井上尚弥vsTJ・ドヘニー再視聴。ドヘニーががんばったとしか思えないんだが、僕だけ別の試合を観てんのか?笑 すべてを“ゼロか1”で分けるなんて無茶だから【感想】

井上尚弥vsTJ・ドヘニー再視聴。ドヘニーががんばったとしか思えないんだが、僕だけ別の試合を観てんのか?笑 すべてを“ゼロか1”で分けるなんて無茶だから【感想】

「ボクシング記事一覧リンク集」へ戻る
 
2024年9月3日に東京・有明アリーナで開催された「NTTドコモ Presents Lemino BOXING ダブル世界タイトルマッチ」。
メインイベントのS・バンタム級4団体タイトルマッチ、井上尚弥vsTJ・ドヘニー戦を現地観戦してきたわけだが。
 
例によって今回はLeminoのアーカイブを視聴した感想を。
会場での印象と違った部分、同じだった部分等を言っていくことにする。
 
 
会場で観た感想は下記↓
TJ・ドヘニーがすごかった。警戒心MAXの井上尚弥から6R中2R奪取はとんでもない。差し合い、駆け引き勝負で食い下がる姿に感動したぞ
 

再視聴してもやっぱりドヘニーはがんばってた。僕だけ違う試合を観てるんか?笑

まず僕はこの試合のドヘニーはかなりがんばったと思っているのだが、映像で観たらどうかな? と。
ドヘニーが棄権した理由を調べるために6R後半と7Rはリピートしたが、全体を通して観るのは今回が初めてである。
 
結論から言うと映像で観てもドヘニーはめちゃくちゃがんばっていた
何度も言っているように僕はドヘニーを応援していたが、それを抜きにしても。
 
井上尚弥vsTJ・ドヘニー。ドヘニーの4敗、勝利した相手を振り返ると井上との相性はそこまで悪くない? めっちゃ応援するけど勝つのは…
 
だが周りの感想はまったくの逆。
「何もできなかった」
「守っているだけだった」
といった意見から
「ドヘニーは逃げてばかりだった」という辛辣なものまで。
 
僕だけ別の試合を観ているのか? と疑問がわくほどに笑
 
いや~。
がんばったと思うんですけどねドヘニー。
多少贔屓目があるにせよ。
 
井上相手にこれだけやれる選手がなぜ「時間の無駄」などと言われていたの? と。
 

井上の過去の試合を参考にしたドヘニーのラウンドごとのムーブ。マジで勝とうとしてたのが伝わってきた

全体を通してのドヘニーのムーブは、
1、2R:左右に動いてディフェンシブに
3、4R:ディフェンスを重視しつつ手を出してポイント奪取を狙う
5、6R:ペースアップして勝負をかける
 
だいたいこんな感じ。
 
過去の試合を振り返る限り1、2Rの井上は鬼のような強さを発揮する。
この時間帯の井上とまともに勝負するのは得策ではないということで、ディフェンシブな振る舞いを意識したのだと思う。
 
ただ、ひたすらポイントを取られるだけになるのはマズいと判断して3、4Rはそれなりに手を出したのではないか。
 
そして5、6Rにペースアップ。
 
井上は中盤にやや集中が切れる、雑になる傾向がある。
凄まじい強さを発揮する中でわずかに勝機があるとしたらここかな? と常々申し上げている。
 
恐らくドヘニー陣営もそれを把握していて、あそこでギアを上げたと想像する。
 
井上尚弥vsスティーブン・フルトン戦を視聴。戦力差を把握すると舐めプを始める横着さはヤンキー気質によるものだろうな。それでも無敵だけど
 
序盤はディフェンシブに振る舞い、(勝負どころの中盤まで)極力ダメージを溜めないことを意識する。その中でいくつかポイントを奪取できればなお可。
そして井上のペースが落ちる中盤5、6Rにギアチェンジ。
 
実際1、2Rは目立ったダメージはなく3、4Rにポイントを取り返してみせた。
 
・横の動き→ポール・バトラー、マーロン・タパレス
・中盤のペースアップ→スティーブン・フルトン、マーロン・タパレス
先人の残した情報をもとに最強王者攻略を真剣に狙っていたことが伝わってくる。
 
しかもタパレスほどダメージを負わず、バトラーほどディフェンス一辺倒でもない。フルトンよりも明確にギアが上がった。
何度観てもドヘニーはがんばったとしか思えないのだが。
 

中盤から後半にかけてのペースアップが井上陣営の作戦。前回のダウンを踏まえてるんだろうな

だが、この日の井上陣営は中盤から後半にかけてペースアップする作戦だったとのこと。
これがドヘニーのギアチェンジとかち合ってしまったのが……。
 
先日申し上げたように井上はルイス・ネリ戦でのダウンを相当気にしていたのだと思う。
周りからも散々言われたはずで、同じ失敗は絶対にしないと決意して臨んだと想像する。
 
また将来的な階級アップ、ドヘニーの1発への警戒心等、諸々の要素が積み重なり序盤はめちゃくちゃ慎重だった。
 
開始のゴングとともにオラつき倒した前回とは真逆。
打ち終わりの復元の速さ、突っ込みすぎない構え、深追いしない意識、その他。
陣営の方針がめちゃくちゃ伝わってくる序盤だった。
 
井上尚弥vsルイス・ネリ現地観戦感想。序盤の鬼強タイムの井上をダウンさせた意義は大きい。S・バンタム級の井上を過度に神格化する必要はない
 

井上とちゃんと打ち合ったドヘニー。才能はタパレスの方が上だけど、立ち回りのうまさは断然ドヘニー

そして、その警戒心MAXの井上からポイントを取ったドヘニーはすごいと申し上げている。
 
もちろん井上が慎重だったせいでダメージを最小限に抑えられた部分はある。
それでも要所でドヘニーのパンチも当たっていたし、スルッと身体を入れ替えてコーナーから脱出する動きもうまかった。
 
井上がペースアップした5、6Rもそう。
確かに押されてはいたが、ドヘニーもちゃんと打ち返していた。
それこそ上と下のフェイント、駆け引きで上回る局面すらも。
 
過去の試合に比べて井上のパワーパンチが少ない(5、6R)ことが指摘されていたが、そりゃそうですよ。
だってドヘニーに反撃されてるんだもん
 
6R中盤から徐々に引き離されたものの、中間距離で井上とあそこまで渡り合えたのはマジですごい。2019年11月のノニト・ドネアに次ぐ健闘まである(僕の中では)。
 
恐らく持って生まれた才能はマーロン・タパレスの方が上。
だが、似たような立ち回りでもうまさは断然ドヘニー。スピード&パワーだけでは測れない実力というのはマジであるんだろうなと思わされた。
 
タパレスの大健闘に感動が止まらん。井上尚弥攻略の糸口? 階級アップで人外の超人っぷりは薄れたよな。最強には変わりないけど
 

ボディに対応できずにダメージが蓄積。あと、井上のクリンチ対策がうまかったよね

ドヘニーの誤算としては、やはりボディを効かされたことか。
 
ディフェンシブな立ち回りがうまかった、中間距離での駆け引きで上回る瞬間もあったと申し上げたが、いきなり飛んでくるボディは防ぎ切れず。
 
顔面への攻撃は横の動きや上体反らしでしのいだものの、ボディだけは何度も突き刺さっていた。
6Rの失速も恐らくボディのダメージ、試合後に本人がコメントしていたようにあのパンチが勝負の分かれ目だったのだろうと。
 
僕はむしろ「(モーションが大きくなる)あのボディにカウンターを合わせれば」と思っていたが、ドヘニーにそんな素振りは見られず。
顔面の守りに集中してそちらまで手が回らなかった感じか。
 
TJ・ドヘニーが井上尚弥に勝つ方法ってあります? 結局左をぶち当てるしかない? ダメージが溜まる前、3、4Rくらいまで?
 
あとはアレだ。
井上のクリンチ対策がめちゃくちゃうまかった
 
ロープを背負う、コーナーに詰まったドヘニーが組み付きにいくのだが、井上はグイっと腰を引いて強引に引っこ抜いてしまう。
で、ドヘニーが前のめりになった瞬間にボディを何発か叩き込む。
 
もともとこの選手はクリンチが下手くそと言われていて、2023年7月のスティーブン・フルトン戦ではフルトンのクリンチにどこまで対応できるかが注目されていた。あの試合でもフルトンにまともにクリンチをさせず自分の土俵に引っ張り出したわけだが、そのときの経験が活きているのかもしれない。
 
井上尚弥vsスティーブン・フルトン戦を視聴。戦力差を把握すると舐めプを始める横着さはヤンキー気質によるものだろうな。それでも無敵だけど
 
ドヘニーがラウンドごとの井上対策を徹底していた。
それが井上陣営の作戦とかち合ってしまった。
ボディを効かされてドヘニーの動きが止まった。
井上のクリンチ対策が思った以上によかった。
 
これらが会場ではわからなかった、映像で観て初めて気づいた点である。
 
井上が中だるみする件に関してはちょっとわからなかった。
 

Advertisement

 

識者(笑)たちの見解はまったく違った。まあ、そう思うんならそうなんでしょうね…

散々申し上げたように僕にはTJ・ドヘニーががんばったとしか思えないのだが、識者(笑)と呼ばれる方たちの意見は違うらしい。
 
・内山高志
「尚弥の圧力にのまれていた」
「本当は戦えるんだけど腰が痛い」
「井上尚弥 ドヘニー腰砕けで悪童が再評価 内山高志氏「ネリは倒そうとする意志が強かった」」
 
 
・長谷川穂積
「ビビってしまって何もできなかった」
「ボクシング 長谷川穂積氏が井上戦を評論「井上尚弥選手を怖がって何もできなかったドヘニー」」
 
 
うん、まあ……。
そう思うならそうなんでしょうね。
 
ジャッジ2者がドヘニーを支持した3Rを「井上がわざと打ってこさせた」旨の意見も目にしたし、やはり僕だけ別の試合を観たのかもしれない笑
 

Advertisement

 

物ごとをゼロと1で分けるなんて無茶だから。要するに割合の問題だからね

いつも思うのだが、なぜ物ごとをゼロか1で分けようとするのか。
 
今回の試合も確かにドヘニーが圧力にのまれた部分はあった(と思う)。
だが、同時にチャンスを待つためにディフェンシブに、芯でもらわないように正面を外し続けた側面もある。
 
当然井上の慎重さに助けられた部分もある。
 
逆に井上も前回のダウン、将来的な階級アップを見据えたファイトスタイルの変更に加えてドヘニーの1発への警戒、駆け引きのうまさに攻めあぐねた部分もあったはず。
 
要は割合の問題。いろいろな要因が複雑に重なってああなったわけで、ゼロか1で分けるなど不可能に決まっている。
 
それを「ビビッて何もできなかった(長谷川穂積)」「本当は戦えるんだけど……(内山高志)」と雑に評価するのはどうなのよ? と。
 
過去の井上の試合を参考にドヘニー陣営が今回の作戦を選んだと考えればいろいろな辻褄が合う(僕の中では)。
 
内山パイセンは井上をダウンさせたルイス・ネリを再評価しているようだが、ぶっちゃけあの試合は2Rまでだったでしょ。3R以降は絶望的だったぞ笑
 
 
以前から似たようなことを言っているが、試合ごとの機微、瞬間瞬間の細かな揺れ動きを想像しながら観るのはスポーツ観戦の醍醐味だと思うのだが。
 
井上尚弥vsマーロン・タパレス雑感。先人の残した情報を総動員して大健闘したタパレスがすげえ。井上の相変らずのヤンキーマインドにも安心した笑
 
最強王者を攻略するために少しでも確率の高い部分で勝負するなどごく普通のこと。
100ばかりのパラメータの中に85の部分があったらそこを狙うのは何もおかしなことじゃない。
 
時間を稼いでチャンスを待つよりも捨て身で玉砕する方が正解なんて、そんなバカな話があってたまるか笑
 
 
まあ内山パイセンはマーロン・タパレス戦のときも「勝つことよりも倒されないことを選んだ」と言っていたのでね。
 
「井上尚弥の〝苦戦〟に内山高志氏が見解「タパレスは勝つことより倒されないことを選んだ」」
 
基本的にディフェンシブな振る舞いが好きじゃないんでしょうね。
 
「ボクシング記事一覧リンク集」へ戻る
 

Advertisement

 
[THE MONEY TEAM] (ザ・マネーチーム) TMT 正規輸入品 MS104-2WK Tシャツ 白ベース×黒 フロイド・メイウェザー・ジュニアコレクション Tシャツ メンズ 半袖 ボクシング アメリカ
 
パーカー メンズ 長袖 スウェット Gennady Golovkin ゲンナジー・ゴロフキン プルオーバー ゆったり カジュアルおおきいサイズ 人気 服 四季 男女兼用 フード付き ベーシック グラフィックプリント
 
マニー パッキャオ (2)おしゃれ 多機能 弁当バック手提げ袋 軽量
 

 
【個人出版支援のFrentopia オンライン書店】送料無料で絶賛営業中!