというまさかの暴挙に出たわけだが、マーク・マグサヨに免じて(?)ご勘弁いただければと思う。
 
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