ワシル・ロマチェンコ復帰戦。ジャーメイン・オルティス意外とがんばるんじゃないの? この際だから勝っちまえよ。足を止めないことが重要になりそう【予想・展望】
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2022年10月29日(日本時間30日)に米・ニューヨーク州で行われるライト級12回戦。元3団体統一王者ワシル・ロマチェンコがWBCライト級7位ジャーメイン・オルティスと対戦する。
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— eFight(イーファイト)格闘技&フィットネス情報 (@efight_twit) September 12, 2022
母国ウクライナでの兵役から復帰したワシル・ロマチェンコが約11か月ぶりにリングに戻る。
対戦相手は戦績16勝1分8KOのジャーメイン・オルティス。前戦で元S・フェザー級王者ジャメル・ヘリングに判定勝ちした選手で、この試合に勝利して飛躍を狙う。
またロマチェンコは今回の復帰戦で勝利すれば次戦でデビン・ヘイニーとジョージ・カンボソスの勝者に挑戦する意向とのこと。当初予定していたジョージ・カンボソスとの3団体統一戦が兵役により流れた経緯があり、統一王者への道を再び切り開くためにも負けられない一戦となる。
ロマチェンコが苦労の末に判定勝利。ジャーメイン・オルティスは期待以上にいい選手だった。でも勝負どころを見極めたロマチェンコはさすが。衰えについては…
- 1. ワシル・ロマチェンコの帰還。ジャーメイン・オルティスはアップセットを起こして統一戦への挑戦権をぶん取りたい
- 2. ジャーメイン・オルティスはいい選手。見切りとバネを兼ね備えたカウンター使い。でも、自分から追いかけるのは苦手っぽい
- 3. ロマチェンコの勝利予想が大半だと思うけど、僕はオルティスのアップセットに期待する
- 4. ルーク・キャンベルの作戦を踏襲するのがよさそう。足を動かし続けてロマチェンコをサイドに回らせない
- 5. ロマチェンコのスピードとポジショニングに面食らうと一気に持っていかれる。ロマチェンコと正対し続けられるかどうか
- 6. 勝敗予想はロマチェンコの判定勝利。オルティスがロマチェンコに勝つのは至難の技。「がんばったけどロマチェンコが強かったね」がMAXかなぁ
ワシル・ロマチェンコの帰還。ジャーメイン・オルティスはアップセットを起こして統一戦への挑戦権をぶん取りたい
元PFP No.1ワシル・ロマチェンコが戻ってくる。
いまだロシアによるウクライナ侵攻は続いているが、兵役でリングを離れていたウクライナ出身の選手も徐々に戦線に復帰しつつある。
ジョージ・カンボソスとの統一戦が兵役によって中止になったロマチェンコもこの試合に勝利すれば統一戦が見えてくるとのこと。遠回りはしたものの、ようやく自分の居場所に帰ってきたと言えそうである。
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そして今回対戦するジャーメイン・オルティスは戦績16勝1分8KOの26歳。
2022年5月に元S・フェザー級王者ジャメル・ヘリングに判定勝利しヘリングに引退を決意させた選手である。
ランキングもWBC7位と王座挑戦圏内につけており、一時期WBAのジャーボンティ・デービスへの指名挑戦権を手にしていたことも。だが、複数階級制覇を目指すデービスとの遭遇は結局かなわなかった。
なので、この試合でロマチェンコに勝利し何としてもヘイニーvsカンボソス戦の勝者への挑戦権をぶん取りたい。
ジャーメイン・オルティスはいい選手。見切りとバネを兼ね備えたカウンター使い。でも、自分から追いかけるのは苦手っぽい
ジャーメイン・オルティスは前回のジャメル・ヘリング戦で初めて観たのだが、なかなかいい選手だなぁと思った記憶がある。
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遠い間合いに低いガード、見切り中心のディフェンス。一足飛びで距離を詰めると同時に浴びせる連打。
相手の攻撃を見切る目と一瞬で間合いをゼロにするバネを兼ね備えたカウンター使いで、試合を通して足を止めないスタミナ、フットワークも素晴らしい。
またアマチュア時代にはテオフィモ・ロペスやジャロン・エニスといった有名選手とも対戦経験があるとのこと。
ナチュラルなスイッチやチャンスでのカロリー高めの連打などなど。ああいう尖ったファイトスタイルもアマチュア仕込みのものなのかもしれない。
その一方で露骨にカウンターを狙う“待ち”の相手には大いに手こずる印象。キャリア唯一の引き分けとなった2021年4月のジョセフ・アドルノ戦では、遠い位置でガードを上げて待ち構えるアドルノを終始攻めあぐねている。中盤に鼻血を出してゼーハーするなど全体を通してやや劣勢だったようにも思える。
もともと見切りに長けたカウンター使いなので入ってくる相手を迎えうつのは得意。その反面、自分から追いかけるのはあまり得意ではないのだろうと。
ちなみにオルティスと引き分けたジョセフ・アドルノは2022年3月にミッシェル・リベラ(モハメド・アリリスペクトの人)に0-3の判定負けを喫している。
現時点でのミッシェル・リベラの実力が定かではないのだが、ランキング的には王者クラスのちょい下くらいだろうか。
そう考えると、ジャーメイン・オルティスも最低でもライト級の第2グループ以上の実力者と言えそうである。
ロマチェンコの勝利予想が大半だと思うけど、僕はオルティスのアップセットに期待する
兵役からの帰還を果たし、待望のリング復帰となるワシル・ロマチェンコ。
ところが僕はこの試合でジャーメイン・オルティスにアップセットを起こしてほしいと思っている。
理由はみんながロマチェンコを応援しているから。
前回のジャメル・ヘリング戦でオルティスのことを気に入ったのもあるが、何より持ち前の? 天邪鬼精神が顔を出したことが大きい笑
できることならロマチェンコの勝利を予想した多くの方が「嘘だろ!!」と固まる様子が見たい。
というわけでジャーメイン・オルティスがロマチェンコに勝つにはどうすればいいかを考えてみるわけだが……。
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ルーク・キャンベルの作戦を踏襲するのがよさそう。足を動かし続けてロマチェンコをサイドに回らせない
一番可能性がありそうなのは2019年8月のルーク・キャンベルvsワシル・ロマチェンコ戦を参考にすることかなと。
ロマチェンコとまともに勝負するにはとにかく正面に立ち続ける必要がある。
ひとたびサイドに回り込まれると「至近距離で蜂の巣にされる→ガードを上げたまま手も足も出なくなる」流れであっという間にロマチェンコ勝ちまで持っていかれる。
それをさせないためには
・ハンドスピードとボディ打ちで動きを止める
・前手のジャブを出しながら常に左右に動き続ける
のどちらかで勝負するのがよさそう。
過去、手数と回転力で対抗してみせたのがホセ・ペドラサとホルヘ・リナレス。またリナレスとテオフィモ・ロペスはボディ打ちを駆使することでロマチェンコと正対し続けることに成功している。
その一方でルーク・キャンベルはひたすら左右に動いてロマチェンコの進路をふさぎ、リーチ差、サイズ差を活かした前手のジャブで懐への侵入を阻んでみせた。仮に近づかれた場合でもリナレス同様、ボディ打ちによって接近戦から脱出した。
疲れの見えた終盤にダウンを喫して判定負けしたものの、キャンベルがあの試合で一定の結果を残したことは間違いない。戦前の予想をはるかに上回る健闘だったと思っている。
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ロマチェンコのスピードとポジショニングに面食らうと一気に持っていかれる。ロマチェンコと正対し続けられるかどうか
今回のジャーメイン・オルティスもどちらかと言えばリーチが長く上背のあるタイプ。
リナレスやペドラサのようにハンドスピードで勝負するより、前手とフットワークを駆使したルーク・キャンベルの作戦を踏襲する方がいいのではないか。
過去の試合を観る限りこの選手はルーク・キャンベル同様、試合を通して足を止めずに走り切ることが可能。前手のジャブの鋭さを含めてそこそこやれそうなネタを持ち合わせている(と思う)。
逆に少しでも足が止まるとペースは一気にロマチェンコに傾く。
それこそアンソニー・クローラやギジェルモ・リゴンドー、中谷正義、リチャード・コミーのように近場で動き回られ、蜂の巣にされるパターン。
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なので、この試合でジャーメイン・オルティスが勝機を見出すには
・足を止めずに常に左右に動き続ける
・前手のジャブでロマチェンコを近づかせない
・ボディを駆使して動く範囲を限定する
ことができるかどうか。
ロマチェンコのスピード、ポジショニングに面食らって少しでも身体が硬直すれば、そこからロマチェンコ勝ちまでは一本道。
ある程度離れた位置で対峙する、常にロマチェンコの姿を視界に入れておくことが最重要課題になる(気がする)。
勝敗予想はロマチェンコの判定勝利。オルティスがロマチェンコに勝つのは至難の技。「がんばったけどロマチェンコが強かったね」がMAXかなぁ
今回の勝敗予想だが、ロマチェンコの判定勝ちでいきたい。
散々オルティスがロマチェンコに勝つにはどうすればいいかを考えてきたわけだが、じゃあどちらが勝つの? と聞かれれば僕は迷わずロマチェンコと答える(何じゃそりゃ)。
ただ、長々と申し上げたようにジャーメイン・オルティスのがんばりには大いに期待している。そして、実際に肉薄できるネタを持った選手だとも思っている。
と言いつつロマチェンコに勝てるかどうかと言えば……。
16勝8KOの戦績を踏まえればオルティスがロマチェンコをKOする可能性は低い。
勝つとすれば判定だと思うが、それもまた難しそう。
ルーク・キャンベルは健闘したと申し上げたが、正直勝てそうな気配は皆無だった。フルマークに近いポイント差をつけられていることからもそれは明らかである。
あれこれ考えていくと、やはり勝つのはロマチェンコ。
何だかんだで「オルティスはがんばったけど、やっぱりロマチェンコは強かったね」というのがMAX肉薄したケースかなぁと。
というわけで僕はオルティスがロマチェンコの“王様オーラ”にどれだけ怖気づかずに正気を保っていられるかに注目しておく。
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